1670KB - 和歌山工業高等専門学校

5 厚 生 補 導 関 係
厚生補導関係として、学生の自主活動や人格形成の立場から学生会活動、クラブ活動、女子学生
講演会、交通指導、進路指導等を行なっている。
5.1 学生会活動
学生会は、本校開校以来初めてとなる女性学生会長の杉野光彩(物質工学科5年)さんを中心に
年2回の校内体育大会、11月の高専祭、クラブ活動支援活動(会計や壮行会)や上海電機学院短期
留学生の歓迎行事などを実施した。
5.1.1 校内体育大会
校内体育大会は学生会が主催し、体育委員会が準備を行って
いる。例年最終種目として「クラス対抗リレー」と「学科対抗
綱引き」を実施することで多くの学生が最後まで全員が参加す
る大会となっている。
5月16日(火)に春季体育大会を、10月24日(火)に秋季体
育大会を実施した。春はあいにくの曇り空で、直前に大粒の雨
が降り出したため体育館での開会式となったが、学生の熱気に
押されるように雨も上がり、サッカー、ソフトテニス、みんな
クラス対抗リレー
でジャンプなど当初の予定通り9種目で熱戦が繰り広げられた。大会の最後は、クラス対抗リレー
と学科対抗綱引きが行われ、出場選手は大声援を受けて精一杯頑張った。熱戦の結果、電気情報工
学科4年が見事総合優勝に輝き、準優勝の環境都市工学科5年と共に上級生の貫禄を見せる結果と
なった。
秋は、前日までの雨でグラウンドコンディションは万全では無かったが、当日は爽やかな秋空と
なり体育大会を楽しむことができた。韮澤校長の挨拶に引き続
き、今夏の全国高等専門学校体育大会で優秀な成績を修めた5
名の学生に特別賞の表彰が行われた。その後、学生会長の杉野
光彩さんの挨拶をきっかけにサッカー、バスケットボール、バ
レーボール、卓球などの種目で熱戦が繰り広げられた。
熱戦の結果、機械工学科2年が217ポイントを獲得し、低学
年として初めて総合優勝の栄冠を勝ち取った。春季大会優勝の
みんなでジャンプ
電気情報工学科4年は6ポイント差で惜しくも準優勝となった。
5.1.2 高専祭
第41回高専祭が11月11日(土)
、12日(日)の2日間開催され、大勢の来訪客で賑わった。当日
は風が強くあいにくの天気となったが、朝から学生や家族連れが続々と訪れ、例年にも増して賑や
かなものとなった。
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吹奏楽部のオープニング演奏で始まった高専祭は、各クラス
の展示やクラブの模擬店、それに恒例となった「漢前(おとこ
まえ)コンテスト」や「大ビンゴ大会」
、
「高専祭ライブ」等で
盛り上がった。またグラウンドや体育館では、サッカー、ラグ
ビー及びバスケットボールのOB戦が行われ、久々に母校を訪
れたOBとの親交を深めた。
2日間とも風雨が強く、特に初日の夜には模擬店のテントが
風で飛ばされ多くのテント
を撤収せざるを得なかった。
どろんこのグラウンドでは
ラグビーのOB戦
そのため、屋外ステージのイベントを大幅に変更し、またテン
トの補強や模擬店を校内に移動させての営業といった最悪の状
況となったが、来場者や学生は本校最大のイベントに楽しい休
日を過ごした。学生達の粘り強さに拍手を送りたい。
趣向を凝らしたクラス展示
ステージで繰り広げられるイベント
献血車もフル稼働
5.2 クラブ活動
5.2.1 クラブリーダ−研修会
5月20日(土)に平成18年度クラブリーダー研修会を開催した。この研修会は、各クラブの学生
リーダーが一堂に会して、クラブ活動のあり方やリーダーの心構え等を学ぶことを目的に、毎年こ
の時期に開催されている。今回は学生会執行部から2名、体育系・文化系各クラブから26名のリー
ダー、計28名が参加した。
学生主事の挨拶に続いて、午前中はクラブの運営や長期休暇中の活動状況、そしてクラブ予算に
ついて話し合い、午後からは地元で接骨院を開業している西田和由氏を講師に迎え、スポーツテー
ピングの実技を学んだ。講座では足首、膝、肘などの部位についてのテーピングの説明を受けた後、
2人一組になって相互にテーピングを体験した。
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5.2.2 近畿地区高等専門学校体育大会および全国高等専門学校体育大会等
第43回近畿地区高等専門学校体育大会は、8月の全国大会を近畿地区7高専で分担開催するため、
その予選会を兼ねる地区大会においても7高専で数種目ずつ分担して開催した。本校は、14種目の
うち水泳、ソフトテニス、剣道の3種目を担当した。水泳競技は、和歌山県水泳連盟の指導と協力
を得て和歌山市の秋葉山プール(7月15日(土)
)で実施した。またソフトテニス競技(7月18日
(火)、19日(水)
)は、地元川辺スポーツ公園で実施した。初日は天候ももち予定通り実施できた
が、2日目は雨天のため本校の第1体育館と第2体育館に会場を移して、雨天用の日程に変更して
の大会運営となった。当日は和歌山県ソフトテニス連盟坂口全彦副会長に審判長をお願いした。さ
らに剣道競技(7月22日(土)
、23日(日)
)は、本校体育館で実施し和歌山県剣道連盟日高支部
長及び支部の方々に審判をお願いした。3競技とも関係クラブの担当教員、部員及び学生課職員に
よって準備運営され、無事終了できた。全国大会出場選手を表5.
1に示す。
第41回全国高等専門学校体育大会が8月上旬に近畿各地で開
催され、本校はサッカー競技を担当した。同競技は8月4日
(金)の開会式から8日(火)までの5日間の日程で紀三井
寺公園陸上競技場及び和歌山大学陸上競技場にて開催された。
サッカー部指導教員が1年前から準備を始め、和歌山県サッ
カー協会、全国高等専門学校体育協会サッカー競技専門部の指
導のもと大会運営を行なった。猛暑の中、5日間の開催期間中
学生補助員を予定数確保できず延べ80名の一般学生と3日目以
大会新記録で優勝の久瀬君
降は大会に出場したサッカー部員の協力を得て競技運営を行なった。また、手薄になった業務は、
サッカー部指導教員、厚生補導委員を中心とした教員、学生課・総務課の職員及び技術職員の臨機
応変な行動により補われた。当日は、台風接近の情報もあり開催が危ぶまれたが、進路がそれたた
め競技は多少の風の影響だけですみ、全体としても良い競技運営ができたと考えている。協力して
いただいた全ての方々に感謝したい。
近畿地区大会を勝ち抜き全国大会に進出した選手の結果を紹介する。
陸 上 競 技 の 部 で、砲 丸 投 げ の 久 瀬 大 祐 君 が 従 来 の 大 会 記 録(15m40cm)を 大 き く 上 回 る
15m93cmを出し見事な大会新記録で優勝に輝いた。また、久瀬君は円盤投げでも2位に入賞して
いる。柔道では強豪が揃う60kg級で近畿地区予選で優勝した杉本龍亮君(4年)が臨み、1回戦
は開始数秒で得意技の背負い投げで鮮やかに一本勝ちを収めた。2回戦では優勢勝ち、3回戦(準
決勝)では抑え込み(肩固め)による一本勝ちと順調に勝ち上
がった。決勝戦では終始優位に試合を進める堂々とした戦いぶ
りだったが、指導ポイント1をとられて惜しくも準優勝となっ
た。また、テニス競技では女子シングルスで伊藤由梨さんが、
女子ダブルスで伊藤・清水組がそれぞれ3位に入賞した。水泳
の藤井亮君は今年度も100mバタフライで2位に入賞した。彼
は、4年連続で全国大会上位入賞を果たしている。これらの学
柔道60kg級の杉本君
生には本校の特別賞が贈られた。
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表5.1 第43回近畿地区高等専門学校体育大会及び
第41回全国高等専門学校体育大会の主な結果
競技名・種目
近畿地区大会
全国大会
男子 200m
1位 3C 田和 昌樹
予選敗退
800m
4位 2A 中村 充志
予選敗退
1500m
3位 3C 上岡 孝浩
予選敗退
三段跳び
5位 5A 鷲村 祐司
予選敗退
砲丸投げ
1位 5C 久瀬 大祐
第1位
砲丸投げ
3位 2A 山本 将之
第7位
円盤投げ
1位 5C 久瀬 大祐
第2位
円盤投げ
4位 2C 稲葉 義昭
予選敗退
女子 100m
2位 1C 川畑 温子
第7位
800m
1位 1C 原田 奈実
第6位
800m
2位 1C 新名はるか
予選敗退
砲丸投げ
1位 1A 森口 芽依
棄 権
柔 道
男子 60kg級
1位 4C 杉本 龍亮
第2位
剣 道
団体
1位
予選敗退
卓 球
女子 シングルス
2位 1D 塩路 絢子
初戦敗退
女子 シングルス
1位 4C 伊藤 由梨
第3位
シングルス
3位 3C 清水 千恵
初戦敗退
ダブルス
1位 4C 伊藤 由梨
第3位
陸上競技
テ ニ ス
3C 清水 千恵
水 泳
サッカー
男子 100mバタフライ
1位 4C 藤井 亮
第2位
200m自由形
2位 4C 藤井 亮
棄 権
団体
開催校枠
初戦敗退
5.2.3 文科系クラブ
多くの文科系クラブは11月の高専祭での活動発表が主である
が、以下に年間を通して独自の活動を展開しているクラブを紹
介する。
吹奏楽部は、高専体育大会の壮行会での演奏、高校野球の応
援、卒業式の演奏と本校になくてはならない存在として活動を
展開している。同部では、第18回定期演奏会を11月25日(土)
に御坊市民文化会館大ホールを会場に開催した。この演奏会は
毎年この時期に開催しているものである。今回の演奏会は3部
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第18回吹奏楽部定期演奏会
で構成されており、第1部では「セレモニアル・マーチ」など4曲を現役部員の演奏で紹介した。
第2部ではOB、OGも加わって時代劇のテーマ3曲を披露した。最終の第3部では吹奏楽部顧問の
河地教員も演奏に参加して「パスク・ロマーナ」など3曲を熱演した。バラエティー豊かな熱のこ
もった演奏に大ホールに集まった観衆は聞き入っていた。
環境福祉ボランティアサークル「アメーバ」
(世話人物質工
学科4年本田君)は、本校周辺の海岸掃除をはじめ、里山の自
然林を守る活動を展開している。4月30日(日)の海岸掃除を
はじめ、定期的に活動している。
最大の活動は8月の夏合宿である。今回は8月9日(水)〜
11日(金)の2泊3日で学生、OBおよび教員合わせて15名が
参加した。宿泊場所はみなべ町千里観音宿泊所と印南町真妻で
あった。
4月の海岸掃除
合宿初日は、午後から本校裏の浜掃除を行った。その後みな
べ町千里観音宿泊所に移動し、自分たちで作った夕食を食べた。
夜は南部ウミガメ研究会の後藤氏の案内で千里ヶ浜でのウミガ
メの孵化の様子を観察した。合宿2日目は、昨年10月に行われ
た「未来の森づくり」イベントで植林した場所を訪れ、地元の
森林組合・中学生・ボランティア団体の人々と共に下草刈りの
作業を行った。この場所が自然の森にかえるには100年以上の
ウミガメについて学習する
歳月が必要かもしれないが、その手助けを行ったという充実感
を味わうことができた。
午後には印南町真妻に移動し、印南町森林組合の指導を受け
て間伐作業を行った。合宿3日目には、平成13年にアメーバが
印南町川又に植林した植林地の下草刈りを行った。伸び放題の
雑草を刈り進むと昨年度よりもかなり背の伸びた木々が現れて
植林地らしい景観になった。
3日間盛りだくさんの内容を経験し、参加者は自然を守るこ
との意義を十分感じることができた合宿であった。
間伐作業の合間に記念撮影
学校裏の浜掃除で集めたゴミ袋の山を前に
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5.3 ロボットコンテスト、プログラミングコンテスト、
デザインコンペティション
アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト2006近畿地区大会は、10月22日(日)に大
阪府立高専の担当で四条畷市立市民総合体育館において開催され、近畿地区の高等専門学校7校14
チームが出場し、熱戦を繰り広げた。本校からは、Aチーム:
「ウメタロウ」とBチーム:
「清姫」
が出場した。
今年は、
「ふるさと自慢特急便」という課題で、地域の人た
ちの協力を得て製作したふるさと自慢のオブジェをロボットに
載せて、様々な障害(堀、シーソー、5本のスラローム、縄
跳び)を克服しながら、ゴールまで運ぶ速さを競う内容である。
障害の中には、ロボットが縄跳びをするシーンもあり、今まで
のロボコン大会で最も難しい課題となっている。ウメタロウ
チームは巨大な梅干を地元梅干組合とプラスチックメーカーに
シーソーを渡る「ウメタロウ」
製作していただいた。清姫チームは道成寺のオブジェをヒノキ
材でOBに製作していただいた。
会場では各チームのロボットが悪戦苦闘の中、オブジェを見事ゴールさせるたびに大歓声が上
がった。本校Aチームのウメタロウは2回戦でマシントラブルのため惜しくも敗退したもののアイ
デア賞と特別賞を受賞し、11月26日(日)に両国国技館で行われる全国大会への推薦を得ることが
できた。
第19回の全国大会は、11月26日(日)に東京両国の国技館で
開催され、本校チームのロボット「ウメタロウ」が準優勝に輝
いた。準優勝は本校にとって過去最高の成績である。今大会は
各地区大会での優勝校と審査員によって選抜された計25チーム
がアイデアと技術力を競った。本校チームは2回戦第1試合に
登場して1分27秒の好タイムでふるさとオブジェの梅干をゴー
ル(ふるさとゴール)した。3回戦以降も1分35秒、1分33秒
とふるさとゴールを決めて勝ち進んだ。準決勝では縄跳びの自
声援に応える選手達
動ロボットにマシントラブルが発生したが、相手の失格から決
勝に進んだ。決勝では強豪の詫間電波高専との対戦となり、残念ながら敗退した。
本校チームのメンバーは、ロボコン部員で電気情報工学科3年白井渉君、同学科2年西村将人君、
機械工学科2年小山佳祐君の3選手である。応援団は和歌山駅から夜行バスで参加した一般学生と
教職員、国技館に直接応援に来ていただいた保護者や関東在住
のOB等の計48名で、梅干協会から借り受けた梅のハッピを着
て精一杯の応援をした。
また、第17回全国高専プログラミングコンテストの競技部門
にコンピュータ部のメンバーが参加したが、実力を発揮できな
かった。
さらに、3番目のイベントに全国高等専門学校デザインコン
デザコン 競技風景
ペティション(略称デザコン)がある。環境都市工学科のチー
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ムが、11月17日(金)
、18日(土)に宮崎県都城市内で開催されたデザコンに参加し好成績を収め
た。このコンペティションは構造デザイン、環境デザイン、プロポーザルの3部門があり、本校
チームは構造デザイン部門に参加した。
参加したのは環境都市工学科4年のチー君(ベトナムからの留学生)
、同科3年の玉置壮一朗君、
高橋泰道君の3名である。競技は、各チームが製作した支間1mの橋梁模型の耐荷性能を競うもの
で、材料は直線状の木材、竹ひご、木工用接着剤および凧糸で、総重量が200g以内に制限されて
いる。
全国から参加した50チームが予想耐荷質量と実測値で橋の強度を競い、本校の「V Bridge」の
予想耐荷質量は200kgと優勝候補の一角を占め、注目を集めた。結果は実測値が予想値を大きく上
回る300kgを示し、橋の自重の約1500倍まで耐えることを示した。50チーム中、第3位の耐荷質量
である300kgに耐えた瞬間会場からは大きな拍手が起こった。総合成績では予想値と実測値との差
が大きかったことが響き、第9位となった。本校は今回初出場であったが大健闘し、会場を大いに
盛り上げた。
5.4 講演会
6月29日(木)に恒例となっている女子学生対象講演会を開催
した。今回は日高町在住の田渕福美氏を講師に招いて「日本を楽
しむ和の文化〜きもののルーツと美しい所作」をテーマに講演が
行われ、本校教職員を含めて女性72名が参加した。田渕氏は厚生
労働省・全日本現代作法協会で認定されている正師範・助教授で、
生け花、お茶、作法、着付け等の教室を開いている。
講演で田渕氏は、訪問先の玄関での入り方、お客さんへのお茶
の出し方、テーブルマナーや冠婚葬祭の基本等、日常生活の種々
講演する田渕氏
の場面を想定し、それぞれの場面に合った美しい所作を実際の道具を用いて分かりやすく学生に示
した。講演が終わると聴講した学生からは「先生は全体的に美しいだけではなく、指先までも美し
い」と言った声が漏れる等、参加者は有意義な講演に聴き入っていた。
また、例年女子学生対象講演会で実施してきた性感染症の講演を、女子に限定するのではなく男
子学生にも必要であると考え、今年度は12月7日(木)に3年生160名を対象として『心とからだ
大切に—「性感染症」について—』と題し本校の小川看護師に依頼した。
内容は、自分の体の事を知り、生「生命を維持する生き物」という事と、性「体が成長して行く
事」について、最近若者の間で爆発的に増加している性感染症を通して解説したものだった。生
命を維持し、成長していく為に人間の体ではホルモンという特殊な化学物質が重要な働きをしてい
る。子供から大人へ気持ちや体が変化して行くことを示しながら、男女の性ホルモンについて話し
た。次に、現在かなりの流行期と言われている性感染症について、種類別、年度毎に事例件数を表
で示し説明した。性感染症の主な病名を10例挙げ、その各疾病に対して原因と症状と治療法を説明
し、一番大切なことは予防であるとした。
まとめとして、あなた方の体に起ころうとしている出来事に対して、もっと関心をもって欲しい。
自分を偽って相手と関わりを持たないで欲しい。この世にたった一人しかいない存在、たった一度
しかない人生を悔いのないように生きてほしいと強調した。
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5.5 交通安全
5.5.1 交通講話
5月18日から6月8日にかけて2 〜 5学年を対象に交通講話(1時間)を実施した。
本校ではバイク及び自動車での通学を許可制としているが、毎年交通事故や交通違反が多く発生
している。この講話は交通事故を少しでも減らすことや、他人に迷惑をかけないことを目的に毎年
この時期に実施している。
講話では学生主事が最近の道路交通法の変更点、校内での規則、昨年度の違反や事故状況などを
説明し、交通安全を心がける運転をして欲しいと呼びかけた。
その後学年により内容が異なった交通安全に関するビデオを視聴し、交通事故ゼロへの取組みを
進めた。なお講話のスケジュールは、6月8日(木)に2学年、5月18日(木)に3学年、5月30
日(火)に4学年、5月25日(木)に5学年で実施した。なお、1学年については4月に行われた
高専生活を送る上での必要な事柄や校則についての解説の中で触れている。
5.5.2 二輪車安全運転講習会
6月26日(月)に二輪車での通学を許可している2、3年生を対象に、御坊自動車学校を会場と
して二輪車安全運転講習会を実施した。
時折雨が降るあいにくのコンディションの下で、15時00分からの第1班(参加11名)と16時30分
からの第2班(参加17名)の2つのグループに分かれて講習を
行った。受講生は、最初に教室で安全運転に関する講義を受け
た後、グループに分かれて運転練習を行った。その後一人ずつ
に運転技能診断試験を実施した。狭く曲がった通路を走るスラ
ローム走行や幅30cmの橋の部分をゆっくり走行する一本橋走
行等の課題に、緊張のあまり走路を間違ってしまったり、一本
橋をゆっくり走りすぎて落ちてしまったり等のミスもあったが、
全体的には運転技術は優秀との講評を得た。今回の講習が学生
一本橋を渡る受講生
の交通安全に繋がることを願っている。
5.6 補導
厚生補導委員会で18年度に審議対象となった補導件数は112件(交通関係73件、喫煙及び夜間外
出28件、その他11件)で、前年度(111件:交通関係79件、喫煙及び夜間外出14件、その他18件)
と比較した場合、良く似た結果と思われる。停学を含む校長訓告以上の重い補導件数は17件で、17
年度の27件と比べると減少している。交通関係には、事故や違反と無断持込等の校則違反が含まれ、
多くは校門指導時に発見された校則違反である。今回の交通事故件数は8件で、前年の9件とほぼ
同数であった。特に、重大な怪我などがなかったことは不幸中の幸いであった。喫煙及び夜間外出
は、前者では14件から9件に減少し、後者が大きく増加した。これは寮生が近くのコンビニへ集団
で10時以降に行き補導されたことが大きく影響している。このことは全校集会において全生徒に指
導し、また学寮においても指導した。
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その他には万引きや試験での不正行為が含まれる。前年度に比べて減少してはいるが、このケー
スは補導された学生の精神的要因も考慮する必要があり、デリケートではあるが完全になくすべく
指導を続けていくつもりである。
5.7 修学支援
修学支援として、日本学生支援機構の奨学金をはじめ各種奨学金の便宜を図り、約80名の学生が
貸与を受けている。また、授業料免除は、授業料等の免除及び徴収猶予委員会において適正に審査
を行い、予算の不足額については国立高等専門学校機構本部に申請手続きを行なっている。
また、本年度から本校独自の制度として後援会中津奨学金制度がスタートした。勉学意欲が強く、
卒業する意志のある学生を上記委員会にて選考し、後援会長に推薦した。最終的に、前期4名、後
期5名の学生に授業料相当額の貸与が行なわれた。
5.8 進路指導関係
昨今の景気回復の波に乗って卒業生の就職活動の時期が早まってきている。卒業生・修了生は本
科が169名、専攻科が23名で、このうち本科100名、専攻科16名が企業に就職している。公務員試験
は比較的遅い時期にあるが、今年度は本科生4名が合格した。
進学は本科生で56名、うち本校専攻科に15名が進学し、他の国公立大学の3年次へ41名が編入学
した。専攻科では6名の学生が大学院へ進学した。
景気回復の影響も大きく、求人企業数は本科及び専攻科とも前年度に比べ大幅に増加している。
環境都市工学科と物質工学科は約40 〜 50社増であるが、機械工学科と電気情報工学科では100社以
上の増加である。高専生獲得を希望する企業も多く、卒業生の社会での活躍が大きな要因のひとつ
と考えられる。
平成18年度卒業生の進路
卒業生
企業就職
公務員
進 学
その他
求人企業数
求人倍率
機械工学科
42
29
0
12( 4)
1
538
17.9
電気情報工学科
43
24
0
15( 2)
4
541
22.5
物質工学科
42
23
1
16( 7)
2
276
11.0
環境都市工学科
42
24
3
13( 2)
2
214
7.6
本科合計
169
100
4
56(15)
9
1569
14.7
メカトロニクス工学専攻
12
10
0
2
0
139
13.9
エコシステム工学専攻
11
6
0
4
1
67
11.2
専攻科合計
23
16
0
6
1
206
12.9
( )内は専攻科進学者内数
35
5.9 自己点検結果
学生会は学生会長を中心に校内体育大会や高専祭を確実に運営している。学生会活動における予
算の健全化として、学生会費の収入とそれに見合った支出を念頭に、企画やクラブ援助費の決定を
するよう指導した。夏休みなどの長期休暇中の課外活動については、学寮と連携した形で指導体制
ができた。積極的なクラブ活動や高専ロボコンへの参加意欲が低下してきていると感じる一方で、
ボクシング同好会の新設やデザコンの全国大会出場などの動きがあった。今年度は高専ロボコンで
の大活躍が挙げられる。全国大会準優勝は特筆すべき成果であり、今後の自主活動活発化に繋げた
いものである。学生の自主活動の支援については、その重要性を認識して教職員全体としての支援
体制の検討が必要である。
今年度は近畿地区高等専門学校体育大会の主管校として、水泳、ソフトテニス、剣道の3種目を
担当した。関連クラブの指導教員を中心として多くの教職員の協力を得て、無事に実施する事がで
きた。さらに、8月の全国高専体育大会のサッカー競技を運営した。長期休暇中の大会で学生補助
員の確保の問題、本校と会場が遠く離れていること、熱さ対策等、多くの課題の中、協力していた
だいた学生補助員、教職員の活躍により、無事日程を消化させて成功裡に終わる事ができた。これ
らのことは本校の組織力を示したものと考える。
女子学生対象講演会は、これまで年2回ずつ実施してきた。本年度は方針を一部変え、第1回目
は外部講師の田渕福美氏により女子学生対象とし、2回目は女子に限定せず男子学生を含めた講演
を本校の小川看護師に依頼した。具体的には3学年160名に「心とからだ大切に」と題した講演を
実施した。今後もテーマにより男子学生を含めた講演活動として、より充実させる必要があると考
える。
交通安全については、死亡事故を二度と繰り返さないため、学生達にその事実を忘れないよう安
全運転を強調している。通学等で車両の利用を許可しているからには指導を徹底しなければならず、
そのため定期的に校門に厚生補導委員が立ち、朝の交通指導も実施している。今年度は大きな事故
が無かった。本校の立地の都合上、車両の使用を無くすことが出来ないため、交通安全にはこれま
で通り重点的な指導が必要である。また、若者のマナー等が時代と共に変化しているため保護者と
の連携がますます重要となってきた。
補導については、校長訓告以上の指導について、二度と繰り返さないよう保護者同席の上で行
なっている。また、学生本人には反省文も課している。今回、夜間外出での集団補導の件をふまえ
て全校集会時に全生徒に直接指導を行なった。
進路指導については、年々就職活動時期が早くなってきている。そのため、4年生の保護者を
対象とした進路指導説明会を12月に実施して進路情報を説明している。学生には、4年次でのイン
ターンシップ(学外実習)を契機に、自分の進路を真剣に考えさせるように進路調査を実施した。
本校は技術者育成の教育機関であるから、入学時から意識的に進路情報を学生に伝え、指導してき
ている。その最終段階として、4年次に行う学外実習と進路指導説明会は時期と内容について妥当
と考えている。
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