番組サイトを活用した実践事例(6) 第2学年 音楽科「まちかどドレミ」 目黒区立田道小学校 1.実践の概要 田端 芳恵 を通じて友達とかかわり合う喜びを得、集団の中での人 間関係を育んでいくことを意図して、番組オリジナルの 音楽は2年生より専科担任によって学習が行われてい 教材や子どもたちによく知られている曲や世代を超えて る。集団の中で豊かな表現力を伸ばすことを目指して学 愛されている曲が取り上げられている。こうした番組構 級活動の時間に位置づけ、番組を選択しながら視聴して 成により、子どもたちは自分たちの知らない多彩な音楽 いる。尚、選択する視点としては四季に親しんでいるも に触れ、音楽活動に対する興味・関心を高めることがで の、視聴後学級全体として楽しく活動できるものとして きた。また、集団で歌ったり演奏したり踊ったりする活 いる。年間6本程度である。 動を通して友達とのかかわり合いが深まった。 (1)ねらい (3)活動の実際 ○音楽を楽しみながらコミュニケーション能力を高める。 ○歌う・聞く・身体を動かす、演奏するなどのさまざま な音楽活動を通して集団の中で積極的に自分の気持ち A本時のねらい ・身の回りの音に耳を傾けていろんな音を探すととも に、自分のオリジナルの楽器作りに取り組む。 B番組活用のねらい を表現することの楽しさを体験する。 単元「耳をすまして」において秋を楽しむ学習への導 (2)番組について 入とする。 番組は子どもたち一人一人の心の中にある音楽の町を イメージし、不思議な「まちかど」の仲間と一緒に歌っ 活用番組名 『耳をすまして』 番組内容 ・生活の中の音をじっくり聞き、自分の たり楽器を演奏したりしながら「リズム遊び」や「歌遊 び」 「身体表現」などを楽しく行っている。さらに、音楽 気に入った音を探す。 ・身の回りのものを使って自分自身の楽 器を作り、音色を楽しむ。 C 本時の流れ 学習過程 児童の活動 1.本時のねらいを知る 2.番組を視聴する ◇番組テーマ曲が流れると体を動かして反応していた。 ◇親しみのある曲が流れると共に元気よく歌った。 ◇音作りの場面では机をたたいたり、身の回りにあるもので拍子を とったりと番組内容に沿って活動する姿が見られた。 3.番組サイトを活用し、秋の歌を歌う ○視聴後、番組に対する感想を述べたり内容についてふり返ったり した。 ○歌集や番組サイトからダウンロードした歌詞カード( T が用意) を活用し、秋の歌を歌う。「むしのこえ」「大きな古時計」「おえ かきロックの歌」など。 030 Digi-pro ○番組内で歌われていた「ロックのえかきうた」をサイトから呼び 出し、教師用のコンピュータでプロジェクターを使い大画面に投 影し、一斉に視聴した。 4.身の回りのものを使って、簡単な楽器作 ○教師が番組サイト内の「うた・あそびのしょうかい」を一斉提示 した。 りをする ◇子どもたちは番組サイトを視ながら番組で行われていた活動を思 い起こし、身近なものを楽器に見立てて音づくりに励んでいた。 鉛筆や定規をたたく、こする ペットボトルの中にビー玉を入れてふる ペットボトルをものでこする 新聞紙を勢いよくならす 新聞紙に穴をあけて笛のようにならす ゴムをはじく 箱やゴミ箱をならす など ○身近なもので音づくりが楽しめることを確かめた。 (4)実践を終えて て分かりやすいものにしてほしい。 ○本学級の子どもたちは1年生から視聴しており、今年度 ○「おたより」のコーナーはロックのお絵かき歌の投稿 も番組キャラクターが同じということで、親しみをも 欄となっているのだが、直接子どもたちや教師の声が って視聴し楽しんでいる。自分たちのよく知っている 書き込めるような部分があってもいいと思う。 歌はもとより、オリジナルの主題歌や番組でよく流れ る歌なども元気よく一緒に歌っている。 ○歌遊びや楽器遊びなどのヒントを番組から得て、表現 活動を楽しんでいる。 ○サイトの内容は「トップページ」「ほうそうよてい」 「うた・あそびのしょうかい」「とうじょうじんぶつ& ドレミタウンしょうかい」「おたより」となっている。 子どもたちが見ることを意識してサイトは作られてい る。授業の中では、 「うた・あそびのしょうかい」ペー ジを見せて番組内容をふり返ったり、活動のヒントを 与えたりすることに使っている。 また、今回の歌をもう一度番組サイトから呼び出し、 子どもたちと共に歌うこともある。教師は事前にサイ トを開き、番組テキストと合わせて流れを把握するた めの資料として活用している。例えば歌詞をサイトか ら取り出し、歌う時に活用している。 (5)サイトへの要望 ○番組で流れた曲の楽譜を載せたり、関連する歌(たと えば季節の歌のコーナーなど)があると学習に広がり をもたらすことができると思う。曲名は示されている が楽譜が出てきたり音が聞けたりすればなおよい。 ○現在ほとんどが静止画になっているが、歌遊びのコー ナーが動画で視られると活動の様子がよく分かり参考 にできる。また、言葉での説明もあるのだが、文章量 があり、子どもだけでは意味をつかみきれないことが 多い。コンテンツには文だけでなく絵を入れるなどし 031
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