LINDA LIU & GROUP 特別号 2009年第6期 2009年6月 特許権紛争事件の審理における法律適用の若干の問題に関する 最高裁判所の解釈(意見募集稿) 翻訳者 林達劉(北京)翻訳株式会社﹡ 陳 潔 特 許 権 侵害に 係 る 紛 争事 件 を 正 しく 審 理す るた め に、「中華 人 民 共和国 特 許 法」、「中 華 人民 共 和 国 民 事訴訟法」等の関係法律の規定に基づき、裁判の実情を参酌して、本解釈を定める。 第1条 発明又は実用新案特許権の保護を求める権利者は、その主張する請求項を明確にしなければ な ら な い。裁 判 所 は、権 利 者が 主張 す る 請求項 に 基づ き、特許 法第5 9 条第 1項 の 規定 に照 ら して 特許 権 の 権 利 範 囲 を 特 定 す る。権 利 者 が、第 一 審 の 法 廷 弁 論 が 終 わ る ま で に そ の 主 張 す る 請 求 項 を 変 更 す る 場合、裁判所はその変更を認めるものとする。 第 一 審 の 判 決 前 に、権 利 者 が 主 張 す る 請 求 項 が 無 効 と さ れ、特 許 権 が そ の 他 の 請 求 項 に よ り 有 効 と さ れ、権 利 者 が 当 該 そ の 他 の 請 求 項 に 基 づ い て 特 許 権 の 権 利 範 囲 を 特 定 す る よ う 請 求 す る 場 合、裁 判 所 はその請 求 を 認めるものとする。上述の 無効 事情が 第一 審の判 決後、第二審の 判決前 に発 生した もの で あ り、権 利 者 が、第 一 審 で 主 張 し て い な か っ た 請 求 項 に 基 づ い て 特 許 権 の 権 利 範 囲 を 特 定 す る よ う 請 求 す る 場 合、第 二 審 の 裁 判 所 は 当 事 者 自 由 意 志 主 義 に 基 づ い て、そ の 新 た に 主 張 さ れ る 請 求 項 に つ い て 調 停 を 行 う こ と が で き る。調 停 が 成 立 し な い 場 合、権 利 者 に 別 途 提 訴 す る よ う 通 知 す る。権 利 者 が す で に 主張した請求項について、第一審の裁判所が裁判しなかった場合、第二審の裁判所は、当事者自由意志 主 義 に 基 づ い て 調 停 を 行 う こ と が で き る。調 停 が 成 立 し な い 場 合、裁 判 を 差 し 戻 す。た だ し、裁 判 さ れ な かった請求項が侵害の判断に影響を及ぼさない場合は除く。 権利者が、従属請求項に基づいて特許権の権利範囲を特定するよう主張する場合、裁判所は、その従 属 請 求 項 の 付 加 要 件 及 び そ の 従 属 す る 請 求 項 の 構 成 要 件 に 基 づ い て、特 許 権 の 権 利 範 囲 を 特 定 す る も のとする。 第 2 条 裁判 所 は、当業 者 の立 場か ら 明 細書及 び 図面 等を 読ん で理解 した 請 求項 の 内容 に基 づ い て、 * 林達劉(北京)翻訳株式会社は、劉新宇博士により2004年8月に設立され、北京市工商行政管理局に登録された合法的な翻訳会社 です。当会社の前身は北京林達劉知識産権代理事務所の翻訳部であり、今は林達劉グループ(北京林達劉知識産権代理事務所、 北京魏啓学法律事務所と林達劉(北京)翻訳株式会社が含まれる)に属す。長期に亘って知的財産及び法律関連分野の翻訳業務に 従事してきたため、知財関連分野における豊富な実務経験を有するとともに、知財関連分野の翻訳において独特な見方を持ってい る。 Website: http://www.lindaliugroup.com Email: [email protected] 1 LINDA LIU & GROUP 発明又は実用新案特許権の権利範囲を特定するものとする。当業者の立場から理解した 請求項の内容 が、請 求 項 の 文 面 の 意 味 と 異 な る 場 合、当 業 者 の 立 場 か ら 理 解 し た 請 求 項 の 内 容 に 基 づ い て、特 許 権 の権利範囲を特定する。 特 許 権 の 権 利 範 囲 は、 特 許 の 発 明 の 目 的 と 一 致 し な け れ ば な ら ず、 特 許 の 解 決 し よ う と す る 従 来 の 技術の欠陥又は問題点を持つ発明を包含してはならない。 第 3 条 裁 判 所 は、明 細 書 及 び 図 面、特 許 請 求 の 範 囲 に お け る そ の 他 の 請 求 項、特 許 審 査 書 類 を 用 い て 請 求 項 の 関 係 内 容 を 解 釈 す る こ と が で き る。明 細 書 に は、請 求 項 の 用 語 に つ い て 特 別 な 説 明 が あ る 場 合、そ の 特 別 な 説 明 を 請 求 項 の 用 語 の 意 味 と す る。上 述 の 方 法 に よ っ て も 請 求 項 の 用 語 の 意 味 を 判 断 す る こ と が で き な い 場 合、辞 書、教 科 書 等 の 公 知 文 献 及 び 当 業 者 の 通 常 の 理 解 を 参 酌 し て 解 釈 す ることができる。 第4条 特許法第59条に規定する「発明又は実用新案特許権の権利範囲」は、請求項に記載の構成 要件により特定される範囲を含む。権利者が、特許権の権利範囲に、均等な要件により特定される範囲 が 含 ま れ て い る と 主 張 す る 場 合、裁 判 所 は、そ の 均 等 な 要 件 に 基 づ い て 特 許 権 の 権 利 範 囲 を 特 定 す る ものとする。 前 項 に い う 均 等 な 要 件 と は、請 求 項 に 記 載 の 構 成 要 件 と 基 本 的 に 同 一 の 手 段 に よ り、基 本 的 に 同 一 の 機 能 を 実 現 し、基 本 的 に 同 一 の 効 果 を 達 成 す る も の で あ っ て、当 業 者 が 侵 害 行 為 の 発 生 時 に 創 造 的 な努力をせずとも思い付く技術的事項をいう。 第 5 条 請 求 項 に は、機 能 又 は 効 果 に よ り 表 現 さ れ る 構 成 要 件 が あ る 場 合、裁 判 所 は、明 細 書 及 び 図 面 に 記 載 さ れ た 当 該 構 成 要 件 の 実 施 形 態 及 び そ の 均 等 形 態 に 基 づ い て、当 該 構 成 要 件 の 内 容 を 特 定するものとする。 第 6 条 特 許 請 求 の 範 囲 に 記 載 さ れ て お ら ず 明 細 書 又 は 図 面 の み に 記 載 さ れ た 発 明 に つ い て、権 利 者 が 特 許 権 侵 害 訴 訟 に お い て 特 許 権 の 権 利 範 囲 に 当 該 発 明 が 含 ま れ て い る と 主 張 す る 場 合、裁 判 所 はその主張を認めない。 第7条 特許の権利化又は無効審判の手続きにおいて、特許出願人、特許権者が自ら又は審査官の 要 求 に 応 え て、請 求 項 に 対 し 限 縮 的 な 補 正 又 は 説 明 を 行 っ た が、権 利 者 が 特 許 権 侵 害 訴 訟 に お い て、 特許権の権利範囲に当該放棄された発明が含まれていると主張する場合、裁判所はその主張を認めな い。 第 8 条 裁判 所 は、侵害 被 疑 物 件が 特 許 権 の権 利 範 囲 に 属 す か 否 かを 判 断 す ると き、権 利者 の 主 張 する請求項に記載されたいずれの構成要件を無視してはならない。 侵害被疑物件が、請求項に記載されたすべての構成要件と同一又は均等なものを含む場合、裁判所 は 侵 害 被 疑 物 件 が 特 許 権 の 権 利 範 囲 に 属 す と 認 定 す る も の と す る。 侵 害 被 疑 物 件 の 構 成 要 件 を 請 求 項に記載のすべての構成要件と比較して、請求項に記載の構成要件の一つ以上が欠如するか、又は一 2 LINDA LIU & GROUP つ 以 上 の 構 成 要 件 が 同 一 で も 均 等 で も な い 場 合、裁 判 所 は 侵 害 被 疑 物 件 が 特 許 権 の 権 利 範 囲 に 属 さ ないと認定するものとする。 第 9 条 裁 判 所 は、意 匠 特 許 に 係 る 製 品 と 同 一 又 は 近 い 種 別 の 製 品 に 施 さ れ た 、登 録 意 匠 と 同 一 又 は 類 似 の 意 匠 に 基 づ い て、特 許 法 第 5 9 条 第 2 項 に 規 定 す る「意 匠 特 許 権 の 権 利 範 囲」を 特 定 す る も の とする。 製 品 の 種 別 が 同 一 又 は 近 い も の の、侵 害 被 疑 意 匠 と 登 録 意 匠 と が 同 一 で も 類 似 で も な く、又 は 侵 害 被 疑 意 匠 と 登 録 意 匠 と が 同 一 又 は 類 似 で あ る も の の、製 品 の 種 別 が 同 一 で も 近 く も な い 場 合、裁 判 所 は、侵害被疑意匠が意匠特許権の権利範囲に属さないと認定するものとする。 第 1 0 条 本 解 釈 第 9 条 に い う 同 一 種 別 の 製 品 と は、用 途 が 同 一 の 製 品 を い い、近 い 種 別 の 製 品 と は、用途が近い製品をいう。 裁 判 所 は、国 際 意 匠 分 類 及 び 意 匠 の 説 明 に 記 載 の 製 品 の 名 称、用 途、並 び に 製 品 の 販 売、使 用 の 実情等を参酌して製品の用途を判断することができる。 第11条 裁判所は、意匠の類否判断を行うとき、意匠特許に係る製品の関係公衆の知識レベル及び 認知能力を基準とするものとする。 前 項 に い う 関 係 公 衆 と は、形 状、模 様、色 彩 の 細 か い 変 化 に 気 付 か な い が、登 録 意 匠 に 関 連 す る 創 作 の 状 況 に つ い て 常 識 的 な 認 識 を 持 っ て い る と と も に、異 な る 意 匠 の 形 状、模 様、色 彩 の 相 違 に つ い て ある程度の識別力を有する者をいう。 第12条 裁判所は、意匠の類否 判断を行うとき、意匠の全体の視 覚的効果に基づき、意匠特許権の 権 利 範 囲 に 含 ま れ た す べ て の 創 作 の 特 徴 を 総 合 的 に 考 慮 す る も の と す る。た だ し、製 品 の 技 術 的 な 機 能 を 実 現 す る た め に 採 用 で き る 唯 一 の 意 匠 の 特 徴 及 び 製 品 の 材 料、内 部 の 構 造 等 の よ う な、全 体 の 視 覚的効果に影響を及ぼさないものは、考慮すべきでない。 全 体 の 視 覚 的 効 果 が、関 係 公 衆 に 侵 害 被 疑 意 匠 と 登 録 意 匠 と を 混 同 さ せ る 場 合、裁 判 所 は 侵 害 被 疑意匠が登 録意匠に類 似すると認定するもの とする。侵害被疑意匠 が登録意匠 の創作の要 点を含まな い場合、全体の視覚的 効果が関係 公衆に侵害 被疑意匠と登録意匠とを混同させるおそれがないと認定 するものとする。 前 項 に い う 創 作 の 要 点 と は、登 録 意 匠 の、従 来 の 意 匠 と 比 較 し て 関 係 公 衆 に 顕 著 な 視 覚 的 影 響 を 与 え得る創作の特徴をいう。裁判所は、意匠の説明を参考にして創作の要点を判断することができる。 第13条 特許製品を組み立てる行為に対して、裁判所は特許法第11条、第69条にいう「製造」に該 当すると認定するものとする。ただし、製品が通常、部品セットの形で外部へ販売され、 販売者や使 用者 により組み立てられる場合は除く。 特定の包装物に関する意匠特許製品を回収して同一又は近い種別の製品に用いる行為に対して、 裁 3 LINDA LIU & GROUP 判所は特許法第11条、第69条にいう「製造」に該当すると認定するものとする。 第14条 発明又は実用新案特許権を侵害した製品を他の製品の部品として当該他の製品を製造す る 行 為 に 対 し て、裁 判 所 は 特 許 法 第 1 1 条、第 6 9 条 に い う「使 用」に 該 当 す る と 認 定 す る も の と す る。当 該 他 の 製 品 を 販 売 す る 行 為 に 対 し て、裁 判 所 は 特 許 法 第 1 1 条、第 6 9 条 に い う「販 売」に 該 当 す る と 認 定するものとする。 意匠特許権を侵害した製品を他の製品の部品として当該他の製品を製造かつ販売する行為に対し て、裁判所は特許法第11条、第69条にいう「販売」に該当すると認定するものとする。 第1項と第 2項にいう行為を侵害 被疑者が 分 担協力して行った場合、裁判所は 特許法第 11条、第69 条 に い う「製 造」に 該当 す ると 認定 す る ものと す る。侵害 被 疑 者 が、侵 害製 品の 合 法 的な由 来 を 示 さな い か、又 は 示 し た 侵 害 製 品 の 合 法 的 な 由 来 が 真 実 で な い 場 合、裁 判 所 は 特 許 法 第 1 1 条、第 6 9 条 に い う 「製造」に該当すると認定するものとする。 第 1 5 条 特許方法により得られる最初の製品に対して、裁判所は特許法第11条、第69条にいう「特 許方法により直接得られた製品」に該当すると認定するものとする。 当 該 最 初 の 製 品 を さ ら に 加 工、処 理 し て 後 続 製 品 を 得 る 行 為 に 対 し て、裁 判 所 は 特 許 法 第 1 1 条 に い う「特許方法により直接得られた製品」に該当すると認定するものとする。 第16条 関係製品が、特定の発明または実用新案特許の実施のみに用いられる原材料、中間製品、 部 品、設 備 等 で あ る こ と を、行 為 者 が 知 り な が ら、そ れ を、特 許 権 侵 害 行 為 を 実 施 す る た め の も の と し て 第三者 に提 供し、権利 者が当 該行 為者と第三 者とともに民事責 任を 負うと主 張 する場合、 裁判所 はそ の 主 張 を 認 め る も の と す る。当 該 第 三 者 の 実 施 が 生 産 経 営 を 目 的 と し な い が、権 利 者 は 当 該 行 為 者 が 民 事責任を負うと主張する場合、裁判所はその主張を認めるものとする。 第17条 発明又は実用新案の特許権侵害訴訟の侵害被疑者が従来技術の抗弁を行い、侵害被疑物 件 の、特 許 権 の 権 利 範 囲 に 属 す と 訴 え ら れ た す べ て の 構 成 要 件 が、1 件 の 従 来 技 術 の 構 成 要 件 と そ れ ぞれ同一 又 は均等 の場 合、裁判所 は、特許法 第62条に規定する「侵害被 疑者 が、その実施した技 術 又 は意匠が従来の技術又は従来の意匠であることを証明できる場合」に該当すると認定する。 侵害被疑者が、すでに公開された拡大先願を もって侵害に該当しないと主張する場合、裁判所は前項 の規定を参照、適用することができる。 第 1 8 条 意 匠 特 許 権 侵 害 訴 訟 の 侵 害 被 疑 者 が、従 来 意 匠 の 抗 弁 を 行 い、侵 害 被 疑 意 匠 が、1 件 の 従来技術における製品の意匠と同一又は類似の場合、裁判所は、特許法第62条に規定する「侵害被疑 者が、その実施した技術又は意匠が従来の技術又は従来の意匠であることを証明できる場合」に該当す ると認定する。 侵害被疑者が、すでに公開された拡大先願を もって侵害に該当しないと主張する場合、裁判所は前項 4 LINDA LIU & GROUP の規定を参照、適用することができる。 第19条 侵害被疑者が不法取得した技術又は意匠をもって先使用権の抗弁を行う場合、裁判所はそ の抗弁を認めない。 次 の 各 号 の 一 つ に 該 当 す る と き は、裁 判 所 は 特 許 法 第 6 9 条 第(2)号 に い う「製 造、使 用 の た め に 必 要な準備をした」に該当すると認定するものとする。 (1)発明創造を実施するために要する主な技術的図面又はプロセス資料を完成させた場合。 (2)発明創造を実施するために要する主な設備又は鋳型を製造又は購入した場合。 特 許 法 第 6 9 条 第 ( 2 ) 号 に い う「従 前 の 範 囲」に は、特 許 出 願 日 以 前 に す で に あ る 生 産 規 模 と、す で に ある生産設備を利用して又はすでにある生産設備に基づいて達成できる生産規模とが含まれている。 先 使 用権 者が 特 許出 願日 以 降 に、そ の実 施 中の 若 しく は実 施 のた めに 必 要 な準備 を し た 技術 又 は 意 匠 を 他 人 に 譲 渡 若 し く は 実 施 許 諾 を し、か つ 当 該 実 施 行 為 が、従 前 の 範 囲 内 の 継 続 実 施 に 該 当 す る と 主 張 す る 場合、裁 判 所は そ の 主 張を 認 め な い。た だ し、当該 技 術 又 は 意 匠 が 元 の 企 業 と と も に 譲 渡 若 し くは相続された場合は除く。 第20条 特許権者の同意を得て、特許が国家、業界又は地方の基準制定組織により発表された基準 に 導 入 さ れ、基 準 に は当 該 特 許 が掲 載 さ れ てい な い 場 合、裁 判 所 は、他 人 が当該 基 準を 実施 す る ととも に そ の 特 許 を 実 施 す る こ と を 特 許 権 者 が 許 し た と 認 定 す る こ と が で き る。た だ し、特 許 が 法 に 照 ら し て 基 準 の 形 の み に よ り 実 施 で き る 場 合 は 除 く。特 許 権 者 が、基 準 の 実 施 者 に 対 し 実 施 料 を 支 払 う よ う 求 め る 場 合、裁 判所 は 特 許 の 創 作 の 程 度 及 び 基 準 に お け る そ の役 割、基 準の 属 す 技 術分 野、基 準の 性 質、基 準の実施の範囲等を総合的に考慮して実施料の金額を算定するものとする。ただし、特許権者が実施料 を放棄することを承諾した場合は除く。 基準には当該特許及びその実施許諾条件が掲載されており、他人がその掲載された条件に従わずに 当該特許を 実施し、当事者がその掲載された 実施許諾条件に従って実施するよう主張する場合、裁判所 は そ の 主 張 を 認 め る も の と す る。掲 載 さ れ た 実 施 許 諾 条 件 が 明 ら か に 不 合 理 で あ る 場 合、当 事 者 の 申 請 に 基 づ い て、裁 判 所 は 適 宜 調 整 す る こ と が で き る。実 施 許 諾 条 件 が 掲 載 さ れ て お ら ず、又 は 掲 載 さ れ た 実 施 許 諾 条 件 が 不 明 確 で あ る 場 合、当 事 者 は 協 議 し て 解 決 す る こ と が で き る。協 議 が 成 立 し な い 場 合、裁判所に判断を求めることができる。 法律、法規には、基準中の特許の実施について別段の規定がある場合は、その規定に従う。 第 2 1 条 裁 判 所 は、 特 許 法 第 6 5 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づ い て「侵 害 者 が 侵 害 に よ り 得 た 利 益」を 算 定 す る と き、侵 害 者 の 特 許 権 侵 害 そ の も の か ら 得 た 利 益 に 限 る も の と す る。侵 害 者 の 得 た 利 益 が、そ の 他 の要素にも関連する場合、当該その他の要素による利益を、侵害者が侵害により得た利益から除外する ものとする。 5 LINDA LIU & GROUP 発 明、実 用新 案 特許 権を 侵害 した 製 品 が、他の 製 品の 部品 で ある 場合、裁判 所は、当該 部品 自 体の 価 値 及 び 完 成 品 の 利 潤 の 実 現 に お け る そ の 役 割 等 に 基 づ い て、賠 償 額 を 合 理 的 に 算 定 す る も の と す る。部 品 が、完 成 品 の 技 術 的 機 能 ま た は 効 果 を 実 現 す る た め に 重 要 な 部 品 で あ り、か つ、完 成 品 の 価 値 が 主 に 当該部品により表現される場合、裁判所は完成品の利潤に基づいて賠償額を算定することができる。 意 匠 特 許 権 を 侵 害 し た 製 品 が 包 装 物 で あ る 場 合、裁 判 所 は 包 装 物 自 体 の 価 値 及 び 包 装 さ れ る 製 品 の 利 潤 の 実 現 に お け る そ の 役 割 等 に 基 づ い て、賠 償 額 を 合 理 的 に 算 定 す る も の と す る。包 装 物 の 意 匠 が、 当 該製 品を購 入す るよう普 通 の消費者を引 き つけ る主 な要素 であり、かつ、包装される製 品と販売時 に分 けることができない場合、裁判所は、包装される製品の利潤に基づいて賠償額を算定することができる。 第 2 2 条 裁 判 所 は、特 許 法 第 1 3 条 に 規 定 す る 発 明 特 許 の 仮 保 護 期 間 の 実 施 料 に 係 る 紛 争 事 件 を 審 理するとき、特許権侵害に関する法律の規定を参照、適用することができる。 裁判所が、仮保護 期間 にお いて侵 害被疑 者が 発明特 許を 実施した か 否かを判 定 するとき、 特許出 願公 開 時 の 特 許 請 求 の 範 囲 と 特 許 登 録 公 告 時 の 特 許 請 求 の 範 囲 と が 一 致 し な い 場 合、裁 判 所 は 狭 い ほ う の 特許権の権利範囲を基準とするものとする。 第 2 3 条 権 利 者 が 他 人 に 特 許 権 侵 害 の 警 告 を 出 し、被警 告 者 又 は 利 害 関 係 者 が 書 面 に よ り 権 利 者 に 訴権を行使 するよう催 告したが、権利者が当 該書面によ る催告を受 け取った日 から1ヶ月 以内に警 告 を 撤 回 し てお らず、訴 訟 も提 起 して いな い 場合 に被 警 告者 又は 利 害関 係者 が 裁判 所に 提 起し た 非 侵 害確認訴 訟に対し、裁判所は受理するものとする。 第 2 4 条 製 品 又 は製品 の 技 術的構 成 が 特許出 願 日 以前に 国 内 外 で公 然 知 られた も の でない 場 合、 裁 判所は当該製品が特許法第61条第1項にいう「新製品」に該当すると認定するものとする。 第 2 5 条 特 許 権 侵 害 と 訴 え ら れ た 行 為 が、2009 年 10 月 1 日 以 前に 発 生 し た も の で あ る 場 合 は、改正 前 の特許法を適用し、2009年10月1日以降に発生したものである場合は、改正後の特許法を適用する。 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