「平和望む意思伝えたい」

房針ク汐第三郵便脚
「平和望む意思伝えたい」
て、イスマイルさんと、アハ 占めるパレスチナとの対立は
﹁感謝はしても、パレスチナ
メド君の心臓を移植された同 根深い。アハメド君の臓器を
い年の少女サマハ・ガドバン 移植された子どもの家族には
さんを探し出した。
難民キャンプで生まれ育っ
10年9月、鎌田さんはイス 人とは友達になれない﹂と言
マイルさんを訪ねた。アハメ う人もいたという。
ド君の墓に祈りをささげた
たイスマイルさんは一時、反
器提供という﹁武器を持たな
﹁人間の心にはケモノがい
移植前は心筋症で歩くこと い戦い﹂を選んだ。
﹁アハメド君の心がバトンの
にも訳し、両国の子どもたち
2腎。絵は安藤俊彦さん、一
集英社より刊行予定。13
ように受け渡されている﹂と に読んでもらうつもりだ。
ただ、サマハさんの家は、
考え、国連関係者の協力を得 徒で、イスラム教徒が多数を 00円。
多くの人に読んでもら挙つと ラエル国民の大半はユダヤ教 バラカンさんが訳した。15
鎌田さん。以来、絵本にして イスラム教ドルーズ派。イス 部に英文もあり、ピーター。
た移植の事実に強く引かれた
1週間後、新聞記事で知っ 感じた。
臓などが移植された。
の子ども5人と大人1人に心
器提供を決め、イスラエル人 めに働きたい﹂。鎌田さんは る。ヘブライ語とアラビア語
選べないことを承知の上で臓 エルとパレスチナの平和のた 田さんは絵本の中で問い掛け
は苦悩の未、レシピエントを さんの命を救いたい。イスラ うしたらいいんだろう﹂。鎌
された父親のイスマイルさん ている。﹁医師になり、たく が暴れないようにするにはど
院でアハメド君の脳死を宣告 んは17歳になり、学校に通っ る。︵中略︶心の中のケモノ
転送先のイスラエル北部の病 もままならなかったサマハさ
エル軍当局の発表は﹁誤射﹂。
の狙撃兵に撃たれた。イスラ ド君のポスターがあった。
店に向かう途中、イスラエル には、ギターを持ったアハメ 憎しみの連鎖を止めようと臓
ティブ君=当時︵12︶=は洋品 北部の村へ。サマハさんの家 た。だが、結婚して父になり、
キャンプに住むアハメド・ハ サマハさんがいるイスラエル イスラエルの抵抗阻織に属し
スチナ自治区ジェニンの難民 後、イスマイルさんと共に、
2005年11月3日、パレ
臓器移植の実話絵本に
パレスチナ人からイスラエル人への臓器移植の実話を基
にした絵本﹁アハメドくんのいのちのリレー﹂が、今月下
旬に出版される。ドナー︵提供者︶の少年の家族とレシピ
エント︵移植を受ける患者︶の少女の家族に会った諏訪中
央病院︵茅野市︶名誉院長の鎌田実さん︵63︶が、領土問題
などの紛争が続く地域で、平和を望む二つの家族の意思を
伝えようと筆を執った。
絵本の原稿に目を通す鎌田実さん
鎌田実さん現地訪ね執筆