ファンタジーを考える

現代における
ファンタジーを考える
3 年A組 37 番
望月
春菜
目次
1.主題設定の理由
2.研究方法
3.研究結果
ファンタジーについて
日高附属中学生にアンケート
童話について
現代の日本で言う「ファンタジー」とは
4.考察
5.感想
6.参考文献
1.主題設定の理由
私自身ファンタジー関係の作品が好きで、小説を読んだり映画を見たりしていた。特に小説は小学
生のときから自分で買うほど好きで図書館や本屋に言っても一番興味を引かれるのはファンタジー小
説だった。どうしてこんなにもファンタジーに興味を惹かれるのか、と思ったことから始まった。そ
こで、人々が考えるファンタジーの魅力は何か、それらと触れ合うことで人はどのようなことを得ら
れるのかについて調べてみたいと思った。
ファンタジーについて、「童話」との関係性についても疑問に思った。童話には日本と海外などさ
まざまな種類があるが、それらはすべて「ファンタジー」に属すのか疑問に感じたので、調べてみよ
うと思った。
I am interested in fantasy because I love many fantasy stories. I always choose fantasy stories
in books and movies. I wondered why I was charmed by the fantasy stories. So I decided to
examine about fantasy’s
charm.
The way I studied was using the internet and to survey by questionnaire.
I come to the conclusion, I could find the answer. “Fantasy’s charm lie in its unreal nature.”
2.研究方法
インターネットでファンタジーの概要について調べた。また、附属中学生にアンケート取りファン
タジーの魅力について思うことを調べ、人々の意見を集めた。
3.研究結果
ファンタジーとは何か
・ファンタジー(英:fantasy)とは魔法やその他の超自然的、幻想的、空想的な物事をプロット、主
題、設定などの主要な要素とした作品が属するジャンルのこと。(自然的:ありのままで、人間の手が
加わらないさま。幻想的:現実から離れて、幻の世界を夢見ているようなさま。空想的:考えが現実
からかけ離れているさま)
・ファンタジーの作品内では内容的に魔法などの非現実的なものが矛盾なく一貫性を持っている設定
が導入されている。そのため、非現実世界と現実世界の境界が曖昧になっている。したがってファン
タジーが非現実世界だけを描いているとはいえない。非現実世界と現実世界の例として『ハリー・ポ
ッター』でたとえると、ハリーが魔法使いであるということは非現実的。しかし、魔法使いとなるま
では普通の少年として生活をしていたことは現実的である。
・作品の舞台としてはオリエント、古代日本、中華帝国、中世ヨーロッパ…などさまざま。
・日本人のイメージする舞台は中世ヨーロッパが主となっている。
―時代背景、小道具、登場人物の振る舞いなどは実際のヨーロッパをモチーフとする。
―内容は中世ヨーロッパの人々が抱いていたと想像される、神話や伝説、キリスト教の基づく要素
をストーリーの構造に取り入れる。
―登場するストーリーではドラゴン、妖精、騎士、魔法、王家、とらわれの姫の救出など日本には
ないものがよく用いられる。
というようにヨーロッパ関係のことが書かれていることが多いからだと考えられる。
・実際のヨーロッパをモチーフにしているとあるが、誤ったことも書かれている。例えば「貴族を従
えている君主」とある→実際は「王権は極めて弱い」
・ファンタジーの起源は、民族原初の神話伝説が素材となって作られた作品。J・R・R・トーキンの
『指輪物語』が世界に広まってきたことから「ファンタジー」というジャンルが広まったといわれて
いる。
・サイエンス・フィクション(SF)やホラーとの違いは、科学や死のテーマを避けることによっておお
むね区別される〔SF→科学的な空想に基づいたフィクションの総称。メディアにより SF 小説、SF
漫画、SF アニメなどにも分類される。〕〔ホラー→恐怖を主題として読者に影響を与えるため(怖がら
せるため)に作られている。〕
・ファンタジーの形式として2つの形が挙げられる。ひとつはハイ・ファンタジー。もうひとつはロ
ー・ファンタジーといわれる。ハイ・ファンタジーとは独自の世界観や歴史を持つ架空の世界(異世
界)を主な舞台とし、現実世界とはかかわりの薄いのが特徴。その代表作としてはトールキンの『指輪
物語』が挙げられる。ロー・ファンタジーとは現実世界を主な舞台とし魔術や超自然的な要素が相対
的にすくないのが特徴。
日高付属中学生 230 名にアンケート
質問「ファンタジーの魅力は何だと思うか?」
選択肢「ア・現代には存在しないもの、人が設定に出てきている」
「イ・現実から離れられる」
「ウ・単にストーリーが面白い」
「エ・わからない」
「オ・その他」
←この五つから当てはまるものを選んでもらった。
その結果下のグラフのようになった。
ファンタジーの魅力
分からない
4%
その他
2%
単に話が面白
い
17%
非現実的な設定
48%
現実逃避可
29%
⇒この結果から附属中学生は「現実世界と違うところ」を魅力と考えていることがわかった。また、フ
ァンタジー作品を読むことによって人は現実で起きた考えたくない事柄から思考を離すことができる
という利点もファンタジーの魅力だとわかった。
童話について
・童話はファンタジー(空想文学)の中に位置づけられている。
・児童が読む、または親などの大人が幼年児童に読み聞かせる子ども向けの、民話、伝説、神話、創作
された物語等である。創作童話の多くは幼年、児童向けの短編作品をさす。
・幼児期の子どもに言葉や文字を学ばせたり、美的感覚、善悪の判断等の情操教育や想像力や価値観
を育てたりすることが目的である。また、親子で読むことでコミュニケーションをとることができ
る、という目的もある。
・悪者に対する報いや制裁がかなり残酷な話がある。
日本の童話
・「童話」の語の使用は,江戸時代後期に黒沢翁満 (おきなまろ) が『童話長編』 (1857) を著わした
のが初めである。江戸時代より「童話」と記して「むかしばなし」や「わらべものがたり」と読ませ
ていたように昔話を指す言葉であったため大正時代頃までは、昔話研究などで「童話」という言葉が
使われていた。例「舌切雀,桃太郎,勝々山,猿蟹合戦,花咲爺,浦島太郎」
・絵本や紙芝居といった媒体になっていることが多いが、口伝である口演童話の場合もある。時代を
経て児童向けに変わってきた。民話や伝説や教訓や社会常識を伝えるために動物などの姿を借りて物
語となり、新しく創作されたものを創作童話と称する。
・昔話的な童話においては、子どもが興味を持てるような内容で、教育的な面を含んでいるため次の
ような傾向にあると言われていた。
海外の童話
・グリム童話はヤーコプとヴィルヘルムのグリム兄弟が書
いたドイツのメルヘン集である。例「ラプンツェル,ヘン
ゼルとグレーテル,灰かぶり,赤ずきん,ブレーメンの音
楽隊,いばら姫,白雪姫」
・グリム童話やペルー童話は、子供のための夢物語として
捉えられがちである。しかし、これらのメルヘンもある時
代を背景として生まれ、歴史情報を含んだ、史料的価値も
あるもの。なぜなら、当時の『現実』を知ることが出来る
からだ。現代に生きる私たちには空想の産物としか思えな
い「魔女」も「呪い」も、それが語られ始めた時代には実在し
ていた。もちろん、こういった超自然的現象が実際に繰り
広げられていたという意味ではなく、民衆がそういった力
を信じ、認めていたため、それらが共通意識として現実世
界に繰り入れられていたからだ。
・フランスのシャルル・ペローの童話集は、のちにつづく
イギリスのマザーグース、ドイツのグリム兄弟による民話収集の先駆をなしたものとして名高い。
・グリム童話が日本で初めて紹介されたのは1887年だった。
例「眠れる森の美女,赤ずきん,青ひげ,長ぐつをはいたねこ,シンデレラ,おやゆび小僧」例に挙
げたものは誰でも知っている物語であるが、もとの形は意外に知られていない。グリム童話集とは収
録された物語が重なることもある(例:赤ずきん)
ファンタジーと童話の関係
童話はファンタジーに属している作品である。つまり、日本の童話、海外の童話関係なく
ファンタジー作品である。日本人に「ファンタジーのイメージは?」として質問すると「魔法」
「妖精」」
「ヨーロッパ」と、
「海外の童話」のイメージを答える人が多いのではないだろうか。
→それはなぜか、ファンタジーと童話の歴史から考えた→
・日本の童話が始まったのは江戸時代後期。
・海外の童話(グリム童話とする)が始まったのは1812年から。日本で初めて紹介されたのは18
87年。
・「ファンタジー」という言葉が広まったのは J・R・R・トーキンの『指輪物語』が広まったことか
らだから、1954年。日本に伝わったのは1972年。
→まとめると…
「日本の童話」は昔のもので「ファンタジー」や「海外の童話」は新しいものとしてまとめて認識され
た可能性がある。
4.考察
・ファンタジーの魅力
→ファンタジーの根底にある魔法やその他の超自然的、幻想的、空想的な世界感が現実と違って面
白いところ。
→ファンタジー小説を読むことによって現実の悲しかったり、面倒くさかったりといった考えたく
ない物事を考えなくて済むところ。いわゆる現実逃避がしやすい作品であるというところ。
・ファンタジーと童話の関係
「ファンタジー」という言葉をきくと日本人の多くは「海外の童話」の映像を思い浮かべる。それ
は「ファンタジー」と「海外の童話」が日本にはいってきた時代が関係しているのではないだろう
か。「日本の童話」は江戸時代から言い伝えられているのに対し、
「ファンタジー」と「海外の童話」
は後々外国から入ってきた。よって、古いものと新しいものに分けられたのではないだろうか。また
時代以外にも、
「ファンタジー」などのカタカナの使われる単語は新鮮味を感じ、
「海外の童話」は
「日本の童話」よりも新しく感じるという共通点があるからだと考える。
・考察した結果、文学作品も時代の流れにのり海外の作品と混合しグローバル化していることがわか
った。
5.感想
現代社会の課題として日本がグローバル化していくことがあげられている。しかし、今回ファンタ
ジーについて魅力や童話との関係について調べた結果、文学作品はすでにグローバル化していること
がわかった。一見、
「日本の童話」など古くからの伝統は世界に影響されず日本の姿を現しているよ
うに感じるが、世界との関わりはゼロではなかった。そして、グローバル化した作品は人々の中に浸
透している。つまり、日本のグローバル化は図らずとも進んでいると考えられる。このことから私
は、それ以外の日本のことで海外とつながっていないか調べていきたいと思った。なぜなら、ファン
タジーを調べていくと日本の童話につながっていたことがわかり、この「ファンタジー」と「日本の
童話」の組み合わせの意外性に驚いた。そして、他のものの「グローバル化」について興味を持った
からだ。「日本の童話」よりももっと意外で面白いものを発見できると思う。その調べたことを今後
学校での国際的な交流で、相手に伝えていきたいと思った。
6.参考文献
Wikipedia より
「ファンタジー」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%B8%E
3%83%BC
「童話」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%A5%E8%A9%B1
「グリム童話」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%A0%E7%AB%A5%E8%A9%B1
「指輪物語」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8C%87%E8%BC%AA%E7%89%A9%E8%AA%9E