第 22 回検定 2 級実技試験

【第 22 回検定 2 級実技試験】
(はじめに)
すべての問題文の条件設定において,特に断りのない限り,他に特殊な事情がないものとし
ます。また,各問題の選択枝における条件設定は独立したものと考え,同一問題内における他
の選択枝には影響しないものとします。
特に日時の指定のない限り,2015年5月1日現在で施行されている法律等に基づいて解答し
なさい。
1
スポーツ用品メーカーⅩ社の開発者甲は,持ちやすい新規な形状を特徴とするグリップa及
び打球が曲がりにくい新規な工夫をしたヘッド部bを備えるゴルフクラブに係る発明Aを自ら
完成した。X社は,平成27年10月1日に発明Aに係る請求項1つを記載して,特許出願B
を行った。特許出願Bについて,出願審査請求をすべきか否かを判断するために調査を行った
ところ,事実1~4が判明した。
事実1
平成27年1月15日に出願された特許出願Cは,早期審査が行われ,出願公開がされ
ることなく平成27年10月30日に設定登録されていた。特許出願Cに係る特許請求
の範囲には発明Aと同じ内容の発明が記載,そのまま登録されていた。
事実2
平成27年8月30日に米国において英語で放送されたインターネットテレビの番組で,
発明Aに係るゴルフクラブが映像とともに詳細に紹介されていた。
事実3 平成27年7月1日に発行された公開特許公報Pに,グリップaと同じ形状でスポーツ
用品メーカーY社の乙が発明したゴルフクラブのグリップのみが記載されていた。
事実4 平成27年8月5日に発行された公開特許公報Qに,スポーツ用品メーカーY社の丙が
発明し,かつ,ヘッド部bと同じ工夫がされたヘッド部を有するゴルフクラブが記載さ
れていた。
以上を前提として,問1~問6に答えなさい。
問1
特許出願Bについて,事実1に基づいて拒絶されないと考えられる場合は「○」を,拒絶され
ると考えられる場合は「×」を,解答用紙に記入しなさい。
問2
問1において,拒絶されない又は拒絶されると判断した理由として,最も適切と考えられるも
のを【理由群Ⅰ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
問3
特許出願Bについて,事実2に基づいて拒絶されないと考えられる場合は「○」を,拒絶され
ると考えられる場合は「×」を,解答用紙に記入しなさい。
問4
問3において,拒絶されない又は拒絶されると判断した理由として,最も適切と考えられるも
のを【理由群Ⅰ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
1
【第 22 回検定 2 級実技試験】
問5
特許出願Bについて,事実3及び4から判明した公開特許公報P及び公開特許公報Qの2つの
文献の記載に基づいて拒絶されないと考えられる場合は「○」を,拒絶されると考えられる場合
は「×」を,解答用紙に記入しなさい。
問6
問5において,拒絶されない又は拒絶されると判断した理由として,最も適切と考えられるも
のを【理由群Ⅰ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
【理由群Ⅰ】
※同じものを用いてはならない
ア 新規性(特許法第29条第1項各号)の拒絶理由に該当するため
イ 進歩性(特許法第29条第2項)の拒絶理由に該当するため
ウ 特許を受けることができない発明(特許法第32条)の拒絶理由に該当するため
エ 先願(特許法第39条第1項)の拒絶理由に該当するため
オ ア~エの拒絶理由には該当しないため
2
【第 22 回検定 2 級実技試験】
2
箸メーカーX社は,ヒノキで作られ,持ち方も矯正できる新商品の箸を開発し,販売を検討
している。これに関して,X社の知的財産部の部員甲が,新商品の商品名に係る商標登録出願
について発言1~3をしている。なお,X社は,当該商標登録出願が登録される前に,当該箸
に関する宣伝及び販売はしないものとする。
発言1
「新商品について,その商品の俗称を商品名として,商標『おてもと』,指定商品『箸』
として商標登録出願をした場合に,当該出願は登録されます。」
発言2
「新商品の特徴である材質がヒノキであることを強調する観点から,商標『ヒノキ箸』,
指定商品『箸』として商標登録出願をした場合に,当該出願は登録されます。」
発言3
「新商品のキャッチフレーズについて,他社が真似をしてきた場合を考慮して,商標
『人前で恥をかかせません。あなたも箸使い名人!!』,指定商品『箸』として商標
登録出願をした場合に,当該出願は登録されます。」
以上を前提として,問7~問12に答えなさい。
問7
発言1について,適切と考えられる場合は「○」を,不適切と考えられる場合は「×」を,解
答用紙に記入しなさい。
問8
問7において,適切又は不適切であると判断した理由として,最も適切と考えられるものを
【理由群Ⅱ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
問9
発言2について,適切と考えられる場合は「○」を,不適切と考えられる場合は「×」を,解
答用紙に記入しなさい。
問10
問9において,適切又は不適切であると判断した理由として,最も適切と考えられるものを
【理由群Ⅱ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
問11
発言3について,適切と考えられる場合は「○」を,不適切と考えられる場合は「×」を,解
答用紙に記入しなさい。
問12
問11において,適切又は不適切であると判断した理由として,最も適切と考えられるものを
【理由群Ⅱ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
3
【第 22 回検定 2 級実技試験】
【理由群Ⅱ】
ア 商品又は役務の普通名称を表示する商標(商標法第3条第1項第1号)に該当することを理
由に拒絶されるため
イ 商品の産地,販売地,品質等を表示又は役務の提供の場所,質等を表示する商標(商標法第
3条第1項第3号)に該当することを理由に拒絶されるため
ウ 需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標(商標
法第3条第1項第6号)に該当することを理由に拒絶されるため
エ ア~ウの拒絶理由には該当しないため
4
【第 22 回検定 2 級実技試験】
3
アパレルメーカーX社の法務部の部員は,コンテンツA~Cの利用方法について発言1~3
をしている。
発言1
「コンテンツAは,書籍『日本ファッションの歴史』について,甲が英語に翻訳したも
のをさらに乙がフランス語に翻訳したものです。コンテンツAを複製するにあたって
は,乙に許諾を得れば,甲の許諾を得る必要はありません。」
発言2
「コンテンツBは,写真家の丙と丁がパリ,ニューヨーク,ロンドン,ミラノ,東京で
お洒落なファッションをしている若者を撮影した写真の中から,戊が特に気に入った
写真を選んで集めて作成した雑誌です。コンテンツBを複製するにあたっては,個々
の写真を撮影した丙と丁の許諾を得れば,戊の許諾を得る必要はありません。」
発言3
「コンテンツCは,3人のスタイリストが『今年の流行スタイル』というテーマのもと
に開催された座談会でした発言を,そのまま記録したものです。コンテンツCを複製
するにあたっては,3人のスタイリスト全員の許諾を得る必要があります。」
以上を前提として,問13~問18に答えなさい。
問13
発言1について,適切と考えられる場合は「○」を,不適切と考えられる場合は「×」を,解
答用紙に記入しなさい。
問14
問13において,適切又は不適切であると判断した理由として,最も適切と考えられるものを
【理由群Ⅲ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
問15
発言2について,適切と考えられる場合は「○」を,不適切と考えられる場合は「×」を,解
答用紙に記入しなさい。
問16
問15において,適切又は不適切であると判断した理由として,最も適切と考えられるものを
【理由群Ⅲ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
問17
発言3について,適切と考えられる場合は「○」を,不適切と考えられる場合は「×」を,解
答用紙に記入しなさい。
問18
問17において,適切又は不適切であると判断した理由として,最も適切と考えられるものを
【理由群Ⅲ】の中から1つだけ選び,対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
5
【第 22 回検定 2 級実技試験】
【理由群Ⅲ】
※同じものを用いてはならない
ア 著作物の定義にあてはまらないため
イ 共同著作物にあたるため
ウ 編集著作物にあたるため
エ 二次的著作物にあたるため
6
【第 22 回検定 2 級実技試験】
4
問19~問33に答えなさい。
問19
X社の技術者であった甲は加湿器の開発を職務とし,新型の加湿器Aの開発に従事していた。
その後,甲は,X社を退社し,X社と同種の加湿器を製造しているY社に新型加湿器の開発担当
として転職した。甲は,Y社において加湿器Aに係る発明Bを完成させた後,自ら特許出願をし
て発明Bに係る特許権を取得した。また,Y社は,加湿器Aの製造販売を開始した。ア~エを比
較して,最も適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
ア
発明Bは,甲がY社に転職した後に完成されたが,X社における甲の過去の職務に属するも
のであるから,X社は職務発明に基づく通常実施権を有する。
イ
発明Bは,X社における甲の過去の職務に属するものであり,また,甲がY社に転職した後
に完成されたものであるから,X社もY社も職務発明に基づく通常実施権を有しない。
ウ
発明Bは,甲がY社に転職した後に完成されたものであり,Y社における甲の現在の職務に
属するものであるから,Y社は職務発明に基づく通常実施権を有する。
エ
従業者の職務に属する発明について従業者が特許を取得した場合には,会社に通常実施権が
与えられるとの条項が勤務規則などで規定されていない限り,発明Bについて職務発明に基
づく通常実施権は認められない。
問20
X社が事業化を予定しているデジタルカメラ用交換レンズの新製品について,Y社のレンズ
フィルターに係る特許権Aのみが関連することがわかった。そこで,特許権侵害の紛争が発生す
ることを回避するために,対応を多角的に検討した。ア~エを比較して,X社の対応として,問
題(トラブル)が発生する可能性が低いものとして,最も適切と考えられるものはどれか。対応
する記号を解答用紙に記入しなさい。
ア
特許権Aに係る特許発明を利用した改良品のアイデアが出てきたので,その実現に向けた研
究開発を行う。
イ
特許権Aに係る特許発明が,特許出願日より前に公表された複数の文献に記載された技術情
報を組み合わせると進歩性がないことを理由に,特許無効審判を請求する。
ウ
Y社が製造販売している特許権Aに係るレンズフィルターを購入してX社の交換レンズに組
み込む。
エ
Y社のレンズフィルターと技術的関連性が高いと思われるZ社の特許権が売りに出ていたの
で,Z社の特許権を購入し,Y社に対してお互いに無償実施できるという条件でのクロスラ
イセンスの申込を検討する。
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【第 22 回検定 2 級実技試験】
問21
雑貨店を経営する甲は,自身が経営する店のホームページを開設し,店で販売されている雑貨
などの情報を掲載することを検討している。ア~エを比較して,問題(トラブル)が発生する可
能性が低いものとして,最も適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記入し
なさい。
ア
有名な歌手が来店した際に甲と一緒に撮影した写真を,ホームページに,店の宣伝になるよ
う掲載すること
イ
店のホームページを開くと,甲が好きな歌手が作曲した曲が流れるようにすること
ウ
店の周辺情報として,近くの駅前の広場に設置されている有名な彫刻家が作製した彫刻を撮
影して,その写真をホームページに掲載すること
エ
地元の情報誌に自分の店が紹介されたので,この情報誌の記事をホームページに掲載するこ
と
問22
化粧品メーカーX社は,化粧品についてアゲハ蝶をモチーフとしたイラストAを宣伝に使った
ところ,爆発的な人気を博した。X社の知的財産部の部員甲が調査したところ,最近,イラスト
AをX社に無断で使用したシャツBが,東南アジアの主要都市で大量に売られていることがわ
かった。ア~エを比較して,甲とX社の知的財産部の部員乙の会話として,最も不適切と考えら
れるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
ア
甲
「イラストAが描かれたシャツについては,販促品として配布する前に意匠登録出願を
し,登録を受けています。」
乙
「それならば,シャツBが日本国内で出回っても,意匠権に基づいて販売禁止を求める
ことはできます。」
イ
甲
「イラストAは,イラストレーター丙が描いたのですが,そのときに丙からイラストA
についての著作権の譲渡を受けています。」
乙
「それならば,イラストAの保護を図るため,著作権に基づいた対抗策を講じることが
できます。」
ウ
甲
「今,イラストAの商標登録出願を準備中ですが,指定商品はわが社が販売している化
粧品関係としています。」
乙
「では,指定商品に被服を追加して出願しましょう。商標登録されれば,シャツBの輸
入を差し止めるために,税関に申立てができます。」
エ
甲
「商標権や意匠権,著作権によっても対抗策がない場合には,どうすればいいでしょう
か。」
乙
「このケースだと,不正競争防止法によるシャツBの輸入の差止めをすることはできま
せん。」
8
【第 22 回検定 2 級実技試験】
問23
X社は,保有する特許権についての通常実施権をY社に有償でライセンスする契約を締結した。
Y社は,契約に基づいてライセンス製品の製造販売を始めたが,契約の期日になっても,X社に
ライセンス料を支払わなかった。ア~エを比較して,X社が契約違反としてY社に対するとり得
る措置に関して,最も適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
ア
X社は,契約違反を理由として,契約を解除することはできない。
イ
X社は,契約違反を理由として,Y社の未払いによって被った損害をY社に請求することは
できない。
ウ
X社は,契約違反を理由として,Y社の通常実施権と重複する範囲について,Z社に通常実
施権を許諾することはできない。
エ
X社は,契約違反を理由として,自らY社に赴き,Y社の承諾なくライセンス料の範囲内で
ライセンス製品の在庫を持ち帰ることはできない。
問24
食品メーカーX社の知的財産部の部員甲は,知的財産部の部長乙から自社の出願戦略において,
発明を特許出願すべきか営業秘密として保護すべきか否かについて質問を受けている。ア~エを
比較して,甲の発言として,最も適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記
入しなさい。
ア 「発明を特許出願すべきか営業秘密として保護すべきかは,その発明の新規性の有無によっ
て決定すべきです。発明が新規性を有する場合には,営業秘密として保護すべきではない
と思います。」
イ 「発明を特許出願すべきか営業秘密として保護すべきかは,先使用権の立証のしやすさに
よって決定すべきです。事業の準備が遅れて先使用権を立証できない場合には,営業秘密
として保護すべきではないと思います。」
ウ 「発明を特許出願すべきか営業秘密として保護すべきかは,その発明に基づく事業のライフ
サイクルの長さによって決定すべきです。その発明に係る製品のライフサイクルが,特許
権の存続期間よりも短い場合には,営業秘密として保護すべきではないと思います。」
エ 「発明を特許出願すべきか営業秘密として保護すべきかは,その発明に基づいて事業化した
場合に,その発明への第三者の到達の程度によって決定すべきです。販売された製品から
発明を技術的に理解できる場合には,特許出願をするのが望ましいと思います。」
9
【第 22 回検定 2 級実技試験】
問25
家具メーカーX社は,テーブルAを新たに発売しようとしている。ア~エを比較して,X社の
考えとして,最も不適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
ア
テーブルAは,脚,天板が太陽を意識したデザインコンセプトで統一されており,さらに,
そのデザインコンセプトを他の家具にも適用する予定なので,そのデザインコンセプトにつ
いて意匠登録出願をすることとした。
イ
テーブルAは,脚に施された模様が特徴的ではあるが,その模様のみについて意匠登録を受
けることはできない。
ウ
テーブルAは,全体に施された色の結合の斬新さが特徴的で,このような色の結合は,他の
業務用テーブル等にも同様に用いることができるが,この色の結合そのものについて意匠登
録を受けることはできない。
エ
テーブルAは,その一部である天板の角部の形状が特徴的なので,その角部について意匠登
録出願をすることとした。
問26
機械部品メーカーX社の知的財産部の部員が,社内の各会議に出席して,発言している。ア~
エを比較して,最も適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
ア
本社戦略室の特許戦略会議での発言
「検討している分野について,パテントマップを作成して,わが社及びライバルメーカーY社の
技術の強み弱みを分析したところ,わが社の知財力,技術力は,Y社よりかなり劣っているこ
とがわかりました。この分野には参入すべきでなく,特許権についても,維持コストがかかる
ので,即座に放棄すべきでしょう。」
イ
工場の技術検討会議での発言
「顧客から苦情のあった製品の構造上の欠陥を解決するためには,競合するZ社の特許公報を入
手して,解析した結果から,Z社の技術をそのまま採用しても問題ありません。」
ウ
研究所の研究開発会議での発言
「ある研究テーマについては,V大学が基本技術を新たに開発したようなので,V大学との共同
研究開発を検討したらどうでしょう。わが社とV大学との共同成果に係る共有の特許権が取得
できた場合,V大学に不実施補償としての実施対価を支払うとしても,少なくとも当初の期間
はわが社が独占して実施できる契約とすべきでしょう。」
エ
事業部の事業戦略会議での発言
「製品の市場参入については,わが社の独自技術の開発を待っていたら出遅れてしまうので,採
算を見積もった上で,W社からの技術ライセンスを受けて実施したらいかがでしょう。その場
合,W社からライセンスを受けるのですから,W社へのわが社の特許のライセンスを特に検討
する必要はありません。」
10
【第 22 回検定 2 級実技試験】
問27
医薬品メーカーX社は,X社の医薬品と競合他社であるY社の医薬品とを対比し,X社の医薬
品が優れている実験結果を示したコマーシャルを流した。ア~エを比較して,Y社の知的財産部
の部員の発言として,最も不適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記入し
なさい。
ア
「X社の医薬品が優れているということを示す実験結果が虚偽である場合には,X社の広告
は不正競争行為に該当する。」
イ
「X社の医薬品が優れているということを示す実験結果が事実である場合には,X社の広告
は不正競争行為に該当しない。」
ウ
「X社の医薬品が優れているということを示す実験結果が虚偽ではない場合であっても,わ
が社の信用は害されたのだから,X社の広告は不正競争行為に該当する。」
エ
「X社のコマーシャルが,実験結果以外に,医薬品の品質を誤認させるような表示をしてい
る場合には,X社の広告は不正競争行為に該当する。」
問28
ア~エを比較して,意匠登録出願に関して,最も不適切と考えられるものはどれか。対応する
記号を解答用紙に記入しなさい。
ア
文房具メーカーX社と,消しゴムメーカーY社とで共同開発した消しゴム付きシャープペン
シルのデザインに関して意匠登録出願をする場合,Y社の創作に対する貢献度が低い場合で
あっても,X社はY社に無断で意匠登録出願をすることができない。
イ
洗面用具と,洗面用具とは同時に使用されないボールペンとを組み合わせて,「1組の洗面
用具セット」として組物の意匠登録出願をした場合には,当該意匠登録出願は拒絶される。
ウ
自動車に係る意匠Aについて関連意匠の意匠登録出願をするときには,意匠Aと類似する他
の意匠を本意匠として,その本意匠の出願日と同日に意匠登録出願をする必要がある。
エ
意匠登録出願をする前に歯ブラシBを展示会に出品した場合であっても,歯ブラシBの形状
に関して意匠登録を受けることができる場合がある。
11
【第 22 回検定 2 級実技試験】
問29
寝具店X社は,輸入した毛布に「ホワイト・イーグル」という名称をつけて販売していた。Y
社から「ホワイト・イーグル」はY社の登録商標Aであり,商標の使用を差し止める旨の警告を
受けた。X社が調査をしたところ,登録商標Aの商標権者はY社であり,指定商品は「毛布」の
みであった。しかしながら,Y社は,登録後3年以上,登録商標Aを「毛布」に使用していない
ことが判明した。ア~エを比較して,最も適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答
用紙に記入しなさい。
ア
Y社は,登録商標Aを日本国内では使用していなかったが,米国において大々的に商標
「White Eagle」を「毛布」に継続して今まで使用していた。この場合,X社は不使用取消
審判により登録商標Aに係る商標登録を取り消すことができない。
イ Y社は,日本国内で,登録商標Aではなく商標「白い鷲」を「毛布」に使用していた。「白
い鷲」は登録商標Aの和訳であるため,登録商標Aも識別力を有しているとY社は主張して
いる。この場合,X社は不使用取消審判により登録商標Aに係る商標登録を取り消すことが
できない。
ウ Y社は,登録商標Aを継続して日本国内で3年以上使用していなかったが,Y社から通常使
用権の許諾を受けたZ社が登録商標Aを「毛布」に継続して今まで使用していた。この場合,
X社は不使用取消審判により登録商標Aに係る商標登録を取り消すことができない。
エ Y社は,登録商標Aを,指定商品「毛布」に類似する「敷布」に使用していた。この場合,
X社は不使用取消審判により登録商標Aに係る商標登録を取り消すことができない。
問30
特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)を用いて特許調査を実施した。公報テキスト検索を
選択し,複数の検索項目を論理和又は論理積で組み合わせた検索式で検索した。ア~エを比較し
て,検索目的とそれに対応する追加の検索手法に関して,最も不適切と考えられるものはどれか。
対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
ア
検索範囲が広すぎた場合には,同一検索項目にAND検索とNOT検索を使用して,検索範
囲を狭める。
イ
検索範囲が狭すぎた場合には,同一検索項目にOR検索を使用して検索範囲を広げる。
ウ
検索結果にノイズが多かった場合には,同一検索項目にNOT検索を使用してノイズを除外
する。
エ
検索結果に漏れが多かった場合には,同一検索項目にAND検索を使用して漏れを防ぐ。
12
【第 22 回検定 2 級実技試験】
問31
種苗メーカーX社は,育成した品種Aについて品種登録を受けている。ア~エを比較して,品
種Aに関して,最も適切と考えられるものはどれか。対応する記号を解答用紙に記入しなさい。
ア
Y社が,新品種の試験をするために品種Aの種苗を生産する場合,Y社は,X社の許諾を受
ける必要がある。
イ
Y社が品種Aの生産方法について特許を有しており,当該生産方法により,品種Aの種苗を
生産する場合,Y社は,X社の許諾を受ける必要がある。
ウ
Y社が品種Aと特性により明確に区別されない品種の種苗を生産する場合,Y社は,X社の
許諾を受ける必要がある。
エ
Y社がX社から品種Aの種苗を購入した後に,その種苗を販売する目的をもって保管する場
合,Y社は,X社の許諾を受ける必要がある。
問32
ア~エを比較して,知的財産権の侵害に関して,最も不適切と考えられるものはどれか。対応
する記号を解答用紙に記入しなさい。
ア
X社は,医薬品Aと医薬品Bを混合することにより新たな効力をもつ医薬品Cの製造方法に
係る特許権を有している。薬剤師甲が医師の処方箋により医薬品Aと医薬品Bとを混合して
調剤する行為は,医薬品Cの製造方法に係る特許権を侵害しない。
イ
Y社は,監視カメラに係る発明について,特許権を取得した。その後,乙は,パーツを購入
してY社の発明と同じ監視カメラを製作し,自宅に設置して使用した。乙の行為は,Y社の
特許権を侵害しない。
ウ
Z社は,キーボードのホコリを取り除くブラシに係る発明について,特許権を取得した。そ
の後,W社は,当該特許権に係る特許発明と同じブラシを製作し,展示会において会場に来
た人にそのブラシを無料で配っていた。W社の行為は,Z社の特許権を侵害しない。
エ
V社は,血圧を下げる効果がある薬品を発明し,特許権を取得した。U社がV社の特許発明
の薬品と同じ薬品を研究する行為は,V社の特許権を侵害しない。
13
【第 22 回検定 2 級実技試験】
問33
住宅用建材メーカーX社は,ライバルメーカーY社と市場シェアを競っている。Y社は数年前
から積極的に特許出願をしており,X社は脅威に思っている。Y社との係争に関して,X社の知
的財産部の部員が発言している。ア~エを比較して,最も不適切と考えられるものはどれか。対
応する記号を解答用紙に記入しなさい。
ア
「Y社の特許出願中の発明については,出願時の特許請求の範囲に記載された発明が最大の
権利範囲になるとは限りません。特許請求の範囲を特許出願後に拡大させる補正も可能だ
からです。」
イ
「自社の製品を保護する特許権だけを取得していたのでは,Y社から攻められたときに対抗
できる特許権が存在せず,対抗手段が限られてしまうおそれがあります。将来的にY社の
実施領域をカバーする攻めの特許権を取得することも重要です。」
ウ
「Y社の特許出願についてパテントマップを作成するに際して,出願審査請求がされた特許
出願と特許権だけ調査すれば十分であり,未だ出願審査請求がされていない特許出願を調
査する必要はありません。」
エ
「Y社の特許発明の構成要件A,B及びCのすべてをX社の製品が備えていれば,Y社の特
許権を侵害することになります。また,X社の製品が構成要件A,B及びCをC’に置換
した構成要件C’を備える場合にも,特許権の侵害と認められる場合があります。」
14
【第 22 回検定 2 級実技試験】
5
問34に答えなさい。
問34
大手の電機メーカーX社は,自社のエンジニアがした発明Aについて,平成26年8月1日に
特許請求の範囲に請求項1から請求項42を記載した特許出願Bを行った。その後,特許出願B
について,請求項の数を14削除して減らす補正をした上で,出願審査請求をすることとした。
この場合,出願審査請求に必要な手数料は何円になるか求めて,算用数字で解答用紙に記入しな
さい。
特許法等関係手数料令(特許法第195条第2項関係)による
出願審査の請求をする者
1件につき118000円に1請求項につき4000円を加えた額
15
【第 22 回検定 2 級実技試験】
6
X社の知的財産部の部員甲と部員乙が,特許協力条約(PCT)に基づく国際出願に関して
会話している。問35~問37に答えなさい。
甲
「国際出願をした場合について,日本国特許庁へ直接国内出願として出願した場合と比較す
ると,手続に違いはありますか。」
乙
「国際出願をすると,原則として
1
が,出願日から18カ月経過後に,国際公開されま
す。」
甲
「国際公開の内容は誰でも見ることができるのですか。」
乙
「はい,インターネット等を通じて誰でも見ることができます。あわせて
2
の結果が公
開されます。」
甲
「他には何かありますか。」
乙
「さらに,原則としてすべての国際出願について
2
機関において
2
の結果と同時に
3
も作成されます。」
1
に入る最も適切な語句を,【語群Ⅳ】の中から選び,解答用紙に記入しなさい。
2
に入る最も適切な語句を,【語群Ⅳ】の中から選び,解答用紙に記入しなさい。
3
に入る最も適切な語句を,【語群Ⅳ】の中から選び,解答用紙に記入しなさい。
問35
空欄
問36
空欄
問37
空欄
【語群Ⅳ】
国際先行技術調査
国際調査見解書
すべての出願
国際審査
国際公開請求のされた出願
16
国際先行技術調査書
国際調査
国際審査書
【第 22 回検定 2 級実技試験】
7
次の文章は,映画の著作物に関するものである。問38~問40に答えなさい。
映画製作者であるX社は,3年後の春に公開する映画を製作することを検討している。X
社の社員だけで映画の著作物を製作し,
1
の名義で公表する場合,X社は著作者人格権
及び著作権を有するのが原則である。一方,X社が映画製作者となり,社外の映画監督であ
る甲に映画の製作を依頼し,甲が映画の著作物の製作に参加することをX社に約束している
場合,X社は著作権を
2
は著作者人格権を
が著作権は
2
が著作者人格権は
3
3
のが原則である。また,この場合,甲
のが原則である。
問38
空欄
1
に入る最も適切な語句を,【語群Ⅴ】の中から選び,解答用紙に記入しなさい。
2
に入る最も適切な語句を,【語群Ⅴ】の中から選び,解答用紙に記入しなさい。
3
に入る最も適切な語句を,【語群Ⅴ】の中から選び,解答用紙に記入しなさい。
問39
空欄
問40
空欄
【語群Ⅴ】
X社
X社の社員
X社及びX社の社員
有する
有しない
――――問題は以上です。
17
【2級実技】
番号 正解
問1 ×
問2 エ
問3 ×
問4 ア
問5 ×
問6 イ
問7 ×
問8 ア
問9 ×
問10 イ
問11 ×
問12 ウ
問13 ×
問14 エ
問15 ×
問16 ウ
問17 ○
問18 イ
問19 ウ
問20 ウ
問21 ウ
問22 エ
問23 エ
問24 エ
問25 ア
問26 ウ
問27 ウ
問28 ウ
問29 ウ
問30 エ
問31 ウ
問32 ウ
問33 ウ
問34 230000(円)
問35 すべての出願
問36 国際調査
問37 国際調査見解書
問38 X社
問39 有する
問40 有しない