時系列解析を用いた省電力ルーティング

時系列解析を用いた省電力ルーティング
Power Saved Routing through Time Series Analysis
川口 敬†, 後藤 滋樹†
†早稲田大学 基幹理工学研究科 情報理工学専攻
1
情報処理学会第74回全国大会
2012/03/07
Agenda
研究の背景
研究の目的
既存手法
提案手法
時系列解析
実証実験
まとめと今後の課題
2
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
研究の背景
インターネットトラフィックの増大とネットワーク機器の性能向上
ネットワーク機器での消費電力の増大
トラフィックが分散される環境ではネットワーク機器は
常時フル稼働
ルータやスイッチによる消費電力を削減することが必要
ネットワークにおける省電力
3
省電力ルーティング
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
省電力 (ECO) ルーティング
省電力を実現するダイナミックな経路制御
トラフィックの少ない時に経路を集約
輻輳時にはトラフィックを分散させる
トラフィックの集約
トラフィックの分散
4
低トラフィック時
高トラフィック時
sleep or 部分稼働
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研究の目的
省電力ルーティングの特長
ルータをsleepさせる、もしくは部分的な稼動状態にすることで
不要な電力を削減
集約時間が長いほど、多くの消費電力を削減できる
トラフィックを一方の経路に集約する時間を長くする
ネットワークにおける省電力に貢献
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既存手法
閾値を用いた経路の切り替え
閾値に応じてネットワーク機器のsleepと起動を行う
Traffic
< LW
ネットワーク機器のsleepと経路集約
Traffic
> HW
非アクティブなネットワーク機器の起動
LW: Low Watermark
HW: High Watermark
[1] Pulak Chowdhury, Biswanath Mukherjee, Suman Sarkar, Glen Kramer, Sudhir S. Dixit,
Hybrid wireless-optical broadband access network(woban) : prototype development and research challenges,
IEEE Network 23(3), 41-48, 2009
6
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
提案手法
トラフィックの予測値を用いた経路制御
時系列解析を用いてトラフィックの変動を予測
少なくなると予測される時にルーティングテーブルを書き換え
トラフィックの集約時と分散時でパラメータを切り替え
時系列解析の活用
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リアルタイムなトラフィックの分析
集約に対するより早い判断が可能
集約時にバーストトラフィックへの反応を防ぐ
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時系列解析
自己回帰 (AR) モデル
過去の出力のフィードバックから将来の出力を予測
自己回帰和分移動平均 (ARIMA) モデル
ARモデルに移動平均 (MA) と時系列データの階差を考慮したモ
デル
e.g.
Arima(x,order(p, d, q))
arima (x, order (2, 1, 1))
x: Data
p: AR order
次のデータを
データを予測
d: differencing degree
q: MA order
8
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
ARIMA (AutoRegressive Integrated Moving Average) モデル
非定常な時系列データに対してARモデルやARMAモデ
ルを適用させる
非定常なデータ: 時刻によって確率的な変動の性質が異なる
e.g. GDPの推移等の経済データ
定常な
定常なデータに
データに変換
非定常な
時系列データ
時系列データを対数変換or平方根変換
時系列データの階差をとる
ARモデルやARMAモデルを
当てはめ予測を行う
9
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実証実験
時系列解析によるトラフィック予測を用いた際の集約時
間と通信品質を評価する
1.
実験環境の設定
トラフィックの監視間隔、予測先の時間
集約と分散に用いる閾値の決定
時系列解析モデルに用いるパラメータの設定
トラフィックの集約と分散の動作確認
3. 3つのトラフィックケースによる本実験
2.
10
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
実験に用いるネットワーク構成
仮想マシンを利用してLinuxルータ4台の環境を構築
各クライアントからサーバに対して、iperfでUDPトラフィックを
流し、SNMPを用いてトラフィック量を取得
ルータ1で時系列解析を用いたトラフィック予測を行う
SNMPを用いた情報取得
Link-A
200Mbps
Link-B
100Mbps ルータ2
クライアント1
ルータ1
Link-C
100Mbps
ルータ3
サーバ
クライアント2
ルータ4
トラフィック量の取得
11
ルーティングプロトコル: OSPF
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
実験環境の設定
~トラフィックの監視間隔~
集約、分散にかかる時間から決定する
経路変更時にサーバ、クライアント間の通信が遮断され
てから再び疎通がとれるまでの時間を測定
集約と分散時に経路変更にかかる時間 [sec]
Avg [sec]
Max [sec]
Min [sec]
分散=>集約
分散 集約
12.3
18.0
9.0
集約=>分散
集約 分散
20.6
25.0
12.0
※ 10回測定を行った平均
トラフィックの監視と予測の時間間隔を30秒に設定
12
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実験環境の設定
~閾値の決定~
Link-Aのリンク利用率により閾値を定める
リンク利用率が50%に達したところで品質が劣化
通信成功率 (%)
50%
帯域 (Mbps)
トラフィックは年率およそ30%で増加している[2]
回線を5年間運用することを想定する
5
平均リンク利用率 = 50 (%) / 1.3 = 13%
集約に用いる閾値 = 6.5% (13 * 1/2)
分散に用いる閾値 = 13%
Link-A
Link-B ルータ2
100Mbps
ルータ1
200Mbps
Link-C
100Mbps ルータ4
[2] Kenjiro Cho, Kensuke Fukuda, Hiroshi Esaki, Akira Kato,
Observing Slow Crustal Movement in Residential User Traffic, 2008.
13
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実験環境の設定
~パラメータの設定~
時系列解析モデルにおけるパラメータの設定
Arima(p, d, q)
p: AR order
d: differencing degree
q: MA order
以下を満たすパラメータ (p, d, q) を設定
14
分散時: 予測の精度が高い
集約時: バーストトラフィックに対して反応しない
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パラメータの設定
~分散時~
減少するトラフィックに対して予測誤差率を測定
予測誤差の小さいパラメータを設定
p: AR part
予測誤差率 (% ) =
パラメータ
予測誤差率
1.115271
5
測定値
8
1.366814
6.317952
q: MA part (p = 2)
パラメータ
予測誤差率
2
測定値-予測値
0
1.115271
1
2
0.474986
0.964741
(p,d,q) = (2, 1, 1)
d: differencing degree (p = 2, q = 1)
パラメータ
予測誤差率
15
0
0.474986
1
2
0.411814
0.918799
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*100
パラメータの設定
~集約時~
バーストトラフィック
平均の利用率以下から閾値をオーバーするようなトラフィック
• (p, d, q) = (1, 0, 1)
• (p, d, q) = (5, 0, 5)
予測
• (p, d, q) = (1, 0, 1)
(p,d,q) = (1, 0, 1)
16
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
トラフィックの集約と分散
Link-B
100Mbps ルータ2
ルータ1
Link-Aの利用率 (%)
Link-C
100Mbps
17
ルータ3
ルータ4
分散
集約
6.5%
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Link-B, Link-Cの利用率 (%)
Link-A
200Mbps
本実験
テストケースに基づいてトラフィックを流し、リンク利用率
の時系列変化を測定
トラフィックの集約時間と通信品質の測定を行う
トラフィックが一方の経路に集約している時間を測定
iperfによるUDPトラフィックのドロップ率から通信成功率を算出
トラフィックのテストケース
Case1
Case2
集約時のトラフィックにバーストを混ぜる
Case3
18
分散の状態からトラフィックを減少させる
集約の状態からトラフィックを増大させる
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リンク利用率 (%)
Case 1 ~トラフィックの減少~
提案
パラメータ: Arima (2, 1, 1)
6.5%
時間 (sec)
提案
従来
148 [sec]
提案
172 [sec]
計測時間: 15 [min] (=900 [sec])
19
リンク利用率 (%)
経路が集約されている時間
集約と判断するタイミング
6.5%
集約時間
情報処理学会第74回全国大会
時間 (sec)
Case 2 ~バーストの発生~
パラメータ: Arima (1, 0, 1)
リンク利用率 (%)
13%
分散
6.5%
集約
時間 (sec)
経路が集約されている時間
従来
237 [sec]
20
提案
300 [sec]
計測時間: 5 [min] (=300 [sec])
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
提案
パラメータ: Arima (1, 0, 1)
13%
時間 (sec)
分散と判断するタイミング
経路が集約されている時間
従来
提案
385 [sec]
417 [sec]
リンク利用率 (%)
リンク利用率 (%)
Case 3 ~トラフィックの増大~
提案
13%
集約時間
計測時間: 15 [min] (=900 [sec])
21
時間 (sec)
通信品質の評価 ~1~
Case1
通信成功率 (%)
集約を早めることによる
影響はない
Case2
43%
提案
時間 (sec)
バーストの発生による
通信品質の劣化
通信成功率 (%)
50%
提案
時間 (sec)
22
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
通信品質の評価 ~2~
大きな通信の劣化は無い
Case3
通信成功率 (%)
71%
64%
提案
時間 (sec)
23
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結果のまとめと今後の課題
まとめ
予測値を用いることで、既存手法と比較してより早くトラフィッ
クを集約させることができる
集約時間を長くすることによる通信品質への影響は見られない
バーストに追従せず、集約の状態を保つことができた
今後の課題
実トラフィックの環境での実験
最適な予測モデルの検討
24
最適な予測アルゴリズムおよびパラメータの選択方法の検討
提案手法を適用した際の電力の評価
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
ご清聴ありがとうございました
25
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
参考文献
Pulak Chowdhury, Biswanath Mukherjee, Suman Sarkar, Glen Kramer, Sudhir S. Dixit,
Hybrid wireless-optical broadband access network(woban) : prototype development and
research challenges, IEEE Network 23(3), 41-48, 2009
Kenjiro Cho, Kensuke Fukuda, Hiroshi Esaki, Akira Kato, Observing Slow Crustal
Movement in Residential User Traffic, ACM CoNEXT2008, pp.1–12, Madrid, Spain,
2008.
持永大, 小林克志, 工藤知宏, 村瀬一郎, 後藤滋樹, インターネット上のコンテンツ分布を
考慮した光回線交換方式およびCDN 方式の採用による省電力化の評価, 電子情報通信
学会論文誌B, Vol.J94-B, No.10, pp.1293–1302, 2011.
Rich Wolski, Dynamically forecasting network performance using the Network Wether
Service, Computer Science and Ewngineering Department, University of California,
SanDiego, La Jolla CA 92093–0114, USA, pp.119–132, 1998.
掛水光明, 中後明, グリーンネットワークへ向けた取り組み, FUJITSU. 60, 4, pp.311–335, 07,
2009.
Pulak Chowdhury, Energy Efficiency in Telecom Optical Networks, Workshop on Energy
Efficient Networking and System Photonics in Switching, July 25, 2010.
警察庁技術対策課, 我が国におけるインターネット治安情勢について, 2004.
Peter J.B rockwell, Richard A.Davis 著, 時系列解析と予測, シーエーピー出版, 2004
金明哲著, R によるデータサイエンス, 森北出版, 2010.
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
26
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
目標規定文
時系列解析によるトラフィック予測を用いて、
ルーティングにおける経路の集約時間を
長くすることで省電力に貢献する
27
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
研究の背景 ~1~
インターネットトラフィックの増大とネットワーク機器の性
能向上
ネットワーク機器での消費電力の増大
グリーンITの一環として、ITにおける消費電力低減が求
められている
サーバだけでなく、ネットワークにおいても
消費電力を削減することが必要
28
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
研究の背景 ~2~
ネットワークにおける省電力
現在は資源の有効活用のためトラフィックを分散させる
ネットワーク機器は常時フル稼働
ルータやスイッチによる消費電力を削減することが必要
省電力スイッチング
パケットの転送処理の軽量化
省電力ルーティング
29
経路集約によってルータの稼働数を減らす
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
研究の背景 ~2~
ネットワークにおける省電力
現在は資源の有効活用のためトラフィックを分散させる
ネットワーク機器は常時フル稼働
ルータやスイッチによる消費電力を削減することが必要
省電力ルーティング
省電力ルーティング
30
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
研究の背景 ~関連製品~
関連製品 Alaxalaルータ
ダイナミック省電力技術
夜間、休日などトラフィックが少なくなるときに冗長ネット
ワーク機器を部分稼働状態にする
ポートのリンクダウン、自動給電が可能
リンクダウンによって見込める電力削減量
31
GreenTE: Power-Aware Traffic Engineering
27% ~ 42%
Energy Consumption in IP Networks
7% ~ 44%
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
研究の背景
~ネットワークにおける電力消費~
現時点と将来的なネットワークの全体における消費電力
機器の消費電力、回線・設備の状況を考慮
2030年には現在の約5倍の電力が消費されると推定されている
単位: TWh (億kWh)
※ 文献[2]の情報をもとに作成
[2]持永大, 小林克志, 工藤知宏, 村瀬一郎, 後藤滋樹, インターネット上のコンテンツ分布を考慮した
光回線交換方式およびCDN 方式の採用による省電力化の評価, 2011.
32
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
時系列解析
自己回帰 (AR: AutoRegression) モデル
過去の出力のフィードバックから将来の出力を予測
ユールウォーカー (Yule-Walker) 法
最小二乗法
バーグ (Burg) 法
自己回帰移動平均 (ARMA:
ARモデルに移動平均を加えたもの
自己回帰和分移動平均 (ARIMA:
Average) モデル
33
) モデル
AutoRegressive Moving Average
AutoregRessive Integrated Moving
時系列データの階差をとった上でARMAモデルを適用
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パラメータの設定
~分散時~
AIC (赤池情報量規準)
最優推定量とパラメータ数を考慮して算出される
AICがもっとも小さいものを最適なモデルとする
AIC ( M ) = − 2 * MLL ( M ) + 2 * k
M: Model, MLL: 最大対数尤度, k: パラメータ数
arima (2, 1, 1)におけるAICの値
パラメータ
34
-25.4
AIC
arima (2, 1, 1)
-25.4
arima (2, 0, 1)
-5.3
arima (2, 1 2)
-19.4
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評価項目
集約時間
トラフィックが一方の経路に集約している時間を測定
トラフィックが少ない時により長く経路が集約されている事が
好ましい
通信品質
iperfによるUDPトラフィックのドロップ率から通信成功率を算出
集約のタイミングを早めることによる通信への影響を評価
35
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
ルータ、スイッチの消費電力
代表的なネットワーク機器製品の電力消費量[2]
インターネットルータ
(e.g.) Cisco 7400 ASR
50 [W]
アクセス回線網を接続するエッジスイッチ
(e.g.) Cisco Catalyst6513
3.2 [kW]
中核拠点網を接続するエッジルータ
(e.g.) Cisco 12816
4.2 [kW]
中核拠点網で利用される大型ルータ
(e.g.) Cisco CRS-1
10.9 [kW]
[3]持永大, 小林克志, 工藤知宏, 村瀬一郎, 後藤滋樹, インターネット上のコンテンツ分布を考慮した
光回線交換方式およびCDN 方式の採用による省電力化の評価, 2011.
36
情報処理学会第74回全国大会 2012/03/07
ルータの各コンポーネントの電力
Cisco CRS-1における各コンポーネントの電力割合
Componets
Supply Loss & Blowers
37
Packet Swithcing
35%
Fowarding Engine
33.5%
Swithcing Fabric
10.0%
Control Plane
11.0%
I/O
7.0%
Packet Buffers
3.5%
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リンクダウンによる省電力効果
(e.g.) Cisco CRS -1
各コンポーネントごとに見込める省電力効果の見積もり
Componets
Supply Loss &
Blowers
38
Packet
Swithcing
Power Saved
Routing
Reduction
Rates
35%
35%
0%
Fowarding
Engine
33.5%
0
100%
Swithcing Fabric
10.0%
10.0%
0%
Control Plane
11.0%
11.0%
0%
I/O
7.0%
0
100%
Packet Buffers
3.5%
0%
100%
Total
100%
56%
44%
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各コンポーネントの説明
Supply Loss & Blowers
Forwarding Engine
スイッチング構造
Control plane
パケット転送エンジン
Switching Fabric
供給損 ファン
制御プレーン
I/O
Buffers
39
バッファ
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ISPにおけるトラフィックの変動
ISP
In
Out
RBB customers
DSL/CATV/FTTH
Residential broadband customer traffic
in May 2005 (top) and May 2008 (bottom)
※ Observing Slow Crustal Movement in Residential User Traffic
40
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予備実験:ルータの電力の実測値測定
研究室ルータ (Cisco 7400 ASR) を用いた電力の計測
ルータにワットチェッカーを挟んで計測
4つのポートのリンクダウンによる電力のダウンは1[W]程度
CiscoのIOSでポートの通電を止める (Power-saving-mode) があるかどうかは
現在調査中
電力 [W]
起動時MAX
50
安定時 (ケーブル接続なし)
50
※一度43 [W]で安定後、50 [W] に上昇
ポートへのケーブル接続
51
※接続と”shutdown”による変化: 約1
1[W]
hpingでSYN-FLOOD攻撃
53
※一対一通信での負荷による変化: 3[W]
hpingによる通信
41
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OSPF (Open Shortest Path First) について
リンクステート型のルーティングプロトコル
主に一般企業やISPの内部ネットワークで利用される
OSPFの負荷分散について
OSPF-ECMP
同一のコストが存在した場合にトラフィックを分散
Ciscoのコスト計算の例
OSPF-OMP
42
コスト = 100 (Mbps) ÷ 帯域幅
トラフィックの流量に応じて負荷分散
トラフィックの急激な変化の際の収束が遅い
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省電力 (ECO) ルーティング
最適な経路の検討
トラフィックを移動させるための制御方式
リンクダウンによって見込める電力削減量
43
GreenTE: Power-Aware Traffic Engineering
27% ~ 42%
Energy Consumption in IP Networks
7% ~ 44%
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省電力 (ECO) スイッチング
ルータでのパケットバッファ、ルーティングテーブルの排除
バッファ伝送方式
パケット創出の適切なスケジューリング
擬似タイムスロットに基づくスイッチング
44
タイムスロットの識別による時間軸でのスイッチング
ルーティングテーブルのメモリと検索エンジンを必要としない
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トラフィック量による分散と経路集約 (提案)
時系列解析の活用
トラフィック量 (もしくはリンク利用率) を時系列解析で予測
閾値を設けてルーティングテーブル or コストを書き換え
トラフィックが上昇傾向の時には分散、減少傾向の時に集約させる
閾値ついては論文等を調査中
予測をするメリット
45
リアルタイムに分析ができ、曜日毎の教師データ等が不必要
傾向をつかむことで、急なトラフィックの増加にも対応できる
経路の集約に対するより早い判断ができる
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今後の課題
消費電力の評価
46
スマートコンセントを用いた実験
電力の変化を時系列で評価できる
時系列解析を用いることによる電力への影響の評価
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