UBSグループ業務遂行倫理規定 (和文)

ab
UBSグループ業務遂行倫理
規定
1
序文
この
「UBS業務遂行倫理規定」(以下「本規
UBSでは、私たちは妥協することなく、私たち
定」
といいます)は、
UBSの全従業員・取締役 のレピュテーションを最も重要な資産として
に対し、
その精神と文言の両方において無
取り扱い、真摯に守っていきます。3つの原
条件に遵守することを求める原則および慣
則が指針となります。
あらゆる事業レベルに
行を定めるものです。取締役会ならびにグル おいて比類なき顧客重視の姿勢を示し、長
ープ執行役員会により定められた本規定
期的価値を形成する関係を築き、投資リタ
は、責任ある企業行動が重要であるという
ーンを重視し、
そして利益相反を事前に対処
UBSの考え方及び取締役会ならびにグルー し管理します。
UBSが提供すべき最高品質の
プ執行役員会のコミットメントを示すもので ため、開発する商品やサービスから全社的
す。
な協力体制に至るまで、
すべてにわたり卓越
さを求めて努力します。
また、盤石な企業と
本規定に定めた原則および基準は、私たち してのレピュテーションを継続して高め、株
の顧客、従業員、株主、規制当局およびビジ 主に一貫してリターンを還元できるよう常に
ネス・パートナーを含む利害関係者とのすべ 努力することにより、持続可能な実績を上げ
ての事業活動ならびに取引の特性を示すも ることを目指しています。
のです。
また、
これら原則および基準は、従業
員に期待される適切で責任ある企業行動に 本規定に定めた原則の遵守は義務的なもの
関するUBS のすべての方針、指針および声
です。私たちはUBSの各従業員に対して、本
明の基礎をなすものです。
規定を読み、理解し、遵守することを求めま
す。本規定の適切な理解と正確な適用を確
実にするために、本規定はすべての職級の
主要な研修に盛り込まれます。例外はありま
せん。本規定、適用される法令諸規則、UBS
の方針、指針および手続きないしは公正な
商慣行を無視することは、本規定に定めた
原則に対する違反であり、
これを正当化する
ことは許されません。
目次
もちろん、発生する可能性のあるあらゆる状
況に本規定がすべて対処することは不可能
であり、私たちは全従業員に対して、
良識あ
る判断の実行と、必要に応じて指導を求め
ることを期待します。何にもまして私たちは、
職級を問わず全従業員が自己の利益よりも
UBS、顧客ならびに株主の利益を優先するこ
とを求めます。
法令諸規則4
私たち一人一人が自らの行動と決断におい
て本規定に定めた原則に確実に従うこと
は、UBSの堅固な倫理風土と一流のレピュテ
ーションの維持および株主のための長期的
な価値創造に不可欠です。
UBSの取締役会
およびグループ執行役員会は、本規定およ
び本規定の全社的な実施を全面的に支持
します。
この点における皆さんの無条件の支
持に感謝します。
本規定の遵守11
倫理的で責任ある行動6
情報管理7
職場環境8
社会的責任9
懲戒処分10
Axel A. Weber
会長
Sergio P. Ermotti
グループCEO
3
法令諸規則
法令諸規則の遵守
UBSは適用される法令諸規則により課せら
れる基準および規制を遵守します。
競合情報を収集する際には、
反倫理的な、
あ
るいは不正な競争慣行を避け、法律に則っ
た倫理的な手段を用います。
UBSのすべての従業員および取締役は、
UBS 金融犯罪防止への取組み
が事業を営む各国の法令諸規則、
ならびに
UBSは真剣に、金融システムおよび自社の
UBSの社内ポリシー、
ガイドライン、手続きを
事業活動の信頼性の保護に対する責任を
遵守することが求められます。 果たします。私たちは、
マネー・ロンダリン
グ、不正行為およびテロ資金調達との戦い
私たちは透明性のある協調的な姿勢
の支援に努めます。
で、UBSの監督当局との関係維持に努めま
す。
私たちはマネー・ロンダリングの恐れがある
全ての取引の防止、発見、報告に努めるた
公正な取引および公正な競争
め、社内のマネー・ロンダリング防止プロセ
UBSは、不公正な商慣行によらず、優れた業 スに厳格なリスク・ベースのアプローチを採
績によって競争上の優位性を獲得します。 用します。
私たちは、顧客、
ビジネス・パートナー、一般
の人々、競合他社、第三者業務委託先およ
び互いに、公正に、正直に、善意をもって行
動します。
私たちは、市場経済の原則および適用され
る独占禁止法(反トラスト/競争法)
を含む
関連する法令諸規則の遵守に努めます。
私たちは、虚偽の陳述または事実の省略、私
たちに限定された情報の操作または隠蔽、
あるいは不正利用を通じた不公正な方法で
人を利用することはしません。
4
私たちは、厳格に顧客の本人確認規則を遵
守すると同時に、顧客のプライバシーの正当
な権利を毀損しません。
私たちは、
継続的に適性評価
(デュー・ディリ
ジェンス)
や監視(モニタリング)
を行い、不
審な活動の発見に努めます。不審な活動を
発見した場合は、速やかにマネジメントもし
くは担当管理部門へ報告します。
税務関係
UBSは、適用される全ての税務記録および
税務申告に関する法令諸規則を遵守しま
す。
また、顧客の行為が税務上の義務の違
反を目的とするものである場合は、顧客に
支援を提供しません。
私たちは、汚職もしくは、
いわゆる
『「円滑化
のための」支払い』
(facilitation)
を含むいか
私たちの税務申告は、適用される法令諸規
なる形の贈収賄も容認しません。私たちは、
則あるいは条約をその精神と文言の両方に
他人との商取引の過程で、不適切な勧誘の
おいて遵守しており、
また税務関係記録は
提供/受領を行いません。
正確を期しています。
私たちは、私たちの国際的制裁措置に関す
税務当局を欺くことを意図した行為につい
る方針が適切に適用されることを確保しま
ては、私たちは顧客もしくは同僚に対する支
す。
援を提供しません。
また、商業的な事実と整
合性がない仮定や重要な事実の非公開に
国境を越えた事業活動
税の効力が依存する場合は、
そのような取
UBSは、顧客の所在国および私たちの事業 引を支持しません。
拠点国の両方において適用される法令諸
規則を遵守します。
私たちは従業員に対して、私たちの本国の
管轄区域外の顧客へ商品/サービスを提供
する際、顧客を訪問する際、
またはかかる顧
客にビジネスを勧誘する際に、
自分たちの活
動に適用される方針を理解することを求め、
私たちはかかる方針を厳格に遵守します。
5
倫理的で責任ある行動
倫理的な行動
顧客との関係
UBSは責任ある企業行動をとります。
UBSは信用に基づいた顧客との関係の構築
と維持に努め、最高のソリューションとサー
ビスを提供します。
私たちは、
すべての活動および決定に対して
高い倫理規準を適用します。
取るべき行動を決定する際には、法令諸規
則の遵守に加えて、
かかる決定や行動が私
たちの誠実さ、公正さおよび尊重というバリ
ューと合致しているかどうかも考慮します。
私たちは、最も効果的な方法で顧客のニー
ズを把握し、
それに応えることに注力します。
私たちは顧客に公平かつ誠実に対応しま
す。
私たちは、顧客に対する法的および倫理的
な責任を認識し、
その責任に従って行動す
UBSは自らの事業における潜在的な利益相 ることに努めます。私たちは受託者として、顧
客の利益を最優先して行動し、
ある顧客を
反を特定し、
それを管理または回避するこ
他の顧客と比べて不当に優遇しないことで、
とに努めます。
顧客との利益相反を回避することに努めま
私たちは利益相反に留意し、
その特定およ
す。
び適切な管理のためにあらゆる適切な措置
を講じます。
また必要に応じて、懸念事項を
速やかにマネジメント及び/もしくは担当管
理部門へ報告します。
利益相反
私たちはUBS の正当な利益を向上させるた
め、
UBSに対して義務を負います。私たちは、
各自の利益がUBSの利害と実際に、
もしくは
潜在的に衝突する場合、
または衝突すると
想定される場合は、
ライン・マネジャーもしく
は法務・コンプライアンス部門に相談しなけ
ればなりません。
私たちは利益相反の特定および管理を行う
ため、効果的な組織上および管理上の仕組
みを維持、運営します。
6
情報管理
情報開示および広報
顧客機密保持
UBSは企業情報を正確かつ分かりやすく適
時に開示します。
UBSは最高水準の情報セキュリティを実行
します。
UBSは顧客の機密を保持し、顧客情
報を保護します。
私たちは、適用される法令諸規則の要件に
従い、監督当局または公衆に向けたレポー
ト、文書、
コミュニケーションについては、公
正かつ正確で分かりやすい開示を適時に行
います。
私たちの財務開示は、
ベスト・プラクティス
および適用される法令諸規則の要件に沿っ
て行われます。
私たちは独立性のある社外監査人を使用
し、
内部監査部門の能力と独立性を保護し、
適用される会計原則および国際財務報告
基準を遵守します。
私たちは、顧客から開示の許可を得た場合
や、適用される法規制の要求があった場合
を除き、顧客がUBSに委託した情報の機密
性を守ります。
私たちは上記情報の社内での共用について
は、
しかるべき裁量をもって行います。
私たちはかかるデータの受領、処理、保存の
際には相応な注意を払い、不正なアクセス
や使用、修正、破壊の防止を目的とした所定
のデータ・セキュリティ基準および手続きを
遵守します。
インサイダー取引および情報の使用
UBSは内部情報の適切な取り扱いに努めま
す。
私たちは、入手情報が重要な非公開情報 (
内部情報) であるどうかの把握に常に努め
ます。
内部または外部の関係者との内部情報の共
用についてはNeed to Knowの原則に基づ
き、社内手続および適用される法令諸規則
を厳守した場合のみとします。
内部情報について、私たちはその情報が本
来UBSに提示された際の目的以外には使用
しません。
7
職場環境
多様性および機会均等
資産の保護および適切な使用
UBSは株主と顧客に対して、優れたサービ
スと商品を通じて価値を創造することを目
指し、最高の職業的専門性と誠実さをもっ
て対応します。
安全衛生
UBSは、人種/民族性、性別、国籍、年齢、障 UBSは自らの資産の保護、
およびその効果
害、性的指向あるいは宗教にかかわらず、全 的な使用に努めます。
ての個人に均等な雇用と昇格の機会を提
私たちは業務上取り扱い可能なUBSの資産
供します。
UBSは多様性のある職場作りと
および機密情報を不当に利用しません。
その維持に努めます。
私たちは、UBSの知的所有権、業務上慎重に
私たちは公正かつ敬意をもって同僚に接し、
扱うべき情報、
あるいは機密情報が、UBSの
信頼と相互支援に基づいて協力し合います。
利益を守るために確実に適切に取り扱われ
私たちは、全員参加の企業文化を支持し、差 るために、
また、法令諸規則の要件を確実に
別、
いじめ、嫌がらせを許しません。職場にお 遵守するために、最高の職業基準を維持し
ける行動に関する疑問や懸念がある場合
ます。
は、報告を奨励します。
私たちは、UBSが所有する、
もしくは信託を
私たちは、異なる意見や、経歴、考え方、専門 受けた資産の取り扱いに配慮し、紛失、盗
知識の違いを尊重します。
難、毀損または誤用からそれらの資産を確
実に保護するために、
あらゆる合理的な措
私たちは、共通の目標を達成するために、
自
置を講じます。
分の担当分野の内外の同僚と協力および協
働します。
私たちはUBSの設備、
システムおよびインフ
ラの、
UBS 業務以外への不適切な使用は行
いません。
実績と職業的専門性
UBSは、職場における従業員の安全衛生の
保護に努めます。
私たちは、適用される安全衛生諸規則およ
UBSの報酬制度は、短期的な利益ではなく
長期的な実績と持続可能な成功に報いるよ び慣行に従うことにより安全な職場の維持
に対して責任を負います。
う策定されています。
UBSは従業員の努力を重視し、最も優秀な
従業員を採用、啓発および保持し、従業員が
潜在能力を完全に開花できるよう設計され
た労働環境を築くよう努めます。
8
私たちは、他の人の安全および衛生につい
て合理的な配慮を行います。
また、仕事中の
人の安全、衛生または福利のために提供さ
れた物品に障害を与えたり誤用しません。
社会的責任
環境保護
地域社会投資
私たちは事業における環境リスクについて
考慮します。
私たちは、事業活動を行う地域社会の福祉
への貢献に努めます。
私たちは、環境に優しい製品やサービスの
ための金融市場における機会を追求しま
す。
私たちは、地域社会に恩恵をもたらす様々
な貢献活動への参加に努めます。
UBSは、
すべての事業取引において環境に
責任を持って行動し、持続可能な開発を促
進するよう努めます。
UBSは、事業活動を行う地域社会の社会
的・環境的な福祉に対して建設的な影響を
与えることに尽力します。
私たちは、環境パフォーマンスおよび資源効
率の継続的な改善に尽くします。
私たちは、供給業者の商慣行、製品およびサ
ービスの環境への影響について考慮します。
人権の尊重
UBSは、影響を及ぼす範囲内において、人権
基準を推進・尊重します。
私たちは、私たちの人材活用方針および慣
行を通して、人権基準を尊重・支持します。
私たちは、有望顧客の審査や取引の執行時
に、人権基準を考慮することによって、私た
ちの商品およびサービスの責任ある使用の
推進を目指します。
私たちは、重要な供給業者の商慣行を人権
基準に照らして考慮し、
関連する側面をかか
る供給業者との契約関係に反映させます。
9
懲戒処分
違反
UBSは、本規定または他の社内・社外の方
針および規則に対する違反を容認しませ
ん。
UBSは、社外規則ならびに社内規則に対す
る違反を容認しません。
既知の問題がマネジメントに対して明白に
されなかった場合、
あるいは従業員が義務
の遂行を著しく怠った場合は、懲戒処分が
厳しく追求されます。
マネジメントは監督責任を真摯に果たすこ
とが期待され、
それを著しく怠った場合はそ
の責任が同様に厳しく追求されます。
10
適切な行動
UBSは、違反に対処するために適切な行動
をとります。
懲戒処分には、戒告、警告、降格および解雇
が含まれることがあります。
違反が犯罪行為に相当する場合、
UBSはか
かる行為を監督官庁に報告します。
本規定の遵守
UBSは、従業員および取締役会に対して、本 本規定の解釈に関して質問がある場合、従
規定の精神と文言に従うことを求めます。本 業員はグループ・ジェネラル・カウンセル、
ま
規定はあらゆる状況に適用されます。便宜
たはコンプライアンスのグローバルヘッドに
上の理由、顧客またはその他のいかなる者
連絡してください。
の要望も、本規定からの逸脱の理由になり
コンサルタ
ません。実際の、
または認識されている競争 すべての従業員は、他の従業員、
ント、
顧客または第三者業務委託先による
上の不利益を回避するために本規定に違反
倫理違反の可能性もしくは不正行為にかか
することは容認できません。
また、
それは増
分収益や利益の創出機会にもなりません。 る懸念を速やかに自らのライン・マネジャー
または担当のコンプライアンス・オフィサー
本規定は、UBSが事業を行う方法を定義す
に報告することが求められています。従業員
るものです。UBSは、方針の枠組みが本規定 はまた、
内部告発ホットラインや内部告発イ
の原則および基準に合致しているかどうか
ントラネット経由でこうした懸念を報告する
を監視します。本規定は定期的に見直され、 こともできます。
ライン・マネジャーは、
自ら
変更や追加があった場合は、従業員に通達 の監督責任の真摯な実行、
ならびに、法律、
されます。
UBS およびその事業部門は、特定 規定、規則、方針、職業上の基準、
および本
の事業グループ、事業分野、
もしくは管轄区 規定の原則に対する違反の適切な報告が
域に特有の要件を反映させながら、
自らの
求められています。
基本的価値を遂行し、本規定の適用および
実施を促進するため、
より具体的な方針、原 従業員が違反であると合理的に考える行為
があった場合は、法務・コンプライアンス部
則、手続き (地域または各国の行動規範を
その他しかるべき職務の専門職員に、適
含みます) を随時導入しており、今後もその 門、
用される内部告発手続きを通して直接ある
導入を続けます。UBSは毎年、従業員に対し
いは内密に通知します。
て、彼らの行動および決断が本規定に従っ
ていることの認証を求めます。本規定に従っ 他者の不正行為に関して善意で行った報告
た行動の実証は、各従業員の年次業績評価 に対して報復することを、
UBSは容認しませ
に反映されます。本規定の基準に対する違
ん。
反は、解雇を含めた懲戒手続の対象となる
場合があり、
また必要な場合、適切な監督当
局に申告します。
11
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ab
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