生活者の視点からの情報教育 ユビキタス学習のシンボリック設計法 西之園晴夫(NPO 法人学習開発研究所代表) 大学の授業料高騰と教育格差 わが国の大学の授業料は,図1にも示すよう に 1975 年頃から急激に高騰している.これは 国立授業料 私立授業料 900 授業料と入学料(単位:千円) 800 700 600 500 400 300 200 100 19 17 15 13 9 11 7 5 3 62 平成元 60 58 56 54 52 0 昭和50 はじめに 教科「情報」が新設されて以来,初めて学習 指導要領が改訂されることになった.すでに報 じられているように従来の3科目教科から「情 報の科学」と「社会と情報」の2科目教科にな ることが予定されている.大学で中等教科教育 法情報を担当しているが,受講者は応用社会学 部が大部分であるので,興味としては「社会と 情報」という科目である.この科目の内容を「教 える科目」として構想するか「学ぶ科目」とし て構想するかによって授業のデザインの仕方は 全く異なってくる. ところで,わが国の大学の授業料は高騰の一 途にあり,このことは子どもを進学させること に過大な負担がかかっていることを示している. 世界的には高等教育がユニバーサル化されるよ うな趨勢であるが,わが国の最近の大学全入の 事態は,このユニバーサル化に対応するもので はない.わが国では,ICT の進歩が公式教育 (formal education)に在学しているものには有 効に活用されているが,大学に進学しない約半 数の人々に学習サービスを提供するために活用 するという視点では十分に寄与していない. 2008 年 10 月 20-23 日の期間にパリのユネスコ 本部で開催された EDEN(European Distance and E-learning Network)の研究ワークショッ プに参加したが,それは世界人権宣言 60 周年記 念行事の一環であった.ヨーロッパでは遠隔教 育や e-ラーニングが学習権を保障するための教 育手段と考えられている. 大学教育は高等教育の一部であるが,18 歳年 齢層の約半数しか進学していないので,4年制 大学の進学者に照準を合わせた高校教育に集中 することは望ましくない.さらに知識基盤社会 を迎えるにあたって,国民は知識の消費者であ ると同時に知識の生産者としての能力を習得す ることが必須であり,知識基盤社会での生活者 はこの両者の視点からとらえる必要がある. 文部科学省高等教育局高等教育企画課 図1 大学の授業料の高騰ぶり 国連において「経済的,社会的及び文化的権利 に関する国際規約(A規約)」が 1972 年に採択 され,1976 年に発効したときと奇しくも時期を 同じくしている.この規約の第 13 条第 2 項(c) ではつぎのように規定されている. (c) 高等教育は,すべての適当な方法により, 特に,無償教育の漸進的な導入により,能力 に応じて,すべての者に対して均等に機会が 与えられるものとすること これに対して日本政府は 1979 年につぎのよ うに回答している. 第 13 条 2(b)及び(c)の留保 高等教育(大学)において私立学校の占める 割合の大きいこともあり,高等教育の無償化 の方針を採ることは,困難である. なお,後期中等教育及び高等教育に係る機会 均等の実現については,経済的な理由により 修学困難な者に対する奨学金制度,授業料減 免措置等の充実を通じて推進している. したがって,我が国は,社会権規約第 13 条 2(b)及び(c)の規定の適用にあたり,これ らの規定にいう「特に,無償教育の漸進的な 導入により」に拘束されない権利を留保して いる. 高等教育については有償を原則とし,奨学金 制度(ローン制)や授業料減免で対応することと なった.その結果,高等教育はキャンパス学習 を中心とした大学で提供するという政策である. - 31 - この政策は Educating for Excellence には有効 であるが,その反面,ICT の進歩によって低廉 あるいは無償の学習サービスを提供することが 可能になりつつあり,わが国ではすべての国民 に最高級の学習サービスを提供するという Excellence for All という視点を見失ってしまっ た.世界の高等教育ではユニバーサル化が進展 しているにもかかわらず,わが国では図2に示 すように,国立夜間課程,国立昼間課程,私立 昼間課程と授業料が高額になるに従って,学生 の家庭の年間所得が高い方に分布している.破 線で示しているのは厚生労働省国民生活基礎調 査のデータによるものであるが,国民全体の年 間所得からみた世帯数の分布である.このこと から授業料が高額になるに従って,世帯数の尐 ない方にシフトすることが予測できるが,これ はわが国での教育格差が大きくなっていること とも符合する(刈谷 2001,吉川 2007). 2004 年の授業料(千円) 国立夜間(267.9) 国立昼間(535.8) 私立昼間(817.9) 国立昼間 国立夜間 私立昼間 国民全体 20 パーセント 15 10 5 1400-1500 1300-1400 1200-1300 1100-1200 900-1000 1000-1100 800-900 700-800 600-700 500-600 400-500 300-400 200-300 200以下 0 年間所得 学生の家庭の所得分布は独立行政法人日本学生支援機構(2004) 国民全体の所得分布は厚生労働省国民生活基礎調査(2005) 図 2 大学授業料の年額と年間所得の世帯数 そのためにあらゆる職場や家庭において最新の 知識と能力を維持するための学習サービスを提 供することが求められている.これは ICT のも っともその威力を発揮できる分野である. この場合,教えることによってそれを保証し ようとすると経費が高騰して対応することが困 難である.とくにわが国の教育の近代化におい て重視された尐人数対面授業モデルは,高等教 育のユニバーサル時代にあっては人件費の高騰 をもたらすので非現実的である. 以上のような事態にたいして教育サービスか ら学習サービスへと枞組みを切り替えることが 試みられているが,わが国の教育体制ではいま なお教育サービスという発想がつよい.その結 果,学習指導要領も教科書も教えることを前提 として構成されており,教科「情報」について も「教える教科」として定着するおそれがある (高橋朊子 2005).さらに大学入試センター試験 に含まれるようになると,日常生活の視点から みる情報技術の機能を理解することが軽視され 知識重視になって思考能力の育成に結びつかな い恐れもあり,教育の事態はさらに深刻になる. ヨーロッパでは EU 統合によって労働力の移 動が活発になっているが,欧州高等教育圏を設 けて学生の移動を促進するために欧州単位互換 制度(European Credit Transfer System)をス タートさせた.高等教育まで無償の学習サービ スを提供することによって雇用の安定を確保し, 生活についての安心感を醸成することを目指し ている.さらに学習サービスを自動化して人件 費を削減し,無償で提供することによって生涯 学習社会を実現することを目指している.その ときには学習材がきわめて重要になるが,この ような体制での学習サービスは図3に示すよう 協調自律学習の学びの共同体 知識基盤社会と学習サービス 知識基盤社会においては,すべての人の職場 や生活に高度の ICT が浸透してくる.その影響 は日々の生活や仕事にみられるところであり, どのような職業でも ICT の世話にならずに過ご すことはできない.その一方で産業活動は急激 に変化しており,リストラや倒産が日常的に起 こっている.その結果として雇用は不安定にな るが,失業保険や生活保護政策で対応しようと すると財政破綻に陥る.これを解決するために はつねに雇用可能な能力を維持することであり, - 32 - MD CS LD LO L L :内容専門家 MD :メディア開発者 LD : 学習開発者 LO :学習材 L :学習者 Mt L L Mt CS TA TA :メンター,コーチ :技術補助者 チーム学習 (学びの共同体) 図3 学習材を中心とした学習サービス にイメージすることが可能である. わが国の教育では教師と生徒や学生との人間 関係を重視しているために,大学においても尐 人数による親切丁寧な指導が宣伝文句になって いる.そのために授業料がますます高騰して教 育を受ける機会を享受できるのが特定の階層の 人々に限られつつある.師弟関係を重視するか, 学習者同士の学びの共同体を重視するかによっ て,生涯学習社会における学習コストは大きく 異なってくる.北欧諸国で ICT 活用が活発であ る実態は,生涯学習社会の実現方法の考え方を 反映している.したがって教科「情報」を教え る教科と考えるか学ぶ教科と考えるかはきわめ て重要な問題である. ユビキタス ICT 環境での学習デザイン 教科「情報」を教師が教えるものであると考 えるならば,教室内での学習を教師がデザイン すればよい.ところが学生や生徒は情報社会の なかで生活しているので,さまざまな ICT を活 用して学んでいる.その学びは現在のところ私 的活動であって,学校教育や大学教育などの公 式教育(formal education)とはあまり関連がな い.それに対して 1985 年に学習権を宣言して いるユネスコが重視しているのは非公式教育 (non formal education)である.この考え方は 1980 年代において初等教育のユニバーサル化 が課題であった時期に,インドネシアのような 離島の多い国やパプアニューギニア,ビルマ, ベトナムなど山岳地帯が多く,学校や教員養成 機関へのアクセスが困難な地域において,初等 教育を普遍化するためにメディアを活用して活 性化することが試みられた.この非公式教育の 考え方が現在では先進国における教育格差を克 朋するために適用されようとしている.そのと きに重要になるのがユビキタス ICT である.公 式教育制度を重視している国と非公式教育制度 までも視野にいれながら政策を進めている国に おける学習の在り方は大きく異なってくる.そ れをイメージすると図4のようになるだろう. わが国の教育機関では富裕層にとってますま す有利な教育制度になりつつあるので,高等教 育における民主化を進めるためには低所得者層 の者でもアクセスできる非公式高等教育制度を 充実するとともに,この教育制度に接続できる ような高校教育を構築することが大切である. わが国では高校と大学との接続が進んでいるが, 日常の学びと確立した教育機関 学校・大学 (a) 確立した教育機関での学習と日常生活 日常の学びからスタート ユビキタスな学習をどのように設計し、評価し、組織するか? ユビキタスICT (b) 日常の学びを実現するユビキタス ICT 図4 教育サービスと学習サービスの違い 大学以外で学習できる機関や機会についても高 校段階で紹介することが大切であろう.非公式 教育としてはたとえば国際印刷大学校があるが, これからの高等教育の在り方を示唆するもので ある,今後は海外で開発される学習プログラム が即時翻訳機能の進歩によって双方向で円滑に コミュニケーションできるようになることが予 想されるので,経済力がなくとも海外の大学で の学習にも耐えられる学習能力が重要になる. 国内の非公式教育機関や海外の教育機関が提供 する学習プログラムはリストラや倒産などの社 会の変動にたいして柔軟に対応でき,知識基盤 社会においても有利であると考えられる. このような教育制度としては,地域社会を基 盤としているスウェーデンの Net University や カナダのアサバスカ大学などが挙げられる.イ ギリスの公開大学はイギリス国内での大学教育 においてランキングがトップファイブになった ことが伝えられているが,わが国の放送大学と あまり変わらない費用で受講できる.わが国の 放送大学も遠隔教育として機能しているが職能 - 33 - 専門教育については十分に対応できる体制には なっていない.メディア教育から発想された大 学は視聴覚教育や放送教育の枞組みであり,専 門的職能教育のための高度のシミュレーション 機能やシステム・ダイナミックスも配信できる インターネットでの学習サービスのためには機 能していない.学びの共同体を基盤とする高度 職能レベルの学習サービスの実現を目指してい る遠隔学習システムは社会の変動にたいして柔 軟に対応することができる.高等学校レベルに おいてもシステム・ダイナミックスを教育する ことは可能である.この点で低所得家庭にイン ターネットを導入して職業教育を提供しようと しているデンマークの事例が注目される. わたって大学での多人数授業(最多で 276 名)に おけるチーム学習を開発してきた.そのときに 基盤となるのが協調学習と自律学習であるが, そのときの設計手法を紹介する. 図5に示しているのが現段階での開発手順 である.設計はどこから始めてもよいが根底に は特定の教育理論あるいは学習理論に依拠する のではなく,設計者あるいは教師の個人的知識 をベースとしている.そこでそれぞれのステッ プの状況を説明する. ひと巡りの 成長 教師の 個人的知識 同僚/分析 の解釈 メタファー ユビキタス学習のシンボリック設計法 教育的 行為 イメージ シンボリック設計法 日常生活からスタートする実証的な情報教 育を重視するならば,これまでの行動科学や認 知科学などの科学的知見を適用する枞組みとは 異なる枞組みが必要である.技術を応用科学と する技術観では,教師の経験や勘は主観的で非 科学的であるとみなされる.しかしながら授業 は絶えず変容しており,学習者の状況も複雑で たえず変化しているので,授業者の経験に基づ く判断はきわめて重要である.これは三枝 (1964)が主張している「客観的規則性に基づく 形成の判断力過程である」とする技術観に相当 するものである.そこで授業者あるいは学習設 計者の個人的知識を出発点としての研究方法を 開発することが課題である.現行の学校と大学 を通過する公式教育制度(formal education)は, 授業料が高騰し低所得者層にとっては過大な負 担を強いる教育制度になっているので,ユネス コが推進しているインターネット上に実現され る非公式教育(non formal education)がますま す重要な役割を果たすことが予想される.すで にディジタル先住民(digital natives)の世代が 育ち,国境を越えて活動しつつあるので,イン ターネットを通じ海外の大学を卒業する若者も 増加することが予想される.この点ではヨーロ ッパで展開されているボローニァ・プロセスは, 高等教育のユニバーサル化にとって極めて重要 である.学習サービスを開発するための設計方 法は従来の教育目標からスタートする方法と全 く異なっている.筆者は 1999 年以来 10 年間に 命題的態度 /信 念 モデル 命題/ 経験則 図 5 授業者の成長モデル (a) 個人的知識 個人的知識からスタートして,経験を重ねる ことによって設計者あるいは教師が成長してい くものととらえられている.個人的知識あるい は暗黙知についてはボラニー(1958)の優れた考 察がある.なかでも詳記不能とよばれている知 識も含めての設計技術は重要である.授業設計 や学習についてはさまざまな理論が提唱されて いるが,それらを出発点とするのではなく,既 成の理論は解釈・修正段階において参照する. (b) メタファー 組織経営においてシンボリズムの視点が注 目されている(Morgan 1980, 高橋正泰 1998). 組織はさまざまな価値観,経歴,文化,思想な どをもっている人が集まって構成されているが, その人々がある目的を目指して力を結集すると きに,言葉だけでは合意に達することが困難で ある.そこで共有ビジョン(センゲ 1994)をどの ように形成するかが重要な課題である.比喩の 下位概念である直喩や換喩などと同じように隠 喩がある.これがメタファーである.具体的に は設計者が表現したいものをほかの事例にゆだ ねる方法である.たとえば授業をつぎのように 表現する. 例:授業クラスはホノルルマラソンである. - 34 - 意味はそれぞれが自分の実力に応じて参加 すればよく,実力一杯に速く走る人もいれば 景色を楽しみながらゆっくり走る人もいる. この他にも,教材開発は朋の仕立屋である,学 校は百貨店である,学校は病院であるなどのメ タファーが用いられている.筆者の授業では, 計画と段取りを事前に厳密に検討してそのとお りに作業を進める木工や金工の技術ではなく, 対象の変化に即して対応していく醸造技術に喩 えている.メタファーはいったん決まるとあま り変化しない方が良い.それは参加者の活動の 方向がふらつくからである. (c) イメージ 授業開発はまだこの世に存在していないも のを現実に実現することである.したがって科 学的認識として考えることはできない.あくま でも設計者が実現したいと考えているものを具 体的に表現することがその第一歩である.秋田 (1998)は教師の授業にたいするイメージを調査 しているが,同じ教師であっても授業の実践が 進むに従ってイメージも変化するものであるか ら,具象的なものに喩えるのではなく抽象的な 図式で表現した方が使いやすい.現在はパワー ポイントを使用することができるので,図式を 組み合わせて表現するとよい.授業設計や教材 開発は一度で完成するものではなく,試行錯誤 を繰り返すことが多い.とくにこれまでに経験 したことのないような授業や教材では,いくら 綿密に設計しておいても学習者は思わぬ方向に 進むことが多い.したがってまず単純なイメー ジから始めて,実践しながら修正を加えていく. イメージの開発について,筆者が佛教大学で 経験した授業開発で採用した状況を紹介する. 2000 年度春学期で 228 名の多人数の学生に対 して金曜日の 4 時 10 分から 5 時 40 分までの 90 分間にわたって視聴覚機器も十分でない教 室環境での授業であった.グループ学習から始 めて 5-7 名の学生のチームによる協調自律学習 としてかなり安定しており,教材は市販できる までになっている.この過程を紹介する. 学習者主体の授業を開発するために依存と 指導を主とした授業に対して,自律と支援を基 盤とする授業の開発を目指して 2000 年から本 格的に取りかかった.2000- 2003 年を開発前半 期と呼ぶことができる.この期間に設計者が描 いていたイメージの変容過程を図 6-1 に示して いる.この段階では授業者が全体を設計し学習 者の活動を誘発するという考え方が強い.この 授業の期間を通じて習得すべき能力の一覧表を 用意して,それを参照しながら毎時間の学習テ ーマを設定し,教材を開発するという手法を採 用した.図 6-1(d)に示すイメージ図での授業で は,教材が完成するに従って毎時間の授業は順 調に進んだが,演習課題を早く終了した学生か ら「先生つぎは何をするのですか」という質問 が相次いだ.学習の最終的な目標への見通しが 立たないことを示していた.そこで抜本的に改 善したのが開発後半期である. 図 6-2(e)に示すように教授者が設定する学習 テーマではなく,学生の問題意識を出発点とし て個人の調査,グループによる情報収集,グル ープ討議,グループ発表を中心として,中間発 表と最終発表を行って,A4 判用紙 10 枚以上の レポートにまとめる というものであった. 学習の指導と支援 学生は当初はまっ 自律と支援 たく見通しが立たな 学 習 の 進 展 いので模索状態が続 いたが中間に発表し なければならない事 (a) 最初のイメージ 態に当面して,とに かく意見を集約して 発表の準備に取り掛 かった.しかし中間 発表から最終発表ま での期間での課題意 識が不明確になり最 終レポート提出間際 になって準備すると いう状況であったの で,後半の課題を各 自が明確にしてレポ ートを作成すること としたが,この状況 では個人差が大きく なりチーム学習の特 質が活かされなかっ た(同図(f)).そこで前 半をさらに充実させ て,共有課題として 「個性と我(が)はど うのように違うか」 という個人の価値観 にかかわる問題を十 - 35 - 学習の活動と内容と成果 学 習 成 果 学 習 内 容 活 動 学 習 意味 見通し 基礎技能 効力観 社会性 設計方略 (b) 2 年目のイメージ 知識生産としての学習 -高いレベル 学 習 内 容 学 習 活 動 成 最 果 終 の 成 評 果 価 設計の方略 意味 見通し 基礎技能 社会性 効力観 学習5原則 自律 協働 貢献 責任 尊敬 (c) 学習成果の重視 能 力 の 伸 長 教 育 実 践 力 学 習 成 果 と 習 得 能 力 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 主 体 的 な 学 習 テーマ(研修の構想)への取り組み 第 1 週 の テ ー マ 第 2 週 の テ ー マ 第 3 週 の テ ー マ 第 4 週 の テ ー マ 第 5 週 の テ ー マ 第 6 週 の テ ー マ 第 7 週 の テ ー マ 第 8 週 の テ ー マ 第 9 週 の テ ー マ 第 10 週 の テ ー マ 第 11 週 の テ ー マ 第 12 週 の テ ー マ 第 13 週 の テ ー マ 第 14 週 の テ ー マ 第 15 週 の テ ー マ 準備された学習資料 各種参考資料と地域教育資源とインターネット (d) 開発前半期の完成 図 6-1 開発前半期の イメージ変容 分に討議させて,中間 テーマ: 仮想 の学校を構 調査 討議 発表の時期を遅らせる 想し、そこ 情報 問題 での学習指 収集 導法を開発 意識 発表 とともに最終発表を課 せよ した.これによってレ 最終 中間 発表 ポートの内容は充実し 発表 たが,文章が十分に吟 味されていなかったの (e)問題解決アプローチ で,3回のショートレ 学習過程の 最終 イメージの変化 発表 ポートに分割して2ペ (a)2003年2月 ージ毎にチーム内で相 互にコメントをつけな 協調学習 自律学習 (b)2005年9月 がら回覧するという方 最終 発表 (c)2007年3月 式を採用した.これに 協調学習 自律学習 よってレポートの質は (f) 学習過程の変容 格段に改善された(同 学習者変容過程のイメージの変化 ベ 査レ ク 図(g)).このようにし 定ポ ト とー ル 中 最 自ト 合 間 終 己の て 2007 年度の授業の わ 報 報 評相 せ 告 告 価互 段階では後半の部分の 提 出 活動が明確になった 協調学習 自律学習 (d)2007年8月のイメージ (同図(h)).このように 授業にたいするイメー (g) 最新の変容過程 ジは実践を通して大き 個人の チーム テーマ: 知識社 調査 情報の く変容している. 討議 会での学校・ 学生の 収集 園の教育を創 問題意識 る (d) モデル チーム 発表 報告書 モデルを採用する ことは知識を創造する ことにおいて重要であ る.モデルの事例とし (h) チーム学習の採用 て 野 中 ら (2003) の 図 6-2 開発後半期の SECI モデルがあるが, イメージの変容 プラトンの対話の知, デカルトの分析の知,デューイの行動の知,西 田幾多郎の経験の知の哲学を前提としたもので あり,それを理解する必要があるので実用的で ない.そこでこれまでの教育実践の経験から形 成した図 7 のような MACETO モデルを使用し ている. 学習する意味, 活動,内容,環 境,用具そして 学習成果を記述 することによっ て,ユビキタス ICT 環境におけ る主体的な学習 を設計するもの であり,それぞ 図7 MACETO モデル 報告書 単位 修得 中間 発表 れの要素にたいして意味をあたえる問題意識, 学習行動のための行為動詞,学習環境の事例, 学習するための用具,そして学習成果を記述す るための成果物やパーフォマンスを記述する用 語などの事例がリストとして用意されている. SECI モデルが哲学者の思想を理解することを 前提としているのにたいして,この MACETO モデルでは自分の趣味に適用してみることによ って身近なものとして理解できる. あなたの趣味がショッピングだとしたら 中間 発表 MACETO モデルをどのように展開しますか. 中間 発表 ショッピングの趣味 ア イ ス ブ レ ー キ ン グ 最 終 発 表 中 間 発 表 最 終 発 表 中 間 発 表 協調学習 自律学習 提 出 単位 修得 M:意味 憂鬱なときの気晴らし, A:活動 百貨店や商店街でのショッピング C:内容 気に入った装飾品 E:環境 近くの百貨店や商店街 T:用具 お金 O:成果 元気いっぱい,リフレッシュ (e) 命題/経験則 従来の心理学や認知科学で科学的知見を表現 する命題は,厳密な理論的考察に耐えられなけ ればならない.ところが日常的な教育実践では, 設計段階,実施段階,分析・解釈段階で思いつ いたことをメモしておくことが重要である.こ のような命題は,経験則であってこの段階では 主観的な知識である.その知識を保存しておき, それを次回の授業設計に活用して再度そのこと が確認できるなら,妥当性のある命題であると 考えてよい.さらに研究会などで提示したとき に他の実践者も合意したならば,間主観的に妥 当であると考えてよい.授業では暗黙知や詳記 不能の知識(ボラニー)が多いので,このような 知識を仮説命題あるいは経験則として受け入れ ることが重要である. (f) 命題的態度/信念 教育においては自己の信念によって行動す ることが多い.このとき対象の客観的規則性を 理解しているうえでの行動は技術として受け入 れられるし,デイヴッドソン(2001)の命題的態 度あるいは信念に相当している.したがって知 識を命題として表現しておくことは重要である. (g) 教育的行為 個人の行動を外部から観察することによっ て,その動機を知ることはきわめて困難である. 行動におけるインテンションを分析する方法と - 36 - して,行動から逆行して行動の理由をインタビ ューする方法があり,授業における教師の信念 については教育工学の分野で研究は進んでいる. (h) 同僚/分析の解釈 授業研究や教材の共同開発では,同僚による カンファレンスが重要である.このようなカン ファレンスを通して自分の独断的な判断を回避 することができる.さらに自分もまたつねに学 習途上にあるので,普遍妥当な知識を主張する ことは困難である.また分析についても量的分 析だけでなく,質的分析の研究も進んでおり, そのときには解釈が重要になる.モルゲンは主 観と客観とを結ぶ軸上に解釈学を位置づけてい るが,まさしく主観から出発した授業設計ある いは教材開発において,客観的なデータあるい は記録を解釈することが重要になる. 以上の経緯からも明らかなように,授業は完 成することはない.授業者もまた授業実践を通 じて学んでいるのであり,授業は教授者と学生 とを含む「学習する組織」であるとみなして組 織論の立場から検討することが可能である. なお,本文の最後に示しているのは,現武庫 川女子大学文学部高橋朊子助手が滋賀大学修士 課程に在学中(2005 年)にまとめた情報教育に関 する行為動詞の日英比較である.これからうか がえることは,わが国の指導要領では教師が主 語となる使役動詞が多いこと,関心・意欲・態 度に関する動詞と指導助言に関する動詞が多い ことである.現行の学習指導要領では教師主導 の教育から脱却できていないのである. とができた. 情報技術の進歩によって非公式教育でも学 習を継続できるようになりつつあり,その世界 的動向を知らせることは重要である.カリフォ ルニアに本拠地をおきマレーシャやパプアニュ ーギニアでの高等教育を可能にしている GULL (Global University of Lifelong Learning)や,国 連が環境問題で支援しているノルウェーの GVU (Global Virtual University)などは知識基 盤社会での人的資本(human capital)への投資 の思想として注目される.ICT の進歩によって 可能になってきた知識基盤社会での主体的な学 びを指向した情報教育が重要である. 謝辞 本研究の理論化は筆者の責任で遂行してき たが,その前提となる実践は滋賀大学宮田仁教 授,NPO 法人望月紫帄さんの絶大な協力のもと に佛教大学での「教育方法学」の授業として推 進されたものである.記して深く感謝する. 参考文献 秋田喜代美(1998) 「5 章 授業をイメージする」 , 浅田匡他編著『成長する教師』金子書房 Morgan, Gareth 1980, Paradigms, Metaphors, and Puzzle Solving in Organization Theory, Administrative Science Quarterly. Vol.25-4, pp. 605-622. ピーター・M センゲ他 (1994) フィールブック 学習 する組織「5つの能力」 ,(柴田昌治+スコラ・コンサ ルト監訳,牧野元三訳,2003) 日本経済新聞社 高橋正泰 (1998) 組織シンボリズム-メタファーの組 結論 従来の教育研究では,理念や理論が先行して それを実現することが実践であるとされている. この枞組みでは教育を高邁な行為であり,学校 や大学は正統な制度であるとみなしている.し かしわが国の現在の教育制度の実態は,社会の 階層化を再生産する装置として機能している. これを克朋するのは非公式教育であろう.高等 教育のユニバーサル化のために無償教育を開発 する運動は世界的規模で始まっているが,その 場合には図4(b)に示すようにユビキタス ICT 環境での学習を開発する必要がある. 授業や教材開発を学習する組織であるとみ なしたとき,組織シンボリズムの枞組みからユ ビキタス ICT 環境のための設計手法としてシン ボリック設計法と命名できる方法を開発するこ 織論, 同文館出版,東京 高橋朊子 (2005) 高等学校普通教科「情報」におけるカ リキュラム設計と開発,滋賀大学大学院修士論文 刈谷剛彦 (2001) 階層化日本と教育危機 ― 不平等社会 から格差社会へ, 有信堂高文社 吉川 徹 (2007) 階層化する社会意識 ― 職業とパーソ ナリティの計量社会学, 勁草書房, 東京 ボラニー, M. (1958) 個人的知識 ― 脱批判哲学をめざ して, (長尾史郎訳 1985),ハーベスト社,東京 三枝博音(1964) 「つくる技術としての教育」(原題)が「人 間をつくる技術としての教育」として『技術思想の 探求』(こぶし文庫,1995)に復刻 デイヴィドソン,D. (2001) 主観的,間主観的,客観的 (清塚邦彦他訳,2007), 春秋社,東京, 野中郁次郎,紺野登(2003) 知識創造の方法論-ナレッ - 37 - ジワーカーの作法,東洋経済新報社,東京 (5)2009 年度 私立中学高等学校情報科研究会 冬期研究会 日時:2010 年 1 月 22 日(金)16 時 30 分~19 時 場所:華頂女子中学高等学校 2 階 コンピュータ教室 参加者:18 校 4団体 参加人数 34 名 司会 大谷中学高等学校 ○開会挨拶 山本昌彦 先生 情報科研究会委員長 立命館中学校高等学校 文田明良先生 ・ 年度末の忙しい中、多くの方に集まっていただき嬉しく思う。 ・ 春の総会を含め今回で 4 回目の研究会。 ・ 情報科の先生には知識・活用・芸術的なセンスなどオールラウンドの力が求められる。情報科は 他教科との連携、人の生き方につながっている教科。 ・ したがって教員は自己研鑽が必要であり、このような研究会での交流が自分の領域を広げ、新し い発見につなげ、また、色々なことを学んで持ち帰っていただきたい。 ・ 本研究会の流れの説明と準備運営に関わっていただいた先生方へのお礼。 ○新学習指導要領の解説 京都外大西高等学校 岩澤健二先生 [配付資料は 42 ページ以降に掲載] 2009 年 7 月 15・16 日に実施された教育課程中央説明会、特に普通教科「情報」の内容に関わる第 1 日 目の午後の解説を説明。第 2 日目は専門教科「情報」の部分のため、説明せず。 配布資料:新指導要領(情報部会)の解説 §1 教科「情報」についての共通認識 ・ 知識基盤社会の時代における生きる力をはぐくむ理念がますます重要である。 ・ 求められる力とは「変化への対応」である。困難な状況であっても自分たちで努力して解決する。 ・ 情報活用能力は生きる力の基盤である。 ・ 情報教育は国民必須の素養の裾野を広げる。専門教科「情報」は、情報産業を支え、その形成に寄 与する人材を育成する。 ・ 新科目2科目のうちから1科目選択必履修。「社会と情報」は、情報社会に参画する態度を重視し、 「情報の科学」は、主として情報の科学的な理解を重視する。情報 A は発展的解消をし、科目名で イメージできるようにした。 §2 総説についての解説 ・ 普通教科から共通教科へ名称が変わる。 ・ 実習重視を踏まえて各学校で考える。ただし実習だけさせて良ければよいということではない。 ・ 原則として同一学年で2単位を履修させて欲しい。 ・ 情報モラルをきっちり身につけさせるのは共通教科情報の責任である。 ・ 他教科からボールが投げかけているのでできるだけ受けとめる。 §3 指導計画、内容についての解説 ・ 「情報と社会」の目的はコミュニケーションである。手段として情報活用する。 ・ 情報モラルは、小中高で重いウェートを占めている。総則の道徳的部分をしっかり教え込んでほし い。 ・ 言語活動の重視で、生徒に考えさせ、討議させ、発表させて欲しい。 ・ 「情報と科学」の実習部分は各学校で選択的に使う。実習だけさせてよいものでは必ずしもない。 - 38 - ・ グループ作業実習をぜひ考え、チームワーク・リーダーシップ・役割分担・責任感の育成が育てた い生徒像である。 など §4 参加校から提出された質問に関する返答(資料参照) 不明な点は、質問いただき後日返答する。 ○ビデオ映像での授業紹介 テーマ『自主性を促す情報の授業』 華頂女子高等学校 酒井知果先生 授業対象 クリエイティブコース(2007 年度から始まる)高校3年 コース目標「本物に触れ、創造力と表現力を伸ばす」 「Web プレゼンテーション」3 単位 以前の授業の様子を映像で紹介 毎週同じ内容や毎時間完成させる作業はできる が、自主的に何かしたり、チームを組んで作業を したりすることができなかった。 クエストエデュケーションプログラム 現実社会と密接に連動しながら「生きる力」を育 む学習プログラム 24 にわたる効果的なステップを踏みながら学び を深めることができる。 生徒主体のプログラムで具体的なゴールがわかる。72 時間かける 活動の目的や具体的なゴールが分かり、体験による自発的な学びを得ることができる。 24 から 25 時間の設定のプログラムを 3 倍の時間をかけて 1・2 年生の習得内容も取り入れな がら行った。 ビデオ 年間の授業の様子を 5 月から 12 月まで見せていただき、生徒がチーム学習の中で主体的に取り組ん でいく様子を映像で教えていただく。始めは生徒の自主性が 5%しか見られず不安の中 1 年がスター トしたが、学校で初の街中のアンケートの実施や、ブレーンストーミング、中間発表、商品作成を行 っていくにつれ自主性度が 80%までになり、12 月の商品完成の発表会では、司会を生徒たちで行い、 その原稿も生徒自身でつくるまでになった。1・2 年生で身につけたデザインや情報技術を生かすこと ができた。そして、話を聞く姿勢や人前で発表する態度も大きく変化し教員が何も言わなくても自分 たちで自然と立派にできるようになった。 1 年間の取り組みで気をつけた点 チームの役割分担・班長を生かす 特定の人に偏らず確認しながら作業させる。 企画書や報告書を毎回書かせた。 以前の様子と今の様子 (○の数が3つから7つに増えた) 人前で意見を出したり、数週かけて完成する作業もできるようになった。 1 年間の取り組みを通じて 目的に向かって自主的に動くようになり、チーム活動をすることができることがわかった。 自主性を促すために 生徒の力をもっと信じて、高いことに挑戦させることができた。 生徒が動くまで待っていたら尐しずつやりだした。 チーム活動することによって、自主性を育むことできることが分かった。 やり方を尐し教えてあげれば動き出す。みんながやれることがわかった。みんなが分かるよ - 39 - うな教え方をしたい。 これまで学んだことをツールの使い方で終わらせないために生かすことができる教材作り を検討していきたい。 終了後、質問を受け付け休憩 ○フリーディスカッション 参加者全員から一言ずつ近況報告や酒井先生の授業報告の感想をいただく。 ・ 「情報科」らしさとは「発信(メッセージ) 」と「貢献(役立ち感) 」だと感じた。 (立命館 文田先 生) ・ 班長を生かす方法に感銘した。 (京都外大西 岩澤先生) ・ 個別でインターネットやワードなどのスキルを学ばせているが、求められている方向に進めていきた い。 (京都西山 小堀先生) ・ チーム学習がうまくいかないという思いこみがあってやりにくい面もあるが、年間 2 単位だが 1 コマ ずつ分かれているのも原因。家庭科でプレゼンをしている。生徒はしっかりできている。自分自身も 勉強していていきたい(同志社/同志社女子 吉岡先生) ・ 年間半分実習している。グループ学習にまだまだ不安で実現できていない。 (同志社女子 上田先生) ・ 期間を決め 1 回 1 回の作業内容を決めるのが大変で試行錯誤しながらやっていた。今回の生徒発表で 最初と最後の変化が分かってすごかった。 (立命館宇治 三宅先生) ・ 39 人に対しそれぞれの個性や自主性のレベルに合わせた指導方法を心掛けてきた。その生徒のことを 知ろうという気持ちになって仲良く授業を進めることができた。 (華頂女子 今川先生) ・ 1 年間の取り組みに感動。教えるのではなく応援して一緒になって考えてくださいとおはなししてい たが、その通り実践されていた。 (このプログラムを提供していた会社の元社員の方) ・ 質問)関わる企業どの程度制約があるのか。返答)あらかじめ企業は決められている(日本文教出版 樋野さん) ・ 受け持ち科目数が多い。毎週同じような内容なら生徒はついてきて検定については一生懸命取り組ん でいる。来年はやるかもしれないので、丁度良いテーマであった。 (京都光華 中井先生) ・ 2 単位で実現するのが難しいですが、中学と同じようなことを総合でやっていて朝日広告賞に出品し ている。高校生の方が真正面からとらえてくれない所もある(京都学園 木村・藤井先生) ・ 非常に粘り強い、素直な性格が良かったのか?印象的でプログラムが良かったのか?どの部分が一番 重要なポイントであったのか?(大阪信愛女学院 長尾先生) ・ 総合学習で 2 年間同じようなことを実践したが、始めはまったく同じ様な現象であった。どのように して自立型を促すか、準備同じチーム学習を大学と実践を増やしていこうかと感じていたので今回の 発表で非常に感動していた。生徒たちが生き生きしていた(大阪私学ネット 奥田先生) ・ 数学でチーム学習をやろうとしたら生徒の抵抗にあってフェードアウトした。今日の話に刺激を受け た。持って帰りたい。 (京都女子 成瀬先生) ・ 検定対策の授業に人気がある。最近は丁度プレゼンをやらせている。個人よりもチームの方がプレゼ ンしやすそう。チーム学習は来年度に生かしていきたい。 (京都両洋 片山先生) ・ 中学 1・2 年の技術分野の情報を担当している。何回か繰り返しやることでスキルアップを感じてい る。今は高校での情報活用できるよう準備をしている。 (立命館宇治 小曽根先生) ・ 教員を目指している。掲示物・パソコンの配置1つ1つが学校によって違うこと、生徒の作品を掲示 することによって創作意欲や向上心を上げることになることを学びました。 (龍谷大平安 実習助手 黒川さん) ・ 1 年目でプレゼンテーションをしていて試行錯誤中。今後ともよろしくお願いします。 (龍谷大平安 ゴ先生) ・ 国際理解という大学とのつなぎの授業を立ち上げたが、5 教科から 8 人集まって教員の方も同士でグ - 40 - ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ループ学習している。生徒にもグループ学習をやらせようとするが、難しい。自分の生徒もこのよう に変わっていくことができるのかと参考にさせていただいた。 (龍谷大平安 野口先生) 10 月の生徒の様子に感動しました。自主性という方針を立て信じてやることが大切だと改めて感じま した。 (内田洋行・学習開発研究所 岡田さん) 普段授業をみさせていただく機会は尐ないので、勉強させていただきました。ありがとうございまし た。 (開隆堂 佐藤さん) 今高1情報 49 名の講座 8 クラス、高 3 総合学習では 24 名のクラスでチーム学習をやらせている。座 学をコンパクトにし、実習をいつもよりゆったりしたものにした。 「待つ」というのが苦しい。一番 困ったのは自分がここまでやりたいのに実力が伴わない生徒に対するフォローが人数が多いと大変。 放課後のフォローについて聞かせていただきたい(同志社 鈴木先生) 今年情報をはじめて教えている。これからも色々学ばせて頂きたい。 (京都文教 山崎先生) 華頂で 5 年目。大変な生徒たち。よくここまで生徒が成長した。酒井先生の努力を見習って頑張って いきたい。 (京都橘・華頂女子 山本先生) 酒井先生の指導が一番生徒が成長した理由ではないか。言葉に先生の深い考え方がある。次は別のプ ログラムですか?生徒の意欲向上のため研究会でコンテストを実現してみたい。 (京都橘 長谷川先 生) チーム学習をやっているが物足りない部分がある。自分自身学ばせていただきたい(立命館 助手西 浦さん) ThinkQuest に選ばれたチームが代表に選ばれてから目の色が変わっていき授業以外にも自主的に時 間を作って取り組んでいた。生徒のやる気を引き出すサポートをしていきたい。 (立命館 助手新井 さん) 日々の進行記録を冊子に書かせているところがすごい。1 年間のプロジェクトの生徒の感想を聞いて みたい。 (立命館 清田) この授業を通して、いろいろ考えたり反省したりすることはありましたが、助手の今川さん、学校そ して生徒にも感謝している。来年に向けて生徒にとっても良い教材ができればよいと思う。 (華頂女 子 酒井先生) 機器を使うということの知識はある中、情報の授業で新しい発想をもちながら授業を受けてもらえる ように、アイデアやヒントと与えていきたい。 (大谷 山本先生) ○閉会あいさつ 龍谷大学付属平安中学高等学校 野口正則先生 本校では情報科でも世代交代が進んでいる。このような研究会で若手を鍛える機会としていただき たいと思う。本日はありがとうございました。 議事内容: 司会(山本) ※敬称略 1. 開会挨拶 文田(立命館中学校・高等学校) 2. 新学習指導要領の解説 岩澤(京都外大西高等学校) 3. ビデオ映像での授業紹介 酒井(華頂女子高等学校) 4. 休憩 5. 講演の質疑 6. フリーディスカッション 7. 閉会挨拶 野口(龍谷大学付属平安中学高等学校) - 41 - 1)新教育課程中央説明会を受けて(資料) 新学習指導要領(情報部会)の解説 ~ 文部科学省 2009 年 7 月教育課程説明会中央説明会(情報部会)参加報告 ~ 報告者 京都外大西高校情報科教諭 岩澤健二 教育課程中央説明会(西日本ブロック)実施日:2009 年 7 月 15 日(水)16 日(木)2 日間 第 1 日: (午前)開会式・全体会 (午後)部会(分科会) 第 2 日: (午前)部会(分科会) (午後)部会(分科会) 情報部会解説者:文部科学省初等中等教育局視学官 永井克昇氏 *今回の参加報告は第 1 日目午後 共通教科情報の解説の部分です §1.教科「情報」についての共通認識とは 現行学習指導要領の理念・・・生きる力をはぐくむこと 【1-1 生きる力】 基礎・基本を確実に身に付け、いかに社会が変化しようと、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判 断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力 自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性 たくましく生きるための健康な体など 【1-2 知識基盤社会の時代と生きる力】 今回の改訂・・・知識基盤社会の時代において生きる力をはぐぐむという理念はますます大事 知識基盤社会において求められる能力・・・変化への対応、情報活用能力は生きる力の基盤 【1-3 改訂の基本的な考え方】 小学校: (現行)慣れ親しみ (改訂)慣れ親しみ、コンピュータで文字を入力するなどの基本的な操作や情報モラルを 身に付け、適切に活用 → コンピュータの構成、機能、操作、利用の基本的な内容 中学校: (現行)積極的に活用 (改訂)情報モラルを身に付け(中略)適切かつ主体的、積極的に活用できる → 情報活用の技術 (1)情報通信ネットワークと情報モラル(基本的な仕組み、著作権、発信情報の責任) (2)ディジタル作品の設計・操作(多様なメディアによる表現・発信) (3)プログラムによる計測・制御(基本的な仕組み、処理手順、簡単なプログラム作成) 高 等 学 校: (現行)積極的に活用 (改訂)情報モラルを身に付け(中略)適切かつ実践的、主体的に活用 【1-4 学習指導要領の縦横構造、3観点、これからの共通教科「情報」 】 ・情報教育は国民必須の素養(読み、書き、計算、情報活用能力)としての情報活用能力の育成を担う → 横構造(裾野を広げる) ・専門教科「情報」は情報産業を支え、その形成に寄与する人材の育成 → 縦構造(寄与する人材) ・情報教育の3観点・・・実践力、科学的な理解、参画する態度 ・ 「情報A」は経験が浅い人のための科目であったのでフェードアウト ・情報A・B・Cという言い方をやめた ← 科目名でイメージできるように ・新科目2科目のうちから1科目選択必履修 ・情報活用の実践力、情報モラルに関する内容は共通に履修 ・3観点(実践力、理解、態度)をバランスよく身に付けさせる学習内容は2科目共通 ・ 「社会と情報」は、情報社会に参画する態度を重視 - 42 - ・ 「情報の科学」は、主として情報の科学的な理解を重視(効果的に活用するための考え方を習得させる) §2.総説についての解説 ・普通教科 → 共通教科へ(専門学科、総合学科にも対応) ・情報Aのフェードアウトは情報活用の実践力を軽視するものではない ・ 「社会と情報」 「情報の科学」2 科目開設し、生徒が主体的に選択することが望ましい ・実習 1/2、1/3 の記述を削除 ← 実習重視を踏まえて各学校で考える ・原則として同一学年で 2 単位を履修させて欲しい ← 情報活用能力の定着に効果的 ・相互評価・自己評価力を身に付けさせたい ・情報モラルをきっちり身に付けさせるのは共通教科情報の責任 ・総合的学習とのコラボについての留意・・・総合的学習は探求という活動に特化されている (習得と活用は各教科で対応) ・公民から投げられているボール・・・情報モラル・法律 ・数学から投げられているボール・・・数学Ⅰの統計 ・現行付則「情報における特例」は削除・・・「特別の事情」 「当分の間」は終わった (限定的であったはずの付則、未履修問題) ・専門教科情報科との関係は右図 ・専門教科情報の科目を選択的に学ばせる ことも検討して欲しい(右図) §3.社会と情報、情報の科学、指導計画、内容の取り扱いの解説 ・ 「社会と情報」目的はコミュニケーション、手段は活用 ・情報モラルについては技術面・法律面・人間の果たす役割 3 つの面をバランスよく ・総則の道徳教育を読んで欲しい ・教え込まなければならないことはきっちり教え込んでもらい、生徒に考えさせる、討議させる、 発表させる → 言語活動の重視 ・ 「情報の科学」の実習は選択的に ・実習を積極的に取り入れることについて → 実習はますます重要だが、実習だけさせていればよいということではない ・グループ作業実習を是非考えて欲しい・・・チームワーク、リーダーシップ、役割分担、責任感の育成 ・履修年次・・・共通教科情報で養った能力・態度を是非他の教科で使って欲しい 中学校との接続も考えたうえで ・スキル差については「学び直し」を明記した・・・増単あるいは学び直しの科目などを設ける §4.説明会を前に参加校から提出されていた質問(共通教科情報に関する質問のみ) ・普通教科情報が共通教科情報へと変更となった理由 ・実習時間 1/2、1/3 が削除された理由 ・同一学年での履修理由 ・大学入試センター試験での扱いはどうなる? ・高校の情報が講義中心になってしまう心配はありませんか? ・共通教科情報ですべて実習というのはどうですか? ・履修の順序はありますか? ・どの学年で履修させるのが望ましいですか? ・ 「社会と情報」のほうが「情報の科学」より平易な印象を受けますが、そのあたりはどうでしょうか? - 43 - 4.京都府私立中学高等学校一覧と情報科研究会会員名簿 (1)情報科研究会会員一覧(入会いただいた学校) 学校 大谷中・高等学校 氏名 教科 役割など 田村 和司 数学・情報 情報科为任 小河 洋一 数学・情報 教諭 山本 昌彦 理科・情報 教諭 今堀 道太 社会・情報 教諭 志賀 望城雄 技術・情報 教諭 華頂女子高等学校 酒井 知果 情報 为任 京都外大西高等学校 岩澤 健二 情報 教員 田中 成和 事務 助手 雑賀 巌 情報・理科 教員 木村 恒隆 情報・商業 教員 藤井 敬也 情報 教員 山﨑 俊幸 情報 教員 井上 玲子 情報 講師 髙木 清正 技術家庭 教員 近本 浩司 情報・理科 教員 中井 治彦 情報・数学 教員 石田 誠 理科 教員 城戸 正憲 数学 教員 筒井 数也 理科 教員 藤本 堂之 数学 教員 吉田 修 数学 教員 京都女子高等学校 成瀬 浩健 数学・情報 教諭 京都橘高等学校 長谷川 卓也 情報 教員 山本 浩史 情報 教員 上田 英樹 情報 助手 小堀 章 情報 为任 浅田 富夫 情報 教諭 山内 政秀 情報 教諭 伊藤 靖子 情報 助手 大橋 俊光 情報・数学 教員 奥村 有希 情報・数学 教員 渡辺 正弘 情報・商業 教科为任 二宮 庸介 商業 教諭 石黒 康弘 情報・商業 教諭 芝野 三智子 情報・商業 教諭 荒木 俊 情報・商業 非常勤講師 飯田 哲文 商業 非常勤講師 青木 禎貴 - 为任 末吉 吉彦 - 教員 京都学園高等学校 京都光華女子中学高等学校 京都西山高等学校 京都文教高等学校 京都明徳高等学校 京都両洋高等学校 - 44 - 相澤 良子 - 講師 菅沼 寛美 - 助手 坂 靖範 - 助手 聖ヨゼフ学園日星高等学校 金山 友則 情報 为任 同志社高等学校 鈴木 潤 情報 教員 吉岡 芙紗子 情報・家庭科 講師 上田 祐一郎 情報 教員 登谷 直行 情報 教員 高須 則和 数学・情報 教員 粟田 紘子 数学・情報 教員 中村 良平 英語・情報 教員 平井 正数 技術・情報 講師 花園中学高等学校 加納 遂夫 情報 教員 東山中学・高等学校 瀧内 義弘 理科・情報 教員 田原 征典 情報 講師 原田 千佳子 情報 助手 桑村 純子 情報 教員 廣島 俊樹 情報 教員 清田 祥一郎 情報 学科为任 小林 誠 情報 教員 森本 岳 情報 教員 新井 香織 情報 情報助手 石指 裕子 情報 情報助手 西浦 慎吾 情報 情報助手 文田 明良 数学・情報 副校長 早苗 雅史 数学・情報 教員 三宅 進一 情報 副为任 寺本 英司 情報 为任 大石 隆久 情報 教員 音田 康平 数学・情報 教員 小曽根 潮 技術家庭 教員 矢守 まさみ - 情報助手 江口 紀子 - 情報助手 小谷 馨 - 情報助手 野口 正則 情報 教諭 西川 忠克 情報 教諭 吉岡 幸司 情報 教諭 増田 純一 情報 講師 松田 博一 情報 講師 小竹 芳雄 情報 講師 辻 良則 情報 講師 ゴ トモカズ 情報 講師 同志社女子中学・高等学校 ノートルダム女学院高等学校 平安女学院中学高等学校 立命館中学校・高等学校 立命館宇治中学校・高等学校 龍谷大学付属平安中学高等学校 - 45 - 高等学校名 郵便番号 学校所在地(「京都市」省略) TEL FAX 大谷中学高等学校 605-0965 東山区今熊野池田町 12 075-541-1312 075-541-7627 京都学園中学高等学校 616-8036 右京区花園寺ノ中町 8 075-461-5105 075-461-5138 京都外大西高等学校 615-0074 右京区山ノ内苗町 37 075-321-0712 075-322-7733 同志社高等学校 606-8558 左京区岩倉大鷺町 89 075-781-7121 075-781-7124 同志社中学 602-8580 上京区烏丸通今出川上ル 075-251-4353 075-251-4363 花園中学高等学校 616-8034 右京区花園木辻北町 1 075-463-5221 075-464-9469 東山中学高等学校 606-8445 左京区永観堂町 51 075-771-9121 075-771-7217 龍谷大学附属平安中学高等学校 600-8267 下京区大宮通七条上ル御器屋町 30 075-361-4231 075-371-1793 洛星中学高等学校 603-8342 北区小松原南町 33 075-466-0001 075-466-0777 洛南高等学校 601-8478 南区壬生通八条下る東寺町 559 075-681-6511 075-671-2317 立命館中学高等学校 612-0884 伏見区深草西出山町 23 075-645-1051 075-645-1070 京都両洋高等学校 604-8851 中京区壬生上大竹町 13 075-841-2025 075-841-0178 京都文教中学高等学校 606-8344 左京区岡崎円勝寺町 5 075-711-6155 075-752-6808 華頂女子中学高等学校 605-0062 東山区林下町 3 丁目 456 075-541-0391 075-541-5962 京都女子中学高等学校 605-8501 東山区今熊野北日吉町 17 075-531-7358 075-531-7377 京都精華女子中学高等学校 606-8305 左京区吉田河原町 5-1 075-771-4181 075-761-5238 京都橘高等学校 612-8026 伏見区桃山町伊賀 50 075-623-0066 075-601-2125 京都光華中学高等学校 615-0861 右京区西京極野田町 39 075-325-5223 075-311-6103 京都産業大学附属中学高等学校 602-0898 上京区相国寺門前町 075-212-5610 075-256-6166 聖母学院中学高等学校 612-0878 伏見区深草田谷町 1 075-645-8103 075-641-0805 同志社女子中学高等学校 602-0893 上京区今出川通寺町西入 075-251-4305 075-251-4308 京都西山高等学校 617-0002 向日市寺戸町西野辺 25 075-934-2480 075-931-4079 ノートルダム女学院中学高等学校 606-8423 左京区鹿ケ谷桜谷町 110 075-771-0570 075-752-1087 平安女学院中学高等学校 602-8013 下京区下立売通烏丸西入ル五町目 075-414-8111 075-414-8119 町 172-2 京都明徳高等学校 610-1111 西京区大枝東長町 3-8 075-331-3361 075-331-8088 洛陽総合高等学校 604-8453 中京区西ノ京春日町 8 075-802-0394 075-822-0472 立命館宇治中学高等学校 611-0031 宇治市広野町八軒屋谷 33 番 1 0774-41-3000 0774-41-3555 同志社国際中学高等学校 610-0321 京田辺市多々羅都谷 60-1 0774-65-8911 0774-65-8990 南京都高等学校 619-0245 相楽郡精華町下狛中垣内 48 0774-93-0518 0774-93-2266 京都成章高等学校 610-1106 西京区大枝沓掛町 26 075-332-4830 075-331-0827 京都翔英高等学校 611-0013 宇治市莵道大垣内 33-10 0774-23-2238 0774-23-9088 京都国際中学高等学校 605-0978 東山区今熊野本多山町1番地 075-525-3535 075-525-3563 京都共栄学園中学高等学校 620-0933 福知山市篠尾 62-5 0773-22-6241 0773-22-0968 福知山成美高等学校 620-0876 福知山市水内 3471-1 0773-22-6224 0773-24-5416 京都聖カタリナ高等学校 622-0002 南丹市園部町美園町 1-78 0771-62-0163 0771-63-0989 京都暁星高等学校 626-0065 宮津市獅子崎 30 0772-22-2560 0772-22-5902 日星高等学校 624-0913 舞鶴市上安久 381 0773-75-0452 0773-75-0860 福知山淑徳高等学校 620-0936 福知山市正明寺 36-10 0773-22-3763 0773-23-5519 福知山女子高等学校 620-0886 福知山市堀 3385 0773-22-6227 0773-22-4373 一燈園中学高等学校 607-8025 山科区四ノ宮柳山町 29-13 075-595-3711 075-595-6764 京都芸術高等学校 611-0011 宇治市五ヶ庄西浦 6 番地 2 0774-32-7012 0774-33-3698 京都美山高等学校 601-0705 南丹市美山町大字佐々里小字村下 6 075-441-3401 075-441-3402 - 46 - (2)京都府私立中学高等学校一覧 役職名 氏名 所属・学校名 顧問 西之園 晴夫 NPO法人学習開発研究所 委員長 文田 明良 立命館中学校・高等学校 副委員長 野口 正則 龍谷大学付属平安中学・高等学校 常任委員 岩澤 健二 京都外大西高等学校 清田 祥一郎 立命館中学校・高等学校 鈴木 潤 同志社高等学校 三宅 進一 立命館宇治中学校・高等学校 山本 昌彦 大谷中・高等学校 庶務・事務局担当 長谷川 卓也 京都橘高等学校 会計担当 酒井 知果 会計監査 瀧内 義弘 華頂女子中学高等学校 東山中学・高等学校 5.情報科研究会常任委員会委員および役割 6.2009 年度情報科研究会予算と決算 (1)事業計画と収支計画(予算) 研修会の名称 研修実施 (予定) 開催場所 参加予定 (予定) 研修のテーマ・内容・講師等 事 業 費 人数 1 常任委員会 2009 4月 平安 6名 総会の準備 2 通常総会 2009 5月 立命館 20名 ①規約 1,500 10,500 ②事業計画 収支計画 ③その他(各校の授業計画書) 3 常任委員会 2009 6月 同志社 9名 夏季研究会の準備 4 夏季研究会 2009 7月 同志社 30名 テーマ:「フリーソースの利活用」 1,500 36,500 講師:吉田智子氏 5 常任委員会 2009 9月 立命館 9名 秋季研究会の準備 6 秋季研究会 2009 10月 光華 20名 私立中学高等学校教育研究大会の分科 1,500 36,500 会として実施 テーマ:「生徒が学ぶ授業設計」 講師:西之園晴夫氏 7 常任委員会 2009 12月 華頂 9名 冬季研究会の準備 8 冬季研究会 2010 1月 華頂 20名 公開授業(詳細未定) 1500 6,500 テーマ:「生徒の自主性を促す指導」 9 会誌の発行 2010 3月 橘 30部 10 Webサイトの運用 常時 計 総会・研究会のまとめ 24,000 総会・研究会の案内と簡単な報告 10,000 130,000 - 47 - (2)2009 年度決算 1)2009 年度 情報科研究会 事業実績決算額内訳一覧 収入の部 私立中高連合会 会員 110,000 21,000 支出の部 私立中高連合会 会員 1 講師関係費 2 会場費 3 通信費 16,296 4 印刷費 25,000 5 輸送費 6 実験実習材料費 7 消耗品費 8 備品費 9 交通費 60,000 8,695 10 会議費 11 分担費 12 雑費 420 合計 109,991 420 差引 9 20,580 ※ 私情研として予算 13 万円を要求していたが、連合会第 1 回委員長会議(5 月 29 日)において、11 万 円の額で配分された。 ※ 会員収入は、入会校 21 校により 21000 円を計上(@1000×21) 。活動記録集の作成費用、次年度総 会の案内および活動記録集の発送にあてる予定。 2)2009 年度 情報科研究会 予算執行詳細 月 日 項目 費目 伝票 収入額 支出額 差引残高 備考 番号 9 30 情報科研究会 110,000 通信費2 1 3,200 106,800 10月19日切手分 4 14 研究会印鑑 消耗品費7 2 3,130 103,670 5 11 領収書送付(11校) 通信費2 3 880 102,790 10月21日切手分 5 11 領収書送付(3校) 通信費2 4 240 102,550 10月21日切手分 5 11 入会金催促分(7校) 通信費2 5 560 101,990 10月21日切手分 4 1 設立総会議事録郵送代 110,000 - 48 - 6 3 委任校へ資料送付(4校) 通信費2 6 2,000 99,990 6 10 総会案内送付 通信費2 7 3,108 96,882 7 10 夏の研究会案内送付 通信費2 8 3,034 93,848 7 10 領収書送付(3校) 通信費2 9 240 講師関係費1 10 30,000 63,608 講師関係費1 11 30,000 33,608 消耗品費7 12 840 32,768 1 12 冬の研究会案内送付 通信費2 13 3,034 29,734 3 11 研修会案内用シール 消耗品費7 14 4,725 25,009 15 25,000 9 109,991 9 10 18 講師謝礼料(秋期) 93,608 10月21日切手分 10 19 切手代(4/1送付分払戻) 10 21 切手代(5/11・7/10送付払戻) 11 24 講師謝礼料(夏期) 1 7 研修会案内用シール 3 18 活動報告集製本代 計 110,000 7.京都府私立中学高等学校情報科研究会規約 京都府私立中学高等学校情報科研究会規約 平成 21 年 4 月 1 日 第 1 章 総則 (名称) 第 1 条 本会の名称は、京都府私立中学高等学校情報科研究会とする。 (事務所) 第 2 条 本会の事務所の所在地は、常任委員会で決定する。 第 2 章 目的及び事業 (目的) 第 3 条 本会は、情報科教育の研究ならびに振興を図り、併せて会員相互の親和向上を図ることを目的と する。 (事業) 第 4 条 本会は前条の目的を達成するために次に掲げる事業を行う。 (1)研究会、講演会、発表会などの開催 (2)情報科教育の研究のための情報収集 (3)成果物の蓄積と発信 (4)関係団体との連携、協力 (5)その他、前条の目的を達するために必要と認められた事業 第 3 章 会員 (資格) 第 5 条 本会の入会資格は、京都府の私立中学高等学校が持つ。 (入会) 第 6 条 本会に入会しようとする学校は、別に定める入会申込書により、委員長に申し込むものとする。 (会費) 第 7 条 会員は、別に定める細則にしたがい会費を納入しなければならない。 - 49 - 第 4 章 役員等 (役員等の種別及び定数) 第 8 条 本会に次の役員を置く。 (1)委員長 1 名 (2)副委員長 1 名 (3)庶務 1 名 (4)会計 1 名 (5)常任委員 若干名 (6)監事 1 名 2. 本会は顧問を若干名置くことができる。 (選任等) 第 9 条 役員は、総会で会員校の教職員の中から選出する。 2. 監事は、他の役員等を兼ねることができない。 3. 顧問は、常任委員会が推薦し、総会で承認する。 (職務) 第 10 条 委員長は、本会を代表し、その業務を統括する。 2. 副委員長は、委員長を補佐し、委員長が欠けたときはその職務を代行する。 3. 庶務は、本会の事務等を行う。 4. 会計は、資産の状況を記録し、総会で報告を行う。 5. 監事は、次の職務を行う。 (1)常任委員会の業務執行の状況を監査すること (2)本会の財産の状況を監査すること (3)監査の結果、重大な不正事実を発見した場合は総会等に報告すること 6. 顧問は、本会の活動に対し適宜助言することができる。 (任期等) 第 11 条 役員の任期は、2 年とする。ただし再任を妨げない。 2. 前項の規定にかかわらず、後任の役員が選任されていない場合には、任期末日後の最初の総会が終結す るまで、その任期を延長する。 3. 補欠のため、途中就任した役員の任期は、前任者の任期の残存期間とする。 (欠員補充) 第 12 条 任期途中に役員に欠員が生じた場合は、これを補充することができる。 2. 前項における役員の選出は常任委員会が行う。 (費用の支弁) 第 13 条 役員には、その職務を執行するために要した費用を支給することができる。 第 5 章 総会 (種別) 第 14 条 本会の総会は、通常総会及び臨時総会の 2 種とする。 (構成) 第 15 条 総会は、会員校の教職員が参加し質問意見を述べることができる。 2. 会員校は 1 票の議決権を持つ。 (権能) 第 16 条 総会は、以下の事項について議決する。 (1)規約の変更 (2)事業計画及び収支予算並びにその変更 (3)事業報告及び収支決算 - 50 - (4)役員の選任又は解任 (5)その他運営に関する重要事項 (開催) 第 17 条 通常総会は、毎年 1 回開催する。 2. 臨時総会は、常任委員会が必要と認めたときに開催する。 (招集) 第 18 条 総会は、委員長が招集する。 2. 総会を招集するときは、会議の日時、場所、目的及び審議事項を記載した書面等により、事前に通知し なければならない。 (議長) 第 19 条 総会の議長は、その総会において、出席した会員校の教職員の中から選出する。 (議決) 第 20 条 総会の議事は、出席した会員の過半数をもって決し、可否同数のときは議長の決するところに よる。 (表決権等) 第 21 条 会員の表決権は、平等なるものとする。 2. やむを得ない理由のため総会に出席できない会員は、書面等をもって表決を委任することができる。 3. 前項の規定により表決した会員は、総会に出席したものと見なす。 (議事録) 第 22 条 総会の議事については、次の事項を記載した議事録を作成する。 (1)日時及び場所 (2)会員総数及び出席者数(書面表決者又は表決委任者がある場合については、その数を付記するこ と。 ) (3)審議事項 (4)議事の経過の概要及び議決の結果 第 6 章 常任委員会 (構成) 第 23 条 常任委員会は、委員長、副委員長、庶務、会計及び常任委員をもって構成する。 (招集) 第 24 条 常任委員会は、委員長が招集する。 2. 常任委員会を招集するときは、会議の日時、場所、目的及び審議事項を記載した書面等をもって、事前 に通知しなければならない。 (議決) 第 25 条 常任委員会の議事は、常任委員会総数の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決す るところによる。 (表決権等) 第 26 条 各常任委員の表決権は、平等なものとする。 2. やむを得ない理由のため出席できない常任委員は、書面等をもって表決を委任することができる。 3. 前項の規定により表決した常任委員については、常任委員会に出席したものと見なす。 第 7 章 資産及び会計 (資産の構成) 第 27 条 本会の資産は、次の各号に揚げるものをもって構成する。 (1)会費 (2)補助金 (3)寄付金品 - 51 - (4)財産から生じる収入 (5)その他の収入 (資産の管理) 第 28 条 本会の資産は、委員長が管理する。 (会計業務) 第 29 条 会計業務は、会計がその任にあたる。 (事業計画及び予算) 第 30 条 本会の事業計画及びこれに伴う収支予算は、委員長が作成し、総会の議決を経なければならな い。 (暫定予算) 第 31 条 前条の規定にかかわらず、やむを得ない理由により予算が成立しないときは、委員長は、常任 委員会の議決を経て、予算成立の日まで前事業年度の予算に順じ収入支出することができる。 2. 前項の収入支出は、新たに成立した予算に収入支出と見なす。 (予算の追加及び変更) 第 32 条 予算作成後にやむを得ない事由が生じたときは、常任委員会の議決を経て、既定予算の追加又 は変更することができる。 (事業報告及び決算) 第 33 条 本会の事業報告書、収支計算書等の決算に関する書類は、毎事業年終了後、速やかに、委員長 が作成し、監事の検査を受け、総会の議決を経なければならない。 2. 決算上余剰金を生じたときは、次事業年度に繰り越すものとする。 (事業年度) 第 34 条 本会の事業年度は、毎年 4 月 1 日に始まり翌年 3 月 31 日に終わる。 第 8 章 規約の変更 (規約の変更) 第 35 条 本会が規約の変更しようとするときは、総会に出席した会員の 3 分の 2 以上の議決を経なけれ ばならない。 第 9 章 雑則 (細則) 第 36 条 本規約に施行において必要な細則は、常任委員会の議決を経て、委員長がこれを定める。 (文書等の定義) 第 37 条 本規約における「文書等」は FAX、電子メールを含むものとする。 附則 (施行日) 附則 1. 本規約は、本会の成立の日から施行する。 (設立年度の措置) 附則 2. 設立年度の措置について、別に定める。 - 52 - 京都府私立中学高等学校情報科研究会 2009 年度活動記録集(第 1 号) 2010 年 3 月 31 日 発行 発行:京都府私立中学高等学校連合会情報科研究会(私情研) - 53 -
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