DSUの主な薬物相互作用内容(薬物動態の変化を

福岡市薬剤師会
Basic Study研修会
第4回目
~医薬品の相互作用メカニズム~
~ DSUを利用した相互作用理解~
九州大学大学院薬学研究院・薬物動態学分野
家入一郎
2012/04/27 (金)
19:30 ~
福岡市薬剤師会館
DSUの主な薬物相互作用内容(薬物動態の変化を中心とした)
1. チトクロームP450 (CYP) を介した相互作用
1. CYP3A4
a. 阻害
b. 誘導 (CYP2D6を除く総ての酵素で誘導がある)
2. CYP1A2の阻害
3. CYP2D6の阻害
4. CYP2C8, 2C9, 2C19の阻害
2. CYP以外の代謝酵素を介した相互作用
1. UGT1A1の阻害
2. キサンチンオキシダーゼの阻害
3. TPMP, IMPDHの阻害
3. 腎排泄を介した相互作用
1. 尿細管分泌の阻害
4. 薬物輸送蛋白(トランスポーター)を介した相互作用
1. P-糖タンパク質の阻害
2. OATP1B1の阻害
5. 物理化学的機序
1. キレート作成
1
薬の代謝に関する薬物相互作用
1. 薬の代謝の阻害
(a) 同じ分子種による競合的阻害
2
薬の代謝に関する薬物相互作用
1. 薬の代謝の阻害
(b) 不可逆的な阻害
この様式はmechanism-based inhibitionと呼ばれる阻害形式で、CYPのヘム、またはタンパク質
への薬物分子の共有結合によってもたらされ、基質の結合や電子の授受、分子状酸素の活性化な
どの機能を不可逆的に変化させることで酵素活性の消失を招く。従って、阻害剤の投与を中止して
も、CYPの活性回復には新しい酵素タンパクの生合成を待たなければならないため、かなりの時間
を要することに注意が必要である。
薬の代謝に関する薬物相互作用
1. 薬の代謝の阻害
(c) 非特異的阻害
シメチジンやアゾール系抗菌薬(ケトコナゾールやイトラコナゾール)は薬物分子内に窒素原
子を含むイミダゾール環あるいはトリアゾール環を有し、この窒素原子がヘム鉄に配位するこ
とでCYPを阻害する。阻害剤が体内から消失すれば阻害作用も速やかに消失する(可逆的)
3
マクロライド系抗生物質の相互作用
薬品名
(商品名)
エリスロマイシン
(エリスロシン)
分 類
14員環系
あ
り
強
い
ロキシスロマイシン
(ルリッド)
あ
り
弱
い
クラリスロマイシン
(クラリシッド,クラリス)
あ
り
中等度
アジスロマイシン
(ジスロマック)
あ
り
な
い
アセチルスビラマイシン
(アセチルスピラマイシン)
な
し
な
い
ジョサマイシン
(ジョサマイシン)
な
し*
弱
い
キタサマイシン
(ロイコマイシン)
な
し
不
明
な
し
弱
い
な
し
な
い
15員環系
16員環系
ジゴキシンとの
CYP阻害
相互作用
ミデカマイシン
(メデマイシン.ミオカマイシ
ン)
ロキタマイシン
(リカマイシン)
CYP阻害を介して
相互作用を受ける薬物B)
抗アレルギー薬|テルフェナジン.
アステミゾール(いずれも発売中
止)},抗てんかん薬(カルバマゼピ
ン,バルブロ酸.フェニトイン),抗
癌剤(ドセタキセル,パクリタキセ
ル,ビンブラスチン),HMG-Co
A還元酵素阻害薬(ロバスタチン.シ
ンパスタチン)、副腎皮質ステロイド
(メチルブレドニゾロン,プレドニゾ
ロン,ベタメサゾン),ベンゾジアゼ
ピン系薬(ミダゾラム,トリアゾラ
ム‘アルプラゾラムなど).抗不整脈薬
(キニジン,ジソビラミド),免疫抑
制薬(シクロスポリン,タクロリム
ス),パーキンソン病治療薬(ブロモ
クリプチン,セレギリン),麦角アル
カロイド(エルゴタミン,ジヒドロエ
ルゴタミン)‘アンチピリン,シサブリ
ド,ジドブジン,ゾピクロン,シル
デナフィル,テオフィリン,ピモジ
ド.フェロジピン,ワルフアリン
トロレアンドマイシンはCYP阻害作用は最も強く,オレアンドマイシンも強いがわが国では発売されていない
ジゴキシンとの相互作用があるものはP一糖タンパク質阻害作用がある可能性が示唆される.
*ジョサマイシンは血清ジゴキシン濃度に影響したという臨床報告はないが.培養細胞系の輸送実験ではクラ
リスロマイシンに匹敵する輸送阻害作用を示す
マクロライド系抗生物質とCYPの主な相互作用の実際と回避法および代替薬
薬品種別
相互作用を
受ける薬物
HMG-CoA還元 シンバスタチン
酵素阻害薬
(リポバス)
マクロライド系
抗生物質
EM
相互作用の具体例
回避法・代替薬
Cmaxを平均3.4倍、AUCを6.2倍上昇させ、さらに活性体のシンバス
タチン酸のCmaxは平均2.5倍に、AUCは3.9倍に上昇する。
CYPによって代謝されないプラバスタチン(メバロチン)に変更する。
シンバスタチンを併用する際には筋肉痛、筋力低下、全身倦怠感、
褐色尿(ミオグロビン尿)などの横紋筋融解症を視野に入れたモニタ
リングが必須である。
CAM
フェロジピン
(スプレンジール,
ムノバール)
EM
Cmaxが2.94倍に、AUCが2.43倍に上昇し、t1/2は1.61倍に延長する。
アルプラゾラム
(コンスタン)
EM
Cmax、t1/2が2.5倍になり、総クリアランスが40%に低下する。
ミダゾラム
(ドルミカム)
EM
総クリアランスが54%低下する。
トリアゾラム
(ハルシオン)
EM
総クリアランスが52%低下し、t1/2は1.46倍に延長し、Vdは30%低下
する。
ゾピクロン
(アモバン)
EM
Cmaxが2.94倍に、AUCが2.43倍に上昇し、t1/2は1.61倍に延長する。
80%、AUCが40%上昇する。
抗てんかん薬
カルバマゼピン
(テグレトール)
EM
Cmaxは変化しないがAUCは1.34倍、t1/2は1.46倍に延長、クリアラ
ンスは23%低下。
気管支拡張薬
テオフィリン
(テオロング,
テオドール,
ユニフィル)
EM
t1/2は4.79時間から7.53時間に延長、総クリアランスは91.6mL/min
テオフィリンのTDMを実施する、あるいはEMをアセチルスピラマイ
から54.8mL/minに低下、Vdには変化なしという報告もあるがEMを併
シン,ロキタマイシン,アジスロマイシンに変更する。
用しても薬物動態パラメータに影響がないという報告も数多くある。
キニジン
EM
総クリアランスが34%、Cmaxは39%上昇する。
Ca拮抗薬
睡眠導入剤
抗不安薬
抗不整脈薬
ジソピラミド
(リスモダン)
CAM
EM
免疫抑制薬
シクロスポリン
CAM
RXM
クエン酸
勃起不全治療薬 シルデナフィル
(バイアグラ)
EM
血中濃度が1.5mg/mLから8mg/mLに上昇し、低血糖を生じ、QT,
QTc間隔も延長。このほかにも併用によりtorsades de pointesを発
症した報告もある。
バイオアベイラビリティが約2倍に上昇するもののクリアランスの低下
は13%にすぎない。
併用(9~24日間)により1/3に減量が必要であるとする6例の移植患
者の報告やAUCが2倍に増加したが、消失速度定数は15%にすぎな
い1症例の報告がある。
血中シクロスポリン濃度は有意な上昇を認めるものの濃度上昇はわ
ずか。
複数回併用によりAUCが2.8倍、Cmaxが2.6倍に上昇するが、消失
速度定数やt1/2に影響しない。CYP3A4を介したシルデナフィルの初
回通過効果が抑制されると考えられる。
EMをアセチルスピラマイシン,ロキタマイシン,アジスロマイシンに
変更する。
睡眠導入薬ではロルメタゼパム(エバミール,ロラメット)、抗不安薬
ではロラゼパム(ワイパックス)が構造中に水酸基を持っており、ほ
とんどがグルクロン酸抱合されるため、代替薬となる。ジアゼパム,
ニトラゼパム,フルニトラゼパム,なども比較的EMの影響を受けに
くい。
ほかの報告でもCmaxは上昇していないが個人差が大きくカルバマ
ゼピン濃度の予測が困難であるため併用の必要がある時には患者
モニタリングを綿密に行う。
torsades de pointesになりやすい素因を有する症例では、ECGを
確実にモニタリングしつつTDMを実施することによって用量調節す
る。
ECGを確実にモニタリングするとともにジソピラミドのTDMを実施す
る。またはCAMをアセチルスピラマイシン,ロキタマイシンに変更す
る。アジスロマイシンはジソピラミドの代謝を阻害したという報告があ
るため併用しない。
シクロスポリンの定常状態のトラフ濃度をモニタリングする、または
EM,CAMをアセチルスピラマイシン,ロキタマイシンに変更する。ア
ジスロマイシンはP-gpを介した相互作用があるため併用しない。
濃度上昇はわずかでありシクロスポリンの減量は必要ない。
シルデナフィルの初回投与量を半量に減量する。
4
ビダラビン × キサンチンオキシダーゼ阻害剤(ex. アロプリノール)
Ara-AMP
vidarabine
主代謝物であるAra-Hxの代謝経路(キサンチンオキシ
ダーゼ)を阻害することで、弱い薬理活性を有するAraHXの血中濃度が上昇し、副作用増強の恐れがある
Xanthine
oxidase
Ara-Hx
(主代謝物)
Hypoxanthine (Hx)
xanthine
uric acid
アザチオプリン
thiopurine
methyltransferase
(TPMT)
glutathione
‐S‐transferase
(GST‐ST)
6-メルカプトプリン
(6-MP)
アザチオプリン
フェブキソスタット
アロプリノール
Xanthine
oxidase
6‐メチルMP
アミノサリチル酸誘導体
(メサラジン、
hypoxanthine‐guanine phosphoribosyltransferaseサラゾスルファピリジン)
TPMT
チオイノシン酸
6‐チオ尿酸
6‐チオグアニンヌクレオチド
IMP dehydrogenase
(IMPDH)
メチルチオイノシン一リン酸
リバビリン
いずれも6‐MP濃度(チオイノシン酸濃度)を
上昇させることによる副作用の恐れ
チオグアニン一リン酸
5
blood brain barrier
OATP1A2
OATP1A2
P-gp
OAT3
BCRP
hepatocytes
CNS
MRP1
Blood
MRP4
MRP6
OATN2
OCT1
P-gp
OCTN2
ASBT
MRP3
BCRP
OCTN1/2
NTCP
Bile
OATP4C1
MATE1
Blood
MRP4
PEPT1/2
OAT3
BSEP
MATE1/2K
OATP1B3
MRP2
OAT1
P-gp
OATP1B1
Urine
MRP6
URAT1
MRP3
OCT2
MRP3
enterocytes
MRP2
OSTα/β
MRP4
BCRP
OATP
2B1
P-gp
MRP2
PEPT1
尿細管分泌
血液
proximal tubles
ASBT
尿細管分泌
尿
管腔
血液
プロベネシド
NSAIDs
シメチジン
クラリスロマイシン
6
ベラパミル × ダビガトラン
hepatocytes
proximal tubles
P-gp
P-gp
Bile
Blood
Urine
CYP
3A4
ベラパミルはCYP3A4, P-gpの基質であり、
P-gpに対しては阻害効果を持つ
enterocytes
CYP
3A4
P-gp
ベラパミル
ベラパミル × ダビガトラン
※ 尿中排泄率85 %
hepatocytes
Bile
proximal tubles
Blood
Urine
P-gp
P-gp
ダビガトランP-gpの基質であり、CYPにより
代謝されない
enterocytes
P-gp
ダビガトラン
7
ベラパミル × ダビガトラン
hepatocytes
proximal tubles
P-gp
P-gp
Bile
Blood
P-gp
Urine
P-gp
CYP
3A4
ベラパミルによりP-gpが阻害され、
ダビガトランの血中濃度が上がり、
抗凝固作用が増強する
enterocytes
CYP
3A4
P-gp
P-gp
ベラパミル
ダビガトラン
OATP2B1 and OATP1B3
central veins
of liver
Hepatocytes
OATP1B3
Enterocytes
OATP2B1
hepatic
portal vein
Gut
OATP2B1
P-gp/BCRP
Blood
Enterocytes
8
AUC
atorvastatin acid
×9 (+CYA)
atorvastatin lactone
×4 (+CYA)
pravastatin + cyclosporine
AUC
≈ ×10
o-hydroxyatorvastatin acid
×5 (+CYA)
p-hydroxyatorvastatin acid
×11 (+CYA)
o-hydroxyatorvastatin lactone
×3 (+CYA)
p-hydroxyatorvastatin lactone
pravastatin
Hedmann M et al., Clin Pharmcol Ther, 75; 101-9 (2004)
×7 (+CYA)
Hermann M et al., Clin Pharmcol Ther, 76; 388-91 (2004)
物理化学的機序
コレスチラミンは陰イオン交
換樹脂であり、消化管からは
吸収されず、消化管内の胆汁
酸を吸着してコレステロール
の吸収を阻害する。当然、あ
る種の酸性の薬物と併用する
と吸着によりその吸収を阻害
する。
本剤を食直後に投与すると,食物中,特にタン
パク質中に多く含まれるリン酸とランタンが結
合して極めて難溶性の塩を生成する.その塩は
解離することなく糞便中に排泄されるため,消
化管からのリン酸の吸収は阻害される.
ランタンと難溶性の複合体を形成し,薬剤の
腸管からの吸収を妨げることが考えられる.
9
薬物代謝酵素や薬物トランスポーターの誘導機構
1) CYP1A1
細胞膜
核膜
AhR
AhR
リガンド;
タバコ
ダイオキシン
ナフトフラボン
AhR
CYP1A1
XRE
細胞質
コンセンサス配列
核内
5’- TNGCGTG -3’
2) CYP3A4
PXR
リガンド;
リファンピシン
フェニトイン
カルバマゼピン
セントジョーンズワート
PXR
PXR
RXR
PXR
RXR
XREM
RXR
CYP3A4
prPXRE
コンセンサス配列
5’- AGGTCANNNAGTCA -3’
薬物代謝酵素や薬物トランスポーターの誘導機構
3) CYP2B1
細胞膜
核膜
CAR
CAR
リガンド;
フェノバルビタール
CAR
CYP2B6
PBREM
細胞質
コンセンサス配列
核内
5’- AGGTCANNNNAGGTCA -3’
4) P糖タンパク質
PXR
リガンド;
CYP3A4を
誘導する薬物
PXR
PXR
XREM
RXR
RXR
PXR
RXR
prPXRE
MDR1
コンセンサス配列
5’- AGGTCANNNNAGTCA -3’
10
KPC IRB 2010.09.17
PI(Protease inhibitor) boost療法とは
サキナビル(saquinavir; SQV)は抗HIV薬として用いられる代表的なPIだが、非常に低い
バイオアベイラビリティ(約4%)が問題
同じくPIであるリトナビル(ritonavir; RTV)を併用すると、サキナビルの血中濃度の急激な
上昇=boostingが生じる(下図)
SQV1600mg + RTV100mg
SQV血中濃度の急激な
上昇により、相乗的な抗
HIV効果が期待される
SQV1800mg + RTV100mg
SQV1200mg + RTV100mg
SQV1200mg + RTV200mg
SQV1200mg single
ただし、最も効率的なSQV,
RTVの投与量は明らかでない
Kilby et al., 2000 Antimicrob Agent Chemothr.
KPC IRB 2010.09.17
SQV-RTVの相互作用点は?
リトナビルにはCYP3A4の阻害効果がある
最近では薬物トランスポーターであるOATPやP糖タンパク質の阻害効果も注目される
サキナビルはこれらの薬物トランスポーター・代謝酵素の基質であり、これらの阻害効果
が複合してboostingを生じていると考えられている
<サキナビルの吸収・排泄過程とリトナビルとの主な相互作用 (in vitroからの予想)>
SAQ:
+RTV
小腸での吸収
循環血
肝臓での代謝・排泄
OATP
CYP3A4
P糖タンパク質
CYP3A4
肝臓
P糖タンパク質
小腸
11
KPC IRB 2010.09.17
試験概要
試験スケジュール
1日目
2日目
入院
3日目
採血(10 mL 10時点※)
蓄尿(0~10 hr, 10~24hr)
投薬(朝、150 mLの水とともに経口投与)
①MD用量試験
退院
※ 0, 0.5, 1, 1.5, 2, 4, 6, 8, 10, 24 hr
採血点は37点(臨床検査、健康診断含む)
総採血量は376 mL
サキナビル(2 mg/10 mL)
プラバスタチン(100 μg/2 mL)
フェキソフェナジン(100 μg/2 mL)
ミダゾラム(100 μg/2 mL)
いずれも水溶液を調整
②リトナビル併用試験A
①とノービア®内用液8% 0.25 mL(リトナビル 20 mg含有)
エタノール含量; 0.1075 mL
③リトナビル併用試験B
①とノービア®内用液8% 1.25 mL(リトナビル 100 mg含有)
エタノール含量; 0.5375 mL
Results 1 – saquinavir -
SQV concentration (ng/L)
FIG. 1.
Mean plasma concentration-time
profiles of Saquinavir
9 低⽤量でもboosting 効果の
再現性、AUC0→∞ の⼤きな上
昇が⾒られた。
9 RTV 100mg 併⽤群におい
て吸収の変化、RTV 併⽤群で
吸収の⽴ち上がりの上昇が⾒
られた。
Table 1. Summary of pharmacokinetic parameters for Saquinavir (n = 8)
Saquinavir
control
Mean ± SD
AUCinf
(ng・hr/L)
MRTinf (hr)
Cmax (ng/L)
Tmax (hr)
T1/2 (hr)
Kel (hr-1)
+RTV 20 mg
Mean ± SD
Ratio
+RTV 100 mg
Mean ± SD
Ratio
ANOVA
P-value
111 ± 34
2710 ± 1320
24
24900 ± 670
220
2.9E-11
4.82 ± 2.7
69.4 ± 30.2
0.5
4.6 ± 3.0
0.204 ± 0.097
6.52 ± 1.2
988 ± 602
0.69 ± 0.37
7.83 ± 2.22
0.095 ± 0.027
1.4
14
1.4
1.7
0.47
6.28 ± 0.65
5190 ± 1760
1.38 ± 0.52
6.34 ± 0.85
0.111 ± 0.014
1.3
75
2.8
1.4
0.54
0.13
7.6E-9
0.00026
0.028
0.0025
12
Results 2 – midazolam (probe; CYP3A4 ) -
MDZ concentration (ng/L)
FIG. 1.
Mean plasma concentration-time
profiles of Midazolam
9 RTV 100mg 併⽤群において、
吸収の変化が⾒られた。
9 RTV の⽤量依存的な消失の
変化が⾒られた。
Table 1. Summary of pharmacokinetic parameters for Midazolam (n = 8)
Midazolam
Variable
AUCinf
(ng・hr/L)
MRTinf (hr)
Cmax (ng/L)
Tmax (hr)
T1/2 (hr)
Kel (hr-1)
control
Mean ± SD
+RTV 20 mg
Mean ± SD
Ratio
1480 ± 556
9860 ± 4720
6.7
2.76 ± 0.48
657 ± 170
0.56 ± 0.18
2.23 ± 0.45
0.32 ± 0.064
11.2 ± 4.65
1350 ± 450
0.75 ± 0.27
8.5 ± 4.04
0.108 ± 0.068
4.1
2.1
1.3
3.8
0.034
+RTV 100 mg
Mean ± SD
Ratio
ANOVA
P-value
39200 ± 10000
26.5
2.3E-10
36.6 ± 13.5
2010 ± 454
1.13 ± 0.44
27 ± 9.47
0.028 ± 0.008
13
3.1
2
12
0.087
1.5E-7
2.8E-6
0.006
1.6E-7
1.3E-9
Results 3 – fexofenadine (probe; P-gp ) -
FEX concentration (ng/L)
FIG. 1.
Mean plasma concentration-time
profiles of Fexofenadine
9 吸収の変化によるバイオアベイ
ラビリティの上昇が⾒られた。
Table 1. Summary of pharmacokinetic parameters for Fexofenadine (n = 8)
Fexofenadine
variable
AUCinf
(ng・hr/L)
MRTinf (hr)
Cmax (ng/L)
Tmax (hr)
T1/2 (hr)
Kel (hr-1)
control
Mean ± SD
+RTV 20 mg
Mean ± SD
Ratio
+RTV 100 mg
Mean ± SD
Ratio
ANOVA
P-value
3590 ± 671
4940 ± 1380
1.38
7660 ± 1930
2.13
4.3E-5
8.86 ± 1.97
489 ± 183
1.13 ± 0.23
7.8 ± 1.60
0.093 ± 0.019
8.38 ± 1.46
761 ± 281
1.13 ± 0.44
7.03 ± 1.43
0.102 ± 0.019
0.95
1.6
1
0.91
1.1
7.96 ± 0.84
1250 ± 452
1.31 ± 0.46
7.03 ± 0.88
0.10 ± 0.011
0.9
2.6
1.2
0.91
1.08
0.49
0.004
0.55
0.47
0.55
13
Results 4 – pravastatin (probe; OATP1B1 ) -
PRV concentration (ng/L)
FIG. 1.
Mean plasma concentration-time
profiles of Pravastatin
9 肝臓でのOATP1B1 阻害はほ
とんど⾒られなかった。
Table 1. Summary of pharmacokinetic parameters for Pravastatin (n = 8)
Pravastatin
control
Mean ± SD
variable
AUCinf
(ng・hr/L)
MRTinf (hr)
Cmax (ng/L)
Tmax (hr)
T1/2 (hr)
Kel (hr-1)
+RTV 20 mg
Mean ± SD
Ratio
+RTV 100 mg
Mean ± SD
Ratio
ANOVA
P-value
470 ± 280
553 ± 372
1.18
590 ± 290
1.26
0.74
3.85 ± 0.87
142 ± 108
1.06 ± 0.18
2.7 ± 0.945
0.283 ± 0.087
3.29 ± 0.745
170 ± 118
1.06 ± 0.32
2.16 ± 0.69
0.35 ± 0.11
0.85
1.2
1
0.8
1.24
3.32 ± 0.47
191 ± 73.8
1.2 ± 0.26
2.1 ± 0.28
0.34 ± 0.046
0.86
1.35
1.12
0.78
1.18
0.23
0.62
0.54
0.19
0.27
Results 5 – AUC0→∞ まとめ Saquinavir
AUC (ng・hr/L)
40000
9 Ritonavir によるboosting 阻害効果は
CYP3A4 > P-gp > OATP1B1
の順に⼤きいことが分かった。
30000
20000
10000
0
2
+RTV
20mg
3
+RTV
100mg
4
Midazolam
12000
40000
20000
Fexofenadine
1600
AUC (ng・hr/L)
AUC (ng・hr/L)
60000
1
control
AUC (ng・hr/L)
0
8000
4000
Pravastatin
1200
800
400
0
0
control
+RTV
20mg
+RTV
100mg
0
control
+RTV
20mg
+RTV
100mg
control
+RTV
20mg
+RTV
100mg
14
スタチンの添付文書に記載されている特徴とシクロスポリンとの相互作用
薬剤名
プラパスタチン
代謝
シクロスポリンとの
相互作用
注意内容
相互作用機序
×
併用注意
腎障害
CYP3A4
併用注意
代謝阻害
活性型 プロドラッグ
○
シンバスタチン
○
ピタバスタチン
○
×
併用禁忌
血中濃度上昇
フルバスタチン
○
CYP2C9
併用注意
腎障害
+横紋筋融解症
ロスバスタチン
○
CYP2C9, 19
併用禁忌
肝取り込み阻害
アトルバスタチン
○
CYP3A4
併用注意
代謝・胆汁排
泄阻害+肝取り込み
阻害
スタチンとシクロスポリン併用の影響
AUC
Cmax
相互作用(添付文書)
使用上の注意
併用注意
アトルバスタチン
6 ‐ 15 倍
6.7 倍
代謝・胆汁排泄阻害
+肝取り込み阻害
フルバスタチン
1.9 ‐ 4 倍
1.3 倍
腎障害
+横紋筋融解症
併用注意
ピタバスタチン
4.5 ‐ 5 倍
6.5 倍
血中濃度上昇
併用禁忌
プラバスタチン
5 ‐ 10 倍
22.8 倍
腎障害
併用注意
ロスバスタチン
5 ‐ 10 倍
10.6 倍
肝取り込み阻害
併用禁忌
シンバスタチン
2.6 ‐ 8 倍
2.1 倍
代謝阻害
併用注意
Pharmacology & Therapeutics 112: 71–105 (2006)
Clin Pharmacol Ther. 80(6):565‐81 (2006)
P‐gpの基質、阻害剤
シクロスポリン
CYP3A4の基質、阻害剤
OATP1B1の(基質、)阻害剤
※ P‐gp, CYP3A4, OATP1B1はいずれも
スタチンの血中濃度を下げる方向
に働く
Anal Biochem. 405(1): 50–58 (2010)
15
アトルバスタチン
併用注意
※ 健常成人ボランティア13名
シクロスポリン併用
アトルバスタチン単独
タクロリムス併用
Am J Transplant. 5:2236‐43 (2005)
ピタバスタチン
併用禁忌
J Clin Ther Med. (臨床医薬) 19:381‐9 (2003)
16
プラバスタチン
併用注意
心臓移植を受けた患者10名
(シクロスポリン含む3剤併用)
心臓移植を受けた患児19名
(シクロスポリン含む3剤併用)
家族性高脂血症の患児20名
高脂血症治療中の患者10名
Transplant Proc. 25:2732‐4 (1993)
ロスバスタチン
Clin Pharmacol Ther. 75:101‐9 (2004)
併用禁忌
心臓移植を受けた患者15名
(シクロスポリン含む3剤併用)
健常ボランティア21名
Clin Pharmacol Ther. 76:167‐77 (2004)
17
併用注意
シンバスタチン投与後24 hrのAUC
シンバスタチン
Nephron 65:410-3 (1993)
シクロスポリンによるCYP3A4阻害効果
ニフェジピンの水酸化反応阻害
シクロスポリン
17β‐エストラジオール(E2)の水酸化反応阻害
タクロリムス
シクロスポリン
シメチジン
テストステロンの水酸化反応阻害
ケトコナゾール
Anal Biochem. 286(2):179‐86 (2000)
Yakugaku Zasshi. 127(1):209‐16 (2007)
18
シクロスポリンの薬物動態特性
代謝
1. CYP3A4の基質薬物
2. CYP3A4を介した代謝阻害作用
スタチン系薬物
代謝
シクロスポリン
との相互作用
プラバスタチン
併用注意
シンバスタチン
アトルバスタチン
ピタバスタチン
○ (CYP3A4)
○ (CYP3A4)
併用注意
併用注意
併用禁忌
フルバスタチン
△ (CYP2C9)
併用注意
ロスバスタチン
CYP2C9, 19
併用禁忌
注意内容
CYP3A4
相互作用機序
阻害
腎障害
+ 横紋筋融解症
代謝阻害
○
代謝・胆汁排泄阻害
○
血中濃度上昇
腎障害
+ 横紋筋融解症
肝取り込み阻害
併用によるアトルバスタチン、シンバスタチン血中濃度上昇がヒトで報告されている。
Clin Pharmacokinet II (208)
スタチンとトランスポーター、薬物代謝酵素
metabolism
臓器分布
(ADME関連)
CYP2C8
CYP2C9
CYP2C19
CYP3A4
肝臓
肝臓
肝臓
肝臓
小腸
アトルバスタチン
+++
(基質)
阻害剤
‐
‐
基質
阻害剤
フルバスタチン
+++
阻害剤
基質
阻害剤
‐
阻害剤
ピタバスタチン
++
‐
(基質)
‐
‐
プラバスタチン
+
‐
‐
‐
(基質)
ロスバスタチン
+
基質
基質
(阻害剤)
(基質)
阻害剤
シンバスタチン
+++
基質
阻害剤
‐
‐
基質
阻害剤
Clin Pharmacol Ther. 80(6):565‐81 (2006)
Basic & Clinical Pharmacology & Toxicology. 97: 104–108. (2005)
19
シクロスポリンによるP‐gp阻害効果
ビンクリスチン、ビンブラスチンはP‐gpの基質
J Biol Chem. 265(27):16509‐13 (1990)
Biochem Cell Biol. 77(1):47‐58 (1999)
シクロスポリンの薬物動態特性
分布(薬物輸送タンパク)
1. p-糖タンパクの基質薬物
2. p-糖タンパクを介した輸送機能阻害作用
スタチン系薬物
プラバスタチン
p-糖タンパク シクロスポリン
との関連
との相互作用
併用注意
シンバスタチン
アトルバスタチン
ピタバスタチン
基質薬物
基質薬物
基質薬物
基質薬物
併用注意
併用注意
併用禁忌
フルバスタチン
弱い/なし
併用注意
ロスバスタチン
基質薬物
併用禁忌
注意内容
CYP3A4 p-糖タンパク
相互作用機序
阻害
阻害
腎障害
△
+ 横紋筋融解症
代謝阻害・?
○
○
代謝・胆汁排泄阻害
○
○
血中濃度上昇
△
腎障害
+ 横紋筋融解症
肝取り込み阻害
△
アトルバスタチンの添付文書には、ジゴキシンとの相互作用機序にp-糖タンパクの関
与が記載されている。胆汁排泄阻害も本機序によるものと考えられる。
フルバスタチンには、ジゴキシンとの相互作用が併用注意で掲載されている
20
blood brain barrier
OATP1A2
OATP1A2
P-gp
OAT3
BCRP
hepatocytes
CNS
MRP1
Blood
MRP4
MRP6
OATN2
OCT1
P-gp
OCTN2
MRP3
ASBT
BCRP
OCTN1/2
NTCP
Bile
OATP4C1
MATE1
Blood
MRP4
PEPT1/2
OAT3
BSEP
MATE1/2K
OATP1B3
MRP2
OAT1
P-gp
OATP1B1
Urine
MRP6
URAT1
MRP3
OCT2
MRP3
enterocytes
MRP2
OSTα/β
MRP4
BCRP
OATP
2B1
P-gp
MRP2
PEPT1
ASBT
proximal tubles
シクロスポリンによるOATP1B1阻害効果
Anal Biochem. 405(1): 50–58 (2010)
21
Fig. 1
hepatic drug transport
central veins of liver
Disse space
(perisinusoidal space)
hepatic portal vein
シクロスポリンの薬物動態特性
分布(薬物輸送タンパク)
1. OATP1B1の基質薬物
2. OATP1B1を介した輸送機能阻害作用
OATP1B1 p-糖タンパク シクロスポリン
注意内容
CYP3A4 p-糖タンパク OATP1B1
との関連
との関連
との相互作用 相互作用機序
阻害
阻害
阻害
腎障害
プラバスタチン
基質薬物
併用注意
△
○
基質薬物
+ 横紋筋融解症
シンバスタチン
基質薬物
基質薬物
併用注意
代謝阻害
○
○
○
代謝・胆汁排泄
アトルバスタチン 基質薬物
基質薬物
併用注意
○
○
○
阻害
ピタバスタチン 基質薬物
基質薬物
併用禁忌
血中濃度上昇
△
○
腎障害
フルバスタチン
弱い/なし
併用注意
+ 横紋筋融解症
ロスバスタチン
基質薬物
基質薬物
併用禁忌 肝取り込み阻害
△
○
スタチン系薬物
ロスバスタチンの添付文書には、ロスバスタチンがOATP-Cにより肝臓に取り込まれる
こと、シクロスポリンの併用によりAUCが7倍上昇した原因は、この取り込み阻害が背
景にあることが記載されている。
フルバスタチン以外のスタチンの血中濃度はOATP1B1遺伝子多型により影響を受け
ることが報告されている。
22
スタチンとトランスポーター、薬物代謝酵素
PGx study
P‐gp
MRP2
MRP1
BCRP
OATP1A2
OATP1B1
OATP1B3
OATP2B1
臓器分布
(ADME関連)
肝臓
腎臓
小腸
肝臓
腎臓
小腸
肝臓
腎臓
肝臓
腎臓
小腸
肝臓
肝臓
肝臓
小腸
アトルバスタチン
基質
阻害剤
基質
阻害剤
基質
基質
阻害剤
基質
基質
阻害剤
基質
基質
阻害剤
フルバスタチン
‐
‐
‐
基質
阻害剤
‐
‐
‐
‐
ピタバスタチン
基質
‐
‐
基質
阻害剤
‐
基質
基質
‐
プラバスタチン
基質
‐
‐
基質
‐
基質
‐
‐
ロスバスタチン
基質
基質
基質
基質
阻害剤
基質
基質
基質
基質
シンバスタチン
基質
阻害剤
阻害剤
‐
阻害剤
‐
基質
阻害剤
‐
‐
Expert Opin. Drug Metab. Toxicol. 6(5):621‐632 (2010)
Pharmacol Rev 63:157–181, 2011
スタチンとシクロスポリン併用の影響(添付文書の情報不足)
相互作用に関連する分子種
AUC
Cmax
相互作用(添付文書)
使用上の注意
(赤字は記載が欠けている)
アトルバスタチン
6 ‐ 15 倍
6.7 倍
代謝・胆汁排泄阻害
+肝取り込み阻害
併用注意
P‐gp, CYP3A4, OATP1B1
フルバスタチン
1.9 ‐ 4 倍
1.3 倍
腎障害
+横紋筋融解症
併用注意
BCRP? ※
ピタバスタチン
4.5 ‐ 5 倍
6.5 倍
血中濃度上昇
併用禁忌
P‐gp, (OATP1B1)
プラバスタチン
5 ‐ 10 倍
22.8 倍
腎障害
併用注意
P‐gp, OATP1B1
ロスバスタチン
5 ‐ 10 倍
10.6 倍
肝取り込み阻害
併用禁忌
P‐gp, OATP1B1
シンバスタチン
2.6 ‐ 8 倍
2.1 倍
代謝阻害
併用注意
P‐gp, CYP3A4, OATP1B1
※ シクロスポリンはBCRPの阻害剤でもある
Drug Metab Dispos. 35(4):576‐82 (2007)
23
スタチンの添付文書に記載されている特徴とシクロスポリンとの相互作用
薬剤名
プラパスタチン
活性型 プロドラッグ
○
シンバスタチン
○
代謝
シクロスポリンとの
相互作用
注意内容
相互作用機序
×
併用注意
腎障害
CYP3A4
併用注意
代謝阻害
ピタバスタチン
○
×
併用禁忌
血中濃度上昇
フルバスタチン
○
CYP2C9
併用注意
腎障害
+横紋筋融解症
ロスバスタチン
○
CYP2C9,
19
併用禁忌
肝取り込み阻害
アトルバスタチン
○
CYP3A4
併用注意
代謝・胆汁排
泄阻害+肝取り込み
阻害
24
薬品種別
相互作用を
受ける薬物
HMG-CoA還元 シンバスタチン
酵素阻害薬
(リポバス)
マクロライド系
抗生物質
EM
相互作用の具体例
Cmaxを平均3.4倍、AUCを6.2倍上昇させ、さらに活性体のシンバス
タチン酸のCmaxは平均2.5倍に、AUCは3.9倍に上昇する。
CAM
回避法・代替薬
CYPによって代謝されないプラバスタチン(メバロチン)に変更する。
シンバスタチンを併用する際には筋肉痛、筋力低下、全身倦怠感、
褐色尿(ミオグロビン尿)などの横紋筋融解症を視野に入れたモニタ
リングが必須である。
フェロジピン
(スプレンジール,
ムノバール)
ムノバ
ル)
EM
Cmaxが2.94倍に、AUCが2.43倍に上昇し、t1/2は1.61倍に延長する。
アルプラゾラム
(コンスタン)
EM
Cmax、t1/2が2.5倍になり、総クリアランスが40%に低下する。
ミダゾラム
(ドルミカム)
EM
総クリアランスが54%低下する。
トリアゾラム
(ハルシオン)
EM
総クリアランスが52%低下し、t1/2は1.46倍に延長し、Vdは30%低下
する。
ゾピクロン
(アモバン)
EM
Cmaxが2.94倍に、AUCが2.43倍に上昇し、t1/2は1.61倍に延長する。
80%、AUCが40%上昇する。
抗てんかん薬
カルバマゼピン
(テグレトール)
(テグレト
ル)
EM
Cmaxは変化しないがAUCは1.34倍、t1/2は1.46倍に延長、クリアラ
ンスは23%低下。
気管支拡張薬
テオフィリン
(テオロング,
テオドール,
ユニフィル)
EM
t1/2は4.79時間から7.53時間に延長、総クリアランスは91.6mL/min
テオフィリンのTDMを実施する、あるいはEMをアセチルスピラマイ
から54.8mL/minに低下、Vdには変化なしという報告もあるがEMを併
シン,ロキタマイシン,アジスロマイシンに変更する。
用しても薬物動態パラメータに影響がないという報告も数多くある。
キニジン
ジ
EM
総クリアランスが34%、Cmaxは39%上昇する。
が
Ca拮抗薬
睡眠導入剤
抗不安薬
抗不整脈薬
ジソピラミド
(リスモダン)
CAM
EM
免疫抑制薬
シクロスポリン
CAM
RXM
クエン酸
勃起不全治療薬 シルデナフィル
(バイアグラ)
EM
血中濃度が1.5mg/mLから8mg/mLに上昇し、低血糖を生じ、QT,
QTc間隔も延長。このほかにも併用によりtorsades de pointesを発
症した報告もある。
バ オ ベ
バイオアベイラビリティが約2倍に上昇するもののクリアランスの低下
ビ
が約 倍
するも
ク
低
は13%にすぎない。
併用(9~24日間)により1/3に減量が必要であるとする6例の移植患
者の報告やAUCが2倍に増加したが、消失速度定数は15%にすぎな
い1症例の報告がある。
血中シクロスポリン濃度は有意な上昇を認めるものの濃度上昇はわ
ずか
ずか。
複数回併用によりAUCが2.8倍、Cmaxが2.6倍に上昇するが、消失
速度定数やt1/2に影響しない。CYP3A4を介したシルデナフィルの初
回通過効果が抑制されると考えられる。
EMをアセチルスピラマイシン,ロキタマイシン,アジスロマイシンに
変更する。
睡眠導入薬ではロルメタゼパム(エバミール,ロラメット)、抗不安薬
ではロラゼパム(ワイパックス)が構造中に水酸基を持っており、ほ
とんどがグルクロン酸抱合されるため、代替薬となる。ジアゼパム,
ニトラゼパム フルニトラゼパム なども比較的EMの影響を受けに
ニトラゼパム,フルニトラゼパム,なども比較的EMの影響を受けに
くい。
ほかの報告でもCmaxは上昇していないが個人差が大きくカルバマ
ゼピン濃度の予測が困難であるため併用の必要がある時には患者
モニタリングを綿密に行う。
タ
グを綿密 行う
torsades de pointesになりやすい素因を有する症例では、ECGを
確
確実にモニタリングしつつTDMを実施することによって用量調節す
グ
節
る。
ECGを確実にモニタリングするとともにジソピラミドのTDMを実施す
る。またはCAMをアセチルスピラマイシン,ロキタマイシンに変更す
る。アジスロマイシンはジソピラミドの代謝を阻害したという報告があ
るため併用しない。
シクロスポリンの定常状態のトラフ濃度をモニタリングする、または
EM,CAMをアセチルスピラマイシン,ロキタマイシンに変更する。ア
ジスロマイシンはP-gpを介した相互作用があるため併用しない。
濃度上昇はわずかでありシクロスポリンの減量は必要ない。
シルデナフィルの初回投与量を半量に減量する。
過去1年間にDSU掲載の薬物相互作用に関する情報
機序
No
グレード
分類
PK
C
薬物名 (A)
PK
C
PK
C
PK
C
クラリスロマイシン
C
C
202
201
(A)の作用が増強するおそれ
(A)の主要代謝酵素(CYP3A4 )を阻害するため血中
濃度が上昇するおそれ、本剤を減量するなど考
慮
CYP3A4 誘導作用を有する薬剤2)
(A)の作用が減弱するおそれ
(A)の主要代謝酵素(CYP3A4 )の誘導により血中濃
度が低下するおそれ
抗凝固剤3)
抗凝固剤4)
出血傾向が増強するおそれ
出血傾向が増強するおそれ
シプロフロキサシン
(A)の副作用が増強されることがある
(A)の副作用が増強するおそれ
ラパチニブトシル酸塩水和物
(B)の血中濃度上昇に伴う中毒症状が報告
コルヒチン
ベンゾジアゼピン系薬剤(CYP3A4
で代謝)、ジソピラミド、エプレ
レノン、エレトリプタン臭化水素
酸塩、カルシウム拮抗剤(CYP3A4
で代謝される薬剤)、ジエノゲス
(B)の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性
ト、ホスホジエステラーゼ5阻害
剤、クマリン系抗凝血剤、フェン
タニル/フェンタニルクエン酸塩
(B)は抗凝固作用を有するため
(A)の腎尿細管からの排泄が阻害されるため、減
量や休薬を考慮
(A)の活性代謝物(SN-38)のAUCが増加(40%)
投与量の調節や中止等
投与量の調節や中止等
リファブチン、エトラビリン
(B)の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性、(A) (A)のCYP3A4阻害作用により、(B)の代謝が阻害
の活性代謝物の血中濃度が上昇し、本剤の作用が減 される。また、(B)のCYP3A4に対する誘導作用
により、(A)の代謝が促進される
弱する可能性(?)
CYP3A4 の基質薬剤5)
(B)の血中濃度が上昇する可能性
抗凝固剤
出血の危険性が増大する可能性
(A)は血小板凝集抑制作用を有する
抗ヒスタミン剤
テオフィリン
リトナビル
沈殿を生じることがある
(A)の血中濃度上昇
(A)の血中濃度上昇
混注は避ける
(A)のクリアランスの低下(16%、機序不明)
(A)の腎排泄阻害
PK
C
PD
C
PC
C
ネルフィナビルメシル酸塩
ナプロキセン
プラノプロフェン(経口剤)
モフェゾラク
ヘパリンナトリウム(透析用シリンジ製剤)
PK
C
セチリジン塩酸塩
PK
C
ビダラビン(注射剤)
キサンチンオキシダーゼ阻害剤6)
(A)の副作用を増強するおそれ
(A)の主代謝物であるAra-Hxの代謝(キサンチン
オキシダーゼ)の阻害作用を有するため、AraHxの血中濃度が高まる
PK
C
ブロチゾラム
CYP3A4 誘導剤(リファンピシン
等)
(A)の血中濃度が低下し、作用減弱のおそれ
CYP3A4 が誘導され、代謝促進される
PD
C
(A)の作用増強のおそれ
(B)により、ドパミン遊離が促進する可能性
Torsade de pointesを起こすことがある
QT延長を増強し、心室性頻拍(Torsade de pointes
を含む)等を起こすおそれ
QT延長作用が相加的に増加する
PK
レボドパ(経口剤)(注射剤)、レボドパ・カルビドパ水
NMDA受容体拮抗剤7)
和物
アミオダロン塩酸塩
C
キニジン硫酸塩水和物
(A)の血中濃度が増加し、重篤又は生命に危険を及ぼ
チトクロームP450(CYP3A4 )に対する競合に
すような心血管系の副作用(QT延長等)を起こすお
よる
それ
フルコナゾール、ホスフルコナ
ゾール
(A)の血中濃度が上昇することにより、QT延長、
Torsade de pointesを発現するおそれ
デュロキセチン塩酸塩
(B)の血中濃度が上昇することがあるので、(B)の用量 (A)のCYP2D6 阻害作用により、(B)の血中濃度が
を減量するなど注意
上昇する
ボピンドロールマロン酸塩
ラパチニブトシル酸塩水和物
PK
PK
C
C
PD
C
ジメチコン(バロス)
PK
PD
C
オメプラゾール
C
トリアムシノロン
PD
PK
C
アザチオプリン
ダルナビルエタノール付加物
(A)の血中濃度を上昇させる可能性
ホスアンプレナビルカルシウム水和
(A)の血中濃度が上昇する可能性があるので、血中濃 アンプレナビルと(A)はCYP3A4 で代謝されるた
度のモニタリングを行うことが望ましい
め、併用により代謝が競合的阻害
ダビガトランエテキシラートメタ
ンスルホン酸塩
(B)の抗凝固作用が増強する
エゼチミブ
(B)の血中濃度が低下
ジスルフィラム、シアナミド、プ
ロカルバジン塩酸塩
N-メチルテトラゾールチオメチル
基を有するセフェム系抗生物質
13)
、メトロニダゾール
サキナビルメシル酸塩
シクロスポリン
エリスロマイシン、エストロゲン
(経口避妊薬を含む)
(B)とのアルコール反応(顔面潮紅、血圧降下、悪
心、頻脈、めまい、呼吸困難、視力低下等)を起こ (A)はエタノールを含有しているため (10%w/v)
す
(B)の血中濃度が上昇
(B)の血中濃度上昇
相互作用の機序は不明
(A)は肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖
利用を阻害
副腎皮質ホルモン剤は(B)の代謝を抑制
(A)の作用が増強される
(A)の代謝抑制
(B)の作用減弱
カリウム排泄による血中カリウム値低下によ
り、(B)の作用増強
糖質コルチコイドが成長抑制効果を有する
(A)の代謝物(6-MP)の代謝酵素であるキサン
チンオキシダーゼが阻害され、6-MPの血中濃度
が上昇することがアロプリノールで知られてい
る。フェブキソスタットもキサンチンオキシ
ダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性
ジギタリス中毒があらわれるおそれ
ソマトロピン
ソマトロピンの成長促進作用が抑制
フェブキソスタット
骨髄抑制等の副作用を増強
アミノサリチル酸誘導体14)
骨髄抑制が起こるおそれ
(B)が(A)の代謝酵素であるチオプリンメチルト
ランスフェラーゼ(TPMT)を阻害する
リバビリン
骨髄抑制が起こるおそれ
(B)はイノシン一リン酸脱水素酵素(IMPDH)
を阻害することにより、6-チオグアニンヌクレ
オチド(6-TGN)の産生が低下し、代謝産物の
メチルチオイノシン一リン酸(meTIMP)が蓄積
メトトレキサート
6-MPのAUCが上昇する
6-MPのAUCが約31%上昇
(A)はCYP3A4 をはじめとする肝薬物代謝酵素、P糖
蛋白を誘導する
(B)の血中濃度が低下
(A)のP糖蛋白誘導作用による
(B)の薬剤の作用が減弱する
腎障害を増強する
間質性肺炎を発現し致命的な症例報告
QT延長、心室頻拍、心室細動及びtorsades de
(B)の血中濃度が上昇しQTが延長
pointesなどの不整脈のおそれ
(B)の血中濃度が上昇するおそれ
(A)は(B)の主たる代謝酵素(CYP3A4 )を阻害す
(B)の血中濃度上昇により作用増強、(B)の減量あるい (A)は(B)の主たる代謝酵素(CYP3A4 )を阻害す
は低用量から開始するなど注意
る
(B)の血中濃度上昇により、横紋筋融解症が起こる可
能性
リファンピシン
PD
PD
C
C
ホスカルネットナトリウム水和物
インフリキシマブ(遺伝子組換え)
ダビガトランエテキシラート
薬物群RP15)
腎毒性を有する薬剤16)
メトトレキサート
PK
C
テリスロマイシン
タダラフィル
シサプリド
コルヒチン
ダルナビルエタノール付加物
(A)の経口剤において、ダビガトランの血中濃度
が上昇する
可能な限り間隔を空けて投与すること、同時に
経口投与された場合に、併用薬の吸収を遅延あ
るいは減少させる
ジゴキシン
C
C
(B)及びリトナビルのCYP3A4 に対する阻害作用
により、(A)の代謝阻害
(A)は主としてCYP3A4 で代謝され、また、P-糖蛋白
の基質であるとともに、P-糖蛋白に対して阻害作用
を有する
PK
PK
過度の心機能抑制があらわれることがある、(B)の血 (A)のCYP2D6 阻害作用により、(B)の代謝が遅延
漿中濃度を上昇させるおそれがある
する
(B)の血中濃度が上昇することがある
(B)はP-糖蛋白質の基質であることが示されてい
(B)の血中濃度や分布に影響を与える可能性がある
る
(A)の血中濃度が低下する可能性があるため、注意し
(B)のCYP3A4 誘導作用により、(A)の代謝促進
て投与する
経口糖尿病用剤、インスリン製剤
PK
(B)は(A)の主代謝酵素であるCYP3A4 を阻害する
ので、併用により(A)の血中濃度が上昇する
エトラビリン
ベラパミル塩酸塩(注射剤)(経口剤)
コレスチミド
(A)はQT間隔を延長させるおそれがあるため
サキナビルメシル酸塩
ロペラミド塩酸塩
199
機序・対応
CYP3A4 阻害作用を有する薬剤1)
トレミフェンクエン酸塩
200
効果
ブプレノルフィン塩酸塩
メロキシカム
ジピリダモール(経口剤)(注射剤)
メトトレキサート(錠剤2mg、カプセル剤)(錠剤2.5mg)
(注射剤5mg等)
イリノテカン塩酸塩水和物
PD
PD
併用薬物 (B)
ロスバスタチン
過去1年間にDSU掲載の薬物相互作用に関する情報
機序
No
グレード
分類
PK
PK
PK
198
PD
PK
C
C
薬物名 (A)
トラゾドン塩酸塩
シクロスポリン(経口剤、注射剤)
C
シクロホスファミド水和物(経口剤)
サキナビルメシル酸塩
PK
C
C
C
C
イトラコナゾール(経口剤)
(A)の血中濃度が増加し、重篤な心血管系の副作用
(QT延長等)を起こすおそれ
CYP3A4 阻害作用により(A)の代謝阻害
CYP3A4 を阻害する薬剤1)
(A)の作用が増強し、副作用発現のおそれ
薬物代謝酵素阻害作用により、(A)の血中濃度上
昇
CYP2D6 を阻害する薬剤8)
(A)の作用が増強し、副作用発現のおそれ
薬物代謝酵素阻害作用により、(A)の血中濃度上
昇
トルバプタン
(B)の血中濃度が上昇し、作用増強するおそれ
(A)のP糖蛋白阻害により(B)の血中濃度上昇
ダビガトラン
(B)の血中濃度が上昇し、抗凝固作用の増強のおそれ (A)のP糖蛋白阻害により(B)の血中濃度上昇
アントラサイクリン系薬剤
アゼルニジピン含有製剤
リファブチン
心筋障害が増強されるおそれ
(B)の血中濃度が増加するおそれ
(B)の血中濃度が増加するおそれ
PDE5阻害薬9)
(B)の血中濃度が増加するおそれ
CYP3A4 の基質となる薬剤
P-糖蛋白の基質となる薬剤11)
(B)の血中濃度が増加するおそれ
(B)の血中濃度が増加するおそれ
ダビガトラン
(B)の血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大
種々の薬物12)
(B)の薬剤の血中濃度を上昇させる
コレスチラミン
エゼチミブ
(B)の血中濃度の低下
乾燥甲状腺
リオチロニンナトリウム
レボチロキシンナトリウム水和物
コレスチラミン、コレスチミド、
鉄剤、アルミニウム含有制酸剤、
炭酸カルシウム、炭酸ランタン水
和物、セベラマー塩酸塩
同時投与により(A)の吸収が遅延又は減少する
ラパチニブトシル酸塩水和物
C
アタザナビル硫酸塩
C
PK
(A)投与前2時間あるいは投与後4時間以上の間
隔をあけて投与する、(A)は陰イオン交換樹脂で
あり、消化管内で胆汁酸、陰イオン性物質や酸
性物質等と結合してその吸収を遅延・抑制させ
る
併用する場合には(A)との投与間隔をできる限り
あける
(B)により誘導された肝薬物代謝酵素(チトク
ロームP450)が(A)の代謝を促進し、クリアラン
スを上昇させるため
機序・危険因子:機序不明
CYP3A4 に対する競合による
(B)がCYP3A4 を誘導し、また代謝が阻害される
ことによる
(A)の血中濃度が低下、(B)の血中濃度が上昇する
トラゾドン
(B)の血中濃度が上昇するおそれ
(B)及びその活性代謝物であるシロリムスの血中濃度 (A)がCYP3A4 を阻害する
が上昇する
ブプレノルフィン塩酸塩
C
(B)のP糖蛋白を介した輸送が(A)により阻害さ
れ、抗凝固作用が増強する
ネビラピン
テムシロリムス
PK
CYP3A4 に対する競合による
CYP3A4 に対する競合による
(B)の副作用(血圧低下、視覚障害等)の増加に
注意
(A)のCYP3A4 に対する阻害作用が示されてい
治療域が狭くCYP3A4 で代謝される (B)との併用で(B)のAUCが経口投与では約45%及び静
る。経口投与製剤では(A)が消化管でのCYP3A4
薬剤[ミダゾラム等]
脈内投与では約14%増加したとの報告
による代謝を阻害する
(B)との併用で(A)のAUCが約21%、(B)のAUCが約23%
治療域が狭くCYP3A4 又はCYP2C8 増加したとの報告、また、臨床試験において、(B)単 (A)のCYP3A4 とCYP2C8 に対する阻害作用が示さ
で代謝される薬剤(パクリタキセ 独投与時と比較して、(A)と(B)併用時に下痢と好中球 れている。また、(B)はP-糖蛋白質の基質である
ため、その寄与の可能性もある
ル)
数減少の発現率及び重症度が増加
P-糖蛋白質の基質薬剤(ジゴキシ 経口投与の(B)との併用により、(B)のAUCが約98%増
ン等)
加したとの報告
(B)の活性代謝物であるSN-38のAUCが約40%増加した
イリノテカン
との報告
(B)の代謝抑制で、横紋筋融解症を含むミオパチー等
シンバスタチン、ロバスタチン
が起こる可能性
バルデナフィル塩酸塩水和物
(B)の血中濃度が上昇し、有害事象の発現が増加
セイヨウオトギリソウ(St.John's
(A)の代謝促進で、血中濃度が低下するので、本剤投
Wort,セント・ジョーンズ・ワー
与時は(B)含有食品を摂取しない
ト)含有食品
(A)のAUC、Cminが低下し、(B)の血中濃度が上昇す
テノホビルジソプロキシルフマル
る、(B)の有害事象(腎障害等)を増強するため、(B)
酸塩
の有害事象のモニタリングを行うこと
H2受容体拮抗剤(ファモチジン等(A)の血中濃度が著しく低下し、効果が減弱する
リファブチン
(B)の作用が増強するおそれがある
シルデナフィルクエン酸塩、タダ (B)の血中濃度が上昇し、有害事象(低血圧、視覚障
ラフィル
害、持続勃起症、失神等)を起こす
アトルバスタチン、ロスバスタチン(B)の血中濃度が上昇するおそれがある
197 PK
機序・対応
サキナビルメシル酸塩
10)
PK
効果
ハロペリドール(経口剤)
C
C
併用薬物 (B)
(B)の血中濃度が上昇する、(A)/リトナビルと併用す
る場合は、鎮静状態及び認知機能のモニタリングを
行い、(B)の減量を考慮する、また、リトナビルを併 (A)がCYP3A4 及びUGT1A1 を阻害する
用しない場合には、(A)の血中濃度が減少するおそれ
があるので、(A)と(B)の併用は推奨されない。
ケトコナゾール、イトラコナゾー
ル、ボリコナゾール
CYP3A4の基質となる薬剤(ボセン
(B)の血中濃度が上昇する
タン水和物等)
アンプレナビルのCmax、AUC、Cminの低下、(B)の
Cmax、AUC、Cminの低下。(A)の効果が減弱するの
ホスアンプレナビルカルシウム水和物
ラルテグラビル
で、ブーストしない(A)(B)の併用は推奨されない
リトナビル、フェニトイン、カル (A)の活性代謝物の血中濃度が減少し、本剤の効果が
アルベンダゾール
バマゼピン、フェノバルビタール 減弱する
CYP2C9 を阻害する薬剤(ボリコナ
(A)のCmaxとAUCが増加する
ゾール等)
ジクロフェナクナトリウム(経口剤、坐剤、注腸軟膏剤) カリウム保持性利尿剤(スピロノ
(B)の作用を減弱させる、また、腎機能障害患者にお
ラクトン、カンレノ酸)、抗アル
ける重度の高カリウム血症の発現のおそれ
ドステロン剤(エプレレノン)
(B)はCYP3A4 を阻害し、またCYP3A4 により代謝
される
(A)がCYP3A4 を阻害する
機序不明
機序不明
(B)は(A)の代謝酵素であるCYP2C9 を阻害する
PD
C
PK
C
フルボキサミンマレイン酸塩
PK
C
ミアンセリン塩酸塩
196 PK
C
デフェラシロクス
PK
C
シクロスポリン(経口剤、注射剤)
PK
C
イマチニブメシル酸塩
PK
C
テルビナフィン塩酸塩(経口剤)
三環系抗うつ剤(イミプラミン、
ノルトリプチリン、アミトリプチ
リン)、マプロチリン、デキスト
ロメトルファン
(B)又はその活性代謝物の血中濃度が上昇する
PK
C
ラモトリギン
「アタザナビル/リトナビル
(B)両剤と(A)を併用した場合に(A)の血中濃度が低下
したとの報告
肝における(A)のグルクロン酸抱合が促進
トレチノイン
アゾール系抗真菌薬(フルコナ
ゾール、イトラコナゾール、ボリ
コナゾール等)
(A)の作用を増強する
代謝酵素である肝チトクロームP-450が阻害さ
れ、(A)の血中濃度及びAUCが上昇する
エトラビリン
(A)及び(B)の作用が減弱
マラビロク
(B)の作用減弱
プロテアーゼ阻害薬+リトナビル18)
(A)の主肝代謝酵素(CYP3A4 )を阻害し、(A)又
は活性代謝物の血中濃度が上昇、また、(A)の肝
(A)の作用増強、(A)の投与量を少なくとも1/4に減量 代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により、インジ
する
ナビル、サキナビル及びホスアンプレナビルの
代謝促進、これらの薬剤又は活性代謝物の血中
濃度の低下
アゾール系抗真菌薬(イトラコナ
ゾール、フルコナゾール、
Posaconazole等)
(B)は(A)の主肝代謝酵素(CYP3A4 )を阻害し、
(A)の血中濃度を上昇、また、(A)の肝代謝酵素
(A)の作用が増強するおそれ、投与量を少なくとも半
(CYP3A4等)誘導作用し、(B)(フルコナゾー
減する
ルを除く)の代謝促進し、これらの薬剤又は活
性代謝物の血中濃度を低下
マクロライド系抗生剤(エリスロ
マイシン、クラリスロマイシン、
ロキシスロマイシン等)
(B)は(A)の主肝代謝酵素(CYP3A4 )を阻害し、
(A)の作用増強のため、投与量を半減することを考慮 (A)の血中濃度を上昇、また、(A)の肝代謝酵素
する、また、(B)の作用減弱
(CYP3A4等)誘導作用し、(B)の代謝促進し、
これらの薬剤又は活性代謝物の血中濃度を低下
クロピドグレル
(B)の活性代謝物が減少する
PK
C
195
PK
PK
C
C
プロスタグランジン産生が抑制されることに
よって、Na貯留作用による降圧作用の減弱、K
貯留作用による血清K値が上昇
(A)は肝臓で酸化的に代謝される(B)の代謝を阻害
ラメルテオンの最高血中濃度、AUCが顕著に上昇する
ラメルテオン
し、血中濃度を上昇させる
(B)の血中濃度を上昇させる
薬剤群17)
CYP3A4 酵素誘導作用を有する薬剤
(A)は主に肝代謝酵素CYP1A2、CYP2D6、
(カルバマゼピン、フェニトイン (A)の血中濃度が低下し、作用が減弱する
CYP3A4 により代謝される、CYP3A4 の誘導作用
等)
により(A)の代謝促進
テオフィリン
(B)のAUCが84%上昇
(A)の弱いCYP1A2 阻害作用により、(B)の代謝阻害
コレスチラミン
(A)のAUCが45%低下
(B)の吸着作用により(A)の吸収が阻害される
(A)の血中濃度が上昇する、(B)の血中濃度が上昇し、 (A)のP糖蛋白阻害により(B)の血中濃度が上昇す
コルヒチン
作用が増強する
る
アンブリセンタン
(B)の血中濃度が上昇しAUCが約2倍になる
機序は不明
(B)がCYP3A4 及びP糖蛋白の活性を阻害して(A)
(A)と(B)の血中濃度が上昇することがある。(A)の
の血中濃度を上昇させる可能性、(A)がCYP3A4
ニロチニブ
AUCは18~39%、(B)のAUCは18~40%上昇した
及びP糖蛋白の活性を阻害して(B)の血中濃度を
上昇させる可能性
リファブチン
エトラビリン
(A)(B)の主肝代謝酵素(CYP3A4 )誘導作用によ
り、血中濃度の低下
(A)のCYP3A4 等誘導作用により、(B)の代謝促
進、血中濃度の低下
(A)のCYP2C19 阻害作用により、(B)の代謝阻害
過去1年間にDSU掲載の薬物相互作用に関する情報
機序
No
グレード
分類
薬物名 (A)
併用薬物 (B)
効果
機序・対応
PK
C
アリスキレンフマル酸塩
イトラコナゾール
(A)の血中濃度上昇、Cmaxが約5.8倍、AUCが約6.5倍 (A)のP糖蛋白(Pgp)を介した排出が(B)より抑
に上昇
制
PK
C
シルデナフィルクエン酸塩(25mg、50mg)
チトクロームP450 3A4阻害薬19)
(A)の血漿中濃度が上昇し、Cmax 1.5倍から3.9倍に
増加し、AUC 1.6倍から10.5倍に増加
PK
C
ミコフェノール酸モフェチル
アシクロビル、バラシクロビル、
ガンシクロビル、バルガンシクロ
ビル
(A)の代謝物及びアシクロビル、ガンシクロビルの血
中濃度上昇
194
パクリタキセル/カルボプラチン
PK
C
ソラフェニブトシル酸塩
カペシタビン
PK
PK
C
イトラコナゾール
C
カンデサルタンシレキセチル・アムロジピンベシル酸塩
バルサルタン・アムロジピンベシル酸塩
アムロジピンベシル酸塩
アムロジピンベシル酸塩・アトルバスタチンカルシウム水
和物
薬剤群20) + アリスキレン
CYP3A4 阻害剤(エリスロマイシ
ン、ジルチアゼム、リトナビル、
イトラコナゾール等)
アムロジピンの血中濃度が上昇
アムロジピンの代謝が競合的に阻害
CYP3A4 誘導剤(リファンピシン
等)
アムロジピンの血中濃度が低下
アムロジピンの代謝が促進
グレープフルーツジュース
キニジン、ピモジド
ロサルタン
193
(A)のAUCが47%増加し、パクリタキセル及びその活
性代謝物6-OHパクリタキセルのAUCが29%、50%増
加
機序不明
(B)及びその活性代謝物であるフルオロウラシルの
AUCが50%及び52%増加
(A)はCYP3A4 によって代謝され、CYP3A4 及びP
糖蛋白に対して阻害作用を示す。
アリスキレンのCmax、AUCが約5.8倍及び約6.5倍に アリスキレンのP糖蛋白(Pgp)を介した排出
上昇した
が(A)により抑制
アムロジピンの代謝には主としてCYP3A4 が関
与
グレープフルーツに含まれる成分がアムロジピ
ンの代謝を阻害し、アムロジピンの血中濃度が
上昇する
(B)の血中濃度が上昇で、QT延長、torsades de
(A)は(B)の代謝酵素であるチトクロームP450
pointesを発現
3A4を阻害し、(B)の血中濃度が上昇
(A)は(B)の主代謝酵素であるチトクロームP450
(B)の血中濃度上昇、及び活性代謝物であるカルボン
2C9を阻害し、活性代謝物であるカルボン酸体
酸体の血中濃度減少
の血中濃度が減少
降圧作用が増強
HMG-CoA還元酵素阻害薬(アトル
(B)の血中濃度が上昇する
バスタチン、シンバスタチン等)
PK
PK
C
C
C
C
PK
C
フルコナゾール(経口剤)
クロミプラミン塩酸塩
カルバマゼピン
(B)の血中濃度が上昇し、悪心・嘔吐、めまい、複視
等が発現
トレチノイン
中枢神経系の副作用が発現
シクロホスファミド
ビリルビンの上昇、クレアチニンの上昇の報告
(B)の作用が増強
(A)は(B)の代謝を阻害し、血中濃度が上昇
(B)の血中濃度上昇
(A)は(B)の主代謝酵素であるチトクロームP450
3A4を阻害し、血中濃度が上昇
選択的セロトニン再取り込み阻害
剤(SSRI)
(A)の血中濃度が上昇し、作用が増強(セロトニン症候
群)
抗不整脈剤(キニジン、プロパ
フェノン)、メチルフェニデー
ト、シメチジン、黄体・卵胞ホル
モン製剤、シナカルセト、サキナ
ビル
(A)の作用増強
PK
PK
C
C
エリスロマイシンエチルコハク酸エステル、
エリスロマイシンステアリン酸塩、
エリスロマイシンラクトビオン酸塩
エノキサシン水和物
PK
PD
C
(B)の血中濃度・時間曲線下面積(AUC)上昇
シプロフロキサシン
パズフロキサシンメシル酸塩
(A)の肝代謝が阻害され、血中濃度が上昇
(A)はCYP2D6 によって代謝される
(A)はCYP2C9、2C19及び3A4によって代謝される
テトラサイクリン系抗生物質(テ
トラサイクリン、ドキシサイクリ
ン等)、ニューキノロン系抗菌剤
(レボフロキサシン水和物、塩酸
シプロフロキサシン等)
甲状腺ホルモン剤(レボチロキシ
ンナトリウム水和物等)
ベラパミル塩酸塩
192
(A)は(B)の主代謝酵素であるチトクロームP450
を阻害し、血中濃度が上昇
(A)は(B)の主代謝酵素であるチトクロームP450
3A4及び2C9を阻害し、血中濃度が上昇
アミトリプチリン、ノルトリプチ
リン
カルシウム拮抗薬(ニフェジピン
等)、ビンカアルカロイド系抗悪
性腫瘍薬(ビンクリスチン、ビン
ブラスチン)、エリスロマイシン
リトナビル、サキナビル、オキシ
コドン
チモロールマレイン酸塩(持続性点眼剤)
ドルゾラミド塩酸塩
炭酸ランタン水和物
(A)は(B)の主代謝酵素であるチトクロームP450
3A4を阻害し、血中濃度が上昇
ブロナンセリン
エプレレノン
エベロリムス
サキナビルメシル酸塩
ピタバスタチンカルシウム
薬剤群21)
チザニジン、デュロキセチン、リ
ルゾール、ロピニロール、ロピバ
カイン
カフェイン
クラスⅠA抗不整脈薬(キニジン、
プロカインアミド等)、クラスⅢ
抗不整脈薬(アミオダロン、ソタ
ロール等)
クロザピン
シルデナフィルクエン酸塩
(B)の吸収低下し、効果が減弱されるので、(A)服用後
2時間以上あけて投与
(B)の吸収が低下するので、(A)との投与間隔をできる (A)と難溶性の複合体を形成し、(B)の腸管吸収を
限りあける
妨げる
血圧低下、徐脈性不整脈、乳酸アシドーシス等が報
告
(A)はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、
(B)の代謝を抑制
(B)の血中濃度が上昇し、作用が増強
(B)の血中濃度が上昇し、作用が増強
(B)の血中濃度上昇
(A)が(B)の肝臓への取り込みを阻害
(B)の薬剤の血中濃度上昇
(B)の代謝酵素であるCYP1A2 を阻害し、血中濃
度上昇
(B)の血中濃度上昇
(B)の肝での代謝を抑制し、クリアランスを減少
相加的なQT延長
機序不明
(B)及びその代謝物の血中濃度が29%と31%上昇
(B)のCmax及びAUCが約2倍上昇
(B)の肝代謝阻害
CYP3A4 阻害によりクリアランスが減少
(A)はチトクロームP-450により代謝を受けず、
主に尿中に排泄される。なお、(A)はCYP1A2 の
代謝活性阻害
1) イトラコナゾール、エリスロマイシン、リトナビル、アタザナビル硫酸塩等
2) フェノバルビタール、リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等
3) トロンビン阻害剤(ダビガトランエテキシラート等)、クマリン系抗凝血剤(ワルファリン等)、ヘパリン
4) ダビガトランエテキシラート、ヘパリン等
5) シルデナフィルクエン酸塩、タダラフィル、フルチカゾンプロピオン酸エステル、トラゾドン塩酸塩等
6) アロプリノール、フェブキソスタット
7) メマンチン塩酸塩等
8) キニジン、プロメタジン、クロルプロマジン
9) シルデナフィル、タダラフィル
10) キニーネ、フェンタニル、ミルタザピン、テムシロリムス等
11) アジスロマイシン、ジゴキシン、ダビガトラン等
12) ミダゾラム、ブロチゾラム、アルプラゾラム、シクロスポリン、タクロリムス水和物、ドセタキセル水和物、サキナビル、セレギリン、エバスチン、ゲフィチニブ、フェンタニル、ハロペリドール、ガランタミ
13) セフメノキシム塩酸塩、セフォペラゾンナトリウム、セフブペラゾンナトリウム、セフミノクスナトリウム水和物、セフメタゾールナトリウム、ラタモキセフナトリウム
14) メサラジン、サラゾスルファピリジン等
15) クマリン系抗凝固薬、経口糖尿病薬、シクロスポリン、タクロリムス水和物、ミコフェノール酸モフェチル、テオフィリン、ジギタリス製剤、トルバプタン、抗不整脈薬(キニジン硫酸塩水和物、メキシレチ
ン塩酸塩、ジソピラミド、プロパフェノン塩酸塩、ピルシカイニド塩酸塩水和物)、カルシウム拮抗薬(ベラパミル塩酸塩、ニフェジピン、アゼルニジピン等)、ブナゾシン塩酸塩、エプレレノン、β遮断薬(メ
トプロロール酒石酸塩、プロプラノロール塩酸塩、カルベジロール等)、エナラプリルマレイン酸塩、高脂血症用薬[クロフィブラート、フルバスタチンナトリウム、CYP3A4で代謝される薬剤(シンバスタチン
等)]、セビメリン塩酸塩水和物、副腎皮質ホルモン剤、卵胞ホルモン剤・黄体ホルモン剤、ジアフェニルスルホン、クロラムフェニコール、ドキシサイクリン塩酸塩水和物、クラリスロマイシン、テリスロマイ
シン、アゾール系抗真菌薬(フルコナゾール等)、テルビナフィン塩酸塩、HIV感染症治療薬[HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル、ロピナビル等)、ジドブジン、ネビラピン、エファビレンツ、ラルテグラビ
ルカリウム、マラビロク]、抗てんかん剤(フェニトイン、カルバマゼピン、ラモトリギン)、エレトリプタン臭化水素酸塩、抗精神病薬(ハロペリドール、ブロムペリドール、オランザピン、クエチアピンフマ
ル酸塩、クロザピン等)、ベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム、ミダゾラム、トリアゾラム等)、ゾルピデム酒石酸塩、ゾピクロン、三環系抗うつ薬(ノルトリプチリン塩酸塩等)、ミルタザピン、ドネペジル
塩酸塩、5-HT3受容体拮抗型制吐薬(トロピセトロン塩酸塩等)、タモキシフェンクエン酸塩、トレミフェンクエン酸塩、抗悪性腫瘍薬[CYP3A4で代謝される薬剤(イマチニブメシル酸塩、ゲフィチニブ、ラパ
チニブトシル酸塩水和物、イリノテカン塩酸塩水和物、レトロゾール等)]、ホスホジエステラーゼ5阻害剤[シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル(シアリス)]、ボセンタ
16) アミノグリコシド系抗生物質(ゲンタマイシン硫酸塩、アミカシン硫酸塩等)、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、バンコマイシン塩酸塩、アムホテリシンB、シクロスポリン、タクロリムス水和
物、メトトレキサート、シスプラチン 等
17) 抗てんかん剤(フェニトイン、カルバマゼピン)、三環系抗うつ剤(イミプラミン塩酸塩、アミトリプチリン塩酸塩、クロミプラミン塩酸塩)、ベンゾジアゼピン系薬剤(アルプラゾラム、ブロマゼパム、ジ
アゼパム等)、オランザピン、クロザピン、ロピニロール塩酸塩、メキシレチン塩酸塩
18) アタザナビル・リトナビル、インジナビル・リトナビル、サキナビル・リトナビル、ダルナビル・リトナビル、Tipranavir・リトナビル、ホスアンプレナビル・リトナビル、ロピナビル・リトナビル
19) リトナビル、サキナビル、ダルナビル、エリスロマイシン、シメチジン、ケトコナゾール、イトラコナゾール等)
20) ピモジド、キニジン、ベプリジル、トリアゾラム、シンバスタチン、アゼルニジピン、ニソルジピン、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、バルデナフィル、エプレレノン、ブロナンセリン、シルデナフィ
ル(レバチオ)、タダラフィル(アドシルカ)
21) ブロモクリプチンメシル酸塩、ドセタキセル水和物、パクリタキセル、セレギリン塩酸塩、シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル、シロスタゾール