<トピックス>・院内共通資料の「手術前休薬期間一覧」を改訂 ・DPP

第157号
2013.8
市民総合医療センター
薬剤部 医薬品情報(DI)室
Tel. 253-5340(内 2413)
Fax. 253-5343(内 1902)
<トピックス>・院内共通資料の「手術前休薬期間一覧」を改訂
・DPP-4 阻害薬について
院内共通資料の「手術前休薬期間一覧」を改訂しました
【改訂内容】
・抗凝固薬(Xa 阻害剤:イグザレルト錠、エリキュース錠など)を追加
・参考情報として、抗悪性腫瘍薬(内服)と TNF-α 阻害薬についての記載を追加
・販売されなくなったジェネリックの記載を削除
*一覧表は、「院内共通資料」→「薬剤」→「抗血小板、抗凝固作用を持つ薬剤 手術前休薬期間一覧表」からご覧
いただけます。
DPP-4 阻害薬について
DPP-4 阻害薬は、血糖依存性にインスリン分泌を促進することから単剤では低血糖を起こしにくく、臨床で急速に
普及しつつある薬剤です。現在、DPP-4 阻害薬は 7 種類発売されていますが併用できる糖尿病薬は異なっています。
これらを一覧表にまとめました。一覧表は、「院内共通資料」→「薬剤」→「薬報 2013 年 8 月」から印刷できます。
市大センター病院
薬剤部医薬品情報室(内線 2413)
薬報 H25.8
1
Drug Safety Update (DSU)
No.221
禁忌・相互作用情報
*一部抜粋ですので詳細は、http://www.info.pmda.go.jp/dsu/dsu_index.html を確認して下さい
DSU は、日本製薬団体連合会が厚生労働省監修のもと、添付文書の改訂内容をお知らせしているも
のです。以下、採用医薬品について改訂内容の一部を記載しています。
<併用禁忌>
薬剤名
リファンピシン
相互作用をおこす薬剤
臨床症状・機序・危険因子等
リルピビリン塩酸塩(エジュランド)
CYP3A4 誘導作用により、リルピビリン・エルビテ
グラビル・コビシスタットの代謝を促進し、血中
濃度を低下させると考えられている。
これらの薬剤の血中濃度上昇により、血管攣縮
等の副作用が発現するおそれがある。
イトラコナゾールの P 糖蛋白阻害作用により、こ
れらの薬剤の排泄が阻害され、血中濃度が上
昇する。
CYP3A4 及び P 糖蛋白阻害作用によりイグザレ
ルトの排泄が阻害され、抗凝固作用が増強され
る。
エルビテグラビル又はコビシスタット
を含有する製剤(スタリビルド配合錠)
エルゴメトリン
メチルエルゴメトリン
イトラコナゾール
アリスキレン(ラジレス)
ダビガトラン(プラザキサ)
リバーロキサバン(イグザレルト)
<併用注意>
薬剤名
相互作用をおこす薬剤
臨床症状・機序・危険因子等
エビリファイ
(アリピプラゾール)
パロキセチン
(パキシル)
エビリファイの作用が増強するおそれがあるため、
減量するなど考慮すること。
コンサータ
(メチルフェニデート)
選択的ノルアドレナリン
再取り込み阻害薬
(ストラテラ)
コンサータの作用が増強するおそれがあるため、
注意して投与すること。
チアゾリジン系薬剤(アクトス)
DPP-4 阻害薬
GLP-1 受容体阻害薬
スルピリン水和物(メチロン)
血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖
値モニターその他患者の状態を十分に観察し、必
要であれば減量する。
スターシス
ファスティック
(ナテグリニド)
リファンピシン
アトバコン
(サムチレール内用懸濁液、
マラロン配合錠)
リバーロキサバン(イグザレルト)
アピキサバン(エリキュース)
ホスアプレピタントメグルミン(プロイメンド)
鎮痛薬(メサドン、ブプレノルフィン)
イトラコナゾール
併用注意薬多数
メサドン(メサペイン)
フルコナゾール
プロジフ(ホスフルコナゾール)
リバーロキサバン(イグザレルト)
トファシチニブ(ゼルヤンツ)
ブイフェンド(ボリコナゾール)
メサドン(メサペイン)
市大センター病院
機序は不明だが、併用により血中濃度が約 53%低
下し、Tmax は約 33 時間短縮したとの報告がある。
これらの薬剤の作用が減弱することがある。
詳細は、最新の添付文書をご確認ください。
メサペインの血中濃度上昇の報告がある。
CYP3A4 を阻害するため、イグザレルトの血中濃度
が上昇したとの報告がある。
CYP3A4 を阻害するため、ゼルヤンツの Cmax が
27%、AUC が 79%増加したとの報告がある。
CYP3A4 を阻害するため、メサペインの Cmax が
30.7%、AUC が 47.2%増加した。
薬剤部医薬品情報室(内線 2413)
薬報 H25.8
2
安全性情報
1.
医薬品・医療用具等安全性情報 303 号
平成 25 年 7 月厚生労働省
トルバプタン(サムスカ錠)による肝機能障害について
トルバプタン(商品名:サムスカ錠。以下、サムスカという。)は、非ペプチド性バソプレシンV2受容体拮抗剤で
あり、国内では「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留」の効能効果で承認さ
れ、推計で、年間薬3万9千人(平成24年)の患者に使用されています。サムスカは承認時には重篤な肝機能障
害関連の報告はなく、添付文書上で注意喚起は行われていませんでした。その後、因果関係が否定できない肝
機能障害関連症例の報告が複数認められたため、添付文書の「重大な副作用」の項に肝機能障害が追記され
ました。さらに、肝機能障害の発現時期について再度検討を行った結果、投与初期から肝機能障害が認められ
ることが判明したため、「重要な基本的注意」の項に、投与開始前及び少なくとも投与開始2週間は頻回に肝機
能検査をおこなうこと等について記載が追記されました。
また、平成25年4月までに報告された26症例の肝機能障害の発現時期は図のとおりであり、投与開始2週間
までに多く発現していました。
サムスカ錠製剤写真
2):サムスカ錠適正使用のお知らせ-重大な肝機能障害回避のための肝機能検査に関するお願い-
本剤の使用に当たっては、口渇感、体重、血圧、脈拍数、尿量、血清ナトリウム値等のモニタリングが必要で
すが、以上の状況を踏まえ、肝機能障害にも注意をお願いします。
2.
磁気共鳴画像診断装置(MR装置)に係る使用上の注意の改訂について
これまで、金属を含む医療機器等を体内に植え込み又は留置している患者に対するMR検査は、MR装置から
発生する磁場の影響により、故障・体内での移動・発熱による患者の火傷等が生じるおそれがあることから、禁
忌・禁止とされてきました。しかし、近年、植え込み型又は留置型の医療機器において、MR適合試験に適合し、
MR撮影条件やMR検査実施時の注意点を遵守することでMR検査の実施が可能とされる製品が製造販売され、
一定の磁場強度まではMR検査室への持ち込みが可能とされる製品が製造販売されてきています。
市大センター病院
薬剤部医薬品情報室(内線 2413)
薬報 H25.8
3
このような状況から、MR装置の製造販売業者に対し、以下のように添付文書の禁忌・禁止欄を改訂するよう
指示されました。
金属を含む医療機器を植え込み又は留置した患者にMR検査が必要な場合や、金属を含む医療機器をMR検
査室に持ち込む必要がある場合には、まず、これらの添付文書等を参照し、MR装置に対する適合性が確認さ
れているかを確認して下さい。
MR装置に対する適合性が確認された医療機器であった場合には、撮影条件、検査実施時の注意点、持ち込
み可能な磁場強度を確認・遵守の上、機器の持ち込みをお願いします。添付文書等にMR検査に関する記載が
ないなど、適合性が確認されていない又は不明な場合には持ち込みはできませんので、ご注意ください。
3.
重要な副作用等に関する情報(下線部追加改訂部分)
【1】 インターフェロンベータ、リバビリン(フエロン、レベトール) 併用した場合→敗血症、網膜症
【2】 カルボプラチン 白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む)
【3】 テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(ティーエスワン) 劇症肝炎等の重篤な肝障害(B型肝炎ウイルス
の再活性化によるものを含む)
【4】 トルバプタン(サムスカ) ショック、アナフィラキシー、過度の血圧低下、心室細動、心室頻拍
【5】 パロキセチン(パキシル) 横紋筋融解症、汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少
【6】 レベチラセタム(イーケプラ) 攻撃性、自殺企図
4.
使用上の注意の改訂について(重大な副作用を抜粋)
・ロキソプロフェンナトリウム:無顆粒球症、横紋筋融解症
・ブリディオン静注:心停止、高度徐脈
・アラノンジー静注用:劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
・サーバリックス:発生機序は不明であるが、ワクチン接種後に、注射部位に限定しない激しい疼痛、しびれ、脱力感
があらわれ、長期間症状が持続する例が報告されている。異常が認められた場合には、神経学的・
免疫学的な鑑別診断を含めた適切な診療が可能な医療機関を受診させるなどの対応を行うこと。
市大センター病院
薬剤部医薬品情報室(内線 2413)
薬報 H25.8
4