2011 年 10 月号

天の一政治道 2011 年 10 月号
静岡市が奉賢区(上海)と友好交流
静岡市は 10 月 24 日、中国上海市奉賢区と友好交流の覚書を交わした。この
発端は 5 月に私が奉賢区を訪問したことにはじまる。奉賢区は躍進する上海市
南部にあり、目覚ましい発展途上にある。
「静岡市が将来に飛躍するためのパー
トナーにふさわしい」と感じた矢先、奉賢区から静岡市との提携依頼を受け、
仲介役を私が担うこととなった。
奉賢区は人口約 100 万人の都市。上海の「南の玄関口」として発展を続けて
いる。設備製造業や新エネルギー、観光産業はじめバイオ医薬産業などが盛ん
である。
市役所静岡庁舎を時光輝奉賢区長ら約 15 人が訪問。奉賢区は多くのプロジェ
クトを素晴らしいプレゼンテーションで提案した。事前準備もぬかりなく、友
好ムードを一気に盛り上げた。時光輝区長は「中国は輸出中心から内需拡大に
方針が変わり、中国市場がさらに大きくなる。友好交流の中で経済交流を推進
することが両市の発展につながっていく」と述べ、静岡市関係者に来訪を呼び
かけた。
それに比べて静岡市は正直なところ見劣りした。この 10 年間、中国との交流
を積極的に進めてこなかったつけが如実に現れ、静岡市は今の中国を全く理解
できていないし、アジア全体の潮流についての情報が途絶している。プレゼン
の内容も前向きではなかった。
静岡市の地場産業には、最先端技術を誇る釣具ガイドの生産、プラモデル、
自動車・オートバイ用ヘッドランプの生産が盛んだ。また、マグロやカツオ
の缶詰などの食料品の生産が多いのも特徴である。商業・観光都市のイメー
ジが強い静岡市だが、製造品出荷額からみると県内有数の工業都市であると
いうアピールが全くなかった。
覚書期間は 2011~13 年度の 3 カ年。交流をきっかけに中国事情、アジア情勢
はむろん観光客誘致や産業振興など経済交流の在り方についての情報交換など
を図り、静岡市の活性化、国際化につなげていきたい。私は日中交流を進める
ことは静岡市の在り方、未来のヒントになると考えている。静岡市に次ぎ、浜
松市、牧之原市など県内自治体間の提携が予定されている。今後は地方自治体
レベルの交流が主役になるだろう。静岡市も悠長に構えていると、後塵を拝す
ることになる。奮起を期待したい!
静岡県議会議員
天の一