10. Student Life

10 学生生活
到達目標
(1)学内奨学金制度の整備と充実を図る。
(2)学生の課外活動のためのインフラ整備と支援体制の充実を図る。
(学生への経済的支援)
A群:奨学金その他学生への経済的支援を図るための措置の有効性、適切性
●学内奨学金制度
(1)現状説明
本学はこれまで体育大学の特性から、
人物・競技成績が特に優秀な学生に対し学費等免除を行い、
人材育成とその支援を継続してきた。
そして 2005 年度に奨学金制度の整備と充実を目指して見直し
を図り、2006 年度には国内外及び社会において有意な人材育成を目的として、競技力の他に、学業
優秀者、社会貢献、経済的支援等を盛り込んで制度を体系的に整備・制定して「学校法人国際武道
大学奨学金制度」を確立、実施に至っている。なお、本学の奨学金等は全て給付制である。貸与奨
学金については、議論を重ねてきたが、制定する予定は無い。
整備・制定した奨学金等は次のとおりである。
奨 学 金 名 称
①学校法人国際武道大学松前記念国際特別奨学金
②創立20周年記念奨励金 学生奨励金
特別奨励金
③大学院奨学金
④スポーツ奨学金
人数
1
11
0
4
6
45
44
8
18
⑤私費留学生奨学金
⑥別科奨学金
種別
-
-
-
-
1
2
3
-
-
金額等
学費等全額
100,000 円
0
授業料の 2 分の 1
学費全額(諸会費を除く)
学費全額(諸会費を除く)の 3 分の 2
学費全額(諸会費を除く)の 3 分の 1
授業料の 3 分の 1
月 45,000 円×12 ヶ月
※①、③~⑥は 2007 年度実績。②は 2006 年度実績。
これ以外に、地震・台風等の自然災害により被災を受けた場合の支援も適宜行っている。
(2)点検・評価
奨学金制度としては、新制度は旧制度と比較して各種奨学金ともにより明確な目的を持ち体系的
な実施が可能となり、整備・充実が図られた。このことにより、該当者に対する経済的支援は十分
な効果が得られている。特に創立 20 周年記念奨励金を新設し、学業成績優秀者及び松前スポーツ・
文化賞特別賞受賞者等へ奨励金を給付する制度は、学生へのインセンティブと成り得るものとして
高く評価できる。また、
「国際」を標榜する本学における留学生や別科生に対する奨学金は、充実し
ていると言える。
更に、自然災害による支援についても評価できる。
(3)将来の改善方策
2006 年度に制定した奨学金制度であるため、今後、制度の有効性及び適切性について検証を重ね、
更なる奨学金制度の充実を図る。
- 92 -
●学外の奨学金制度等について
(1)現状説明
本学学内奨学金制度以外の学生への経済的支援を図る措置として、①日本学生支援機構奨学金制
度奨学生の推薦、②地方公共団体・民間奨学生の推薦、④アルバイトの情報提供・斡旋等がある。
学生からの学費・生活費に関する相談、奨学金に関する相談等も適宜行っている。
日本学生支援機構奨学金制度奨学金貸与希望者には、4 月のオリエンテーション期間中に説明会
を開催している。また、日本学生支援機構奨学金制度奨学生の継続学内手続きに関する指導と対応
も行っている。貸与希望者を対象とした説明会において、奨学生となる意味・心構えを理解させた
上で、申し込みの手順・方法について説明・指導を行っている。学生課においては個別の面談・指導
を行い、手続き等を手順に従ってサポートしている。学生が手続きに必要となる各種情報は、学生
自らインターネットを利用して入力し、その後、チューターの面接評価を受けている。入学して間
もない新入生は個人のパソコンから手続きが出来る環境にない場合が多いことから学内のパソコン
も解放している。近年、貸与希望者は増加傾向にあり、手続き期間中は学内パソコン利用希望者で
混雑する場合がある。また、入力や手続きにあたり不明な点があれば、学生課が相談窓口となって
個別に指導を受けることが出来る体制を整えている。本学では、
「表彰・懲戒・奨学金委員会」が「学
生委員会」の中の組織として位置づけられているが、貸与希望者一覧が完成した時点で、同委員会
が「日本学生支援機構奨学金制度学内新規採用選考」を行い、学生委員会、運営委員会、そして教
授会の議を経て同機構へ推薦を行っている。 また、日本学生支援機構奨学金緊急採用への対応も
適宜行っている。
地方公共団体や民間の奨学金についても、学生の経済的支援を図るために積極的に情報提供やサ
ポートを行うように努力している。また、実家が、地震・台風等の自然災害により被災を受けた場
合の支援も適宜行っている。被災状況の確認と大学からの見舞金や緊急の支援、学外の緊急対応奨
学金等の紹介・斡旋を行っている。
本学学生生活実態調査における 2006 年度奨学金受給額平均は 75,338 円である。近年の年次別平
均受給額は、65,246 円(2001 年度)
、67,205 円(2002 年度)
、70,483 円(2003 年度)
、70,445 円(2004
年度)
、71,318 円(2005 年度)
、75,338 円(2006 年度)で増加傾向である。
アルバイトに関しては、経済的な面で必要な学生が多数いるため、アルバイト情報を学生課で把
握し、本学学生に相応しい職種を選定して提供している。本学の周辺環境は、アルバイトを学生自
ら探すことが必ずしも容易ではないので、アルバイト情報の提供は学生にも有益であると考える。
しかし、課外活動を実施している学生にとっては、時間帯等の関係から適当なアルバイトを探すの
は困難な状況にある。
本学学生の 2006 年度のアルバイト収入月額平均は 17,777 円で、2005 年度調査(19,235 円)に比
べて減少している。2006 年度の仕送り額月平均は 50,857 円で、2001 年は 66,964 円であったが、
64,385 円(2002 年度)
、59,490 円(2003 年度)
、55,508 円(2004 年度)
、54,861 円(2005 年度)
、
50,857 円(2006 年度)と年々減少している。相対的に仕送り額よりも奨学金のウエイトが高まり、
2003 年度には、収入のうちもっとも多い割合が、仕送り額から奨学金に入れ替わっている。
(2)点検・評価
1)日本学生支援機構奨学金制度奨学生の推薦
日本学生支援機構奨学金制度奨学金貸与希望者への説明会はオリエンテーション期間中に
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特別な時間帯が確保されており、希望者も増加傾向にある。全体説明会としては充実してき
ている。学生課における個別の面談・指導は事前に計画され、時間帯を各学生に通知した上
で行っているため、学生の待ち時間も比較的少なく、スムーズに行われるようになった。面
談が課外活動時間と重なる学生もあるが、教授会並びに文書にてクラブ担当教員に通達し、
面談を優先することの理解と協力が得られている。他方、同奨学生 2 年次生以上の継続学内
手続きの説明会は出席率が良好とは言えない。学生の都合を考慮して、複数回の説明会を行
っているが、継続ができない学生も発生している。説明会の案内方法を改善し、奨学生とし
ての意識を高める指導が必要であり、説明会及び指導教員を通してその指導の徹底を図って
いる。
2)地方公共団体・民間奨学生の推薦
地方公共団体や民間の奨学金は、貸与希望がありながら日本学生支援機構奨学金制度奨学
金を受けることができない学生にとっては大きな支援となっている。表彰・懲戒・奨学金委
員会では推薦審査にあたり、学生の経済的負担軽減を第一に対応している。地震・台風等の
自然災害により被災を受けた場合の緊急支援情報も掲示板及び該当の可能性がある学生への
電話連絡等で確認を行っている。該当学生には被災状況の確認と相談を行い、緊急対応奨学
金等の紹介・斡旋等のサービスは充分に行われている。
3)アルバイトの情報提供・斡旋
アルバイトに関する情報は精査し、学生に提供している。学生の求めるアルバイトが容易
に見つかるわけではないが、その情報提供はアルバイトを探している学生にとっては有益と
なっているため、継続して提供サービスを行うことにしている。
(3)将来の改善方策
学外奨学金に関して、上述のような支援を行っているが、学生がより充実した学生生活を送れる
よう更に支援・サービスを充実させる努力が必要であると考え、個別面談・指導教員の指導等を行う
ことによって改善を図っている。日本学生支援機構奨学金制度については、学生への情報提供やサ
ポートをこれまでと同様に対応して行く。しかしながら希望にかなわぬ学生も多数いるため、地方
公共団体や民間の奨学金に関する情報を広く学生に提供することが望まれる。奨学金に関する情報
掲示板を設置して学生が容易に各種情報を収集できるようにすると同時に、個別相談の機会を充実
させて行く。
学費等納入に関しては、延納の場合は当該願書(
「延納願」
)の提出によって可能な体制は整えて
いるが、
その範囲を広める等の方策も考えなくてはならない。
自然災害により被災した場合等には、
臨時的支援体制で対応しているが、制度としての整備・充実を図ることによって、よりよい支援体
制となるものと考える。
アルバイト収入は、主には「生活費のため」に使用され、次に「日常的な娯楽費のため」の費用
にする学生が多い。その他「学費」
、
「預貯金」
、
「課外活動費」等であるが、
「生活費のため」が近年
増加している。このことを踏まえた上で経済的支援策を進める必要があり、問題をかかえ悩んでい
る学生に対しては学生課並びにチューター、学生相談室担当教員等が相談に応じる体制を整える。
各種説明会、個別面談、情報掲示物、情報閲覧コーナー、指導教員等、学生が容易に情報を収集
でき、充分な指導を受ける機会や相談し易い環境を整えることが充実した大学の体制につながって
行くものと考える。
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(生活相談等)
A群:学生の心身の健康保持・増進及び安全・衛生への配慮の適切性
●学生相談室
(1)現状説明
1995 年度における 1 年間の準備期間を経て、1996 年 4 月から「学生相談室」として組織に位置づ
けられて以来、学生・教職員のメンタルヘルスの保持・増進のための活動を兼任カウンセラーを中
心として展開してきている。
主な活動としては、学生、保護者、教職員等を対象とした相談活動を中心に行っている。また、
メンタルヘルスの保持・増進に関わる啓蒙活動として、
「心の健康」に関するリーフレット及びパン
フレットを作成・配布している。各種の相談のうち、神経症、精神病等の精神疾患の疑いがあるケー
スにおいては、近隣の医療機関との連携により適切な配慮計画を構築している。最近では、外科等
の診療科を受診した学生が、当該医療機関から学生相談室に紹介される等、近隣医療機関との連携
が緊密になりつつある。
相談件数に関しては、大学基礎データ(表 45)に示したように年間 350 件~400 件で推移してい
る。授業とクラブ活動の合間を縫った相談等が多数あることから、午後 5 時以降の相談が多い傾向
にありそれに対する対応が必要となっている。現行の相談日時は、月曜日~金曜日までの午前 9 時
~午後 6 時を原則としている。しかし、担当カウンセラーによっては午後 10 時までの予約を受け付
けて対応している。
(2)点検・評価
総じて言えば、学生相談室の認知度が向上したことにより、比較的スムーズに相談室利用ができ
ているのではないかと考えている。しかし、現行の相談日時が月曜日~金曜日までの午前 9 時~午
後 6 時を標準的な相談時間帯として設定している関係から、授業に出席し、クラブ活動に参加した
後にカウンセリングを希望する学生のすべてには対応が困難な状況にある。担当するカウンセラー
が全員兼任であることから、現状におけるこれ以上の対応は難しいと考えている。
また、土曜日と日曜日の相談希望に関しては、担当カウンセラーの任意としている。件数は多く
はないが、希望する学生にすべて対応できていない状況にある。
メンタルヘルスの保持・増進のための活動の一環として、
学生及び教職員を対象とした合宿研修を
例年計画しているが、学内行事等の事情により参加希望者がありながら、実施できない年度があっ
た。これについては、関係諸機関との連絡調整を行いながら実施に向けた方策を検討したいと考え
ている。
(3)将来の改善方策
現在の担当カウンセラー(兼任)において、現行の相談日時をもう少し柔軟に対応可能とできる
かどうかが改善点の重要な課題となる。特に午後 6 時以降の相談体制と土曜日、日曜日の相談体制
についてである。学校教育相談の限界点をどのように考えるかということにつながるが、在籍して
いる学生の希望をどのようにかなえていくのかということとのバランスを取っていくことを探る必
要がある。
上記の課題を解決する方策の一つに、専任のカウンセラーの配置を検討することがある。従前か
ら、この課題については検討が行われており、専任のカウンセラーの配置については早急に配置を
する必要があることは様々な検討段階で指摘をされている。今後は、専任カウンセラーの配置につ
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いて、実効性のある計画を策定していくことが必要であると考えている。
●健康管理室
(1)現状説明
1984 年開学と同時に医務室として開設、1989 年に健康管理室と改め、学生及び教職員の健康の
保持増進を図ることを目的に、健康管理実施の企画・立案、健康診断並びに事後措置、健康相談
及び応急処置、精神衛生に関する指導助言、環境衛生及び感染症の予防に関する指導助言、保健
衛生に関する普及啓蒙、その他健康の保持増進についての必要な専門的業務を行っている。
具体的活動内容は、新入生対象の入学時健康診断及びスポーツ傷害予防を目的とした整形外科的
メディカル・チェック(過去 5 年間受診率 100%、表 1)
、学生・教職員対象の定期健康診断の実施
(年 1 回)と、異常者の再検査、健康相談・指導、必要に応じ近隣医療機関の紹介、7 月実施の食
中毒予防対策(ポスター掲示、消毒薬設置点検)
、学内行事(入学式・卒業式・入試・オープンキ
ャンパス)及び日常学内救護、体育大学である特性上、日常のスポーツ外傷に関する相談やスポー
ツ医学講習会開催等である。
健康管理室延べ利用者学生数(表 2)のとおりである。
新入生整形外科的メディカル・チェック結果
年 度
2001
2002
2003
2004
2005
2006
(表 1)
受診人数(女子)
579 名( 92 名)
587 名( 87 名)
584 名( 93 名)
571 名( 94 名)
565 名( 79 名)
556 名(101 名)
受 診 率
100%
100%
100%
100%
100%
100%
健康管理室利用者数
月
年度
2002
2003
2004
2005
2006
(表 2)
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10 月
11 月
12 月
1月
2月
3月
197
273
271
286
317
106
123
81
127
161
73
82
95
140
134
57
72
68
99
101
10
7
4
22
57
18
20
21
32
54
40
50
52
88
131
37
35
34
86
96
47
33
43
78
87
25
28
17
42
54
11
26
15
60
57
21
6
21
39
70
合 計
642
755
722
1,099
1,319
(2)点検・評価
学生の課外活動のためのインフラ整備として、各クラブに学生トレーナーを置き、クラブ員の健
康管理担当者として配備している。この学生を対象に、毎年応急処置能力を強化する講習会を開催
している。トレーナー志向の学生には実習としての場が提供され、クラブはより質の高い救護体制
が可能となり、相互に好影響を及ぼしている。また、2006 年、学内教室及びスポーツ施設近隣に AED
(自動体外式除細動器)を 11 台設置、課外活動指導者を含む全教職員対象に取り扱い講習会を開催
した。全学生は授業で実習する形式をとっている。そのためもあって、本学では開学以来、スポー
ツ活動中の死亡及び重篤な後遺症を有する事故は 1 件も発生していない。その他、課外活動で発症
するスポーツ傷害に対しては、月曜日~金曜日の午前 9 時~午後 6 時まで常時救護体制を整え、応
急処置に備えている。また、必要に応じてスポーツ傷害に関する相談や近隣医療機関の紹介、治療
後のトレーニング(年間利用者数延べ 1,300 人前後)を提供している。更に、大会・合宿・遠征が
多い体育大学の特性に応じて、救急用具及びトレーナーズ・キット(テーピング等)のクラブへの貸
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し出しを実施、安全管理体制の構築に努めている。
問題点は、健康管理室に 2007 年現在、医師免許保持者が不在となり、健康の保持増進について
の必要な専門的業務力が格段に低下していることである。これについては、現在、非常勤学校医及
び管理栄養士を置くことで対応しているが、常勤医師の設置が急務である。
(3)将来の改善方策
健康管理室に関連する医師が不在であり、整形外科の授業も担当できる医師及び内科系の健康管
理室業務を担当できる医師の採用が必要である。
A群:ハラスメント防止のための措置の適切性
C群:セクシュアル・ハラスメント防止への対応
(1)現状説明
広報活動及び学内において生じた様々なハラスメント問題の解決と解消を図るため、2007 年度よ
り「セクシュアル・ハラスメント対策委員会」から「ハラスメント対策委員会」へと委員会組織を改
め、対応範囲を拡大した。また、ハラスメントを防止するための教育・啓発活動及びハラスメント
に関する相談・苦情について適切な処理を行うため、新たに「国際武道大学ハラスメント対策・防止
規程」を 2007 年に制定した。
ハラスメントへの対応方法としては、相談受付窓口を 2 ヵ所(学生相談室、学長室)から 6 ヵ所
(学生相談室、総務課、学生課、教務課、健康管理室、学長室企画課)に増設し、ハラスメントの
対応を行っている。受け付けた相談内容については、委員長に報告を行い、委員会にて審議の上、
対応にあたることとしているが、現段階では具体的な相談事例は報告されていない。
現在、明文化及び実施しているものを以下に記す。
1)セクシュアル・ハラスメント対策
セクシュアル・ハラスメントを防止するための措置として「IBU セクシュアル・ハラスメン
ト防止ガイドライン」を 2001 年に作成し、実施している。ガイドラインでは行為・行動・発
言について、加害者及び被害者にならないための注意事項を明記し、学生及び教職員に周知
している。
また、図書館にセクシュアル・ハラスメント防止関連のビデオ・書籍等を設置し、学生及
び教職員の意識向上を促している。
2)アルコール・ハラスメント対策
本学においてはハラスメントが大きく取り上げられる前から、学生部によるアルコール・
ハラスメント防止活動を実施してきた。この活動は、4 月のオリエンテーション時に、1 年次
生を対象として、アルコールについてのビデオ上映(題名:未成年者とアルコール)、アルコー
ルについての意識テスト(ALDH2 の欠損・非欠損型判別テスト)及びパッチテスト(飲酒適
応判定)を実施することにより、自己のアルコール適応能力を自覚させ、飲酒に対する知識
及びモラルの向上を図ることを目的としている。
3)その他のハラスメント対策
その他のハラスメントが生じた場合は、「国際武道大学ハラスメント対策委員会規則」に準
じて対応する。
- 97 -
(2)点検・評価
2007 年度に制定した対策・防止規程及び委員会規則により、広報活動及び啓発活動の内容が明確
となり、諸問題が生じた際の対応が明確になった。
現状の取り組みで十分対応できていると評価できる。
(3)将来の改善方策
ハラスメント全体の現実的な対応の体系化の確立ができたことから、学生・教職員のハラスメン
トに対する意識向上のため、広報・啓発活動及び研修会等の実施について検討を行う。また、対策
委員・相談員に対しては、ハラスメントに関する専門知識の修得、及び相談者への応対方法につい
て研修等を実施する。
B群:生活相談担当部署の活動上の有効性
●学生相談室
(1)現状説明
現在 5 名の教員が兼任のカウンセラーとして活動している。前述したが、活動日時は、原則とし
て月曜日~金曜日の午前 9 時~午後 6 時である。多くの学生にとっては、この活動日時においてそ
れぞれの希望に添った相談活動ができていると考えている。
カウンセラーの専門性に関しては、
現在臨床心理学を専門としているカウンセラーは 1 名である。
他の 4 名のカウンセラーは臨床心理領域の専門性を有しない担当者も含まれている。
しかしながら、
本学における相談が必ずしも臨床心理学の専門的知識をもって対応しなければならないものばかり
ではないことは言うまでもないことであり、担当カウンセラー間において、適切な担当者の選任が
行われていると考えている。
(2)点検・評価
現状の体制から考えると、総じて有効な相談活動が展開されていると言える。
課題を指摘するとすれば、担当者全員が授業を担当する兼任のカウンセラーであるという点であ
る。この点は、特に臨床心理学領域の専門知識が必要な相談について特に問題が生じやすいと考え
ている。つまり、それほど高度な専門性を必要としない相談に関しては、5 名のカウンセラーの中
から、もっとも相談しやすい(たとえば、その担当者の講義を履修していない等)相談員を選択す
ることが可能である。
しかしながら、
たとえば神経症等の心理的な問題を抱えている者にとっては、
選択の余地がない状況となっていることである。
学生相談室の設置場所に関しては、2007 年度からは、新設された 9 号館に移動し、従来までの設
置場所と比較すると相当に来談しやすい環境が整えられた。これまでは、他のセクションとの共同
利用と代わらない環境であったため、多くの相談は、担当カウンセラーの研究室において実施され
てきた。相談内容によっては、他の来室者等とのことを配慮しながらの相談が実施されており、あ
まり望ましい状況ではなかったと言える。
(3)将来の改善方策
前述したように、兼任カウンセラーと専任カウンセラーの適切な役割分担が可能となるような具
体的な計画の策定が急がれるところである。
相談室設置場所については、現状では考えられるもっとも適切な場所に設置が可能となったこと
と、相談室内部に関しても来談者のプライバシーが最大限守られるような施設となっている。設置
- 98 -
場所を移動したことの PR をもう少し丹念に実施することにより、
学生にとってより利用のし易い環
境が提供できるものと考えている。
相談室開設日時に関しては、94 ページ「A群:学生の心身の健康保持・増進及び安全・衛生への
配慮の適切性 ●学生相談室」を参照。
●健康管理室
(1)現状説明
2001 年度~2006 年度は、週 2~3 回開催の医師による健康相談(2006 年度延べ 332 件)
、アスレ
ティックトレーナー(兼任)3 名によるスポーツ傷害とリハビリテーションに関する相談(2006 年
度延べ 759 件)
(下表参照)
、その他、看護師 2 名により健康診断結果を含む、健康相談・指導を月
曜日~金曜日午前 9 時~午後 6 時随時対応している。
健康管理室各種相談件数
健康相談(件)
スポーツ傷害相談(件)
トレーニング(件)
2003 年度
318
335
1,562
2004 年度
304
313
1,510
2005 年度
350
613
2,244
2006 年度
332
759
3,072
(2)点検・評価
医師による健康相談は、遠隔地且つ医療機関の少ないこの地にあって有効に利用され、学生の福
利厚生に貢献していると評価できる。また、2005 年度からアスレティックトレーナー(兼任)が 1
名増加したことにより、スポーツ傷害とリハビリテーションに関する相談は、よりきめ細やかな対
応が可能となったことは評価できる。
(3)将来の改善方策
9 号館トレーニングルームが 2007 年度に開設したことにより、学内トレーニングルームが拡大さ
れ、
リハビリテーション・トレーニングの一部が 9 号館でも実施することが可能となった。
そのため、
既存のリハビリテーション施設に若干余裕が生まれた。今後は、9 号館トレーニングルームの利用
促進及び、学内に点在するトレーニング施設を有機的に機能させた上で、リハビリテーションに重
点を置く施設の整備が必要である。
C群:学生生活に関する満足度アンケートの実施と活用の状況
(1)現状説明
毎年全学生に対して、
「学生生活実態調査」を行っている。平成 18 年度は在学生 2,190 名に対し
1,454 名から回答があり、回収率は 66.6%であった。学生の主要な属性である学科別、学年別、性別、
通学形態別、所属クラブ別等によって集計・分析を行っている。調査項目は、1.「経済生活につい
て」
、2.「生活時間について」
、3.「アルバイト就労について」
、4.「課外活動について」
、5.「食生
活について」
、6.「携帯電話について」
、7.「学生生活の満足度について」
、8.「学生生活上の問題(自
由記述)
」となっている。そして、調査結果を報告書にまとめて学内の教職員に配布している。
(2)点検・評価
この調査は本学学生の生活実態を把握し、大学運営及び学生指導、更には学生へのサービス向上
- 99 -
の基礎資料を得ることを目的に、1993 年より実施しているものである。継続して実施していること
により、
学生の生活状況や意識の変化が伺え、
学生指導等に関しての貴重な参考資料となっている。
(3)将来の改善方策
学生生活の満足度を向上させるには、第一に学生のニーズ及び問題点を的確に把握する必要があ
る。アンケートの結果を踏まえ、それぞれの部署で問題点の把握及び改善策を検討し、解決可能な
事柄から前向きに取り組んでいかなければならない。
また、報告書の概略については大学後援会支部総会に報告しているが、調査結果については教職
員や保護者だけでなく、理事者等も含め広く大学関係者で共有する必要がある。
調査を長年継続してきたため、質問項目が現状に合っているかを検証する。更に、
「学生による授
業評価」とも連動させることを検討する。
(就職指導)
A群:学生の進路選択に関わる指導の適切性
(1)現状説明
現代の学生気質は、バーチャル感覚そのものであるかのように、あらゆる分野のあらゆる物をイ
メージや感覚で捉えやすく、職業選択においても同様の傾向があると推察する。特に 2006 年度以降
は景気回復の兆しと共に、学生の就職環境が次第に売り手市場へと移行している。このような状況
下、企業の採用活動と学生の就職活動のズレが見られ、売り手市場という安易感の中で危機感の希
薄を招き、総体的に就職後のミスマッチを引き起こす危険性をはらんでいると思われる。過去、本
学学生にも一部に早期に内定を取得しながら入社早々に退職するケースが見られたことから、これ
までの指導のあり方を見直し、2007 年度は 2006 年度に引き続き、職業選択について更に一歩踏み
込んだ以下の手法を用いながら進路についての指導・支援を展開している。
1)
【就勝三種の神器】
(キャリア支援冊子を 2006 年度に大改訂)作成。
①低学年用キャリア支援冊子「Step Up2007」
②3年次生キャリア支援冊子「就勝 BOOK2007」
③教職志望者対象手引書「Step Up2007 学校教員特別編」
2)進路アンケート実施
各学年のガイダンス開催時にアンケートを実施して希望進路を把握した。
また、4年次については 2004 年度から継続的に演習担当教員指導による進路調査を実施
している。
3)低学年キャリアガイダンス開催
低学年には、従来からキャリアガイダンスの中で「特別講演」と称し、概ね一般的な内容
の講演を実施してきたが、支援冊子「Step Up 2007」を活用し具体的な業界の事例をあげて
進路指導を行っている。
4)
「キャリア支援プログラム」による支援の強化
スポーツ業界就職選択に向けた「アスリートセミナー」
、保護者の体験談を通しての職業
選択「オヤジ・オフクロのセミナー」
、教職希望者向け「教職セミナー」
、業界研究指導「特
別講演」等を開催している。
- 100 -
5)各種「キャリアガイダンス」の開催
業界研究、職種研究、自己分析、自己 PR、面接等の実践的な内容に特化したガイダンスを
実施している。
6)キャリア支援プログラムの充実
2006 年度は、授業科目「就職 A」
・
「就職 B」を体育大学としての特殊性を考慮し適切な進
路選択を目的に授業概要を全面的に改訂したが、2007 年度はこの授業科目を廃止した。その
代わりに年間を通して多彩な内容でキャリアデザインからキャリアプランへとステップさせ
て職業観醸成を図る「キャリア支援プログラム」を立ち上げ現在も推進中である。
7)
「一般教養“採用”試験対策特別講座」開講
基礎学力向上を目的とし、外部専門講師を招聘し 1~3 年次生対象に開講した。
8)公務員希望者向け「公務員セミナー」開催
3~4 年次生対象に公務の採用担当者を招聘し、警察・消防・自衛隊等の公務員志望者に対
する説明会を開催した。
9)教員希望者向け「教職セミナー」開催
教職課程履修者を対象に年間数次にわたり説明会を開催した。また、県教育庁担当者や現
職教員を招聘して、教員希望者に対する「教育現場説明会」
・
「採用試験説明会」
・
「非常勤講
師登録説明会」等を実施した。
10)企業就職希望者向け「企業セミナー」開催
企業の人事採用担当者を招聘し開催した。また、適宜必要に応じ年間数次開催した。
11)基礎講座「ミニセミナー」開催
社会的マナー欠如対策として就職課主導にて開催した。
1~3 年次生の比較的意識の高い学
生の参加が見られた。
12)個別面談の実施
4 年次生を中心に個別進路面談を実施している。3 年次における進路希望と現在を相対的
に比較し、本人の職業適性を考慮しながら通年にて実施している。
学生の進路を決定づけるものには、個々の価値観もさることながら、職業観や就職観が大きく左
右される。それには将来の夢や大学を志望した動機が根底にあり、明確な将来像を確立した後は、
活動に向けた強い意志と行動力が要求される。本学では本来学生が目指すところの体育大学生とし
ての職業観を醸成させる目的から、その最初の過程における進路選択への指導の一環とした業界研
究や職種研究を、
身の周り品や日頃慣れ親しんだスポーツ用品を通じて考察させることにあり
「Step
Up2007」等の媒体を活用して指導にあたっている。
(2)点検・評価
2006 年度以降はキャリア関連手引等の内容改定を行い、それらの冊子を配付して説明を加えた結
果、比較的低学年次学生の「一般教養“採用”試験対策特別講座」や、就職課が行う「ミニセミナー」
への参加が見られた。また、2007 年度も 2006 年度に引き続き低学年に就職課を利用する姿が見ら
れたことは今後の就職観や職業観の醸成への効果が期待される。
しかし、早期に内定を取得し、企業就職した卒業生の一部にミスマッチが見られるケースがある
が、これは在学時における自己認識不足による職業選択が起因しているものと判断される。
- 101 -
(3)将来の改善方策
1~2 年次の低学年に対するキャリア支援は、開催回数や開催時期を視野に入れて対応する。また、
過去に早期に内定を取得した学生が、入社早々ミスマッチを引き起こした事例もあることから、早
期の就職活動を前提とした学生の職業観の醸成を図る。それには将来の夢・希望といったキャリア
デザインを中心に指導し、充分な活動期間を置かなければならない。これがなされずに進路選択を
行い就職した場合には、必ずミスマッチを引き起こす状況にあると考える。
従って、就職後のミスマッチについては、自己認識の低さの影響が大きいと考えられ、将来希望
する業種や職種に対する適職や自己の適性を確認させることが必要である。そのためには低学年か
ら就職活動期までの間、段階的なキャリア教育を行い、その醸成度合いを点検する機会の設定を検
討する。
また、学生の就職活動における企業の早期採用活動は、学事に支障をきたすことは必至であり、
学生の就学状況を勘案したうえで指導を行う。
B群:就職担当部署の活動上の有効性
(1)現状説明
キャリア支援は学内で実施する各種ガイダンスやセミナー、あるいは学外での企業セミナー等が
あげられる。本学の直接的な学生対応窓口である就職課の利用については、例年来課学生が少ない
現状にある。それは、紛れもなく昨今のデジタル化の急速なまでの発展と、それに伴う膨大な情報
量にあり就職課を活用しなくても就職活動が可能な環境にあるからである。インターネットの普及
に伴い、
本来就職課が機能すべき進路相談や進路資料公開等の分野が侵されている現状は否めない。
企業の採用活動と情報会社が実施する各種セミナーの早期化は依然として続いている状況であり、
これらを是正するために数年前から倫理憲章が締結されてはいるが、一部の優良企業が実施するの
みとなっており、大半は水面下での人材争奪が早期に行われている現状である。
就職課では下記の点について整備を行いつつ、学内における様々な支援事業を展開してその対応
を行っている。
1)学生対応窓口の環境整備
就職課の環境整備に重点を置き、既存のインターネット端末機器類に加え、学生が常時資
料等のVTRを閲覧できるようTV等モニターの設置やプリンター等機器類の整備と学生の負担
軽減のために用紙を無料サービス化する等環境整備に努めた。
2)キャリアサポートの強化
適切な進路相談への対応上の必要性から、試験的に元企業人事採用担当者を雇用し、キャ
リアサポート要員として学生の指導を行った。
3)周知 PR 作戦
就職課の所在と掲示の有効性を高めるため、通常の掲示場所とは別に就職課の窓ガラス外
側を掲示用として活用しイベント情報等の周知徹底化に努めた。
4)就職課員のスキル向上
指導上のスキル向上を図るため、就職課員を積極的に各種就職関連会議や研究会に参加さ
せ研鑽に努めさせると共に、各業界の斬新な情報収集を行った。
- 102 -
5)求人検索環境の整備
JNET 求人ナビを導入後 3 年目を向え、従来の紙ベースでの求人件数(約 1,300 社)から大
幅に上回り、現在では約 5,000 社からの求人となっている。
(2)点検・評価
就職担当部署における学生の進路指導は以下のようなことを展開しており、極めて有効であると
思われる。
①ガイダンス時において学生を取り巻く社会の現況や就職環境についての斬新な情報提供
②当該年次学生に対する JNET 求人ナビの操作指導及び全国どこからでも可能な企業検索の構築
③リクルート、日経、毎日等の各情報会社の就職ナビ説明会の実施
④本学ウェブサイト上への就職関連情報や U ターン希望者のための全国各地で行われている企業
説明会の情報公開
⑤学生個々に対するインターネット端末機器類の操作指導
⑥就職等の進路個別面談及び職業選択を中心とした進路決定のためのフォローの実施
⑦有力な企業採用情報の学内掲示及び希望学生への紹介・斡旋
⑧学生に対する有効な就職情報のメール配信
⑨学生の進路関連情報(各種参考図書)の閲覧・貸し出し
⑩就職課入り口への担当職員の写真入りコメント掲示
以上の進路指導については、各種会議や研究会の参加によって、担当者をプロのアドバイザーと
して研鑽させ、学生の進路に有効な情報収集に結び付けている。また、就職課既存のインターネッ
ト端末、VTR 等機器類の提供や図書資料等の貸し出しを行い進路指導に活用している。
しかし、キャリア支援の各種展開は年間を通じタイトなスケジュールになっているため事務処理
等を含む業務全体が繁忙化し、年次計画や各支援行事を実施する際の手際や要領について支障が生
じている。
また、インターネットの普及に伴い、年々就職課を利用する学生が減少している現実がある。求
人票をウェブ上にて公開する利便さが逆に就職課離れ現象を助長していることを念頭にいれた支援
を展開する必要があり、就職課に如何に学生を引き付けるかが就職担当部署としての課題である。
(3)将来の改善方策
進路関係資料や進路相談と併せた就職斡旋及び紹介をこれまでどおり行うほか、更なる就職担当
職員のスキルアップを図ることも重要であるが、本来の意図とする多くの学生が利用し易い魅力あ
る就職課を目指さなければならない。そのためには、学生の興味を分析し、キャリアガイダンスの
内容に反映させ、社会のニーズに即した魅力あるガイダンスを開催する。
C群:学生への就職ガイダンスの実施状況とその適切性
(1)現状説明
2007 年度キャリア支援計画は次の表のとおりである。
1)2007 年度も前年度に引き続き低学年に向けた支援を推進した。キャリア支援冊子「Step Up
2007」を配付して業界研究への指導を行った。また、保護者と学生間のコミュニケーション
対策、あるいは今後の就職活動へ向けた実践的マナー指導の一環として、1 年次生全員に保
護者宛に手紙を書かせ送付させた。
- 103 -
2)社会的マナー欠如対策を意図として、就職課主導による「就勝ミニセミナー」を開催した。
早朝の課外時間を活用してのプログラムであるが、1~3 年次生の比較的意識の高い学生の参
加が見られたことは、今後の母集団としての牽引が期待される。
4年次生
3年次生
就
キャリアガイダンス
○就職活動に伴う授業欠席について
4月
職
第1回・教職セミナー
試
○千葉県教員採用試験説明会(概要・今後の見通し等)
キャリアガイダンス
○就職課長挨拶
○学長・学部長・就職部長挨拶 ○就職課員紹介
○「“就勝”BOOK」配付・説明
○『“就勝”スケジュール』について
○就職活動に伴う授業欠席について
○その他、就活について
○就職部長挨拶 ○“就勝”スケジュールについて
公務員セミナー(願書記入説明)
○警視庁 ○各県警
○防衛省 ○消防庁
2年次生
“就勝”オープニングセミナー
1年次生
キャリアガイダンス
○就職課長挨拶
○キャリア、就職課について
○キャリア、就職課について
○願書配付・説明(千葉県教育委員会)
験 就 キャリア支援講演
一
一
個別面談
5月
○進路相談・未決定者フォロー
※ゼミ単位での面談を検討
対
勝
○働く事とは~キャリアプランニング~
○教職課程委員長・就職課長より現状等説明
OB・OGリクルーターセミナー
○OB・OGリクルーター(入社2~3年)による現場報告会
ニ
個別面談
般
教
教
養
養
試
試
自己分析セミナー①
○進路相談・未決定者フォロー
※ゼミ単位での面談を検討
○自分探しの旅・自己発見伝
講 セ 自己分析セミナー②
○自分探しの旅・自己発見伝
座 ミ
個別面談
ナ
教職セミナー
○教職の現状 先輩から後輩へ伝えたいモノ・・・
業界研究プレセミナー
ー
○進路相談・未決定者フォロー
※ゼミ単位での面談を検討
7月
般
ミ オヤジのセミナー
○オヤジから息子・娘へ伝えたいモノ・・・(※後援会協力)
策
6月
キャリアガイダンス
○手紙を書こうセミナー
○就職状況の昨今とこれから/スポーツでメシが食えるか
キャリア支援講演
○世の中の業界図を知ろう!
キャリア支援講演
○就“勝”と“敗”の違いはこれなんです!~夏休み前にやらねばならぬ事~
夏
9月
学内合同企業セミナー①
期
休
(
8月
験
験
業
アスリートセミナー/学内合同企業セミナー①
期
対
間
対
○スポーツ関連業界の人事関係者より講演・学内会社説明会
前
10月
学内合同企業セミナー②
学内合同企業セミナー③
個別面談
○進路相談・未決定者フォロー
※ゼミ単位での面談を検討
業界研究①/学内合同企業セミナー②
○様々な業界の人事担当者より講演・学内会社説明会
期 業界研究②/学内合同企業セミナー③
キャリア支援講演
キャリア支援講演
○未来を見据えいかに
○今、何をすべきか!?
有意義に大学生活を送るか
スポーツから知る将来の自分像
策
策
就 就勝エチケット&マナーセミナー
特
・
○ビジネスマナー・礼儀作法・リクルートスーツについて
特
○様々な業界の人事担当者より講演・学内会社説明会
⑩
就職情報サイト有効活用セミナー
○大手ナビ・体育会系ナビの有効活用法
就勝体験者報告会
回
○内定獲得者による体験報告会(4年から3年へ伝えたいモノ)
JNET求人NAVI登録説明会
個別面談
11月
○進路相談・未決定者フォロー
※ゼミ単位での面談を検討
○JNET求人NAVI説明・求職票回収
後 職
Uターンセミナー
○Uターン情報に特化したセミナー
期
⑩
キャリア支援講演
○How to 就勝セミナー
試 公務員セミナー①
別
別
講
講
○国家公務員・地方公務員の仕事とは?
職務適性テスト
回 験
公務員セミナー②
第2回・教職セミナー
○消防官・警察官・自衛官の仕事とは?
○千葉県教員採用試験説明会(概要・今後の見通し等)
開
○講師登録説明会
12月
学内合同企業セミナー(3日間)
○学内にて企業約30社による会社説明会
○進路相談・未決定者フォロー
※ゼミ単位での面談を検討
冬
○東上総教育事務所
○進路相談・未決定者フォロー
※ゼミ単位での面談を検討
2月
3月
春
期
学内合同企業セミナー(3日間)
座
策
休
講
座
個別面談
○エントリーシート・履歴書の書き方
○学内にて企業約30社による会社説明会
期
学内講師登録・面接会
1月
対
講
)
個別面談
書く自己PRセミナー
業
座
期
間
期
間
面接指南セミナー①(基礎・準備編)
○面接試験の突破法
面接指南セミナー②(実践編・模擬面接)
○面接試験の突破法/模擬面接
休
業
※就勝ミニセミナー・・・就職課による“補助的”支援プログラム (前期:自己分析・業界研究等、準備編)
(後期:エントリーシート・履歴書作成等、アプローチ編)
※就職試験対策講座・・・就職試験対策(一般教養・SPI等)の模擬試験講座 ※不定期
※一般教養試験対策特別講座(公務員講座)・・・低学年からの基礎学力(一般教養等)スキルアップ講座 ※通年
(2)点検・評価
1)体育大学に特化した内容のキャリアデザイン冊子「Step Up2007」を作成し指導した結果、
1~3 年次対象のオープン開催である「ミニセミナー」やキャリア支援行事「一般教養対策特
別講座」への低学年の参加が見られた。
2)就職部(就職委員会)と教務部(教職課程委員会)の共同事業である教職セミナーを年間
数次に渡り開催した。更に県教育庁教職員課等の担当部署の協力を仰ぎ、官・学共催事業と
して推進し、教員として適材者の発掘に向けた事業を展開できた。
- 104 -
3)2006 年度に引き続き 2007 年度も本学独自の「オヤジ・オフクロのセミナー」を開催した。
通常、大学側から保護者側に対して大学が推進するキャリア支援事業の現状を説明するケー
スはあるが、本学ではそれに加え「保護者から学生に向けた講演」を実施した。学生からは
最も身近な社会の先輩として、保護者には大学の教育及びキャリア支援環境等への理解を目
的とするものである。保護者が講師となり、親の視点から講演を実施した結果、学生には保
護者に対する畏敬の念を生じさせ一様に感動を与えたことは、今後の学生の職業選択への成
果が図られたと考える。また、社会における体験談を聴かせることにより学生に将来につい
て考える機会を与えることができた。
(3)将来の改善方策
各種キャリア支援事業へ学生動員については重要な問題であるため、今後も魅力あるキャリア支
援プログラムの整備を行う。また、キャリア支援については学年を通じての段階的な人材教育への
発展と、二極化防止へ向けた対策を検討していく。
C群:就職活動の早期化に対する対応
(1)現状説明
本学では、企業の採用活動の早期化に対応し、従来 3 年次生から開始する「キャリアガイダンス」
の開催時期を 2 ヶ月繰り上げ開催し、なおかつ通常開催のガイダンスとは別の集中的な支援を目的
とした「キャリア支援月間」を立ち上げて学生の支援を行った。
また、就職活動の早期化に対応するには学生個々の職業観が醸成されなければならず、そのため
には充分なキャリア形成がなされなくてはならない。本学では学生に対する早期の意識づけが必要
であることから 1 年次生対象の「キャリアガイダンス」を開催した。これは卒業年次の秋季から活
動開始する学生も少なくないため、ミスマッチを防ぐための有効な手段であると考える。
また、学外における各種セミナーへの参加や学内企業セミナーを開催して企業等の早期採用活動
に伴う対策を講じた。
その他、本学ウェブサイトを活用し、ウェブ上で新聞各社や情報会社等が主催する企業セミナー
等の開催情報を公開し、Uターン希望者の支援も行った。
(2)点検・評価及び将来の改善方策
学生に早い段階から将来に向けたキャリアプランを立てる機会を与えることにより、卒業年次ま
でに充分な職業意識の高揚と本人に適正な職業選択への準備が可能になる。今後も現状を維持して
いく。
C群:就職統計データの整備と活用の状況
(1)現状説明
大学基礎データ(表 8)は文部科学省が実施する学校基本調査報告資料に基づき作成したもので
ある。例年どおりであるが 2007 年度も卒業年次学生が進路決定、あるいは就職先への内定を取得し
た際は速やかにその旨を就職課へ報告するよう指導を行っている。それと同時に就職課では的確な
進路状況を把握する必要性から、常に進路(就職)情報の収集に努めている。また、収集したデー
タはその用途に応じ、学籍番号別、所属演習別、更には年度別統計を行う等貴重な資料として活用
している。
- 105 -
なお、これらのデータは就職課で年度毎に一括して「就職管理システム」に保存し、個人情報の
管理に努めると同時に会議等の資料に供する
(2)点検・評価
1)進路(就職)統計データは当該年度の進路(就職)状況のみならず、過去から現在までの
推移が点検できること、また、それらの流れから社会のニーズに連動した学生の思考やコン
ピテンシー、あるいは採用側の動向が把握できることから本学がキャリア支援を推進するた
めの有為な資料として活用ができる等の利点がある。
2)当該データは学内における各種会議の資料とするほか、文部科学省が実施する学校基本調
査等における一連の統計資料の他、就職関連情報誌への参考データとしての活用が可能であ
る。
3)統計データは本学が目指す、
「キャリア支援計画」や「進路支援」のための有為な参考資
料となった。
(3)将来の改善方策
これらのデータは社会の現況を見据え、学生に有効な支援を展開する上での重要な資料として常
に整備しておく必要がある。2007 年度は本学独自の基本データを軸に、文部科学省で実施する学校
基本調査が行う統計データを基に作成したものである。
特に 1997 年の就職協定廃止に伴う企業の採
用活動の早期化、多様化、厳選採用と移行していく中で、社会のニーズに応え得る人材排出に向け
ての教育を推進しなければならない。
そのような意味合いからも、就職統計データは今後もその整備に重点をおき、キャリア支援を有
効に展開するための資料として、充分に活用しなければならない。
(課外活動)
A群:学生の課外活動に対して大学として組織的に行っている指導、支援の有効性
C群:学生代表と定期的に意見交換を行うシステムの確立状況
(この項では(財)大学基準協会設定の上記 2 項目を一括して扱うこととする。
)
(1)現状説明
体育大学である本学では、課外活動に本学教育の柱としての期待が寄せられており、正課教育で
は得難い知識・技能の開発及び心身の鍛錬の修得を推進・支援するものとして開学当初より重要な
位置づけとしてインフラ整備並びに支援体制の充実が図られてきた。
また、
課外活動という性格上、
“学生の自主・自治”という原則を念頭に置きつつ指導・支援体制の整備が図られてきた。
まず組織については、課外活動を統括する「国際武道大学学友会(組織図は図 1 参照)
」が設けら
れている。本組織は学生サイド(部員)及び大学サイド(教職員、指導スタッフ等)で構成されて
おり、両者が一体となって課外活動の推進を図る体制を敷いている。具体的には、学友会を母体と
し、学友会協議会(年 2 回開催)
、学友会総務委員会(随時開催)
、学友会指導者会議(年 2 回開催)
、
学友会学生代表者委員会(随時開催)の各部署に分かれて各種の検討や調整が実施されている。特
に、学友会協議会及び学友会総務委員会は、学生代表と大学サイドが直接意見交換を行う協議組織
として設けられており、日常的な意見交換や指導・支援も常時できる態勢を敷いている。
また、課外活動は、本来の活動のみならず学生生活全般にわたる教育・指導の重要な場面として
も位置づけられており、指導スタッフを中心とした教育・指導が行われている。
- 106 -
図1
2007年度 国際武道大学 学友会 組織図
学友会協議会……… ☆ * ◆
☆
会 長 《学 長》
学友会総務委員会… * ◆
学友会指導者会議 … ☆ * ◎
☆ 副会長 《副学長》
学友会学生代表者委員会 … ◆ ◇
*
総 務 委 員 長 《学 生 部 長》
学 生 委 員 長 《学 生 役 員》
◆
*
総務副委員長《課外活動委員長》
学 生 副 委 員 長 《学 生 役 員》
◆
*
総 務 委 員 ・ 監 事
《課外活動委員 ・学生課職員》
◎
委 員 《所属団体部長 》
所 属 団 体 指 導 者
◎ 《部長・師範・監督・助監督・指導者》
《ヘッドコーチ・コーチ・トレーナー等》
T01
T02
T03
T04
T05
T06
T07
T08
T09
T10
T11
T12
T14
T15
T16
T17
T18
T19
T20
T21
T22
T23
T25
T26
T27
T28
【体育系クラブ】
柔道部
剣道部
弓道部
空手道部
少林寺拳法部
合気道部
野球部
サッカー部
ラグビー部
バスケットボール部
バレーボール部
ハンドボール部
バドミントン部
テニス部
体操部
ダンス部
陸上競技部
水泳部
パワーリフティング部
ボクシング部
レスリング部
冬季競技部
ゴルフ部
ソフトボール部
なぎなた部
ライフセービング部
学 生 総 務 委 員 ・ 学 生 監 事
◆
《 学 生 役 員 》
学生代表者委員 《各所属団体部員代表者》
◇
所 属 団 体 学 生 役 員
《主将 ・主務 ・クラブトレーナー等》
《学生代表者委員 ・大学祭実行委員》
【学友会公認団体】
G01 大学祭実行委員会
G02 トレーナーチーム
【文化系クラブ】
B01
B02
B03
B04
B05
B06
B07
B08
総合芸術部
華道部
茶道部
書道部
英語研究会
スペイン中南米研究会
フランス文化部
軽音楽部
【準 ク ラ ブ】
J04 屋内スポーツ準クラブ
【同 好 会】
D02
D03
D04
D06
D08
D09
D10
D12
D13
トライアスロン同好会
サーフィン同好会
野外スポーツ同好会
フットサル同好会
ボランティア同好会
サッカー同好会
手話同好会
ストリートダンス同好会
居合道同好会
2007.4.1~
(2)点検・評価
本学教育の柱的存在としての重要な位置づけの下に指導・支援が行われてきた結果、未だ課題は
残されているとは言え、全体としてはかなり高く評価できる。
例えば、ほぼ定期的に実施しているクリーン作戦(大学敷地内清掃活動)や P 作戦(学内駐輪場
整理活動)
、大学祭における「千葉県エイズストップキャンペーン」や「クリーンキャンペーン in
南房総」
、
「献血運動」
、地域貢献活動と位置づけられる「勝浦市ゴミゼロ運動」や「春・秋全国交通
安全運動」への協力等は学生主体あるいは学生=教職員協力体制の活動の典型的な例として高く評
価できる。
また、学生主体で企画・運営(2 泊 3 日)されている「リーダースキャンプ(所属団体代表部員
の研修)
」は過去 11 回実施されており、
“学生の自主・自治”の推進に大きな成果をあげつつあると
- 107 -
判断される(過去のグループ討議テーマ一覧を参照:表 1)
。その他の学生主体によって企画・運営
されている「親睦会」
、
「懇親会」
、
「送別会」等についても同様である。
学生サイドから大学サイドへの意見や要望については、主として学友会協議会において取り扱わ
れており、多くの要望事項に対しての検討及び改善が図られてきた点も高く評価できる(例:台湾
大地震義援活動、新潟県中越地震災害募金活動、指導スタッフ増員、体育系クラブ入部自由化、学
友会ウェブサイト作成、新入生入部検討期間設置、野球場トイレ改築・設置、灰皿増設、時計増設、
スクールバス改善等)
。
以上のような“学生の自主・自治”を念頭に置いた指導・支援の取り組みの結果、それまで連絡・
伝達組織的色合いの濃かった従来の「学友会クラブ委員会」を改善する必要性が学生サイドから強
く主張されるようになり、発展組織として前述の「学友会学生代表者委員会」が学生主導で設立さ
れるに至った。このことは、課外活動に対するこれまでの指導・支援体制の成果を象徴するものと
して高く評価できる。
大学生活全般にわたる教育・指導場面としての役割については、毎日の活動場面という優位性も
あって期待以上の成果をあげてきたと判断でき、今後も課外活動への依存度はますます高まるもの
と思われる。
以上のように、課外活動及びその指導・支援体制については高く評価できるが、特に学生サイド
の成果に対しては「松前スポーツ・文化賞」及び「国際武道大学奨学金」等の設置によって評価・
支援体制の強化が図られている。その結果、選考基準の上方修正等、具体的な形でレベルアップの
傾向が認められている。
表1
学友会リーダースキャンプ【グループ討議テーマ】
□1995~2000 年度 第 1~6回グループ討議テーマ(4 班で討議・代表者発表:主将・
主務)
【共通テーマ】
☆体育大学におけるクラブ活動は、どうあるべきか
【個別テーマ】より選択
①多人数クラブに対して少人数クラブでの部員確保の問題
②就職問題とクラブ活動
③運動選手の食生活
④各クラブにおける問題点、各クラブの運営方法
⑤クラブの中での上下関係(規律・挨拶・ゆるやか)
⑥指導者と学生の自主的活動
⑦その他
□2001 年度 第7回グループ討議テーマ(4 班で討議・発表会:主将・主務)
【共通テーマ】
☆学生の立場から見たクラブ運営(各クラブ主将・主務の視点から)
【フリーテーマ】
☆各班で共通以外のテーマを決め討議
□2002 年度 第8回グループ討議テーマ(4 班で討議・発表会:主将・主務・トレーナ
ー)
【共通テーマ】
☆体育大学生としてのマナー(各クラブ主将・主務・トレーナーの視点から)
- 108 -
【フリーテーマ】
☆各班で共通以外のテーマを決め討議
□2003 年度 第9回グループ討議テーマ(5班で討議・発表会:主将・主務・トレーナ
ー)
【テーマ】
☆スポーツの果たす役割
□2004 年度 第10回グループ討議テーマ(5班で討議・発表会:主将・主務・トレー
ナー)
【テーマ】
☆国際武道大学における問題点とその解決
□2005 年度 第11回グループ討議テーマ(5班で討議・発表会:主将・主務・トレー
ナー)
【テーマ】
☆国際武道大学におけるクラブ活動はどうあるべきか
□2006 年度 第12 回グループ討議テーマ(5班で討議・発表会:主将・主務・トレー
ナー)
【テーマ】
☆国際武道大学におけるクラブ運営方法について
(3)将来の改善方策
課外活動に対するこれまでの指導・支援体制の取り組みについては、高く評価することに異論を
挟む余地はないと判断される。しかし、課外活動本来の“学生の自主・自治”の姿や理想像を考え
たとき、改善・向上の余地は多く残されている。その一つは各課外活動団体間の運営レベルの格差
であり、運営面のチェック機能や指導機能の強化・支援体制の構築が必要である。その一例として、
学生のみならず指導者サイドへの啓蒙も含め、
“運営方法”及び“運営指標”の本学独自の基準設定
を提案したい。
また、学生サイドのみならず指導者サイドの関心も高く、根強い要望事項ともなっている“指導
スタッフ強化”
は課外活動の根本的問題であり、
学生の意欲や満足度に直結する重要課題でもある。
この課題については少しずつ改善が図られてきたが、経営上の問題もあり、満足のいくものとは言
い難い。そこで、課外活動に関する大幅な予算増額(全学的な予算の見直しが前提条件)
、及び大学
戦略としての課外活動の位置づけや役割の見直し、更にその統一化と共通理解に向けての検討を図
る必要がある。
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