中山うりインタビュー

INTERVIEW 2014.8 .
シンガーソングライター
中山うりさん
日野自動車の CM ソング(現在放映中)や、NHK「みんなのうた」に「回転木馬に僕と猫」(2011 年)が
選ばれるなど、注目のシンガーソングライター・中山うり。世界のアコーディオン音楽を絶妙にブレ
ンドした楽曲と、透き通るようなミラクルヴォイスで、世代を問わず人気を集めています。
旧岩崎邸庭園洋館、鹿鳴館、ニコライ堂を設計し、日本建築界に貢献した英国人ジョサイア・
コンドル最晩年の作、築98年の歴史を持つ旧古河庭園・洋館でのライブが決定した中山うりさん
にお話をうかがいました。
公演情報
「旧古河庭園・洋館で聴く 中山うりライブ」
2015 年1月 23 日(金)14:30~/24 日(土)14:00~
●都会の中にこのようなスポットがあったのはご存じでしたか?
旧古河庭園は、近所なので気になってい
ましたが、中に入ったことはなかったんで
す。洋館のバルコニーから見渡すとんでも
ない広さの庭!かつての居住者・古河虎
之助さんは毎日その景色を眺めていたと
思うと・・・リッチですよね~。
また2階洋室の扉を開けると襖があり、和
室になっていたのには驚きました。天井の
高さを和室に合わせて低くしていたり、畳
の配置が面白かったりと、外国から見た
「The 日本」なのかな…。子どもの頃、自分の部屋の前に花を飾っていた時期があって、洋風のお城
に住みたいと思ったり、憧れがありました。今は年齢とともに日本的な要素、和の良さに目覚め、畳も
好きなので、洋館の2階は感覚的に落ち着きました。
今回はライブ前に、見学ツアーもあるんですよね。是非観てもらいたいです。
■旧古河庭園概要
武蔵野台地の斜面と低地という地形を活かし、北側の小高い丘には洋館を建て、斜面には洋風庭園、そして低地には日本庭園を
配したのが特徴。 数少ない大正初期の庭園の原型をとどめる貴重な存在で、伝統的な手法と近代的な技術の融和により、和洋の
見事な調和を実現している代表的な事例で、また、現存する近代の庭園の中でも、極めて良好に保存されている数少ない重要な
事例であるとして、平成 18 年に文化財保護法により国の名勝 指定を受けました。
■洋館概要
旧岩崎邸庭園洋館、鹿鳴館、ニコライ堂などを設計し、日本建築界に貢献した英国人ジョサイア・コンドル最晩年の作で、大正 6 年
5 月に竣工。古河虎之助男爵の邸宅として使用されていました。躯体は煉瓦造、外壁は真鶴産の新小松石(安山岩)の野面積で覆
われ、屋根は天然スレート葺き、地上 2 階・地下1階となっています。今回のライブ会場はかつてのダイニングルームを使用します。
●今回のライブへの意気込みを聴かせてください。
ライブ会場はかつての来客用ダイニングルームだけあって、とても華やかな雰囲気が印象的でした。
住宅とは思えないくらい天井が高く、音の響きが良さそうだなとも思いました。息の合ったレギュラーメ
ンバーでの濃いライブがお届けできると思っています。楽器の音が際立つようなシンプルな公演にし
たいですね。
新曲もぼちぼち出来ているので、2014年の「鰻」ツアーとは別のモノにしたいなと思っています。来年
の1月には、けっこう新曲がたまっているかもしれません。
●酒蔵、古民家、ぶどう園など、普段特別な空間でライブをされていますが、こだわりは?
会場の雰囲気を含めてライブを楽しんでくれるお客さんが多いですね。
浴衣を着ていらしたりとか…楽しんでくれていることが伝わります。演奏
する側も特別な会場だとテンションもあがるし、響きが変わったりするこ
とで楽しめます。マイクで拡張をせず、楽器の良さをダイレクトに伝える
ことができる 100 名位の大きさの会場が好きです。場所に合わせて、
出演メンバーや編成、曲を変えています。
選曲については、リピーターのお客様はもちろん自分たちも飽きないよ
うに、時期や会場の地域によって新曲を増やしたりといった具合に決
めています。
●うりさんの音楽ってジャンルは何だと思いますか?
ジャンルを説明するのは悩むところです。レコード店では「ポップス・ロック」ジャンルにCDがあります。
音楽配信サービスのジャンルでは、数年前まで JAZZ、今は ROCK ですね。歌謡曲的な要素があり、
ジャズ、ラテンの要素もあり…ですが、これは表層的というかアレンジによるものであって、くくるのは難
しいですね。メロディも歌詞も難しいことはしていません。歌詞のテーマは「日記」のようなところもあり、
「感受性をあきらめていない子ども」のような感じなのかな…?
●これまでに影響を受けたアーティストはいますか?
兄の影響で、子どもの頃はハードロックから入り
ました。X(エックス)、ラウドネス、ミスター・ビッ
グ、ハロウィン、スキッド・ロウ、メタリカを聴いて
いました。当時は PV を観るのが流行っていて
よく観ていました。小学校高学年に金管バンド、
中学・高校と吹奏楽部でトランペットを担当し、
学校ではクラッシックばっかりでした。アフリカン
シンフォニーとかも演奏しましたよ。その頃、お
父さんに聴かせてもらったのがラテンやサッチモ(ルイ・アームストロング)です。ジャンルというよりトラ
ンペットが好きでした。聴いたことのないサッチモの奏法に心躍らせて聴いていましたね。地井武夫さ
んの BS 番組「ジャズ喫茶」も好きでトランペットやトロンボーンのライブ映像を楽しんでいました。
「ソウル・トレイン」(アメリカのダンス音楽番組)のビデオは擦り切れるまで見ていました。歌を作り始め
た頃は、ジャンルを問わずいろいろな音楽を聴いていました。ヴォーカルもので好きなのは、ブラジル
の歌姫・エリス・レジーナ、サンバ歌手のベッチ・カルヴァーリョです。ベッチは一見涼しげな声なので
すが、とてもあたたかいんです。
●北区には何年くらいお住まいですか?
2010 年から住んでいます。今では実家のある町より愛着があります。地方のライブから帰ってくるとホ
ッとするくらい、落ち着きます。それから、母の実家が西が丘でしたので、赤羽界隈は小さな頃から馴
染みがありますね。時間の流れ、空気の流れが気に入っています。近所の石神井川のまわりに風が
吹いていて、細い坂道がある。東京だなあ、と感じます。
前作のアルバム「ホロホロ」の歌詞カードの写真は、西が丘、赤羽周辺で撮影しています。北区は利
便性がありながら、賃貸の一軒家が手頃な価格で借りられて、穴場だと思いますよ。
■中山うり/「時々ド
キド
キ」 PV
※石神井川周辺をはじめ、北区のホットスポットが多数ロケ地で使われています。
●新曲「石神井川であいましょう」を作ったきっかけは?
曲をつくるとき、曲→歌詞の順でつくることが多いんです。この
曲は、めずらしく曲と歌詞が同時にできました。でも歌詞が先か
な?この歌詞を伝えるためのメロディという部分もあるし・・・。
石神井川沿いは猫にとって天国なんです。エサをくれるおじさ
んがいたり、そのくせ犬は立入禁止だったり・・・。郵便局に行く
途中の川沿いのいつもの場所に猫のカップルがいて、とても幸
せそうだったんです。私は猫が大好きなので、生まれ変わった
ら、ここの猫がいいな、と思えて、この曲ができました。
●新曲「蒼いアジサイが泣いている」は近所のアジサイを歌ったとか?
板橋駅前のコンビニ脇に咲いているアジサイを見たのをきっかけに曲をつくりました。誰がしたのかわ
かりませんが、コンビニに来るお客さんの路駐の自転車からアジサイを守るように柵が作られているん
です。王子駅飛鳥山側の線路沿いもアジサイがきれいですよね。
●さいごに 読者へのメッセージをお願いします。
願ってもなかなか出来ない場所でのライブ、会場の雰囲気
を楽しんでください。普段のライブでは親子で来るお客さん
もいて、すごくうれしいです。それから、50~60 歳代の
方々は、面白い音楽を生で聴いてきた世代だと思っている
んです。そんな方々にも聴いてもらえたらうれしいですね。
冬の空気のはりつめた感じの中でのライブ、私も楽しみにしています。
■本公演では、洋館見学ツアーの参加者も募集しています。
○日時 ① 1/23(金)13:00~14:00 ② 1/24(土)12:30~13:30
○見学費用:800円
○申込方法:チケットをご購入の上 1/16(金)までに北区文化振興財団 03-5390-1221 へ電話で申込み。
★特典★ 一般のお客様より先に会場にご入場いただけます。お席をとってから見学ツアーを開始します。
公演情報
「旧古河庭園・洋館で聴く 中山うりライブ」
2015 年1月 23 日(金)14:30~/24 日(土)14:00~