ゲノム医科学研究センター http://www.src.riken.jp/ 独立行政法人 理化学研究所 横浜研究所 〒230-0045 神奈川県横浜市鶴見区末広町1 - 7 - 22 TEL . 045-503-9111 FAX . 045-503-9113 E-mail : [email protected] http://www.yokohama.riken.jp 至川 崎 浜 浜 横 至 京 プ ラン 汐入 横浜 サイエンス● フロンティア 高等学校 鶴見 横 1号 高速 羽線 産業 道路 ●リーディングベンチャープラザ ●横浜市産業共同研究センター ●旭硝子 大橋 理化学研究所 横浜研究所 川 鶴 見 ●[川崎鶴見臨港バス] 理研・市大大学院前 停留所 東京ガス● ふれ∼ゆ● 電 車:JR 鶴見駅より JR 鶴見線で 2 駅目「鶴見小野駅」 研究所まで徒歩 13 分 バ ス: 鶴見駅東口バスターミナル7番乗降口より 川崎鶴見臨港バス(鶴08系統) 「ふれ∼ゆ」行き(約15 分) 「理研・市大大学院前」下車、徒歩 1 分 タクシー:鶴見駅東口タクシー乗り場から所要時間約 10 分 自 動 車: [東京方面から]首都高速横羽線 汐入ランプから約 2.1km [横浜方面から]首都高速横羽線 生麦ランプから約 3.3km ※ 駐車場の台数が限られていますので、 なるべく電車・バス・タクシーをご利用ください。 ユニバーサルデザイン(UD)の考え方に基づき、より多くの人へ適切に情報を 伝えられるよう配慮した見やすいユニバーサルデザインフォントを採用しています。 環境に配慮して、植物油インキで印刷しています。 Art Direction & Design : Y.Sohara[zuan] Editing & Writing : T.Takanashi[uttori] Illustration : Y.Niitsuma Printing : Sato Printing co., ltd. CGM RIKEN 一 国 道 駅 野 小 見 鶴 第 橋 潮鶴 京 急 花 月 園 前 プ ラン 生麦 ●鶴見区役所 京 急 鶴 見 鶴見 J R ゲノム医科学 研究センター Center for Genomic Medicine 違いが 分かると、未 来 が 変わる。 一人ひとりにピッタリの医 療 へ。 ゲノム医科学 研究センター(CGM) が、目指すもの。 「オーダーメイド医療 」という言葉を聞いたことがありますか? それは今、日本が目指している医療の姿です。 これまで 同じ 病気の人は、同じ治療 法を選択することが普通でした。 しかし、「オーダーメイド医療 」 では、 個人ごとに“ 遺伝子レベル”で体質の違いを把握し、 薬の種類や量、手術すべきかどうかなどを個別に判断します。 つまり、一人ひとりに最適な治療法を、 速やかに選 択できる医療です。 この未来の医療を実現可能にしているのが、 遺伝 子 研究の進歩です。 体質の違いが遺伝子の違いと関係していることや、 これまで原因不明だった病気について、遺伝的要因・発症メカニズムなどが、 より詳細に解明されてきています。 遺伝子研究は、医療の未 来を拓く役割を、大きく担っているのです。 わたしたちゲノム医科学研究センターは、 「オーダーメイド医療」の実現を目指しています。 この冊子を読み進めるうちに、皆さんの暮らしに、 そして未 来に、密着した研究だとお分かりいただけると願っています。 まずはオーダーメイド医療を、紙上体験 1 あなたを見つけると、 ピッタリが見つかる ! 遺伝子研究が拓く! オーダーメイド医療の未来へ、 ようこそ。 研究の鍵を握る、 SNP (スニップ) って? SNPは、 「オーダーメイド医療」 を実現するための 細胞 遺伝子研究において、核となる重要なキーワードです。 オーダーメイド医療が実現すると… ここで、主なキーワードの解説をしておきましょう。 核 髪の毛 唾液 爪 ヒトゲノムは、ニュースなどでもよく耳にするように 血液 なった言葉です。 「ゲノム」は、ひとことで言うなら、あ 3 1 ト、母親から1セット受け継ぎ、2 セット( 計46 本 )の 染色体を持っていて、この中に遺伝情報全体=ヒトゲ ノムがあり、これが人間の「生命の設計図」と言えます。 投薬したい薬の名前を *1 右ページ解説参照 コンピュータに入力。 IC SNP 解析装置 IC RD CA 4 CA RD その薬の効き方や、 副作用の出やすさ、 などに保存します。 適切な投与量*2 などが わかります。 *2 下段「 Topic 」参照 副作用のない薬を選ぶ。 SNP 情 報が わかるとできる、 こんなこと 析できるようになりました。 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 19 20 21 22 遺伝情報を 担っている 物質 き、二 重らせん構 造を作っています。遺伝情報は、こ の塩基の“ 並び方 ”によって意味を持っています。ヒト X Y 18 タンパク質 A ゲノムは、 約30億の塩基が対になっていることがわ かっています。 そして、この DNA の二重らせん構造には、遺伝子領 のは、「 どんなタンパク質をいつ、どこで、どれだけ 作るのか 」を決めるプログラムの単位で、 ヒトの遺伝 子は、約3万数千種類と推定されています。 病気のなりやすさを事前に知り、予防に取り組む。 そこで、ふたりの人間の DNA を比べてみると … 共通 遺伝子レベルで治療する。 ろもあります。ヒトはそれぞれ、300 塩基に1個、塩 遺伝子 領域 A スニップ SNP の部分もあれば、塩基が異なる並び方をしているとこ (一塩基の違い) 体質の違い 遺伝の プログラム びます。ヒトゲノム全体では、約1000万カ所の SNPが Topic に関する情 報をその場で 解 5 DNA ミン、G : グアニン、C : シトシン) が対になって結びつ polymorphism:一塩基多型または遺伝子多型) と呼 薬剤の適切な用量や副作用 4 担っている物質で、4種類の塩基( A:アデニン、T : チ 基の違いがあり、この違いを SNP (single-nucleotide を開発、一人ひとりに合った 3 遺伝情報全体 (ヒトゲノム) 畳まれた構造をしています。DNAこそ、遺 伝 情 報を がん転移の危険性を判断。不要な手術を防止。 設立し、臨床現場で使用できる小 型 迅 速SNP解析装置 2 域と呼ばれる部分がいくつもあります。遺伝子という 副作用がひどくならないよう、投薬量を調整。 *2 ゲノム医科学研 究センターでは 「 理 研ジェネシス」 を 1 (23) では、染色体の中身を見てみましょう。染色体は、タ ンパク質に、非 常に長い DNA が巻き付きながら折り SNP情 報をI Cカード スニップ 染色体 は、 1セット23 本の染色体を、それぞれ父親から1セッ IC カードを持って病院へ。 SNP (スニップ ) *1を解析します。 2 る生物種が持っている遺伝情報全体を指します。ヒト もしも病気になったら、 あなたの爪や血液、髪の毛、唾 液などから 2 ヒト あると考えられており、遺伝子 領 域では100万カ所の あなたに最適な 治療 &予防プランを どうぞ。 SNP があると言われています。遺伝子領域にあるSNP タンパク質 A’ は、作られるタンパク質の時期や量、機能に違いを生 み出すことがあります。この違いが、体 質の違いとど う関係 するのか。その 研 究こそが、「 オーダーメイド 医療 」実現に向けて、鍵を握っているのです。 3 最新の研究成果 −プレスリリースより− 詳細な情報をご覧になりたい方は、http://www.src.riken.jp/news/index.html まで。 2010/10/25 2010/9/28 次世代シークエンサーで、 日本人の全ゲノム配列を包括的解析 乳がん治療薬の副作用に関連する遺伝子多型 (SNP) を発見 情報解析研究チームは 、米国・イルミナ社の Genome Analyzer II という次世代シークエ 日本人の塩基配列の多様性を詳細に解析した初報告 ンサーを活用し、日本人男性 1 人の全ゲノム シークエンスを初めて包括的に解析しました。 ● ヒトゲノム計画による参照配列にない新規配列 3 百万塩基対を同定・解析 ● 全ゲノム配列の高精度な解析で、病気にかかわる未発掘の多様性の解明に期待 ● シークエンスデータにベイズ決定法という数 一塩基多様性(single-nucleotide variation:SNV)、コピー数の多様性、 構造の多様性を正確に調べる方法を提案 ● オーダーメイド医療の実現に向けた、 個 人ごとの最適な投薬法の確 立へ大きく前進 学的手法を適用して、約 313 万個の一塩基多 様性を約 99.9 %の高精度で検出し、さらに海 外の別々の研究グループが報告した欧米人、 薬 理 遺 伝 学 研究連合*( Global Alliance for ゲノムワイド関連解析(GWAS) により、 14 番染色体上に乳がん治療薬の副作用に関連する複数の SNPを発見 ● リスク型のSNPを持つ人では、骨筋肉系副作用の発症リスクが2 倍以上 ● 国際薬理遺伝学研究連合(GAP) による初めての論文成果 0.4 0.3 0.2 0.1 0 1 2 3 4 5 7人中のアレルの数 6 7 42, 931-936 (2010) 性も、高精度に検出する新たな手法を提案し、 包括的に見いだしました。 この研究の一連の解析で、ヒト 70 ゲノムには未発掘の多様性に富 60 んだ DNA 塩基配列が数多く存 50 研究により、乳がん治療薬の一つであるアロ 予測することが出来るようになり、乳がん患 に向けた大変有用な研究成果と考えられます。 2010:JCO.2010.28.5064; (* P16 参照) 40 析がヒトゲノムの多様性を理解 30 する上で非常に重要であること 20 が分かりました。今後、全ゲノ 10 ムシーケンス解析によって日本 0 人固有の多様性を検出すること 41737000 2011/7/1 免疫・アレルギー反応に関わる白血球成分の数の個人差を解明 免疫・アレルギー 反応のオー ダーメイド医療 への応用が期待 ● 在し、全ゲノムシークエンス解 41737500 41738000 41738500 41739000 19 番染色体上の位置 ● ● 白血球の5つの成分の数を左右する 9 個の新規遺伝子を発見 白血球成分の間で共有する 関連遺伝子の存在を確認 への展開が期待できます。 2010/8/2 CCR6遺伝子が関節リウマチ の発症に関与することを発見 CASP3 遺伝子が 川崎病の発症に 関与することを発見 前立腺がんの発症に 関連する新たな 5つの 遺伝子多型(SNP) を発見 CASP3 遺伝子のSNPは 日本人、白人に共通して川崎病の りかん 罹患のしやすさに強く関連 日本人の 前立腺がんを ゲノムワイドで SNP 関連解析 2011. 7(6):e1002067. 2011/1/11 りかん I L6遺伝子がC反応性タンパク (CRP) 測定値に 関与することを発見 個々人で異なる炎症反応に 見合ったオーダーメイド医療への 応用が可能に ● CCR6多型が、ヒト関節リウマチの発症を 約1.5 倍に高める ● CASP3 遺伝子の SNPで 川崎病の発症リスクが約1.4 倍に ● 日本人の前立腺がん罹患者4,584人を 対象にゲノムワイドなSNP関連解析 ● ● CCR6多型には3種類のタイプが存在し、 それぞれ CCR6 遺伝子の発現量が異なる ● 発見した SNP はCASP3 遺伝子の エクソン 1の5´側非翻訳領域に存在 ● 欧米人の前立腺がんと関連する31個の SNPのうち、19 個が日本人とも関連 ● ● クローン病やバセドウ病など、Th17細胞が 関与する自己免疫疾患への応用も期待 ● SNPは転写因子NFATの結合を阻害し、 CASP3 遺伝子の発現量が低下する ● 新たに発見した5つのSNPによる日本人の 前立腺がんの発症リスクは 1.15 ∼ 1.26倍 ● (2010) 19 (14): 2898-2906. 日本人 14,792 人を ゲノムワイド関連解析し、 欧米人15,600人でも個人差を検討 で、日本人のための病気の研究 2010/5/12 , 42,515‒519 (2010) 7 を発見しました。またコピー数や構造の多様 2010/5/10 CCR 6遺伝子は、 ヘルパーT細胞の1種 「 Th17細胞 」 の活動性を 個人別に制御 すさに関連する SNPを発見しました。今回の 与える一塩基多様性が個人個人には多いこと 一ヵ所あたりのデータ量︵リード数︶ 一塩基多様性の頻度 途中でタンパク質が作られなくなる アミノ酸が大きく変化する アミノ酸が変化するもの全て 似たアミノ酸に変化する コード領域外 アミノ酸を変化させない 害剤が引き起こす骨筋肉系副作用の起こりや 者の副作用の軽減と最適な再発予防法の確立 では見失われていた、遺伝子の機能に影響を 0.5 として、乳がん治療薬であるアロマターゼ阻 マターゼ阻害剤による重篤な副作用の有無を ムシークエンスデータと比較した結果、集団 0.6 研究ネットワークが共同で実施している国際 Pharmacogenomics:GAP ) は 初めての成果 アフリカ人、中国人、韓国人の 6 人の全ゲノ 0.7 ゲノム医科学研究センターと米国薬理遺伝学 42, 751‒754 (2010) 統計解析研究チームらは、文部科学省のオー とを見いだしました。また、アレルギー反応 ダーメイド医療実現化プロジェクト* のもと、 に関与する好酸球・好塩基球の両方の数を左 白血球成分の数の個人差に関わる 9 個の新規 右する遺伝子が 4 個あること、遺伝子型の違 遺伝子を発見しました。ヒトゲノム全体に分 いで、好酸球と好塩基球の数がそれぞれ1.2倍、 布する約 220万個のSNPを対象にして、白血 1.3倍と高くなることも分かりました。 球成分の数との関連性をゲノムワイドで解析 今後は、より正確なオーダーメイド医療実現 した結果、日本人集団 14,792 人では 11 個の のための情報を提供するだけでなく、白血球 遺伝子( その内 9 個が新規 )が、さらには欧米 成分の制御機構の解明、アレルギー反応の個 集団 15,600 人でも11個のうちの 3 個の遺伝 人差の解明などが期待できます。 子が、個々人の白血球成分の数を左右するこ (* P18 参照) 2011/7/4 2011/8/1 C 型慢性肝炎に起因する 肝がん発症に深く関わる 遺伝子を発見 成人気管支喘息 (ぜんそく) の 発症に関わる 5つのゲノム領域を発見 個人個人の肝がん発 症リスクが 予測可能に 日本人のゲノムワイド関連解析で 成人気管支喘息の遺伝要因を解明 ● 日本人のC 型慢性肝炎患者 3,312 人を対象に解析 ● 発見したゲノム領域内に呼吸機能に 関連するSNPが存在 IL6 遺伝子多型は、複数の血液学的・ 生化学的検査値にも関連 ● C 型慢性肝炎からの肝がん発症リスクが 約 2 倍に高まるSNP を同定 ● 喘息の遺伝要因として同定したゲノム領域 に、環境要因応答遺伝子群が複数存在 IL6は炎症性疾患の治療標的分子で、 医療現場への応用が期待 ● 肝がん発症の仕組みの解明や新たな 治療法・診断法の開発につながる ● TSLP 遺伝子を含むゲノム領域 5q22 は、 人種を超えて成人気管支喘息に関与 IL6遺伝子多型が、炎症反応マーカー 「CRP」測定値の個人差に関与 (2011)1-8 20 (6): 1224-31. 43, 797-800 (2011) (2011) 8 ( センター長職務代行) 莚田泰誠 疾患関連遺伝子研究グループ 疾患関連遺伝子研究グループ 循環器疾患研究チーム 骨関節疾患研究チーム 循環器病(心筋梗塞など) の遺伝的要因を探り 発症・再発前に診断し予防することを目指します。 骨や関節に関する生活習慣病の遺伝的要因と分子病態を調べ、 画期的な治療法を開発します。 心筋梗塞は、心臓の筋肉に栄養を送る血管が詰まり 遺伝子が分かれば、それら、あるいはpathway上に 2001年以来、WHOが「 運動器の10 年」という啓発 発点に、骨・関節疾患の原因、病態を根本から解明 心臓の機能が損なわれる病気です。心疾患は日本人 存在する分子の機能を抑制または活発にする薬の開 活動を展開したことからも明らかなように、運動器 しようとしています。2005 年以来、変形性関節症 の死因の15%以上を占め、発症メカニズムを解明し 発につながります。また、個人ごとの遺伝子型を調べ、 の健康、骨・関節疾患の克服は全世界で大きな問題 の新たな原因遺伝子(アスポリン、GDF5、DVWA) て医療に役立てることが社会的に重要です。循環器 ハイリスク群であることが分かれば、服薬や生活習 になっています。例えば、手足や背骨の関節の軟骨 や 椎 間 板 ヘ ル ニ ア の 新 た な 原 因 遺 伝 子(CILP、 疾患研究チームは、心筋梗塞の遺伝的要因を網羅的 慣への適切なアドバイスにより、発症や再発の予防 がなくなる変形性関節症は、日本だけでも1000万人 COL11A1、TBSP2、MMP9 )を発見し、報告して に探す研究を行っています。これまでに 6 つの遺伝 が可能になります。 もの患者さんを痛みや歩行障害で苦しめています。 きました。また、国際共同研究によって、私たちが チームリーダー 田中敏博 子( L T A 、L G A L S 2 、P S M A 6 、I T I H 3 、 M I A T 、 もう一つの柱は川崎病研究です。川崎病は主に乳幼 変形性関節症は加齢とともに急増し、70 歳以上では 発見した遺伝子アスポリン、GDF5が人種の壁を越 BRAP)及び1つの領域が心筋梗塞発症に関連してい 児がかかる原因不明の発熱性疾患で、通常は自然の 人口の 30%以上に起こるので、高齢化社会の大きな えた変形性関節症の原因であることを証明しました。 る こ と を 発 見、さ ら に LTA、LGALS2、PSMA6、 経過で治癒しますが、心臓の冠動脈瘤などの深刻な 脅威となっています。また、脊椎の椎間板の変性に さらに、マウスとヒトの遺伝学を融合させたアプロー BRAP 遺伝子は血管の炎症を通して発症にかかわっ 合併症が問題となる場合があります。循環器疾患研 よる椎間板ヘルニアは、働き盛りの年代の腰痛、座 チにより、SLC35D1、TRPV4、GMAP-210 などの ていることを解明しました。これら7つの因子の危 究チームは、川崎病に ITPKC 遺伝子が関与している 骨神経痛の最大の原因の一つで、全人口の 1%以上 骨格の形成に必須の新規遺伝子を発見するとともに、 険度はおのおの1.2 から1.4前後と個々の関与の度合 ことを発見しました。この発見をきっかけとして、 の人がこの疾患に苦しんでいます。しかし、これま これらが、ヒトの骨系統疾患の原因遺伝子であるこ いはさほど大きくないものの、組み合わせることに 川崎病の病態解明が急速に進むと期待されます。 でこれら骨・関節疾患は、原因究明の研究が進んで とを同定してきました。骨関節疾患研究チームでは、 より危険度は大きなものとなります。これにより、 その他、致死性不整脈のひとつの QT 延長症候群、 おらず、病気のメカニズムがよく分かっていないた これらの遺伝子の機能を解析するとともに、疾患の 心筋梗塞の発症には複数の遺伝要因が関与し、それ あるいは高齢者に多く認められる不整脈の一種であ め、根本的な治療法がありませんでした。 分子病態を突きとめ、予防法や画期的な治療法の開 らの組み合わせにより遺伝要因の関与の度合いが大 る心房細動についても解析を進めています。 骨関節疾患研究チームでは、遺伝子多型の解析を出 発につなげていきます。 チームリーダー 池川志郎 きくなることが明らかになりました。心筋梗塞関連 呼吸器疾患研究チーム 自己免疫疾患研究チーム アレルギー疾患や COPD の関連遺伝子を探し出し、 効果的な予防法・治療法の確立を目指します。 関節リウマチなど自己免疫疾患の関連遺伝子を探索し、 病態の解析と新しい治療法の確立を目指します。 キーワード 研究テーマ 気管支喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症、食物アレルギー、 (1) 関節リウマチ発症メカニズムの解明 Chronic obstructive pulmonary disease (COPD)、 (2) 自己免疫疾患共通遺伝因子の解明 症例対照関連解析、遺伝子多型、ゲノムワイド関連解析 関節リウマチは、あちらこちらの関節が痛んだり、 チームリーダー 山本一彦 アレルギー疾患や COPD は近年増加し、重症例では 感染が気管支喘息や COPD、さまざまなアレルギー 生活に支障をきたすことから、その原因究明、そし 疾患の発症や重症化に影響することが示されていま 腫れたり、変形したりする病気で、日本人の約 1% れます。CCR6 はTh17という病態形成に重要と考え がかかります。関節リウマチは、免疫システムの異 られている T 細胞の機能に関係しています。関節リ て科学的根拠に基づいた効果的な予防法や治療法の す。そこで、当研究チームは肺炎クラミジアの慢性 常により自分の組織を攻撃してしまうために起きる ウマチをはじめとして自己免疫疾患の関連遺伝子を 確立が急務となっています。呼吸器疾患研究チーム 感染に注目して研究を行い、その抗体価と関連する 自己免疫疾患だと考えられていますが、原因は十分 明らかにすることによって、病気の原因や病態の解 では、ゲノムワイド関連解析の手法を用いてアレル ゲノム領域も探索しています。それぞれの疾患への には分かっていません。関節リウマチ以外にも全身 明に有用な手掛かりが ギー疾患( 気管支喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症、 なりやすさや重症化のメカニズムが解明されれば、 性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺疾患など多 得られ、新しい治療法 食物アレルギー)や COPD の疾患関連遺伝子を見つ 生活指導によって発症を くの自己免疫疾患があります。 の開発につながること けだし、病態のメカニズムを明らかにすることを目 遅らせたり、発症しても 自己免疫疾患研究チームでは、関節リウマチに焦点 が期待されます。当研 指しています。当研究チームでは、複数の大学、医 適切な治療により軽症化 を当て、患者さんと一般集団のタイピングデータか 究チームでは、研究成 療機関と共同でサンプル収集を行い、さらにバイオ させたりすることができ ら、PADI4、RUNX1、SLC22A4、FCRL3、 果をより早く患者さん バンクジャパンのサンプルを用いて、ゲノムワイド ます。ゲノム解析研究に CD244、CCR6 という6つの遺伝子が発症に関連し の治療に還元すること 症 例 対 照 相 関 解 析 を 中 心 に 研 究 を 進 め て い ま す。 より得られた知見を、こ ていることを明らかにしました。PADI4 遺伝子領域 を目的として、我が国 2011年にはゲノムワイド関連解析を用いて成人気管 れまで免疫学や疫学で得 にある SNP が特定のタイプの場合、シトルリンとい だけでなく世界中の多 支喘息の発症に関連する 5 つの領域を同定しました。 られた知見と統合し、臨 うアミノ酸を含むタンパク質が増加し、関節リウマ くの研究施設と共同研 現在、アトピー性皮膚炎のゲノムワイド関連解析を 床に応用することを目標 究を行っています。 行ない、複数の疾患関連領域を同定し、その詳細な に研究を続けています。 チの病因になると予想されています。FCRL3 は抗体 を作る B 細胞というリンパ球に発現していて、自己 13 抗体を作りやすくする機能に関係していると考えら チームリーダー 玉利真由美 成人気管支喘息のゲノムワイド関連解析 解析を行っています。一方、多くの疫学調査により、 14 国際がんゲノムコンソーシアム 疾患関連遺伝子研究グループ 2 万 5000人分のがんゲノム変異のカタログを構築するた 内分泌・代謝疾患研究チーム め、2011年7月現在、オーストラリア、カナダ、中国、フ ランス、ドイツ、インド、日本、スペイン、英国、米国、イ 糖尿病や糖尿病腎症などの生活習慣病の治療法・予防法の確立を目指します。 タリア、欧州連合(EU )の12 カ国が参画し、50 種のがん について、がんゲノムの解析を行っています。日本からは 研究テーマ CGM と国立がん研究センターが参画し、日本人、アジア (1) 2 型糖尿病発症メカニズムの解明 人に多い肝臓 がんの全ゲノム解析を担当しています。 構 (2) 糖尿病腎症発症メカニズムの解明 築するがんゲノムカタログは、研究の公共的意義を最大 現在、糖尿病患者さんは全世界で 3 億人に達しよう とを明らかにしました。特に 領域は東アジ としています。糖尿病に伴う合併症も年々増え続け ア民族では最も強く 2 型糖尿病のなりやすさと関係 ており、わが国では毎年 1 万人以上の方が、糖尿病 していることが明らかになっています。最近さらに 腎症が原因で透析療法が必要となっています。 大規模な解析を行い新たに 内分泌・代謝疾患研究チームでは、糖尿病腎症の患 という遺伝子領域が 2 型糖尿病と関係することも突 者さんと、糖尿病でありながら腎症になっていない きとめました。現在までに 20 あまりの遺伝子領域が 患者さんのデータを解析することで、糖尿病腎症の 日本人 2 型糖尿病の発症に関わることが明らかと 発症メカニズムを解明し、新たな治療法や予防法の なっています。しかし糖尿病と 開発につなげることを目指しています。今までに の関係はまったく知られていな 1200 人 以 上 の 糖 尿 病 患 者 さ ん に つ い て 解 析 し、 いものばかりです。どのように 、 、 という遺伝 してこれらの遺伝子が病気に関 子の微妙な違いが糖尿病腎症のなりやすさに関係し わるかを詳しく調べていくとと ていることを突きとめました。また、2 型糖尿病の もに、さらに新しい関連遺伝子 かかりやすさに関わる遺伝子について全ゲノム領域 の同定を試みることで、新しい を解析し、 治療法や予防法の開発に結び付 、 、 、 、 と いう遺伝子が糖尿病のなりやすさに関係しているこ チームリーダー 前田士郎 限にするため、全世界に公開されており、多くのがんの診 断、治療、予防の研究を加速するものと期待されます。 、 解析を行いました。 この成果は、世界中の多くの研究者に無償で迅速に公 開され、われわれの健康維持や病気、あるいは、薬 剤に 対する効果や副作用に関係する遺伝子やそれらに影響 を及ぼす環境要 因の解明などに大きく貢献しています。 CGM は、7 つの染色体(第 5、11、14、15、16、17、19 地球規模で進む ゲノム医科学研究センター (CGM) の活動 国際連携SNP研究 (1) インターフェロンの効果、副作用と関連する遺伝子の同定 (2) 治療薬の効果、副作用と関連する遺伝子の同定 (3) 肝がんの発症と関連する遺伝子の同定 万人以上のデータから、遺伝的要因を探っています。 人、アフリカ人をそれぞれ90名ずつ 100万ヵ所の SNP 国際 HapMapプロジェクト ホームページ http://www.hapmap.org 肝臓がんのゲノム構造の一例 研究テーマ の効き方と遺伝的要因とのかかわりを調べています。 かにするプロジェクトに参画しました。欧米人、アジア タの 約25%) の 解析を 行い、SNP情報の世界的な標準 理研 CGM が明らかにした B 型、C 型慢性肝炎、肝がんといった肝疾患の 発病、進行のメカニズムを明らかにし、 効果が高く副作用の少ない治療の開発を行います。 現在、消化器疾患研究チームでは、肝炎の患者さん 1 おける人 種ごとの遺伝子多型( SNP) のパターンを明ら 化に貢献しました。 けるべく研究を続けています。 B型、C 型慢性肝炎の治療薬であるインターフェロン 現在のヒトゲノム研究の基盤情報である、ヒトゲノムに 染 色体) を担当し、単独機 関としては世界最 大 (全デー ICGC ホームページ http://www.icgc.org/ 消化器疾患研究チーム チームリーダー 茶山一彰 国際薬理遺伝学研究連合 (Global Alliance for Pharmacogenomics:GAP) 大規模なSNP研究が普及していない地域の研究者に対し、 2008 年 4 月に米国国立衛生研究所(NIH)薬理遺伝学研 CGM の 有 する技術を利用した SNP 研 究を支援します。 究ネットワーク(PGRN ) と CGM は、 各々の研究領域の すでに、以下の 7 つの海外研究機関とさまざまな研究テ 特性を生かして、薬剤の効果や副作用と個人の遺伝的要 ーマのプロジェクトをスタートさせています。 因との関係を解明するための連携研究 を開始しました。 ● タイ/マヒドン大学 HIV 治療薬による副作用、 レー 現在、 乳がん治 療 薬 やうつ病、ぜんそく治療薬など 18 ベル病、βサラセミア、甲状腺中毒性周期性四肢麻痺症、 課題が進行しています。 これらの研究成果 が 臨床薬物治療に活用されることで、 B型、C型慢性肝炎はウイルス感染によって発症しま データの解析により、インターフェロンの効き方に アスピリン感受性の関連遺伝子 す。特に日本における C 型肝炎ウイルス感染者は 関連する遺伝子を突きとめ、薬効メカニズムの解明 ● を目指します。遺伝的要因が分かれば、事前に患者 マレーシア/マラヤ大学 上咽頭がん関連遺伝子 個々の患者の体質に適合した最適な薬剤の投与による国 200 万人以上ともいわれ、C 型慢性肝炎から肝硬変・ 肝がんへ急速に進行する例が数多く見られます。イ さんの遺伝子を調べてインターフェロンの投与量や ● ブルガリア/ソフィア医科大学 統 合失調症・双極性 際的なオーダーメイド医 療の実現につながることが期待 ンターフェロンは、ウイルスに対抗する免疫機能を ほかの薬剤との併用法など、副作用を最小限にしな 高める薬です。最近は、PEG インターフェロンとリ がら、個人に合った有効な治療が可能となります。 バビリンの併用により、治癒率は改善してきました。 また、肝がんの発症に関連する遺伝子の探索も行い、 しかし、難治例の genotype 1b、高ウイルス量の症 発症のリスクの予測、肝がん発症の仕組みの解明を るPTSD関連遺伝子 例では、なお半数以上は治癒に至りません。うつ病 目指します。さらに、こうした成果から、新たな肝 ● タイ保健省精神衛生局 うつ病関連遺伝子 や発熱などの副作用があること、経済的な負担が大 疾患治療薬の開発へと研究を発展させていきます。 ● ジンバブエ / Ai B ST アフリカ人集団におけるSNP きいことも問題です。 障害関連遺伝子 ● タイ保健省医科学局 結核及びハンセン病関連遺伝子 ● タイ生命科学エクセレンスセンター タイ南部津波によ データベース作成 及び 感染症治療 薬のファーマコゲノミ クス研究 15 国際 HapMap プロジェクト (International Cancer Genome Consortiums:ICGC) されます。 GAP ホームページ http://www.nigms.nih.gov/Research/FeaturedPrograms/PGRN/GAP/ PG Research Network RIKEN CGM in Japan 16 真摯に。誠実に。 社会に役立つ研究のために。 オ ー ダ ー メ イ ド 医 療 実 現 化 プ ロ ジ ェ クト 世 界 各国で“ オーダーメイド 医 療 ”の 実 現に向けた動きが 活 国内外のトップサイエンティストたちによる研究成 果の 発な中、日本では、文 部 科 学 省 プロジェクト「 オーダーメイド 評価を行っています。 医 療 実 現 化 プ ロ ジェクト(プロジェクト リ ー ダ ー:中 村 祐 輔) ゲノム医科学研究センターでは、センター長の国 際諮問委員会と http://biobankjp.org/」が 平成 15 年度に開始されました。 して「 アドバイザリー・カウンシル」を設置しています。第一線で活 躍する国内外のトップサイエンティストや学識経験者などで構成さ プロジェクト第一期では、遺伝暗号の違いをもとに病 気や副作 れます。各研究チームの研究運営のあり方、研究の計画や進捗状況、 用の原因を明らかにする研究の基盤構築 のために、5年間で約 成果などについて、アドバイザリー・カウンシルが総合的な評価を 20万人の患者さんにご協力を頂き、47疾患約30万症例の血清、 します。より高い見 地 からの指 導や助 言によって、研究の一 層の DNA、臨床情報が東京大学医科学研究所 内に設置された資源 進展が期待されます。 バイオバンクジャパンに収集され、世界的に例を見ない大規模 な資源バンクが構築されました。また、収集されたDNAサンプ 倫理指針に基づく倫理委員会の審査・承認により、研究 ルを用いて47疾患全ての全ゲノムSNP解析を行い、その解析結 を推進しています。 果をもとに疾患や薬剤の副作用に関連する遺伝子の研究が進 ゲノム医科学研究センターでは、個人ごとの遺伝子の違いや遺伝 められました。 子の発現量などを体 系的に解 析し、疾患との関係を明らかにして プロジェクト 第二 期(平成20 ∼24 年度)の 5 年間では、追跡調 います。そのためには、患者さんなどからゲノム DNA 試 料を 提供 査により、収集された膨大な臨床情報と遺伝子・タンパク解析 していただき、収 集 することが 不可欠です。研究目的や 研究方法 情報との関連などの解析を継続。疾患と薬剤の副作用について など、事前に十分な説明をして了解を得る「インフォームド・コンセ の遺伝的要因や環境要因の解明や新たな予防法の開発を行い、 ント」の取得、ゲノム DNA 試料提供者の個人 情報の保 護など、倫 プロジェクト案内ポスター 医療への応用を目指しています。 理面への配慮が重要です。 文部科学省、厚生労働省、経済産業省によって示された「ヒトゲノム・ 遺 伝 子 解 析 研 究に関する倫理指針 」に基づき、理 化 学 研 究 所横浜 ゲノム医科学研究センターは、平成15 年からこのプロジェクト 研究所では諮問機関として「 倫理委員会 」を 設置しています。外部 に参加。全ての疾患の全ゲノム SNP 解析を担当するとともに、 有識者で構成される倫理委員会において、研究内 容やインフォー 薬剤の有効性や副作用に関連する遺伝的な要因を解 明する研 ムド・コンセントの取得について審査し、承認されたものだけを研 究を進め、疾患関連遺伝子研究においても、全国の研究機関と 究 試 料として使用しています。 試料等配布審査会 推進委員会 SNP 研究推進 理化学研究所 ゲノム医科学研究センター の連携体制を構築して中核的な立場で研究を推進しました。平 成20 年6月には35疾患の患者集団から得た、約20 万 SNP の遺 研究成果を治療や予防に役立てるため、活発な研究協 医療機関 伝子型頻度情報を公開しました。 力を展開しています。 今後は、プロジェクトの中核機関である東京大学医科学研究所 ゲノム医 科学研 究 センターでは、医療機 関との連携により患者の 公募研究 メタボ研究班 がん研究班 肝臓研究班 婦人科研究班 骨・筋肉研究班 や協力研究機関などと一層の連携を図り、それぞれの疾患に関 方々や 一般の方々のゲノム DNA 試料を収集し、解 析した SNPのタ 連する遺伝子の探索や、薬の副作用と遺伝子の関連を解明する イピングデータを 手がかりにして、病 気のなりやすさや、薬 の 効 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター ための研究を推進し、プロジェクトの目的であるオーダーメイ きやすさに関連する遺伝子を突きとめています。 さらに大学や研 ド医療の実現に貢献していきたいと考えています。 究機関、製薬企業と協力して、関連遺伝子の機能を 探る研究を進 CGM めていきます。 当センターの最 終 目 的は、疾 患の発 症や薬の効 果・副作用のメカ ELSI 委員会 バイオバンクジャパン バイオバンク運営会議 協力医療機関連絡会議 麻生飯塚病院 岩手医科大学 大阪府立成人病センター がん研究会有明病院 結核予防会複十字病院 大阪医療センター 滋賀医科大学 順天堂大学 東京都健康長寿医療センター 徳洲会 日本医科大学 日本大学 対象疾患の 一 覧:本プロジェクトで 対象となる疾患は、次 の47疾 患です。 ニズムを 解明して、根本的な治療法や予防法、新薬の開発に役立 肺がん / 食道がん / 胃がん / 大腸・直腸がん / 肝がん / 膵がん / 胆嚢・胆管がん / 前立腺がん / 乳がん / 子宮頸がん / 子宮体がん / 卵巣 てることです。研究成 果を、いち早く治療薬や診断薬などの開発 がん / 造血器腫瘍 / 脳梗塞 / 脳動脈瘤 / てんかん / ぜんそく / 結核 / 肺気腫( COPD )/ 間質性肺炎・肺線維症 / 心筋梗塞 / 不安定狭 に 役立てるために、製薬企業などとの共同研究も積極的に行って 心症 / 安定狭心症 / 不整脈 / 心不全 / 閉塞性動脈硬化症( ASO )/ B型慢性肝炎 / C型慢性肝炎 / 肝硬変 / ネフローゼ症候群 / 尿路結石 います。また、医 療 機 関との連 携により、新たな治療法や予 防法 の開発や普及を速やかに進めます。 製薬企業 / 骨粗しょう症 / 糖尿病 / 高脂血症 / バセドウ病 / 関節リウマチ / 花粉症 / 過敏性症候群(薬疹)/ アトピー性皮膚炎 / ケロイド / 子宮筋 大学・研究機関 腫 / 子宮内膜症 / 熱性けいれん / 緑内障 / 白内障 / 歯周病 / 筋萎縮性側索硬化症(ALS) 17 18
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