教材名 スイッチトレーナー 主な目的 使用方法・使用授業 留意点 考察

教材名
主な目的
スイッチトレーナー
・電気のスイッチを押す意識を持たせる。
・電気のスイッチを押す訓練
自立の授業で使用。対象生徒は高等部1年生のAさん。
生徒が興味を引くもの(Aさんの場合はたまごボーロを使用)を見せ、
使用方法・使用授業
それに意識が向いたら箱の中に入れ、ロックがかかるようにふたを閉め
る。生徒にスイッチを押すように声掛けをする。生徒がスイッチを押す
と自動でふたが開き、生徒が中のものを取り出す。
スイッチは2つあり、ひとつは内部のバネを
切って短くすることで、小さな力でもスイッチ
が押せるようになっている。スイッチを押すと
留意点
いう意識が生徒に定着していない段階では、そ
ちらのスイッチで取り組み、スイッチを押したら箱の中のものが取り出
せることを認識させる。そして、押す意識を持つようになったら、もう
一方のスイッチで取り組む。
高等部入学当時のAさんは、声掛けでは教室やトイレの電気のスイッ
チを触るだけで押し込むことはできなかった。そのため、教員が生徒の
指を押してスイッチを入れていた。ただ、Aさんには押す力はあるので、
押す意識を持たせるためにこの教具を制作した。
2学期に入ってから、教具を使用する前の段階で、Aさんがスイッチ
を触るときに偶然押せた時があり、その後も何度かそういう場面が見ら
れた。このような時期から週1回の頻度で教具を使い始めた。日々のス
イッチを押す場面では、押せることが徐々に増えていき、Aさんはスイ
ッチを押す感触を覚えていっているようだった。
考察・まとめ
教具を使用した取組では、Aさんはたまごボーロにすぐに興味を持ち、
しっかりとたまごボーロに注目していた。柔らかい方のスイッチでは、
Aさんは簡単に押すことができた。ふたが開くとすぐにたまごボーロを
取り出して食べた。
結果的に教具を使用した取組は3回だけで、Aさんは日々のスイッチ
を押す場面の中で上達していき、ひと月ほどで確実に押せるようになっ
た。教具を使用した取組では、スイッチを押す意識を持たせるのには効
果があったと思われる。3学期に入った現在では、しっかりとスイッチ
に指を置いて押したり、スイッチの引っ込んでいる部分から指をスライ
ドさせて押したりしている。