リート・マーケット・マンスリー|2015年2月号

M
リート・マーケット・マンスリー
情報提供資料
2015年2月号
※リート …不動産を中心に運用を行う投資信託。正式英語名称は、Real Estate Investment Trusts(略語REIT)
【図1】 リート市場動向
【図2】 地域・市場間のリターン比較
2014年7月以降
S&P先進国REIT指数(配当込み) : 先進国・円建て
<2015年1月末時点>
1000
先進国(円建て)
2000年以降
ー
リート市場
1,000
900
07/2/22
5.5
13/8/30
債券市場
800
400
米国 ▲2.8
▲0.6
14.0
▲1.5
▲2.0
0
6.2
3.5
2.6
2.0
0.0
▲10
18.0
6.0
▲0.3
日本
09/3/9
7.6
0.3
米国
200
35.4
12.2
7.4
日本
10
20
30
▲10
0
4.0
10
20
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
700
年
14年7月
14年9月
14年11月
15年1月
出所:S&P
10.0%
2.0%
8.0%
1.5%
6.0%
1.0%
4.0%
0.5%
2.0%
0.0%
0.0%
-1.0%
-1.5%
-6.0%
-2.0%
-8.0%
-2.5%
95年12月
■GDP…季節調整済
実質GDP
前四半期比変化率
■不動産…NCREIF
指数前四半期比
変化率
99年12月
01年12月
03年12月
05年12月
GDP(左軸)
07年12月
不動産(右軸)
注)対象期間は1995年12月末~2014年12月末
09年12月
11年12月
220
3.0%
200
4.0%
180
5.0%
160
6.0%
140
7.0%
120
8.0%
100
9.0%
80
10.0%
60
95年12月
-10.0%
97年12月
10
20
30
40
50
60
(%)
【図4】米各種経済指標推移
※ NCREIF指数は、アメリ
-2.0%
カ実物不動産市場における投
資リターンを指数化した指標
-4.0%
です。
-0.5%
▲20 ▲10 0
注)リートはS&P先進国REIT指数(配当込み)、株式はMSCIワールド・インデックス(配当込
み)、国債はシティ世界国債インデックスから各々算出(国別はすべて現地通貨建て)。
出所:Bloomberg、S&P
【図3】米GDPと不動産市場推移
2.5%
30
(%)
(%)
注) 直近は2015年1月末
42.8
20.8
▲1.3
国
債
11/10/3
33.5
29.0
10.5
17.1
先進国(ドル建て)
46.8
27.5
11.0
6.7
先進国(ドル建て) ▲1.8
株
式
過去1年
8.4
▲0.4
豪州
11/7/7
300
日本
過去3ヵ月
13.6
フランス
600
500
米国
ト
株式市場
700
リ
900
13/5/21
100
過去1ヵ月
3.4
先進国(ドル建て)
800
http://www.kokusai-am.co.jp
13年12月
■小売り…季節調整済小
売売上高(95年12月
末を100として指数
化)
■失業率…季節調整済失
業率
11.0%
97年12月
99年12月
01年12月
03年12月
GDP(左軸)
出所:Bloomberg
■GDP…季節調整済実
質GDP(95年12月
末を100として指数
化)
05年12月
小売り(左軸)
07年12月
09年12月
11年12月
13年12月
失業率(右軸)
出所:Bloomberg
注)対象期間は1995年12月末~2014年12月末
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料で使用している指数について」を必ずご覧ください。
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国際投信投資顧問
リート・マーケット・マンスリー 2015年2月号
【図5】主要都市オフィス賃料の推移(2009年12月~2014年9月)
(2009年12月末=100)
160
【図7】主要リート市場業績予想(2015年1月)
香港
150
ロンドン
(ウエスト・エンド)
140
シンガポール
130
120
ニューヨーク
パリ(都心部)
90
東京(都心5区)
80
2009年
2010年
2011年
2012年
【図6】主要都市優良オフィス市場の状況と今後の見通し(2014年12月)
賃料変化率
ニューヨーク
(ミッドタウン)
ロンドン
(ウエストエンド)
直近1年間
空室率
価格変化率
2015年の
直近1年間
14年12月末
見通し
の変化
来期
アメリカ
110.7
104.3
109.3
113.0
111.8
117.6
116.1
104.8
118.2
80.5
128.9
110.0
98.1
101.1
134.5
91.6
86.4
118.8
110.9
118.2
123.3
118.4
127.8
130.4
108.6
146.3
85.1
139.3
115.5
103.1
102.6
140.3
112.3
106.4
カナダ
イギリス
フランス
オランダ
ベルギー
ドイツ
日本
シンガポール
香港
オーストラリア
2013年
出所:Bloomberg、ジョーンズ ラング ラサール
都市名
当期
オフィス
小売
住宅
ヘルスケア
産業用施設
ホテル
110
100
国・セクター名
直近1年間
+2.3%
+5~10%
9.5%
▲1.6%
+22.8%
+9.5%
+5~10%
5.0%
▲0.4%
+9.5%
パリ
+4.2%
+0~5%
7.6%
+0.1%
+18.1%
東京
+6.4%
+10~20%
3.0%
▲0.4%
+19.3%
シンガポール
+14.9%
+0~5%
6.1%
▲0.4%
+1.3%
香港
+2.7%
+0~5%
4.2%
▲0.1%
+0.3%
シドニー
+3.1%
+5~10%
9.6%
▲0.9%
+12.3%
※上図は、直近の各決算を100として、証券会社のアナリストのコンセンサス予想をもとに数値化したものです
(アメリカ、カナダ:FFO、日本:分配金、その他:営業キャッシュフロー、すべて1株当り)
※S&P先進国REIT指数採用銘柄のうち、アナリストによる業績予想がブルームバーグ上集計可能な銘柄をもと
に、時価総額平均加重にて算出(2015年1月末基準)
出所:ジョーンズ ラング ラサール
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料で使用している指数について」を必ずご覧ください。
出所:Bloombergをもとに国際投信投資顧問作成
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【図8】 各国リート市場の推移(2009年末以降)
北 米
250
(09年末=100)
欧 州
米国・カナダ
250
(09年末=100)
イギリス・フランス
米国
200
200
150
150
フランス
カナダ
100
100
イギリス
50
09年12月
10年12月
11年12月
12年12月
13年12月
14年12月
50
09年12月
10年12月
11年12月
オセアニア
200
(09年末=100)
12年12月
13年12月
14年12月
アジア
豪州・ニュージーランド
350
ニュージーランド
(09年末=100)
日本・シンガポール・香港
300
150
香港
250
200
100
150
豪州
50
09年12月
10年12月
11年12月
12年12月
100
13年12月
14年12月
50
09年12月
日本
10年12月
11年12月
12年12月
シンガポール
13年12月
14年12月
注) S&P先進国REIT指数(現地通貨建て、配当込み、国別)に基づく。データ対象期間は2009年12月末~2015年1月末
出所: S&P
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料で使用している指数について」を必ずご覧ください。
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●●●グローバル・リートマーケットの動向
先月のグローバル・リートマーケット
★最近の注目トピック
 各国中銀の金融緩和策が支援材料に
金融緩和が追い風となる主要ユーロ圏リート
左記のとおり追加金融緩和が決定されたユーロ圏ですが、近年の金融緩和策
を背景に主要リートの資金調達条件は改善傾向にあります。
2015年1月のグローバル・リート市場は上昇しました。中でも欧州中央
銀行(ECB)による追加金融緩和策が好感されたユーロ圏諸国のリート市
場の上昇が目立ち、フランスを筆頭に多くの国々が10%超のプラスリターン
を記録しました。また、利下げが決定されたカナダや利下げ観測が高まった
オーストラリア(その後2月に利下げが決定)も金融緩和がリート市場にも
たらすプラス効果への期待感から上昇基調となりました。
ユーロ圏で時価総額最大のリートであるウニベイル・ロダムコの例を見て取
ると、有利子負債の平均金利は低下傾向が続いており、2014年末では2.6%
と過去最低を記録しました。他方、有利子負債の平均期間は長期化傾向にあり、
資金繰りの安定化と調達コストの軽減を実現している格好となっております。
ベース金利が低下基調にあることに加えて、過去に発行した債券を買入消却す
るなど資金調達コスト軽減を目的とした積極的な財務戦略などが功を奏した結
果となっております。
その他の主要市場についてもおおむね堅調となったものの、新規上場、投
資口の追加発行による需給悪化などが嫌気された日本はS&P先進国リート指
数構成国で唯一マイナスリターンに留まりました。
先進国および各国リート指数(現地通貨建、配当込み)
(2014年7月末~2015年1月末)
(2014年7月末=100)
125
(%)
●ウニベイル・ロダムコ有利子負債平均金利、平均期間推移
(年)
(2010年~2014年)
4.0
8.0
3.5
7.0
3.0
6.0
2.5
5.0
105
2.0
4.0
100
1.5
3.0
95
1.0
フランス
米国
日本
豪州
120
115
先進国
110
90
0.5
85
14年7月
2.0
平均金利(左軸)
1.0
平均期間(右軸)
0.0
14年9月
14年11月
注) 先進国および各国リートは、S&P先進国REIT指数に基づく。
先進国は米ドル建。
15年1月
0.0
2010年
出所:S&P
2011年
2012年
※個別銘柄の推奨を目的とするものではありません。
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料で使用している指数について」を必ずご覧ください。
2013年
2014年
出所:ウニベイル・ロダムコ決算資料
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●●●個別市場の注目点
拡大するアジア・リート市場
豪州大手2リートが統合することに合意
2015年2月、豪州上場リートのノビオン・プロパティ・グループとフェデレー
拡大基調にあるアジア・リート市場ですが、2014年10月末時点における時価総
額は1年前と比較して20%以上増加しました。
ション・センターズが統合することに合意したことを明らかにしました。フェデ
市場が拡大している要因の一つとして、新規上場、増資が活発化していることが
レーション・センターズがノビオン・プロパティ・グループの投資主に自らの投資
挙げられます。昨年は日本、シンガポール、タイにおいて新規上場するリートが目
口を割り当てる形での統合を計画しておりますが、ノビオン・プロパティ・グルー
立ちました。
プの大口投資主は合併を支持することを明らかにしており、統合が実現した場合、
また、2014年は西アジアのアラブ首長国連邦において第1号リートが上場するな
時価総額、資産総額は単純合算ベースで豪州第3位となる見込みです。
但し、ノビオン・プロパティに対しては他の大手リートが買収提案を検討してい
ど新たにリート市場が登場する動きも見られます。2015年以降についても、複数
の国々においてリート市場始動に向けた取り組みが進んでおり、各種報道によると、
るとかねてより噂されており、他リートの対抗案次第では買収競争に発展する可能
順調に準備が進めば2015年上半期中にパキスタンにおいて第1号リートが上場する
性もあります。
と見られている他、インド、フィリピンなどにおいても、リート市場始動に向けた
準備が進んでいます。
豪州リート時価総額ランキング
(2015年1月末時点)
アジア各国・地域上場リート市場規模
国・地域名
日本
シンガポール
香港
マレーシア
タイ
台湾
アラブ首長国連邦
韓国
合計
時価総額
上場銘柄数
(億円)
2013年10月末 2014年10月末 2013年10月末 2014年10月末
71,356
93,428
42
46
48,057
56,878
34
38
21,207
24,758
9
10
11,012
11,962
17
16
6,676
10,183
43
53
2,841
2,760
6
6
0
431
0
1
190
178
8
7
161,339
200,578
159
177
順位
銘柄名
1
2
3
4
5
6
7
8
9
ウエストフィールド
センターグループ
グッドマン・グループ
ストックランド
GPTグループ
ミルバック・グループ
ノビオン・プロパティ・グループ
デクサス・プロパティ・グループ
フェデレーション・センターズ
時価総額
(百万豪ドル)
20,490
20,232
10,700
10,288
7,966
7,136
7,077
6,982
4,326
出所:不動産証券化協会
出所:S&P、Bloombergを基に国際投信投資顧問作成
※個別銘柄の推奨を目的とするものではありません。
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料で使用している指数について」を必ずご覧ください。
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