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植物生体情報計測センサの農業への応用
誌名
植物生体情報計測センサの農業への応用
著者
農林水産技術会議事務局,
掲載ページ
p. 1-147
発行年月
1989年3月
農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波事務所
Tsukuba Office, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat
グリーンエナジー計画成果シリーズ
II系(物質固定) Nα20
植物生体情報計測センサの農業への応用
ン ヒ ム リも
レ4■ツ
蛍誕蕊_ン
平成元年3月
農林水産技術会議事務局
コ
〆麟藷謙
{1∼71 ∠=:}
1可___.
平成兀414受領
一一A=膿「「■殉.LL.’.畠L」.」’‘、.軸.oΨ騨一
資 料 室
為隔
ま え が き
近年,資源・エネルギー問題,環境問題,都市問題等人類の生存と繁栄にかかわる
複雑かつ困難な問題が続出しているなかで,これらの諸問題を解決し,国民生活の向
上に寄与する革新的技術の開発が強く求められている。農林水産業の分野においても
21世紀における食糧,資源・エネルギー,環境等に係る諸問題を解決するための鍵と
なる新しい技術開発が要請されている。
このため,農林水産技術会議事務局においては,これらの要請にこたえるべく,産
官学の連携による,長期的かつ大規模なプロジェクト研究を構想し,その一つとして
昭和53年度から10力年計画で「農林水産業における自然エネルギーの効率的利用技術
に関する総合研究(グリーンエナジー計画)」を実施した。この研究は,光合成能力の
向上や生物的窒素固定の有効化など植物体そのものが持つ物質生産能力を向上させる
とともに,太陽エネルギーなどの自然エネルギーを一層積極的に利用することにより,
化石エネルギーに大きく依存している現在の農業生産技術から脱却し,革新的な技術
体系を開発することを目的として行われたものである。
本計画は,農林水産業の多くの研究分野が連携する学際的な研究であり,研究内容
も多岐にわたるところがら,五つの研究室(エネルギーの分布と利用系,物質固定系,
生産環境制御系,補助エネルギー変換利用系及び生産技術系)ごとチームを編成し,
研究の効率的推進に努めてきた。
本書は,グリーンエナ・ジー計画成果シリーズの一環として,物質固定系の数年間に
わたる研究成果を取りまとめたものである。大方の参考に供して頂ければ幸いである。
平成元年3月
農林水産技術会議事務局長
谷 野 陽
目
次
緒言……………・・…・……・…・………・……………・・…・……………1
1.圃場作物生体情報計測システムの応用(その1)
一イネ個体群の農学情報の分光推定 ……・・…………・…………・・……・ 2
1.圃場作物生体情報計測システムの応用(その2)
一航空機搭載実証試験および作物生育リモート診断計の開発 …… 31
皿.作物群落用マイクロ波レーダーの応用 …………・……・・……………・… 50
1V. TVカメラによる作物群落立体情報計測装置の開発 ……・・………… 63
V.植物生体電位計測システムの開発 ・一……………・…………・・……・・一・… 87
VI.インピーダンス・トモグラフィー法による植物生体計測計への応用 113
皿一4系研究発表論文一覧(1985∼1987)…………………………・一…… 138
CONTENTS
工ntroduction 。。.。。。。.9。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。.。。。。。。。.。。。。。。 l
I。 Radiometric Estima七ions for Aqronomic ▽ariables Of.
Rice Canopies Usinq a▽isible to Mid−infrared
SpectrOradiometer ..。..。。。。。。。。。。。。。。。。。.。。。。。.。。..。。.。。.。 2
工L Crop Growth Diaqnosis from Low Altitude Platform 一βensor
Systems and Developmerユt of an Eiqht−band POrtable Radio−
meter for Fi.eld Use .。。。。.。。.。。。.。。。。.。。。。。。。。。。。。,。。。.。.、 31
工工工。 ApPlication of MicrOwave Rader on drassland 。。。..。。。。。。。。。 50
工▽。 Three−Dimensional 顛easurinq for Crop Canopies with T▽
Cameras and COmputer−Aided Imaqe Processinq 。...。.....。。.. 63
▽. Development of Measurement System of Bioelectric
Potentia:Ls in Plant .。.。。。。。。。。。。.。。。。。。。。.。。。。。。.。。。。。。。。 87
▽]:・ ApPlicat二ion of 工mpedance Tomoqraphy for the Measurement
of t二he Ωuality of Fruits and ▽eqetables。。。。。。。.。。。.。。。。。。。l13
List Of Publi$hed Reports Durinq the Years of l985 to l987。..。。138
言
緒
H−4系は大課題「植物個体群の生産構造と光エネルギー利用機能」のもと,昭和
53年度から57年度まで(1)C3,C4,CAM植物個体群における光エネルギー利用
に関する比較作物学的研究,55年度から59年度まで(2)植物個体群の構造と機能の解
明,そして53年度から59年度まで(3)植物の生体情報の計測手法の開発,を中課題と
して担当した。その結果(1)では8種の作物を供試し,全国の20研究室で同一の生長
解析手法を用いて共同研究を行うことにより,気象条件との関連も踏まえ,各種作物
の生長の種間差を明らかにし,当成果シリーズ]1−Nα12にまとめた。また(2)では,
太陽光の有効利用のため,各種作物を使って個体群の受光態勢の改善による生産力増
大の方策を探り,(3)では各種の新しいセンサの開発を推進し,これらを,第2期成
果として同シリーズH−Nα15にとりまとめて報告した。
第3期(昭和60年度から62年度まで)には,対象を生体情報センサに絞り込み,中
課題として(4)植物生体情報計測センサの農業への応用について研究を深めた。特に
第3期では試作センサ類を野外を含む様々の環境条件下に生育する各種の作物を対象
として適用し,適用対象の拡大とその限界設定,適切な測定方法の検討,計測の精度
向上,適用上の問題の明示などを試み,農業研究および農業生産現場への適用の可能
性を検討した。
今回,(4)の研究に参加した4研究室の成果についてとりまとめたので報告する。
H・4系 サブリーダー
秋 山 侃
一1一
1.圃場作物生体情報計測システムの応用(その1)
一イネ個体群の農学情報の分光推定一
芝山道郎・秋山
1.囲
侃
的
本研究の目的は,課題「圃場生体情報総合計測システムの開発」で試作・開発した作物のた
めの非破壊・非接触計測機器を用いて,実際の作物集団の農学的量情報(乾物量,葉面積指数,
収量など)を測定する手法を開発することである。本章では,「アクティブ可視・遠赤外分光セ
ンサ」を利用したイネ個体群の各種測定とそのデータ解析結果,およびそれを利用する生体情
報推定法の概要を報告する。
2.生育に伴うスペクトル変化と葉面積指数および地上部乾物重
2.1 はじめに
農学情報を分光データから推定する試みは,既に多くの作物で行われている31}。例えば,
葉面積指数(LAI)の推定については可視域の赤(波長660nm)および近赤外域(840nm
を中心とする)の2バンドを使用する植生指数(VI;Vegetation Index)が有効であること
が報告されている≧a10)。しかし,作物が成長するに従い,乾物重やLAI,油鼠,葉緑素
濃度,および形態に変化が生じるために,分光データとこれらの情報との間の関係も生育ステ
ージによって異なってくる可能性がある。一方,生育ステージを分光データから直接推定する
実験はトウモロコシ,ダイズ哉416),および水稲21)で行われている。また,水稲を対象とし
た研究では,やはり義訓外と赤のバンド反射率比とLAIや収量との相関関係が報告されてい
る1a la22)。一方,1300nmより長波長域(中赤外域)を植物計測に利用する研究は畑作物で
は散見される7・8訊17)が,水稲での実験は見あたらない。そこで「アクティブ可視・近赤外分
光センサ」(以降,分光センサ)を用い,出穂前45日から出穂後64日までの各時期に波長400
から1900nmで反射係数の測定を行い,可視,近・中赤外域のバンド反射係数およびそれらの
VIと生育ステージ, LAI,乾物重との関係を調べ,これら作物情報の分光的推定法を検討
した。
2.2 材料および方法
野外測定実験は,1985年に筑波の農業環境技術研究所内のコンクリートライシメータ(地下
水位調節水田)で行った。品種アケノホシ,密陽23号,峰光,日本晴,コシヒカリの5品種を
縦横3m,深さ1mの灰色低地土壌に栽培した。それぞれの品種を4区用意し,そのうち2区
は6月7日に,残る2区は7月3日にそれぞれ移植した。2区のうち一方の区には窒素換算で
4g/㎡施肥したが,他は無肥料とした。移植時の苗間隔は21c皿,条間は25c皿とし,手植えし
た。
分光センサ27・28)の光ファイバライトガイドは約150の視野角であるため,2,5mの高さから
農業環境技術研究所環境管理部
一2一
垂直下向きに測定すると,直径およそ60cmの円内が視野範囲に入る。測定波長は,400−900
nmでは5nm間隔,900−1900nmでは,10nm間隔で読み取り,各区5回の反復測定の出力
の平均値を硫酸バリウム粉末を塗布したアルミ板の反射出力で除して反射係数(%)として解
析に用いた。以降,波長Xnmでの反射係数(%)をRxと表記する。
分光測定は,晴天日の10=00から14=00に行うこととし,7月26日,8月16日,8月26日,
9月13日,9月26日,10月19日,および11月2日に実施した。最終日には,6月7日植え区は
既に収穫されたあとであった。原則として,分光測定日から1日以内に作物を抜き取り調査し
た。各区標準的な4株を採り,根部を切除して新鮮重を計量し,2株を葉・茎・穂・枯死部に
分けた。葉面積を測定したあと80℃の通風乾燥機で乾燥し,乾物重を計量した。緑色部乾物重
(GDM g/㎡)は地上部総乾物重から枯死部重を差し引いたものである。
2.3 結 果
各区の出穂日,出穂期のGDM, LAIを表1−1に示す。施肥区のGDM, LAIは無肥
表1−1
各試験区の品種,移植期,施肥水準ごとの,(a咄穂並,および
(b)出穂期の葉面積指数(LAI)と地上部乾物重(GDM)
Table 1−1
Heading dates(a), LAI and above−ground dry mass(GDM)on
about heading date(b)by cultivars,fertiliz ation and planting
dates. Fertilized arld non−fertilized plots of each cultivar
headed orl the same date.
(a) Heading date
Cu重tivar
1」ate plantin9
Early planting
(Jun.7)
(Jul.3)
Akenohoshi
Aug.28 (240)*
Milyang 23
Nipponbare
Aug.24 (236)
Sep 5 (248)
Aug.24 (236)
Sep. 1 (244)
Minehikari
Aug.21 (233)
Sep. 3 (246)
Kosh ihikari
Au晋 14 (226)
Aug 31 (243)
Sep. 9 (252)*
*,Day of year accumlated from January 1・
(b)LAI and GDM on about heading date
Cultivar
Planting
Fertilized
Non−fertilized
date
LAI
GDM(g/㎡)
LAI
GDM(g/㎡)
Akenohoshi
Akenohoshi
Jun・7
2,19
455.5
3.48
710,0
Jul・3
3,29
702.8
4,08
839.6
Milyang 23
Jun.7
2.65
607.8
3.63
918,7
Ju1・3
3,28
844.0
4.81
10275
Jun・7
2.66
713.3
4.97
968.2
555,3
406
690,5
Milyang 23
Nipponbare
Nipponbare
Jul.3
Minehikari
Jun・7
2.87
508.5
3.69
630,1
Minehikari
Jul・3
2,89
552.7
3.83
706.3
Koshihikari
Jun。7
2,24
522.8
4,47
813,9
Jul・3
2.38
486.9
2.93
637.9
Koshihi{ari
3,85
一3一
料区のそれらより大きかったが,出穂期に及ぼす施肥・無施肥の影響はわずかであった。生育
期間のうち分光測定を行うことのできた110日(出穂前45日,出穂後64日)を出穂日を基準に
10日づっ11ステージに分割し,出穂期をステージ5とした(表1−2)。
表1−2 本実験で用いた出穂期を基準とした生育ステージ
Table 1−2 The growth stage scale used in this study,
St age number a Period(relative to heading)
1
一45days to −36days
2
−35days to −26days
Phenological stage
Maxlmum tiller number
3
−25days to −16days
Spikelet different iation
4
− 15days to − 6 days
Meiosis stage
5
一 5days to 4 days
Heading time
6
5days to 14days
Milk−ripe stage
7
15days to 24days
Linear grain filling
8
25days to 34 days
9
35days to 44 days
Yellow−ripe stage
10
45days to 54 days
Maturing stage
11
55days to 64days
a Stages l through 4 correspond to vegetative development, Stages 5 thrσugh 7
to the heading/linear grain filling Period, and Stages 8−11 to period after
physiological maturity of the grain in agr㏄rnent wit h Figs.1−1and 1−2.
LAIとGDMの全区平均値と標準偏差を生育ステージに対して図1−1と図1−2にそれ
ぞれプロットした。LAIは,いずれの区でもステージ4すなわち出穂の15ないし6日前に最:
大となった。GDMは,ステージ8(出穂後35日)まで増加し続け,その後ほぼ横ばいとなった。
5
4
×
Φ
℃
£
3
{
o
Φ
L
〈
2
}
ト
。
Φ
」
{
1
0
12 5 45 6 7 8 9 1011
$†Qge
図1−1 生育ステージに対する葉面積指数(LAI)の推移(全区の平均値と標準偏差)
Fig.1−1 Leaf area index (LAI)plotted against growth stage.
Solid circle, average of all of the plots;bar, standard deviation・
一4一
ρ
12
\
け
軌
彰
の
}田
け
。8
ω
熟
占
。4
1+
$
鐙
Q
。Q
12 5 4 5 6 7 8 9 1QU
S†oge
図1−2 地⊥部全乾物重から枯死部乾物重を差し引いたGDMの生育ステー
ジに伴なう推移(全区の平均値と標準偏差)
Fig.1−2 Green dry mass (GDM)plσtted against growth stage..
Solid circle, average of all of the plo竜s; bar, standard
dev主ation.
解析に用いた波長は480,
560,620,660,840,1100,1200,および1650nmの8バン
ドである。これらは本研究で以前に有効性が認められた波長25}および人工衛星ランドサットの
セマティックマッパ(TM)に採用されているバンドの中心波長である。図1−3は,分光セン
サで測定された水田のイネ個体群,乾燥裸地,および植物のない湛水した水田の反射係数のパ
ターンの一例を示している。体中の矢印は前述の8波長の位置を指している。この図から,R
1650は,湛水田面ではわずか2%なのに対してイネ個体群では約17%,乾燥裸地では34%に
達しており,中赤二三反射係数が,水分状態や,植生の存在に感度を持つことが示唆される。
逃
δ
50
4Q
実線,イネ(品種アケノホシ,
1 ;
も
8
Φ
&
翼
2
お
に
3Q
2Q
測定8月26日);
l
し..…、
点線,植物のない畑面
ハl l
一,Rice canopy (cv. Ake−
∼ v
nohoshi)on August 26;
lま裟二望べぐ(
皿一『陶
1Q
Q
破線,植物のない湛水田面;
CPaddy field with surfaoe
water but no plants;
、
l >
.回
…’…’
│ _ 四 一’
CDry fleld surface with
no plant s・
.4 .6 .8 1,Q 1.2
1.4 1.6 1.8
WGveしeng†h
(μm)
The arrows indicate the wave−
lengths analyz ed in this study,
図1−3 イネ個体群と土壌面の反射スペクトル
矢印は本実験で使用した8波長を示す
Fig.1−3
Spect ral signatures 6f rice canopy and soiI surfaces・
一5一
8バンドの反射係数のそれぞれについて各ステージ内ですべての処理区の平均値を計算し,
ステージに対してプロットしたものが,図1−4である。可視域の波長反射係数はステージ5
(出穂期)に最小となるV字型のパターンを示し,出穂後の方が出穂前より反射係数は大きい
傾向を見せた。これは,登熟期の黄化・乾燥しつつあるイネ個体群の方が,出穂前の緑色の個
5Q
840nm
480nm
争押幽+
0
㊧ 爵 ㊧
50
留愈曾爾孚曾
560nm
(
)
お
も
配
1100nm
!削
㊧㊧@ 會φ轡鱒
0
⑳ 麟
8 5Q
1200nm
ε
も
j1 副調
2
お
に
0
50
1650nm
轡岬
0
1254567891011 1254567891Qll
S†Gge S†Gge
図1−4 イネ個体群における可視,近・中墨外域の各バンド反射係数の生育
ステージ別変化(5品種の平均値と標準偏差)
Fig・1−4 Seaonal changes of reflectance factors of rice canopies at
V互S,NIR arld MIR wavelengths.
So蓋id circle, average of data from five cultivars;
bar, standard deviation.
一6一
体群と田面水よりも可視域での明るさが大きいことを意味している。一方,近赤外(840,
1100,1200nm)域反射係数は,ステージ1からステージ8まで一貫して増大し,その後停滞
した。R1650は,ステージ5−8でやや増加速度が落ちる他は,ほぼ近赤四域の各バンドと同
様の推移をたどった。
品種による反射係数の時期別推移のようすを図1−5に示す。ステージ数が11と多く,図が
50
480nm
0
會傘㊥㊥争 @ ⑫⑫留 ㊥轡㊧㊧㊥
5Q
560nm
(
)
旨
働幽幽幽珍
。命軸傘鴨φ輪
お
記0
850
620nm
葛
b
2
も
匡
評㌔φ
鱒¢。φ醜φ軸
0
50
660nm
昏
。転⑭・φ%争
軸曾⑳専
0
QbCde obcde QbCde GbCde obcde (】bcde
l ll 川 l ll 川
図1−5 5品種のイネ個体群の各バンド反射係数の時期別変化
a・アケノホシ;b・密陽23号;c・日本晴;d・峰光;e.コシヒカリ
生育期1,ステージ1−4;E,ステージ5−7;皿,ステージ8−11
Fig・1−5 Periodical changes of reflectance factors of five rice cultivars at
VIS, NIR and MIR wavelengths.
a・Akenohoshi;b・Milyang 23; c・NipPonbare;d. M inehikari
e.Koshihikari,The crop developmerlt peri ods are=1,Stage l
through Stage 4; 1,Stage 5 through St age 7 ;皿, St age 8
through Stage 11・
一7一
煩雑になるので,生育期1(栄養成長期,ステージ1−4),生育期1(出穂,登熟初期,ス
テージ5−7),および生育期皿1(成熟期,ステージ8−11)の3期に分け,それらのなかで
波長および品種ごとに平均値をとってプロットした。その結果,品種間の差は,同一品種内で
のバラツキに比較して大きいとはいえないと考えられた。
そこで次に品種,施肥区を込みにして,LAI,GDMおよびそれらの対数値と分光データ
(単波長ならびにVI)の間の単相関係数(r)を求め,表1−3に各組み合せ中最大の相関
係数が得られた組み合せとそのr値を示した。相関係数は,生育期1,H,皿,および全期間
についてそれぞれ別に計算した。
LAIは,栄養成長期(生育期1)にはR1100/R560とのrが0,91と最も高かったが,
(R560−R1100)およびND R 560, R840(Normalized Dif{erence,正規化演算;(R
560−R840)/(R560+R840))とのrも比較的大きくて一〇,885であった。 LAIと分光
データとの相関関係は,生育期1が最も密接だったが,次いで生育期皿においてよく,生育期
Hでは劣った。全生育期(ステージ1−11)では,R840/R560(r−0.825), NDR620,
R840(r一一〇.811)などが,単波長や他のVIよりも優れていた。
LA正の対数値との相関係数はLAIとのそれに比較して,生育期1では若千大きかったも
のの,他の時期や全面二期では,同じかやや劣った。GDMおよびその対数値についても生育
期1には他の時期より分光データとの相関係数が大きくなる傾向が見られ,中でも,,NDR560,
R1100とGDMの対数値とのrは一〇,964であった。金期間についてみた場合,GDMの方が
LAIよりも分光データとの相関関係が強く,R840/R1100とGDMの対数値とのrは
一〇,911であった。
全般的にみて,LAIと密接な関係を示す単波長は可視域に多く,GDMについては,近赤
外の1茎00nmが挙げられる。2バンドを用いたVIでは,バンドの比演算値が, NDや差に比
べて高いrを示すことが多かった。最も頻煩に表1−3に現れる波長は560nmであった。一
方,GDMとその対数値については, R1100−R1200が他のVIに比べて有利な場合が8例
中4例見られた。しかしながらこれらはいずれもrの値は低い。
バンド比R840/R560をLAIおよびGDMに対して図1−6(a),(b)にそれぞれプ
ロットした。R840/R560はLAIに対してほぼ直線的に変化するのに,GDMに対しては,
2次または高次の曲線をなすことが読み取れる。R1100/R840はGDMに対して対数関数
様の変化を示し,およそ300g/㎡(ステージ3に相当)で変化率が減少し,GDMに対する
検出感度が鈍くなることが推察される(図1−7(a))。一方,R1100−R1200ならびに
R1100−R1650は1000g/㎡以下のGDMには,ほぼ直線的に変化したが,1000g/冠以上
では,回帰直線からの残差が大きくなった(図1−7(b),(c))。
生育ステージ,LAI,およびGDMを分光データから推定する重回帰分析をそれぞれ行っ
た。独立変数としてR840/R560,R1100/R840,R1100−R1200,R1100−R1650
およびこれらの自乗値,平方根の合わせて12のVIを用い,変数減少法によって有効なVIと
推定式を求めた。従属変数は,ステージ番号(1−11),LAI,GDMおよびこれらの対数
値の合計6個についてそれぞれ計算を試みた。データの忌数はいずれも130であった。以上の
分析の結果は表1−4(a),(b),(c)に要約した。従属変数は,LAIとステージについては
そのままの値の方が対数値よりも寄与率(R2)が高か?たが, GDMについては対数値の
方が良好であった。生育ステージは,R840/R560,(R1100/R840)2,(R1100−R12QO)
の3変数を用いた式で推定できることが示された(表1−4(a),寄与率一〇.87,F−268.5…)。
実測値と推定値間の残差に特に偏りは見られず,両者の関係はリニヤであると考えられた。
LAI(表1−4(b))は独立変数R840/R560,R1100/R840, および(R1100/
一8一一
表1−3
LAI,GDMおよびこれらの対数値と反射係数,2バンドの比,
正規化演算:(ND)並びに2バンドの差との単相関係数
生育ステージ1−4,5−7,8−11,および全期間についてそれ
ぞれ最も相関係数の絶対値が大きい組合せを表示した
Highest correlations observed between LAI, lnLAI, GDM and
Table 1.一3
lnGDM and single bands, two−band ratios, norrnalized differerlce
(ND) and differences between two−band reflectarlces along with
the wavelengths (nm)involved for the growth stages l through
4 (vegetation devel opment),5through 7 (heading and linear
grain filling),8through 11(post physiolqgical maturity of the
grain)and stages l through 11(whole season)
LAI
St ages
Na
N.D Difぞerence
(Rx1−Rx2)/(Rx 1十Rx2) Rx 1−Rx2
Single band Ratio
Rx Rx 1/Rx2
r
x nrn
xl x2
xl x2
r
xl x2
r
r
1−4
46
1100 。848 1100, 560
・910
560,
5−7
38
660 一。487
1100, 560
。660
560,
1100一。657
480, 620 9467
8−11
46
660 −0643
660,560
V57
560,
660 。754
560, 620 。735
1−11
130
130 一。722
840,560
。825
620,
840−0811
620, 840一・617
一・
840−0885 560, 1100一。885
1nLAI
St ages
Na
Single band
Ratio
Rx
Rx 1/Rx 2
r
x nrn
1−4
5−7
46
38
x1
x2
ND Difference
α∼x1−Rx2)/(Rx 1+Rx 2)Rx 1−Rx2
r
x1
r
560, 840
一・
X54
560,
1100一。959 620, 1200
660 −0535
560, 1100
一・
U67
560,
1100−0668 480, 660
480, 560
一・
W15
480,
560一。785 620, 660
。779
一・
V83
660,
850−0758 560, 620
・704
46
660 一。548
1−11
130
.480 一。657
660,、560
GDM
Na
xl x2
r
660 一。911
8−11
Stages
x2
Single band
Rx
r
x nrn
.。
W94
T13
ND Difference
(Rx 1−Rx2)/(Rx 1十Rx 3)Rx1−Rx2
Ratio
Rx1/Rx2
xl x2
一・
xl x2
r
xl x2
r
r
1−4
5−7
46
.1100
0832 1100, 560
。898
560,
840一。855 1100,1650 。877
38
1100
e347 480, 660
一。
S49
480,
660一。434 1100,1200 。471
8−11
46
840
。213 480, 560
一。
P59
480,
560一・151 1100,1200 。227
1−11
130
1100
6822 1100, 840
。809
840,
1100 −0800 480,1100一。809
1nGDM
St ages
Na
Single band
Rx
r
x nm
ND D ifference
Rat io
(Rx 1−Rx2)/(Rx 1十Rx2.) Rx1−Rx2
Rx 1/Rx 2
xl x2
xl x2
r
xl x2
X48
560, 1100一。964 660, 840 −9911
r
r
一。
W99
560,
840
一・
一・
R69
480,
660
一・ S62
480, 620一。451 1100,1200 。487
840
。217
480,
560
一。
P57
480, 560一・149 1100,1200 。232
1100
W50
840,
1100
一・
X11
840, 1100一②907 480,1100 「。869
1−4
5−7
46
660
38
1100
8−11
46
1−11
130
a
For n鷹38, r
。05
r =0.376,
一。
=0.4玉3,For n叢46, r
=0.320and r
・01
==
・05
・Ol
一9一
O.291 and
6
5
6
⑦
o ⑧ ⑭o
Q
o
ゆ ゆ
④
b l ・♂
④◎ ㊤
o o
⑫
8 3 0
5
0
⑦ o
⑳ ◎
⑧
爵 ㊤ ④
84
ぼ ゆ
亀・。
o⑦
鍵騨
2
さ3
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8
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3誉静も
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謬
1
1
o
⑳
0
0 1 2 3
0 .0
4 5 6
Le〔】f Areo 1ndex
図1−6
.2 ,4 。6 β 1.0 1.2 1.4
Green Dry M(lss (kg/m2)
2バンドの比,R840/R560と作物情報との関係(ステージ1−11)
LAI; b. GDM
a。
Fig.1−6 R840/R560 plotted against LAI (part a), and R 840/R560
plotted against green dry mass (part b)for the wh61e season
(St age l through 11).
12
1.5
Q
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§
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Greep Dry Mass(kg/㎡) Green Dry Mass(kg/㎡) Green Dry Mass(kg/㎡)
図1−7近・中赤四域VIとGDMとの関係(ステージ1−11)。
a.R1100/R840; b。 R 1100−R1200;
c.R1100−R1650
Fig.1−7 R1100/R840, R 1100−R1200 and R 1100−R1650
for the whole season versus green dry mass irl parts
(a), (b) and (c), respect iv ely・
R840)2を使って寄与率0.71,F−103,3***の推定式が得られた。GDMの対数値は表
1−4(c)に示した6変数,すなわちR840/R560,(R840/R560)o’5,R1100/R840,
(R1100−R1200)o●5, R 1100−R1650,(R 1100−R1650)2を用いた重回帰式で寄与率
0,93(F二277.3***)で推定された。対数値をもとのGDMに再変換した推定値と実測値
との単相関係数は0,902であった。
2.4 考 察
イネ個体群の生育に伴う反射係数の推移の仕方は波長帯域によって異なった。可視域反射係
数は,出穂期頃最小となるV字型をなし,近赤外域に属するR840およびR1100は生育初期
から登熟中期まで一貫して増加し,その後枯死部が増えるにつれて停滞またはやや減少に転じ
た。同様のパターンは宮北ら21)によっても観察されている。一方,R1200およびR1650の変
化パターンは近赤外の2波長と類似してはいるが,出穂15日前から出穂後25日までの期間に増
加速度が鈍化することがわかった。
一10一
表1−4 VIによってイネの農学情報を推定する変数減少法重回帰分析の結果
生育ステージ, (b)LAI, (c)GDM
(a)
Table 1−4
Mul宅iple regr鈴sion s㎜maries estimating growth stage(a), LAI(b},
and green dry mass(c)from spectral data.
The spectral variables were selected by backward reduction method.
(a) Stage
Correiation Matrix
VI
Variable number
Coefficient t_val ue
1
1
R840/R560
一1,059
一9,93
2
(R1100/R840)2
9,253
18.83
2
3
R1100−R1200
0,418
7.23
3
Const.
−2.505
−4.62
Stage
1−
Stage
2 3
0.087
0.541
一〇.154
0,500
0.869
0.487
R2=0.865 N=130
F;268.49***
(b}.Leaf area index (LAI)
Correlation Matrix
VI
Variable number
Coefficient t_value
1
1
2
3
R840/R560
R1100/R840
0.645
10,96
1−
15,642
3,27
2
(R1100/R840)2
−8,46
−3.40
3
Const.
−6.747
−3.14
LAI
R2=0,711
F霊103,30***
LAI
2 3
0.159
0,088
0,825
0,994
0,065
0.008
N.篇130
(c)Green Dry Mass (lnGDM)
Correla宅ion Matrix
VI
Variable number
Coefficient t_value
1
2
3 4 5
6 1n GDM
1
R840/R560
一〇,711−4,44
1 一 〇,99
0、16
0.58
0,39
0,33
0,38
2
(R840/R560)9’5
2.646 4.48
2
0,24
0.62
0.43
0.36
0.45
0.62
0,65
0.53
0.89
0,91
0.85
0,82
0,97
0.80
3
R1100/R840
2,613 9,44
3
4
(R1100−R1200)o’5 0,338 3.44
4
5
R1100−R1650
0.119 4.94
5
6
(R1100−R1650)2
−0,003一一4.61
6
Const.
−0.332−0,778
1nGDM
F螺277.33***
R2=0,93
N=130
一11一
0,67
コムギでの測定結果によるとユ7),中赤外バンド反射率は葉が最も繁茂した時期に最小とな
ることが報告されている。イネの中赤外反射係数は,生育初期には増加するものの,葉面積が
最大に達する頃にわずかながら「くぼみ」が見られることが,コムギでの結果との類似点と考
えられる。イネとコムギでの変化パターンの表れ方の違いはおそらく湛水した水田と乾燥した畑
との反射特性の相違に起因するものであろう。すなわち図1−3に例示したように,畑面の反
射係数が植生の反射係数より高く,水田面の反射が最も小さいと仮定すれば,上に述べたよう
なイネとコムギの経時変化の見かけ上の違いが説明できる。
反射係数の品種による違いは本実験では大きくなかった(図1−5)が,これは各区ごとに
その出穂日を基準としたステージにまとめたことの効果によると考えられる。Martin and
Heilman18〕は7品種のイネを分光測定し,それらの形態的な差異は分光データからは読み取れ
なかったと述べている。
R840/R560は,各時期別にもまた全期間を通してもLAIと比較的高い相関関係を示し
た。近赤外と緑の波長組合せは,イネの切断葉の葉緑素濃度の推定に有効とされ12),また個体
群レベルでも,土地面積当りの葉緑素量と相関関係が強い1・2の。一般に作物の種類(品種)や
栽培条件が大きく異ならない場合には,葉緑素量とLAIとの間に高い相関関係があると考え
られるので,本実験の結果もR840/R560と土地面積当り葉緑素量との関係をとらえたもの
と推察される。
GDMは出穂後25ないし35日まで増加し続け,その後停滞したが,近・中赤外域の波長反射
係数がこれと非常に類似したパターンを示した。全期間でのR1100とGDMとの単相関係数
は0.822(表1−3)だが,これは生育初期(ステージ1−4)における両者の特に強い相関
関係によるものである。R840/R1100とGDMの対数値との一〇.911という高い相関係数は,
これらの波長反射係数がGDMと密接な関係にあると同時に,全波長域に共通のノイズ成分の
影響が2波長の反射係数間の比をとることにより軽減されたと考えられる。また対数変換は両
者の関係をある程度線形化するとともに,高GDM域でのバラツキを見かけ上少なくする効果
がある(図1−7(a))。
LAIとGDMの分光データによる推定に関して両者の特質を以下にまとめる。
LAI推定の場合,R840/R560のような可視,近赤外のVIを用いれば,生育ステージ
に関わりなく同じVIで推定することができる。しかし,GDMについては,トウモロコシや
コムギでの結果乳8)と同様に近赤外または近・中赤外の反射係数から成るVIが,可視,近赤
外のV互より有効である。GDMの重回帰分析の結果(表1−4(c))からも明らかなよう
に,GDMの推定には近・有相外の波長を組み合わせたVIを可視,近赤外のVIと同時に使
うか,生育ステージによって使い分ける必要があると考えられる。
3.分光データによるイネ個体群の葉面積指数・乾物重の推簸および収量予測
3.1 はじめに
前節に引続き,イネ個体群を対象として葉面積指数(LAI),総乾物重(TDM),収量の
3つの主要農学情報の分光推定の手法を検討した結果の概要を報告する。このうちLAIにいて
は栄養成長期に最も高い精度の期待できる波長ならびにVI(植生指数)を探索した。LAI
を分光データから直:接推定できれば,栄養成長期に継続してLAIを追跡することにより,そ
の間の気温・日照エネルギーのデータと組み合わせ,作物の計算機モデルを利用してTDMを
始めとした様々な生理・生態情報を推定・予測できる24)。一方,TDMについては,出穂嵯峨
の分光データのみから推定し,さらにそれを収量の事前予測に結び付けようと試みたもので,
一12一
成功すればイネ栽培期間中に降雨・曇天日の多いわが国で分光測定法の実用価値を高めること
になる (現在の技術では,晴天時以外には近・中赤外域反射の安定した野外測定は困難である)。
このような方法論はWiegand and Richardsonの提唱している頓Spectral Components
Analysis”3Dに基づくものである。
3.2 材料および方法
3品種のイネ(コシヒカリ,日本晴,シナノモチ)を1987年に筑波の農業環境技術研究所精
密水田で栽培した。50m×10mの無底・コンクリート枠水田3枚を用意し,1987年5月21日に
コシヒカリと日本晴をそれぞれ1筆つつ手植えした(早植え区)。それぞれの水田は10m×12.5
mの肥料区に4分割し,コシヒカリに対しては,基追肥合計の窒素量で0,2,4,6g/㎡,
同じく日本晴には,0,4,8,12g/㎡となるようにNPK化成肥料を施した。第3の水田
は5区に分割し,6月11日にコシヒカリと日本晴を2区つつ,シナノモチを1区手植えした(遅
植え区)。コシヒカリと日本晴は,窒素0および2g/㎡区を設けたが,シナノモチ区は2g/㎡
を施肥した。移植時の1株は苗(4−5葉)3本で,栽植間隔18cm,条間25cmとした。
各区内4箇所で連続3株の茎数を数え,茎数が中央値の株を抜取り,合計4株について根を
洗い切除した。新鮮全重を計量した後,葉・茎・穂・枯死部に分解し,それぞれの新鮮重を測
った。1株については葉面積を測定し,株密度からLAIを算出した。サンプルは80℃で2昼
夜以上乾燥し,再び計量して乾物重を得た。地上部全乾物重(TDM)は6月4日から10月8
日まで毎週調査したが,葉面積測定を含む調査は7月2日から2週間に1度つつ実施した。収
量調査は各区9株×4箇所(1.62㎡)を刈り取り,風乾・脱穀し,モミ収量を計量した(水分
率約14%)。
分光測定は快晴時の午前8:30から午後3=00までの間に「アクティブ可視・近赤外分光セ
ンサ」27・28)に視野角150の石英光ファイバライトガイドを接続して個体吉上2、5mから垂直下
向きに行った。反射係数(%)の算出には硫酸バリウム粉末を塗布したアルミ板を標準板とし
て使用した。分光測定日は6月5,17,30日,7月8,17,30日,8月9,26日,9月14,21日
および10月3日とした。測定時の太陽天頂角(Z。)はWalravenのプログラム30)によって計
算した。太陽高度がLAI推定に及ぼす影響を除去するためにLAIをcosZで除したLAI/
cosZを用いた32)。
本実験で取り上げたVI(植生指数)は以下に列挙した8種類である。なお波長xnmにお
ける反射係数(彩)をRxと表記する。
NIR/GRN=R840/R 560
(1)
NIR/RED篇R840/R660
(2)
NDG一 (R840−R560)/(R840+R560)
(3)
NDR漏 (R840−R660)/(R 840÷R660)
(4)
D(1100,1200)=R1100−R1200
D(1100,1650)=R1100−R1650
(5)
GR 5瓢一.23 R 480一.19R560一.35R660+.74R840+.48 R 1650
(7)
PVI=.778 R 840一,628 R 660−1.35
(8)
(6)
ここで式(7)のGR5はJackson14)によって開発されたN−Space法によって計算した5バンドを
使用するGreenness lndexである。PVIはRk}hardson and Wiegand23)によるPerpendicular
Vegetation lndexである。PVIは畑作物では2バンド散布図上でその畑の土壌のみからの反
射データをプロットしたSoil Lineからの垂直距離で定義される。水田の場合は,湛水田面の
データを用いてTurbid Water Line:33)
R660竃1.24R840−215 (9)
一13一
を推定し,これにより式(8)を導いた。
データ解析は以下に述べる2通りの目標でそれぞれ行った。まず,栄養成長期に限定して
LAIの推定に役立っVIを見つけることである。次に出穂期前後の3回の測定で得られた反
射データの平均値(hを付けてVlhで表記する)から出穂誌面のTDMおよび収量を推定す
ることの可能性を探り,有効なVIを捜し出すことである。
3.3 結果および考察
早植え区のコシヒカリは8月10日に出穂し,日本晴は8月13日から18日目間に出穂した。遅植
え区のコシヒカリとシナノモチは8月18日に,そして日本晴は8月25日にそれぞれ出穂した。
表1−5 出穂期前のイネ個体群のLAI,LAI/cosZと各VIとの単
相関係数(データ階数は73)
Table 1−5 Simple correlation coefficients between LAI, LAI/cosZ and
vegetation indices for the pre−LAI maximum dat a set(N=73).
VI LA亙 LAI/cosZ
NIR/GRN .911 .937
NIR/RED .905 .938
NDG .860 .882
NDR .828 。850
GR 5 。9G1 .898
PV工 .920 。931
(1}LA亙の苦楚
出穂期以前のデータ(組数は73)のみについてLAIおよびLAI/cosZと各VIとの単
相関係数を計算し,表1−5に示した。NIR/REDおよびPVIが0,9を越える高い相関
係数をLAIおよびLAI/cosZとの間に示すことがわかる。また太陽天頂角補正LAI/
cosZはLAIと比較して, GR5を除くすべてのVIでいずれも相関係数を増加させた。図
1−8はGR5,NIR/RED,PVI,NDRに対するLAI/cosZの散布図である。
PVIはNDRとともに寄与率が最も高く,しかも比較的高いLAIの領域でも推定の精度が
落ちないことでNDRよりも優れていると考えられた。図1−8(c)中の曲線の式:
LAI/cos Z嘉0.22 PVI 1●7 (正0)
の寄与率は0.94であった。PVIがLAIの推定に有効であるという知見はコムギ,ワタ,ソ
ルガムなどを使った実験でも見いだされており32),Soil Lineのかわりに水田では, Tufbid
Water Lineを用いてPVIを計算すればよいことが明らかになった。分光データからLA至
が推定されれば,光合成有効放射吸収量はモデル式11)から計算できるので,日々の太陽放射
量のデータを利用して個体群の生産量を把握することも可能になるだろう。
(2}70瓢と収量の二野
出穂期の3日の分光測定日に近接した調査日に測定されたTDMの平均値をTDMhと表す。
TDMhおよび収量と8種類のVIhとの間の単相関分析の結果を表1−6に示す。各VIhに
対するTDMhおよび収量との相関係数はいずれもほぼ同じ水準である。これはTDMhと収量
との間にr−0.96という強い相関関係が存在したためである。8種のVIのなかではD(1100,
1200)hおよびD(1100,1650)hがTDMhならびに収量と比較的高い相関係数(いずれも
0,9以上)を示した。図1−9はTDMh,収穫指数(HI,Harvest lndex),および収量と
D(1100,1200)hとの関係を示す散布図である。D(1100,1200)hと収量との密接な相関
関係がD(1100,1200)hとTDMhとの相関関係から導かれることが推察される(図1−9
一14一
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蔭 ひ 」. 邑 一
0.2 0。4 0.6
24681012141618 MR!RED 闘DR
0 0
35
PVI
GR5
0.8
図1−8 4種類のVIに対するLAI/cosZの散布図
a.GR 5 ; b.NIR/RED; c. PVI;
d.NDR
Fig.1−8 LAI.divided by cosine solar zenith angle versus vegeta−
tion indices。
a.Greenrless index(GR 5);
b。Simple ratio(NIR/RED);
c。Perpendicular veget at ion index(PV I);
d.Normalized difference(NDR).
表1−6
出穂期近傍3回の測定値の平均値によるTDM,および収量と
各VIとの単相関係数(データ組数は13)
Table 1−6
Simple correlation coefficients of 3−date means of vegetation
indices versus total dry mass(TDM)and grain yield
(YIELD).N=13.
VI
NIR/GRN
NIR/RED
NDG
NDR
DRY MASS
YIELD
80
。80
.80
。78
.69
。71
,66
.67
D(1100,1200)
D(1100,1650)
.90
。92
。91
。90
GR 5
.78
.77
PVI
.83
.79
a,c)。 D(1100,1200)hとHIとの相関係数は,0.45と低かったがHIが他に比べて特に
高.い2点は,無肥料区のコシヒカリである(図1−9b)。我国の稲作では無肥料栽培は例外
的であるため現実にはこの2点については無視してよかろう。
図1−10は水田の分光反射特性である。実線はイネ個体群,そして破線はイネのない湛水状
態の水田面のそれぞれ反射スペクトルの一例である。宮中の矢印は波長1100nmと1200nm
一15一
1。2
T
1。0一
y霊。261。7+141。6x 爾
「2躍0・82
D/
D
岡
kg
0。8
0。6・
/2
m
馨 /
曳//鯵 醗
働’/
0。4
42
b
鯵鶴
40・
H
1
38−
36−
34二
鯵 ⑳
,一〆「!㊥
鶴 % _一一一愚一
,ノ’” 鯵
驚
32・
750
y=114。9+65。1x
r2=0。84
Y
I
E
L
D
働働
650’
。
醗
幽鰯
550
9
/2
m 450
5 6 7 8 9 10
D〔1100,1200》 (鴬⊃
図1−9 出穂期TDM(TDMh),収穫指数(HI)および収量と
出穂期のD(1100,1200)との関係
Fig.1−9 Three−date mean, of near the heading date of total dry
mass, and of harvest irldex, and unhulled grain yield of
paddy rice prants versus simple differerlce between 1100
and 1200 nrn band reflect ance fact ors,
を示す。イネ個体群におけるD(1100,1200)は約10%なのに対し,水面のそれは5%程度で
ある。840nmや1100nmなどの近赤外域反射係数は植物組織の現存量が増えるほど増大する
性質がある。しかし,1200nmは,水の吸収帯である1350 nmに隣接しているため,1100nm
に比べて水分の吸収の影響を受け易いと考えられる。次に品種コシヒカリのTDMを移植期を
こみにして全測定期間にわたってD(1100,1200)に対してプロットした(図1−11)。図
中の記号「T」,「H」,「M」はそれぞれ移植期,出穂期,成熟期を示している。D(1100,
1200)は移植直後は一旦減少したが,その後出穂期頃まで増加傾向を示し,登熟期に再び減少
した。この現象は1100㎜と1200nmの水分による吸収の程度の差から説明できると考えられ
る。すなわち移植直後から葉が十分に水面を覆うまでは,分光センサの視野はほとんど水で占
められR1200はR1100に比べて相対的に反射が小さくなるのでD(1100,1200)は大きい値
をとるが,葉が水面を覆い始めるとその差は小さくなっていく。その後植被率が100%に達す.
一16一
%
50
す
R 40
亨
E
F
。 30
F
A
C 20.
T
O
ゆかわ
凶9伊 賜鴨
が 、
R 10
亀
も ♂砺、
も岬69
、 ’ 馬
岬 、
鴨唖舳趣9
0
町 町 町 岡 叫四 ⑳
1.6
0,8 1,2
0.4
WAVELENGTH(μm)
図1−10 水田の反射スペクトル特性
実線,イネ個体群; 破線,湛水田面
矢印は波長1100,、1200nmを示す
Fig.1−10 Spectral reflectance patterns from a rice plant canopy
(solid line)and a paddy field (broken line). Two
arrows indicate t he wavelengths at 1100 arld 1200 nm.
KG/M2
KOSHIHIKARI
1.4
D
R
Y
◇
o
1,2−
◇
◇
<>
M、
1,0−
o
o
◇ ◇
◇
0.8
◇◇阪H
⑳
9
〈〉
M
0,6−
S
S
0.4.
A
◇◇
◇
◇
◇ o
◇
◇
曾
8
く》
0.2・一
◇
◇o
1
3
〆T
◇
0.0
15
一
7
9
11
D(1100,/200)(%)
図1−11
コシヒカリのTDMとD(1100,1200)との関係の生育に時期
に伴う変化。
T.移植期; H.出穂期; M.成熟期
Fig.1−11
Seasona玉charlge of the reiation between total dry mass
(TD M)and simple difference between 1100 and 1200rlm
band reflect ance fact ors.
一17一
ると,イネのTDMが近赤外域のR1100およびR1200をともに増加させるが, R1200はイネ
の体内水分の吸収を受けるため両者の差D(1100,!200)はイネの成長とともに再び増加し
ていく。登熟期には稲体の各部位や土壌表面が乾燥していくのでD(1100,1200)」も減少する。
以上の推論から,出穂期のTDMhとD(1100,1200)との相関関係は,稲体の水分含量と
近点外域反射特性との密接な関連を通して発現されたものと考えられる。D(1100,1650)
も同様に,水分の吸収の影響を受けると推察され,TDMhの推定に関する限り, D(1100,
120σ)と大きな差異はないと考えられる。しかし近・中赤外域での作物測定法はその機作につ
いてさらに今後も検討する必要がある。
わが国では稲作期間中の快晴日数は少ないため,生育を追って定常的に分光データを得るこ
とは現実には容易でない。従って,出穂期前後に測定するだけである程度収量を推定可能な本
手法は有望であると考えられる。
4,分光データに対する差分フィルタ処理の効果
41 はじめに
「アクティブ可視・近心外分光センサ」は波長400nmから1900nmという広い範囲を5な
いし10nm間隔で走査することができる。このことは,数枚のフィルタによって各バンド(波
長帯)の反射率を離散的に測定するのとは質的にも量的にも異なったデータ解析の手法を適用で
きる可能性を与える。すなわち,一部の波長反射係数を取り出すだけでなく,全体のスペクト
ルパターンの解析や,連続スペクトルの加工・処理が考えられる。分光分析科学では既に様々
な連続スペクトルの加工・処理が日常的に行われており,精度や再現性の向上に役だってい
る13)。しかし,いままで野外の作物などを対象にした分光実験では連続スペクトルをさらに
加工して利用した例はほとんど見られない。そこでイネ個体群を対象として同装置で測定した
データにいわゆる差分フィルタ処理を施してモミ収量分光推定に適用し,その効果を検討した。
また同じ手法を茎でんぶん量の推定にも応用したのでそれらの結果の概要を報告する。
4.2 材料および方法
1985年および1986年の2か年に測定したデータを使用した。
ω植物材料
1985年15品種のイネ(アケノホシ,密売23号,コシヒカリ,日本晴,峰光)を筑波の農業
環境技術研究所水田に栽培した。3m×3m×1mの有義・コンクリート枠ライシメータ20区
を用意し,6月6日 (早植え区),7月3日 (遅植え区)に1品種当り2区つつ合計それぞれ
10区を,栽植間隔21cm×25cmで手植えした。2区のうち1区は無肥料区とし,他の1区に窒素
換算で4g/㎡のNPK化成肥料を施した。また50m×101nの訟訴・コンクリート枠精密試験
田3枚に窒素4g/㎡の基肥を施し,品種日本晴,南京11号,アケノホシを栽培した。第1の水
田は6月6日に日本晴を栽植間隔21c皿×25c皿で手植えした。また第2,第3の水田には南京11
号とアケノホシを機械移植し,それぞれ4区に分割し,窒素0,1,2および3g/㎡の追肥
区を設けた。
1986年:品種コシヒカリをライシメータ20区に5月23日に栽植間隔21c皿×25c皿で手植えし,
無肥料区,窒素4,8,12g/㎡施用区をそれぞれ設けた。また501n×10mの無底・コンクリ
ート枠精密試験田3枚に窒素6g/㎡の基肥を施し,品種日本晴を栽培した。第1の水田は栽
植間隔21c皿x25c皿で手植えし,均一栽培とした。第2の水田は4分割し,酒肥区,窒素6,9,
12g/㎡施用区を設けた。第3の水田は3分割し,栽植間隔30cmX1{加の東西畝区と南北畝区
および21c皿×21cmの正方植え区を設け,追肥は3区とも4g/㎡とした。
一18一
{2) 民望量調査
面積1α以上の区では各区9株を3ないし10箇所より採取,またライシメータなどの小面積
丹では9ないし16株を2箇所より採取し,風乾・脱穀し,粗モミ重を計量した(水分前約14%)。
{3}でんぷんの楚量
分光測定直後に各区から中庸株を採取し,部位別に乾燥した(80℃)。その後粉砕し,ジメ
チルスルフォキサイドと塩酸の混合液で60℃温浴中で可溶化し,汐過後にPHを調節し,食品
分析酵素法試薬(べ一リンガー・マンハイム山之内製Fキットスターチ)を用いて総グルコー
ス量を定量し,でんぷん量,でんぷん含有率に換算した15’29)。なお1986年の実験ではでんぶん
定量は精密水田3枚の日本晴についてのみ実施した。
(4}分光測竃
測定は快晴時の午前8:30から午後3=00JSTまでの間に「アクティブ可視・中赤外分光
センサ」に視野角150の石英光ファイバライトガイドを接続して個体群上2.5mから垂直下
向きに行った。反射係鰯の算出には硫酸バリウム粉末を塗布したアルミ板を標準板として使
用した。収量推定の分光測定日は1985年9月27日(早植え区),10月19日(遅植え区)および
1986年9月22日にそれぞれ行った。これらは出穂期からおよそ1,5カ月後である。でんぷん推
定の分光測定は1985年8月13・14・15日(早植え区),8月27日(遅植え区)および1986年8
月1日でこれらは出穂の5ないし10日前に相当した。
表1−7 1985年の反射係数囮データから計算したモミ収量推定のための
重回帰分析の結果(データ組数は30)。
Table 1−7 Multiple regression summaries estimating grain yield from
1985 reflectance factors(%)data. N=30.
Partial regression
wavelength(nm)
coefficient
540
106.1
t−value
0.33
560
−180.5
−0.54
640
587.7
2,07
660
−720.6
−1.80
680
319.1
1.07
700
−1i4.1
−1.31
720
− 22.3
−0.38
940
54.8
1.96
1300
− 10.4
−0.56
1600
− 13,2
−0.57
const
764.4
3,60
N醤30
R2篇0.61
F=3.00*
4.3 結累および考察
{1)モミ収量の推鷺
1986年は,台風の被害を受けて,ライシメータに栽培したコシヒカリが多肥区を中心に大部
分が倒伏した。そのため倒伏を免れた7区と精密試験田の日本晴8区のデータを解析に供した。
これらと1985年のデータ30組と併せて45組の分光一収量データが得られた。収量を目的変数,
反射係数囲を説明変数とし煙回帰式を作成するため,540nmから1640㎜の範囲から42箇
所の波長の反射係数を用い,変数減少法を適用して有効波長を探索した。その結果選択された
一19一
10波長反射係数を用いて,改めて1985年目データ(N驚30)のみから収量推定の重回帰式を作
成した。選択された波長と推定式の革偏回帰係数を表1−7に示す。寄与率は0,61だが偏回帰
係数のt一値に統計的に有意でないものが含まれ,式の不安定さを示唆している。これは両年
分を併せて選択された波長が単寸分のデータについて当てはまりがよくないことを意味してお
り,測定に年次間差が存在すると考えられる。この式をそのまま使って1986年の反射係数デー
タ(N−15)から収量を推定し,実際の収量に対してプロットしたところ,図1−12に見られ
るように両者にはかなりのズレが生じ,相関係数も0,25と低かった。
1000
r=0,25
800
§璽
難
弩
600
塵②
400
舞
。。う
200
曾翻
0
0 200 400 600 800 1000
Yield(9/㎡)
図1−12
1985年の反射係数データから求めた重回帰式(表1−7)に
1986年の反射係数データを代入して得られた推定モミ収量
(縦軸)と実測値(横軸)
Fig.1−12
Grain yield estimated by substituting the 1986 spectral
data{nto the equation (Table 1−7)derived from the
1985data versus measured grain yield.
次に10nm間隔の反射係数で表されるスペクトルパターンに重み関数,
・(・・)一〔(継1・・)/・〕一・〔(躯+1…一1))司
け
・〔( ΣRx+10(n+i−1) i=1)/・〕
(11)
で表されるフィルタリング処理を施した20)。これは近似的にはスペクトルを2次微分したこと
に等しい。図1−13は重み関数(11)を図で表したもので波長xを10nmつつずらしながら演算し
ていく。式(11)のnは図1−13では4になっている。これが大きいほどノイズ軽減効果が上がる
がパターンの歪が甚だしくなり,細かいピークを消滅させることがある。nを様々に変えてみ
たところ,n篇4の場合が,ノイズも少なくしかも特徴的なピークを強調できる点で優れてい
た。図1−14にフィルタリング処理後のイネ個体群反射スペクトルの一例を示す。微分処理さ
れたためスペクトルは0%を中心に±20%以内で振れている。
上記の処理を45組のスペクトルに施し,波長540nmから1640nmの範囲から42点のデータ
ー20一
1.0
0.5
一
0−40−20
一
20 40 60 80
nm
一α5
一1.0
図1−13 差分フィルタ処理に用いた重み関数
Fig・1−13 The function used for filtering spec£ra至reflectance
patterns・
20
10
(
’)
0
出
出
一10
一20
400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800
Wavelength(nm)
図1−14 差分フィルタ処理後のイネ反射スペクトルの一例
Fig.1−14 An exemplary pattern of spectral signat ure processed by
the equaもion{11).The original spectral至data were tak:en
for a paddy rice canopy・
を抜き出した。収量を目的変数とする変数減少法重回帰1分析を行って10個の説明変数を選択し
た。この10個の説明変数から1985年のデータのみを用いそ収量推定重回帰式を作成した。この
重回帰分析の結果を表1−8に要約した。表1−7の結果と比較すると説明変数の個数は同じ
10であるが,寄与率は0,72と大きく,t一三も全体に高くなる傾向が見られる。この式を使っ
て1986年の15個のデータに当てはめた収量の推定値との関係を図1−15に示した。データはほ
ぼ1:1直線の近傍に散らばり,相関係数は0.67**であった。この結果から,反射係数をその
まま用いた重回帰式による推定(図1−12)よりも,フィルタリング処理後のスペクトルを用
いた推定の方が年次間差の影響を受けにくく,精度も良いことが推察された。
上記のような結果の得られた原因としては以下のことが考えられる。
野外で測定された反射係数には,季節,時刻,雲量,湿度などさまざまな要因による太陽放射
の変動,あるいは高温多湿,ほこり,振動など極めて過酷な条件の下で使用される分光センサ
や標準板の微妙な特性変化などが複合して影響を及ぼす。従ってスペクトルには波長に依存し
一21一
表1−8
差分フィルタ処理後の1985年データから計算したモミ収量推定の
ための重回帰分析結果(データ組数30)
Table 1−8
Multiple regression summaries estimating grain yield from 1985
reflect ance f actors previous重y processed by equation(11).
Wavelength(nm)
Partial regressioh
t−value
coefficient
540
一 59.6
一1.20
580
− 90,3
−1.23
620
−254.6
−1.76
640
347.6
2.16
660
−304,4
−2.50
680
1240
147.4
2.38
Q30,8
−2,19
1310
12,6
1,35
1420
− 21.8
−2,13
.一
1460
− 48.9
一2.83
const
820.4
6.22
N瓢30
R2=0.72
F=4.89**
1000
r.=0.67**
へ 800
日\
謡
彫
q
’碍
お
。
Φ
府
〉
ε
邸 600
@
駕
℃
、鯵
府
㊥轡
な 400
駐
200
0
0 200 400 600 800 1000
Yield(9/1㎡)
図1−15
差分フィルタ処理後の五985年反射係数から求めた重回帰式(表
1−8)に1986年のデータを代入して得られた推定モミ収量
(縦軸)と実測値
Fig・1−15.
Grain yield estimated by substituting t he 1986 spect.ral data.
into the equation derived from the 1985 data (Table 1−
8)versus meas可ed grain yield.Spectral data were
previ ously pr㏄essed by the equation (11)・
一22一
ない全体的なズレや波長心血の歪が重畳されていると思われる。式(11)から明らかなように重み
関数は近傍の波長反射係数間の差をとるのでこのようなズレの成分を消去または軽減する効果
があるとともに移動平均処理によってノイズ成分を平滑化すると考えられる。本章の前半で採
りあげた各種の植生指数(VI)も2波長係数の差や比をとることによりノイズを軽減し,対
象の特徴を際だたせる効果がある。しかし,モミ収量・体内成分量などの個体群の一部分の量
的評価には2波長程度のVIでは困難で,可能な限り多くの波長データを解析や推定に用いる必
要がある。しかし,スペクトルをそのままで重回帰分析を行っても,可視,近・中歯外などの
帯域内での近接波長相互の相関関係が極めて強く,このことが得られた回帰式の安定性を損ね
ることが多い(多重二線性6))。フィルタリング処理後のスペクトルでは波長間の相関係数が
下がり,多数の説明変数を取り入れても式が比較的安定的なことが特徴となり(表1−8),
これが推定精度を向上させた効果が小さくないと考えられる。
{2)蔓部でんふん量の推楚
表1−9に部位別乾物重,茎でんぶん含有率,茎でんぶん量(土地面積当り稗・葉鞘部乾
物重×でんぷん含有率,以降茎でんぶん量 g/㎡),および収量相互間の相関係数を示す。
茎でんぶん量と茎乾物重との間に0,760という高い相関係数が見られたことから出穂直前の茎
でんぶん量の差は品種,施肥水準,移植期などの違いによる茎乾物量の違いが大きく影響して
いると考えられる。茎でんぶん量と収量との相関係数は0.679で,これは葉乾物重と収量との
相関係数0,761より小さいが茎乾物重と収量との0.671より若干高い。茎でんぶん含有率(%)
は収量をはじめ他のデータのいずれとも著しい相関関係を示さなかった。分光データによる推
定の目標は茎でんぶん量とした。
表1−9 部位別乾物重,茎部でんぶん含有率,同でんぶん量および収量間の
相関係数
1985,1986年の2力年分をこみにして計算した(データ虚数38)
Table 1−9 Simple corre夏ation coefficients among the dry stem mass, dry
leaf mass,st arch content of stem(%), amount of stem
starch, and grain yield. Combined data takerl both in 1985
and 1986 were used for the calculations. N=38.
Dry stem Dry leaf Starch content Amount of stem Yield
weight(g/冠)weight(g/㎡) of stem(%) st arch(g/㎡) (g/㎡)
DSW
DLW
SCS
ASS
YLD
0.649***
一〇,195
一〇,115
0,760***
0,504***
0,468**
0,671***
0.761***
0.149
0,679***
2か年分のスペクトルデータを重み関数式(11)でフィルタリング処理したあと,35波長のデー
タを取り出した。これらを説明変数とし,土地面積当りの桿・葉鞘部のでんぷん量を目的変
数とした重回帰分析を行い,偏回帰係数のt一面を参照しながら,変数を減少させた。その結
果,説明変数を表1−10に示したように7個に減らすことができたので,次}こ1985年のデータ
だけを使って推定の式を作成した(表1−10)。式の作成に用いた1985年のデータにおける推
定値と実測値の関係を図1−16に示すが,この式の寄与率は0.77であった。表1−10の式をそ
のまま用いて1986年のデータ8点を推定し,実測値と比較した(図1−17)。実測値と推定値
の相関係数は0.48で高いとは言えないが,1ないし2点の特異なデータを除外してみると推定
一23一
表1−10
差分フィルタ処理した1985年の反射スペクトルから計算した茎部.
でんぷん量(g/㎡)推定のための重回帰分析の結果
使用波長は予め,2か年分のデータから変数減少法により選択した
Table 1−10
Multiple regression summ aries estimatirlg amount of stem starch
(g/㎡)from 1985 reflect ance factors previously processed
by equat ion(11). The wavelengt hs were select ed by亡he back−
ward reduction method from 1985 and 1986 data.
Part ial regression
Wavelength(nm)
t−value
ccefficient
560
一 23,2
一 1.92
600
− 60.0
− 2.38
680
8.4
4.23
1060
28,3
4.40
1140
10.1
3,02
1220
17.8
2.02
1640
− 11,0
− 2.91
const.
13.0
0,90
R2=0,77
F=10.69**
N=30
120
r=0.88***
100
箔
翻翻
翻8。
襲
。ダ劔
⇔ 邸
’碍℃ 60
麺
竺・
籍、。
〉
/
20
ノ
/__一
/
0
0 20 40 60 80 100 120
Amount of stem starch(g/㎡)
図1−16
差分フィルタ処理後の1985年反射係数から求めた重回帰式(表1
−10)で推定した1985年の茎部でんぶん量(g/㎡)と化学分析
による実測値
Fig.1−16
Estimated versus measured amount of stem starch (g/㎡)
by t he multiple regression equation (Table 1−10). Data
were taken in 1985 and processed by the equation(11).
一24
120
r=0,48
100
翻
鱒
選
80
鹸
60
鷺薯
餌
40
20
0
0 20 40 60 80 100 120
Amount of sもem s重arch(g/㎡)
0
図1−17差分フィルタ処理後の1985年反射係数から求めた重回帰式(表1
−10)で推定した1986年の茎部でんぶん量(g/㎡)と化学分析
による実測値
Fig.1−17 Estimated versus measured amount of stem starch (g/㎡)by
the multiple regression equation (Table 1司0). Data were
taken in 1986 and processed by t he equation(11).
値と実測値には密接な関係が存在することが推察される。しかし,推定値が実測値よりも一定
の値だけ高くなっている傾向が見られる。その原因としては1985年には5品種を供試したのに
対し,1986年はそのうちの1品種のみを解析に用いたことによる品種間差の影響が考えられる。
表1−9からも読み取れるように茎でんぶん量は茎乾物重などの現存量と密接な関係をもつ。
また当初,でんぷん含有率を目的変数とした解析を試みたが,統計的に有意な回帰式は得られ
なかった。従って,反射スペクトルはでんぷん自体の量を直接反映したというよりもむしろ,
個体群のさまざまな量的形質を全体として捉え,それらが総合した形ででんぷん量の推定が行
われたと考えられる。しかし,この関係が年次や測定場所を越えて成立するならば実際場面へ
の応用も不可能ではないだろう。連続スペクトルの加工・処理手法は限られた波長範囲で得ら
れる情報の有効利用の観点から,作物成分等の非接触計測法の開発時に必要になると考えられ
る。
5.摘
要
1)出穂45日前から出穂後64日までのイネ個体群の反射係数(波長範囲400nm∼1900nm)と
乾物重(GDM)および葉面積指数(LAI)を概ね2週間間隔で測定した。実験は1985年
に現在のつくば市で行い,イネ個体群5品種をそれぞれ早晩の2時期に移植した。
可視域(480,560,620,660nm)反射係数は出穂期に最小値を示し,近赤外(840,
1100nm)反射係数は登熟中ごろまでほぼ単調に増加した。また,1200nmと中赤外の1650
㎜反射係数は,近赤外反射係数と類似の傾向を示しながらも,出穂期前後の増加程度がやや
一25一
小さかった。
回帰分析の結果,可視,近赤外の2バンド比(R840/R560,R1100/R840)がLAI
の推定に有効と考えられた。一方,GDMの推定ではこれらに加えて,近・日赤外の2バン
ド間差(R1100−R1200, R1100−R1650)が,有効であり,近・日赤外野の作物反射特
性の重要性が示唆された。
2)3品種のイネ個体群(つくば市)の反射係数を1987年6月から10月にかけておよそ2週間
間隔で測定した。可視,近・中赤外字から7波長を選択し,8種類の植生指数(VI,
Vegetation index)について出穂期以前のLAI,出穂期の乾物重および収量推定の有効性
を比較した。LAIを測定時の太陽天頂角の余弦で除して補正した場合,水田面の反射を消
去するPVI(Perpendicular vegetation index)がLAI推定に有効だった・(r2−0.94,
N−73)。出穂期の乾物重と相関関係の強いVIは近・中赤外の2バンド間差(R1100−R
1200,R1100−R1650)だった(r2=0.81および0,83)。出穂期の乾物重と収量との間
.に密接な相関関係があったため,これらのVIは収量との相関係数も高く(r−0.92および
0,90),収量予測に応用可能と考えられた。
3)1985年と1986年に測定したイネ個体群の反射スペクトル(400−1900nm)に差分フィル
タ (近似的2次微分)処理を施し,収穫直前のデータによって収量を,また,出穂期のデー
タから茎でんぶん量の重回帰式による推定をそれぞれ試みた。処理の結果,収量に関しては
年次による推定誤差の減少が認められた。これは近接波長間の多重側線性の減少が原因の一
つと考えられた。
引 用 文 献
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一26一
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一27一
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30)Walraven, R.(1978), Ca1㎝lating the position of the sun. Solar Energy 20.:
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一28一
Rdd『ometric Est『mations foγ’Agronomic Vaγ・1ables of RIce Canopies
Usでng a Visでble to 凹マd一オnfrared Spectrorad可ometer
麗ichio SH工BAYAMA and [Psuyoshi AK工YA図A
索National Institute of Agro−En▽ironmental Sciences
Summary
l) Spectral reflectance factors in the wavelenqth ranqe from
400 nm to l900 nm were measured for paddy rice canopies. Radio−
metric and aqronOmic measurements were made biweekly from 45 days
before headinq to 64 days after headirユq for early一一 and late−planted
rice plOtS Of f.ive cultivarS.
The reflectance factors at V工S (480,560,620, 660 nm),N工R
(840, llOO, 1200 nm), and water absorption四王R (1650 nm) bands
were investiqated ▽ersus leaf area irldex (工、AI) and, above−qround
dry mass during ele▽en lO−day inter▽al.de▽elopment periods,
referenced to heading. Reflectance in the V工S bands was lowest
when the pani.cles emerqed, whereas 840 and llOO nm reflectances
increased until about physioloqical maturity of the grains 35 days
later。 Reflectances at l200 and l650 nm were similar in patterr1.
but less prOnounced than at 840 and llOO nm.
ロ ロ
Rat■os usエnq VIS and N工R reflectance factOrs (R840/R560, Rl]一〇〇/
R840) for the whole season were usable to estimate LA工 by reqression
(R2=0,71),while defferences between MR and MIR reflectance。
(RllOO−R1650, RllOO−R1200) as well as ratios usinq▽工S and NIR
reflectances (R840/R560, RllOO/R840) were usable for predictinq
ab・ve−qr・und d・y mass・f paddy・ice can・pies(R2−0。93).田hu・,
improved estimates of seasonal above−qround dry matter may result
frOm use of more mid−infrared wa▽elenqths in future obser▽ations。
2) Spectral reflectance factors and aqronomic measurements were
made biweekly for early and late plarltinqs of rice canopies.
Eiqht ▽eqetation indices (▽工) derived from 480, 560,660, 840,
一29一
llOO, 1200, and l650 nm reflectances were tested for estimatinq
abQve−qround dry mass, qrain yield, and 工・AL
Total dry mass and yield were both linearly related tO the
simple difference between llOO and l200 nm or llOO and l650 nm
(r2=0.85 and O。81, re・pectiv・ly)reflectance fact・r・. LAエadゴu・t・d
by the c・・in・・f・・lar・enith anql・wa・best describ・d(r2=0。94)
in pre−LA工maximum qrowth staqe by a power function of perpendicular
veqetation index (P▽工) usinq a turbid wat二er line。
3) Spectral reflectance patterns (400−1900 nm) Of rice canOpies
taken in l985 and l986 were processed by a filt二erinq functiorl and
used for mult二iple regressiOn estimations of the qrian yield and
the amount of stem starch. The measured and estimated yields in
1986 by the reqression equation deri▽e(耳 from the l985 data set
(R2二〇。フ2, N=30)were hiqhly・・rrelated(r=0。67・・). A憩ultiple
reqression equation for estimatinq amount of stem starch was
derived frQm the l985 data set(R2=0.77, N置30),h。wever, the
correlation between the measured and estimated l986 data was O。48.
The filtering procedure for spectral patterns improved the accuracy
of estimations and decreased the difference between the l985 and
1986 data sets in the case of yield estimations.
一30一
正 圃場作物生体情報計測システムの応用(その2)
一航空機搭載実証試験および作物生育リモート診断計の開発一
芝山道郎・秋山 侃・山形与志樹
1.圏
的
これまで当研究において、様々な状態の作物の電磁波反射特性を知ることにより,その結果
を利用して農家の圃場で手軽に使えるような非破壊・非接触型の作物生育診断計を試作してき
た。一方,作物の電磁波反射特性に関する基礎知識は,将来の人工衛星に搭載する農業用セン
サの波長選択に有効な情報を与えることができるはずである。しかし,地上数メートルの位置
で測定した情報と,数百キロメートルの大気層のかなたから計測した情報では,同じ波長帯を
使っていても結果が同じであるとは限らない。また,傾斜が多く,農地が狭小なうえ,同一地
域に多数の作物が同時に栽培されることが多い日本では,直接衛星データから作物生育診断を
行うためには多くの困難が伴う。このような問題に対する解決の糸口を見出すために,本課題
では航空機に,多数の波長帯を計測できる分光センサ(Multispectral Scanner,MSS)や
当研究課題のもとに試作した分光センサを搭載し,指定したコースを飛行・計測し,地上の実
際の作物データとの関係について検討した。
また,現在までに開発した地上用の分光センサは農家段階で畦道から測定するためには重量
や電源に問題があり十分ではなかった。そこで,可視,近・中赤外を短時間で測定できて電源
はバッテリーを内蔵する新しい分光センサの試作。開発についても研究を実施した。
2.航冷機によるり署一トセンシング実証試験
2.1 材料および方法
1)センサとプラットフォーム
本実験は,1985年から1987年の3年間実施した。1985年と1986年は小型航空機(Cessna
402−B)に12バンドMSS(中日本航空)をとりつけた。このうち,コンピュータの容量の関
係から表2一・1に示す6ないし8波長についてのみ解析し,分光反射は1985年は8月23日に
高度450m,1986年は7月25日に高度1,400mで計測した。この際の地上分解能は,それぞ
れ0.8m,2.5mであった。
なお,解析に使用した各バンドの名称は,可視域についてはV,近赤外域はN,中赤外域は
Mを頭に付け,そのあとに中心波長(nm)を付した。また熱赤外についてはT10(ミクロン)
と称す。MSSのセンサのうち可視域はフォトマルチプライヤ,近赤外域はシリコンダイオー
ド,中赤外域はゲルマニ・ウム(Ge)とインジウムアーセナイド(InAs)センサ,熱赤外部は
水銀カドミウムテルル・(HgCdTe)センサをそれぞれ使っている・
4)
1987年には,既に試作した携帯型多波長可視・近赤外分光センサ ,放射温度計,ビデオカ
メラを,図2−1に示すようにヘリコプタ(アエロスパシアル350−B)の下に取り付けた。分
農業環境技術研究所 環境管理部
一31一
表2−1 1985年,1986年に実施した航空機実験に用いたMSSの波長帯の名称
と半値幅
Table2−1 Spectral characterisもics of airborne一絹MSS bands used in the
experiments in 1985 and 1986.
Year
Range(nm)
Band name
V 475
V 550
V 585
V 625
V 705
N 745
N 860
N1050
M1625
M2255
T 10
1985
460−
530−
570−
600−
490
690 −
720
0
730− 760
820− 900
1000− 1100
1520− 1730
2060− 2450
0
8一
0
1986
0
570
0
600
0
650
0
0
0
0
0
0
0
0
12μ
表2−2 1987年に実施したヘリコプタ実験に用いた携帯型
多波長可視・朝畑外分光センサ(分光器)の波長帯
の名称と半値幅
Table 2−2 Spectral characteristics of t he bands recorded
the spectroradiometer rnounted on a helicopter
inthe experimer沈ih 1987.
Band name
Range(nm)
V 560
V 660
N 833
554 − 566
N1123
N1238
M1730
M2018
M2105
1097 − 1149
652 − 668
825 − 841
1215 − 1261
1698 − 1762
1979. @一 2057
2066 − 2144
光センサは常時8バンドのデータをアナログ出力させるために8チャンネルの低周波増幅。直
流化装置を付加し,12ペン記録計に接続した。高度を,50,100,250,500,1,000mと変
えて所定のコースを飛行し,表2−2に示した波長帯について反射強度を計測した。各高度に
おける地上分解能は,それぞれ,1,8m,3.5m,9m,18m,35mである。なおバンドの名
称は前述の航空機MSSの場合と同様である。
2)案験エリア
実験エリアは農業環境技術研究所のある茨城県つくば市の農林研究団地およびその周
一32一
放轍計」 」1
標定用ビデオカメラ
スペクトルラジオメーター
図2−1 携帯型多波長可視・盤面外分光センサ(スペクトルラジオメーター)
放射温度計,ビデオカメラを取り付けたヘリコプタの外観
Fig.2−1 Extefnal appearance of the helicopter mourlted a spectral
radiometer, an infrared thermometer and a video camera.
辺,約2㎞幅,6Rm長を対象とした。この中には,農家が主として畑作を行っている中山地区
も含まれる。航測実験に先立ち,研究所の圃場および中山地区の全農地の一筆毎の作付図を作
成した。中山地区の主要な夏作物は陸稲(0γyzα3α翻〃αL.),サトイモ(0・♂・・α3詔
召30磁θ厩αSchott),ゴボウ(!1γ・伽那6αPアα,L.),ラッカセイ (・4γα・蕊8んypo9α弼
L.)等であるが,それぞれの一筆面積は狭小で,0、1hαを大きく下まわっている。
また研究所の実験圃場(畑作部分)には,ダイズ(01yo伽θ勉ακL.),トウモロコシ
(Z¢α彿αy3 L・),サツマイモ(∫ρo初06σ6α施如3 Lam.),ソルガム(3079勧甥駕γ〃03脇
.Bess.),陸稲,ラッカセイなどが比較的まとまった面積で栽培されている。
各作付図のほかに1987年の実験では,主として畜産試験場内の試料採取が許されるトウモロ
コシと牧草地14地点について刈取調査を行い,新鮮重,乾物重,葉面積,草高を測定した。そ
の結果を表2−3に示した。14地点のうち7地点がトウモロコシであるが,この中には5−6
葉期の幼植物(LAI:0.・50・)から絹糸抽出期(LAI:6.39)までの様々な生育ステージが
含まれていた。また牧草地7地点のうち5地点はイタリアンライグラス(L・面耀那磁6げ♂・γ魏)
の単播地であるが,2地点はイネ科一マメ科の混播地である。
(3) データ解析
1985年と1986年の航空機MSSデータは磁気テープに収められているため,農業リモート
センシング解析装置6)を使って解析した。作物分類は最尤法で行った。
一方,ヘリコプタによる分光反射データはセンサの応答速度との関係で12ペンの記録計で測
定し,後で記録紙から読み取った。
各種統計解析はパーソナルコンピュータ上で行った。
一33一
表2−3 1987年のヘリコプタ実験に用いた14区の飼料作圃場
のグランドツルースデータ
Ta b l e 2−3 Crop conditions inユ4 training fieMs with forage crops in the
helicopter experiment in 1987.
CrOP
Field
W−1
W−2
W−3
W−4
W−5
W−6
W−7
1−1
1−2
S−1
S−2
S−3
S−4
S−5
LAI
DW(9/㎡)
FW(9/㎡)
CH(cm)
It
3,200
515.3
3.84
103
It÷Rc
2,195
762.0
4.19
101
It
940
274.2
0.06
80
Co
8,851
1301.7
5.48
288
It
It
1,700
204.4
1.55
31
805
315
410
191.0
1.41
31
33.9
0.50
56
34.9
0.60
42
248
Co
Co
Co
Co
Co
It十AI
6,253
636.1
4,97
6,803
702.5
6.39
199
202
5,770
851.2
3.40
2,310
589.7
3.27
87
Co
6,360
532.8
5.89
211
It
1,770
402.7
α98
80
FW:Fresh weight, DW:Dry weight, LAI:Leaf area index,CH:Canopy height,
It:Italian. ryegrass, Rc:Red clover, Al:Alfalfa, Co:Corn
表2−4 使用バンド数の増加に伴う作目判読の正解率の増加
Table 2−4 1ncrement of classificat ion performance(%)along with the
increase in the number of bands used.
Band numbers
Item
1
2
3
4
5
6crops
41、9
58.4 74,6 6crops十4veg.
35.1
57.6 69.2 78.1 81.6 83.6 6
87.4 89.0 7
8
90.1 90.5
83.1 84,4 82.7
2.2 結果および考禦
(1)作團判読試険
航空機MSSによる作目判読試験を,1985年には研究所の実験圃場,1986年は中山地区の
農地で行った。
1985年の試験では植生として合計10のクラスが識別された。そのうち6クラスが作物で,
これらは大豆,トウモロコシ,サツマイモ,ソルガム,陸稲およびラッカセイであった。作物
以外の4クラスは草地,林地,かん木地裸地である。
表2−4は使用するバンド数を1回目8までふやすと,分類の正解率がどのように上がるか
をトレーニングフィールドについて示したものである。作物だけに限った場合の方が,その他
の植生も含めた場合より,常に多少高く出ている。そして4バンドを使えば,80%以上、6バ
ンドで90%近くが正しく分類されたことが判る。
一34一
100
1eft:trainlng field
right:test fiel d
80
(
)
8
60
9
日
8
℃
&
40
旧
20
1
2
3
4
5
6
7
8
Band numbers
図2−2 トレーニングフィールドとテストフィールドにおいて使用バンド数
の増加に伴う作物分類正解率の増大の様子
Fig.2−2 1ncrement of classification performance in relation to number
of bands use d.
一方,図2−2は同じ場所でトレーニングフィールドとテストフィールドについて分類の正
解率を比較したものである。トレーニングフィールドとは,分類に際して,コンピュータに「教
師」として与える統計量に用いた地点である。これに対してテストフィールドは「教師」とし
てコンピュータに統計量を提供しなかった地点がどれだけ正しく分類されたかをみたもので,
当然ながら,トレーニングフィールドより値は低くなる。どちらも使用バンド数をふやすと正
解率は上昇していくが,6バンド以上使っても分類精度はほとんど変わらなかった。
1986年の中山地区の試験では植生として合計11の植生クラスを判読し,そのうち7クラス
が作物であった。これらは水稲,陸稲,ゴボウ,サツマイモ,サトイモ,ラッカセイ,トウモ
ロコシである。表2一一5は上述した2年間の航空機MSS実験の結果を集約して,どの波長帯
が作物分類に有効かを表したものである。0を付した波長帯は,それぞれの使用波長数のもと
で,最も判別の正解率が高いバンド組合せであ・る。搭:恥したMSSバンドが2年間で多少異な
るため,比較できない部分もあるが,N860が常に最も早く選ばれ,次にV550, M 1625の
順で選ばれた。この他,M2255は1986年に,またT10は1985年にしか使っていないが,早い
段階で選ばれていることが判る。これらの結果から,作目判読には可視,近赤外,中赤外各1
バンド,さらに熱赤外バンドなどを用いることが有効なことが推定できる。
表2−6は1986年の作目判読実験における,利用波長帯の主成分分析の結果を第3主成分ま
での寄与率とアイゲンベクターで表示している。この表によると第1主成分で70%,第2主成分
までで92%,第3主成分を含めると97%の累積寄与率が得られた。またアイゲンベクターの数
値から,第1主成分が対象物のbri ghtness,第2主成分がバイオマス量,第3主成分が乾燥
度に関連していると推察される。このうち第1主成分と第2主成分をそれぞれy,x軸におい
て散布図を描くと図2−3のようになる。作目ごとの特徴はみられるものの,そのまま分類に
使えるものではない。
一35一
表2−5
1985年と1986年の作目判読で選択された波長
Table 2−5
Selected bands for crop discrimination in 1985
and ユ986.
1986
1985
Band.
2
3
4
5
6
0
0
0
0
2
3.
4
5
0
0
0
0
0
0
6
0
V 475
0
V 550
V 585
V 625
V 705
0
N 745
0
N 860
0
0
0
0
0
N1050
0
0
0
0
0
0
.0
M1625
M2255
0
0
T 10
Performance(%)
0
0
0
0
0
σ
58 75 84 87 89
…
3,0
C
A−upland rice i
B−paddy rice i c
H−forest
C −burdock i
㏄2.0
還
§
肺ea・ut I.i・
.90.0
出
I I
1
ε下前器 c糾、
§1・・
悪
I −grass正and
D−taro ic
BB
一・………
C
酪
aB・・.
F
D F
C
F
a………A……・i一…………幽………一………一・…・一F一……
・》AE・i・
E
鞠 F
一1.0 DiD
HH G DD :
G
G
G.
G
D E
HH DE i・
G
D
E
G
G
G
1
一3.0 −2,0 −1.0 0,0 1、0 2.0 3,0
4,0
5,0
Principal component 1
図2−3 トレーニングフィールドにおける第1主成分と第2主成分の散布図
Fig.2−3 Scattergram of the Principal Component Analysis for
trainin9.fiel d・
日本での作物の種類の分光判読が難しい理由のひとつとして,狭小な農地に多数の農家が複
数の作物を栽培しているため,生育ステージや栽培様式,施肥レベルなどがそれぞれ異なって
一36一
いたり,複数の品種を使っていることなどが挙げられる。表2−7は7作目についての分光デ
ータの統計量の分散を示している。一筆圃場内での分散と,圃場間(同一作目)の分散を比較
してみると,常に圃場間の方が大きい。圃場内分散は大体5−7%に含まれるのに対し,圃場
間では20%に達する作物もある。陸稲,水稲,トウモロコシなどイネ科作物の圃場間分散が小
さいのに対して,ゴボウ,サトイモ,ラッカセイでは分散が大きい。分散の大きい作物の特徴
としては葉が大きい(ゴボウ,サトイモ)ことや,マルチ栽培をする場合がある(サトイモ,
ラッカセイ)点,作付の時期にバラツキが多い(ゴボウ,サトイモ)点などが認められる。こ
のようなことが単一作物のスペクトルの分散を拡大し、作目判読の正解率を引き下げる要因に
なっていると思われる。
表2−6 主成分分析による寄与率とアイゲンベクター
Table 2−6 Ratio of contribution, eigen vector of Principal
Component Analysis・
Compo−Contri−
nent bution V475
Eigen vector
V550
M1625 M2255
V 625 N860
1
0,70 0.46 0,41 0,47 −0.06
0.43 0.44
2
0.22 −0.05 0.39 −0. 10 0.85
0,19 −0,27
3
0.05 −0,38 −0.36 −0. 29 0.08
0.69 0,39
表2−7 圃場間および圃場内の作物分光反射の分散の比較
Tabl e 2−7 Comparisorl of variance of crop reflectance between
among and within fields.
Variance
CrOP
Among−fiel d
Upland rice
Within−field
9.9
5,5
Paddy rice
13.3
6.5
Burdock
18.4
7.4
Sweet potato
13.6
5.4
Taro
18.5
5,9
Peanut
21.6
5.5
&2
5.0
Corn
(3) いろいろな高度からの盤育量の推定
1987年の実験では本研究課題の中で試作した8バンドの分光センサをヘリコプタに搭載し,
測定高度別に分光反射を計測し,高度の変化に伴う反射量の変化を検討した。同時に諸生育量
(新鮮重:FM,乾物重:DW,葉面積指数:LAI,草高:CH)の推定に有効な波長帯を
抽出することを目的とした。ただしこの実験については,現在まだ解析中であり,今回は中間
報告とし,今後更に解析を継続する予定である。
a 分光反射の高度による影響
図2−4は可視(V560),近心外(N833)および中隔外(M1730)の反射強度が高度の上
昇に伴いどのように変わるかを示したものである。対象としたフィールドは畜産試験場内にあ
る広大な飼料用トウモロコシの畑7カ所の平均値である。この図からは,可視(C1)および中
指外域(C6)の反射強度は高度によってほとんど変化していないのに対して,近赤外壕(C 3)
一37一
C1
1000
☆
C6
望
0
\
500
☆
○
☆
!
8
)
☆
200
名
工
○
☆
∼
三
く
長
100
☆
○
50
☆
○
0
☆
10 20 30
40
Reflectance factor (%)
図2−4
可視,近赤外,中赤外バンドの,トウモロコシ畑
における分光反射強度の高度別変化
Fig・2−4 Changes of reflectance in each band in relation to the
aldtude of函atform.
では高摩が加わるにつれ値がやや低下する傾向にある。
b.諸生育量の推定
表2−3に示した14の飼料作物のフィールドの生育量と,分光反射強度の関係を測定高度別に
単純相関で比較したのが表2−8である。高度毎に波長と生育量の関係をみると,FW(新鮮
重)とM2018, DW(乾燥重)とはV660またはM2018, LAI(葉面積指数)とはM2018,
またはN830, CH(草高)とはM2018とそれぞれ相関が高かった。つまりここに示した4つ
の量すべてと中赤外(M20i8)が高い相関を示した。また高度別の各相関係数の最大値同士を
比較してみると,いずれも250mの高さで最も高い値が得られている。特にLAIとM2018と
は高度250mでr一一〇、913の相関があった。このセンサによる高度250mでの地上分解能は
9mであるが,なぜ250mで最も高い値が得られたのかは更に検討する必要があろう。
表2−9に波長別反射強度を独立変数,諸生物量を従属変数とする重回帰分析(Fi n瓢Fout
−2)を行った結果を示している。それぞれの高度で○印を付した波長帯を使った場合,最も
重相関係数が高くなった。延べ20の項目のうち,19の項目でRが0.8を越え, 8つの項目が
0.9を越えた。ま.た選択される波長帯については単純相関で高い値をとったものと一致する場
合が多かったが,CH(草高)についてだけはV560が最も多く選ばれた。
図2−5は,高度500mの場合について重回帰式による推定値と実測値(表2−3)の関係
を各生育量ごとに示したものである。いずれの場合も,値が最も高い部分,例えばFW>700
一38一
g/㎡,DW>1000 g/㎡, LAI>5, CH>250 c阻で推定値が過小評価される傾向があった。
この点については今後改善が必要である。
表2−8 異なる高度における反射強度と生育量との単純相関の比較
Table 2−8 Singie correlations between reflectance and a2ronomic variables
at different altitudes.
Altitude(m)
Agron.omic var.
50
100
250
500
1000
Mean
Fresh weight
V 560
一〇,662
一〇,642 −0.700 −0.790
一〇.638 −0.686
V660
−0.728
−0.738 −0.757 −0.778
−0.747 −0.750
N833
0.756
0.745 0.715 0.679
0.755 0。730
N1123
0,549
0.577 0.280 0.683
0.395 0.497
N1238
0.147
0.125 0,104 0.013
0.151 0,108
M1730
−0,760
−0.707 −0,616 −0.492
−0.534 −0.622
M2018
−0.856
−0.831 =二品L −0,797
−0,805 −0.832
Dry weight
V560
V660
一〇,664 −0.643
一〇.615
一〇.714 −0.581 −0.643
−0.825 −0。841
−0.851
−0.826 −0,761 −0.821
N 833
0.764 0.776
0.759
0.709 0,756 0.753
Ni123
0.707 0.609
0,403
0.607 0,268 0,519
N1238
0.368 0.357
0.350
0.243 0.340 0.332
M1730
−0.624 −0.569
−0.424
−0.447 −0.374 −0.488
M2018
−0.826 −0.806
−0.832
−0.807 −0.797 −0.814
V560
一〇.485 −0.507 −0.536
一〇.659 −0,588 −0.555
V660
N833
−0.785 −0.814 −0.838
−0.833 −0.794 −0.813
0,890 0.878 0.855
0.842 0.788 0.85ユ
N1123
0.747 0.763 0,299
0.773 0.472 0.611
N1238
0.366 0.313 0.311
0.252 0.224 0.295
M1730
M2018
−0,670 −0.643 −0.662
−0.480 −0,627 −0.616
−0.888 −0,873 −0,913
−0,844 −0.823 −0.868
LAI
Canopy height
V560
一〇.710
一〇.698
一〇,754
一〇.789
一〇.629
一〇.716
V 660
−0.657
−0.696
−0.701
−0,706
−0,686
−0.685
N833
0,683
0,671
0,648
0,610
0,709
0.664
N1123
0.462
0.500
0.214
0.588
0.210
0.395
N1238
0.050
0.025
0.014
0.077
0.072
0.017
M1730
M2018
−0.790
−0,748
−0.642
−0.565
−0.550
−0.659
−0.806
−0,797
−0.836
−0.816
−0.762
−0,803
Numbers with t荘1derline indicate the maximum vallle among altitude and wavelength
conユbination.
一39一
表2−9 異なる高度毎の重回帰分析で選択された波長帯..・.
Table2−9 Selected bands in the multii」e Tegression analysis at the
different altitude levels.
Agronomic Altitude Corr61a−
Selected bands
variabks (m) tion(R)V560 V660
Fresh weight
Dry weight
50
0.856
0
100
0,832
0
250
0.873
0
500
0.936
1000
0.889
50
0,856
100
0.841
250
0.878
500
0.867
1000
LAI
N833 M123 M238 Mユ730 M20ユ8
0
0
0
0
0
0
0
0
0.833
0
0,952
0
100
0。962
0
250
0.978
50
500
0
0
0
0
0
0.950
0
1000
0.955
0
0
C臼nopy height 50
0,856
100
0.938
250
0,884
0.965
1000
0.762
0
0
0
500
.0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
一40一
8
A。Fresh wei只ht
『9
O O
ゆ
も
86
9
B,Dry weight
N臼
o
這800
。
OO O
盆’
な
0
愈 硲
£
の
駕4
⑳ 爾
田
繧
バ
拐400
覇
ε2 ㊥ R=0.936
謬FW(est)=一1633.9(V560)
o@ 一739.8(▽660)十287.8(N833)
山
o⑱
0
3
R;0.867
0
霧働DW(est)=一698(V66〔D
@ +114.4
o
0 3 . 6 9
FW(observed)1000 g/㎡
0
臼240’
C.Leaf area index
O
O O
£
O
鑑4
醗 @
400 800 1200
DW(observed)g/㎡
6
な
−24.5(M2018)+937.2
O
0
o
0
⑱
O O
D.Canopy height
8
G
の
捻180
目
o
窃
瘍
謹
の
)120
葺
.聾
田2
㊨
@
LA1(est)=0.112(N833)
働 +0.093(N1123)
Q) 一〇.159(M2018)一〇.500
0
0
E R一α965
。⑭
盤
R=0.950
〉、60
O ㊧
CH(est);一74.0 (▽560)
8
働
濤
⑲
Q o
0
2 4 6
LAI(o腐erved)
+359(V660) +12.5(N 1123)
一8.0(N1238)+78,5
100 200 300
Canopy height (observed) cm
図2−5 重回帰分析によって推定した生育量と実測値の関係
Fig.2−5 Comparison of estimated and observed agronomic variables
(A=Fresh weight, B:Dry weight, C:Leaf area index,
and D:Canopy heighlt).Reflectance data at a 500 meter
alititude were used in the multiple regression analysis.
○:Corn, 噛:Past凶re grass.
3.作物生育リモート診断計の試作
3,1 はじめに
可視,近・中赤外域の分光反射特性から作物個体群の各種の生育情報を推定するため,これま
で研究所内の試験圃場で実験を続けてきた。それらの成果は農家圃場でテストされ,評価。改
良される必要があると考えられる。また実験が目的でも限られたいくつかの波長について短時間
に多数の調査地点を測定したいことがある。このような目的のためには100V商用電源の不要な
コードレスで,軽便な機器を使用しなければならない。しかし市販の機器には蜜価でこれらの
仕様を満足するものが見あたらない。前節でヘリコプタに搭載した「携帯型可視・近赤外分光
一41一
4)
センサ」
を登山用の背負子に載せて歩きながら測定できるようにしたが,測定時間が10秒必
要であった2)。そこで大型の分光測定装置開発と利用で得られた知識・経験を基礎に,より小
型・軽量でさらに測定時間の短いフィルター方式の分光センサを開発した。分光センサの制御
用に小型のコンピュータを接続し,将来は葉面積指数や現存量などの推定式を組み込んで現場
で直接「生育診断」ができるシステムに発展させる予定である。
本体正面図
EleCtroniCs Unit
トー一一一一一43・一一一一一一H
π
§
」ユ
受光ヘッド部
臨轍ldl
卜一・・H
ζ
回
1『
l
L」
’旧\!
医
ファイバー固定金具
//信号コネク1「
&
①
グリップスイッチプラグ
L」 L」
図2−6 作物生育リモート診断計の本体正面図と受光ヘッド部
Fig.2−6 Eight−band portable radiometer.
The electronics unit(upPer)and the hand−held
light guide (lower)・
3.2 装置の概要
本装置は受光ヘッド部と本体およびコンピュータから構成され,受光ヘッド部と本体とは専
用ファイバーとケーブルにより接続されている。受光ヘッド部と本体の外観図ならびに写真を
図2−6,図2−7にそれぞれ示す。
本装置の特徴は以下のとおりである。
①受光ヘッド部は光学系とチョッパーのみを組み込み,特に小型に構成されている。
②測定光をファイベーで導くため受光ヘッド部と本体とが分離されている。
③ピストル式ハンドグリップの装着により被測定点の照準が容易である。
ファインダーは設けていないが,広がりをもつ作物個体群の測定には特に必要ではない。光学
系の視野角(FOV)は現在5。以下であるがさらに15。程度に広げる予定である。ハンドグリ
ー42一
面出
・1二〕i
灘
図2−7 作物生育リモート診断計
Fig.2−7 Eight−band portableradiometer。
ップには測定開始用のトリガースイッチを付属させた。本体は光センサ,同期増幅部,チョッ
パー制御部,RS 232C通信制御部,ヒータ制御部および電源部より構成されている。図2−8
は装置の構成ブロック図である。光センサは8個で可視・近赤外用にSiおよびGeフォトダイ
オード,中赤外用にPbS光導電セルを使用し,温度特性を改善するたあヒータで一定温度(30
℃)に制御している。各センサの直前には干渉フィルタが挿入されているがその透過波長はセ
ンサの感度範囲内で目的により交換が可能である。センサと現用のフィルタの特性を表2−10
に示した。波長は;本研究中に有効と認められたものおよびランドサットTMに準じて選択した。
Hand−held light guide Filter
フィルター
受光ヘッド部
レンズ,
L・nsI
“呂丑_ I
慶
チョッパー
モーター
センサー
t
口
鏑
1/F
モーター
ヒーター
制御器
制御器
制御部
(RS232C)
Mot(x c㎝t.
A/D変換器
平滑増幅器
A/Dcony・
同期増幅器
正][eater cont.
前段増幅器
Amplifiers
OUTPUT
AC 100V
口[
, Optical fiber
l
RS232C
7アイバー
バッテリー
[電回路
SPAN
5
ZERO
電源
Charger Batteri(s
図2−8 作物生育リモート診断計の内部構成
Fig.2−8 Block dia露ram of the eight−band portable
radiometer.
一43一
Sensor
出力は常時8チャンネルでリニヤアナログ電圧0−5Vが出ており,本体パネルの端子でモニ
タできるとともに,ゼロ点と利得もパネルの半固定抵抗器でチャンネルごとに調整できる(図
2−6)。A/D変換部は分解能14ビット,通信制御部はボーレート1200bpsである。電源は,
24Vの鉛シールドバッテリを内蔵し,連続4時間の動作を可能にしている。コンピュータはラ
ップトップ型のNEC製PC98LT(640kB)を利用し, MS−DOS上のN88BAS正Cをプ
ログラム言語として使用した。本装置の製作は㈱オプトリサーチとドナー電子に委託した。
表2−10 作物生育リモート診断計に取り付けた光センサと干渉フィルタ
Table 2−10 0ptical sensors and filters used for the eight−band
portable radiometer.
Filter
Opticaユ sensor
Wavelength(nln) Band width(hm)
Si photodiode (S1133)*
490,5
7.0
〃
Si photodiode (S1133−14)*
559.5
11.0
661.5
6.5
Si photodiode (S11331−01)*
833.0
7.0
Ge photodiode(B2144−01)*
1100.5
20.0
〃
1201.0
28,5
〃
1648,5
52.0
Pbs photocell (P 394A)*
2210.0
33.0
* Hamam atsu P hotonics
3.3 測驚操作
測定は次の手順で行う。
①測定用のプログラムはメニュー方式で,まず「対象の測定」か「過去のデータの読み出し」
かを選択する。
②「対象の測定」を選択した場合,最初にゼロ点と標準板による100%点の読み込み・記憶
を行う。ゼロ点は受光ヘッド部にふたをした状態で,また100%点は硫酸バリウム粉末で
塗装したアルミ板などの反射光を取り入れて測定する。8チャンネルのデータのコンピュ
ータへの読み込みに約2秒必要である。
③作物個体群を照準して測定すると,ディスプレイに各波長の反射係数(%)が表示される。
測定回数は任意で,データはフロッピーディスク(3,5インチ)に記録される。光環境の
変化に対応して随時100%点やゼロ点の再読み込みもできる。
3。4 測窺例
本装置は完成後間もないため,現在1988年夏期に農家圃場の測定を含むいくつかの実験に
使用する予定で,調整やソフトウエアの整備をすすめている段階である。しかし,1987年11
月,装置本体と測定用プログラムの完成直後に本装置をタイ国に携行し1),現地でさまざまな
ステージのイネ,畑作物,果樹および裸地土壌の反射特性を調査した(科学技術庁振興調査費
「アセアン諸国におけるリモートセンシング技術の高度化とその応用に関する研究」)。現地の
高温の炎天下での使用にも関わらず,機械的,電気的なトラブルは生じなかった。
図2−9はタイ国で測定された穂ばらみ期のイネの分光反射特性の一例である。よく繁茂し
た植物個体群の特徴的パターンを捉えていることがわかる。また,図2−10は同国のイネの出
一44一
50
40
.i.._i_..罫\i.,
(
: : \
● , ・
)
8
30
コ コ ロ コ
。3.「匿.’1「.。. 「●●・‘甲「’
口
触
20一
8
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幽’i’“i尋”’
鋳鏡旺
濤
10
ぢ
o ● ● 6 0 , , o O L , 卿 . ● ● ● , 噛 ● ■
2
♂∼翻
ち
0
0.4 α8 1.2 1.6 2 2.4
Wavelength (μm)
図2−9 イネ個体群の分光反射係数測定例(1987年11月,タイ国中央平原)
Fig.2−9 Spectra玉reflectance factors from a rice canopy of Thailand
measured in November 1987.
鵬 i i i i
じ 唇 1 . ●
. . 1 1 ●
20.0
1 ・ 1 , 謄
¶“ o o o ■ , . , ◎ 薗 ■ o 層 ・ .『o o “ o 回 ・ o . ・ り o ・ o ・ 噂 1 . o o o o “ o o o o o . o ・ .・● 塵 o o 9 『 o o ・ “ o o o ・ 」σ
. , 駐 o ■
o ● o ● ●
コ ロ ロ コ ロ
1…・………霧…・・…一i……一…1………一i
自
白
i 倦 i i i
田
z
10.0
{……………孕…’………畜……●…●◎0†…●……’…}
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● ● ● ● ●
ロ ロ コ ロ
{●●.“’’”噛’●’9●’,’●’噂●’●”.●●.’1’..’.“.昌●●”翻.㊧∵”『●’●’’’”}
i i i 、⑱ 曲
0.0
Bootin9
Blooming
Milky
Mature
Harvest ed
図2−10 イネ個体群の生育ステージ(1987年11月,タイ国中央平原)
と近赤外(833nm)/赤(661nm)2バンド比との関係
Fig.2−10 Relation between growing stage of rice and vegetatiorl
index (ratio of reflectances at 833 nm and 661 nm).
Measuremα1ts were made in Thailand in November 1987.
穂から収穫までのステージと833nm(近赤外)と661nm(赤)バンド反射係数の比との関係
をプロットしたもので,ステージの進行とともに2バンド比が減少している。稲体の成熟に伴
う葉面積ならびに葉緑素濃度の減少と黄化した穂の影響が赤反射率の増加と近赤外反射率の減
少につながり,生育ステージに伴ってこの2バンド比が減少したと考えられた。この2バンド
比は, 「アクティブ可視・近赤外分光センサ」を用いた筑波での実験でもイネの穂/全乾物重
比との強い相関関係が指摘されている1)
生育診断計としてのソフトウエアの充実や詳細な性能の評価は今後の実験で行う必要がある
が,野外用の分光センサとしての基本性能はほぼ満足できる装置であると考えられる。
一45一
3.5 今後の問題点
本装置の使用上の問題としては,受光ヘッド部の構造とファイバの長さの制約並びに簡便で
迅速な測定作業を行うために,畦道から斜め下向きに測:定しなければならないことが挙げられ
る。この場合,データは垂直下向きの測定に比べて,太陽高度や方位の影響をより強く受ける
可能性があり3),その影響の評価や場合によっては補正法の検討が必要になると考えられる。
4.摘
要
1)分光センサを航空機に搭載して測定し,農家圃場を含む各種作物の生育情報の抽出を試み
た。このうち飛行機を利用したMSS(多重分光画像)データによる作物判別実験では80%
以上の作物が4バンドのデータを用いることで正しく分類できた。波長550nm,860㎜,
および中間赤外点の各バンドが判別に有効であった。
ヘリコプタに可搬型多波長可視・近赤外分光センサを搭載して行った高度別の反射測定実
験の結果,可視および中赤訴訟では高度50mから1,000 mの範囲で農地の反射強度に大きな
違いは見られなかった。しかし,近赤外では高度が高くなるにつれて反射強度が減少した。
波長2018nmのバンド反射強度とLA王などの作物情報との間に相関係数r−0.8を越える
密接な関係が認められ,さらに2ないし3バンドを使った作物情報推定のための重回帰分析
では寄与率R2;0,9以上の式が得られた。
2)8バンドの可視,近。配信外分光センサと小型コンピュータから構成された「作物生育リ
モート診断計」を試作・開発した。フィルタの中心波長は490,560,661,833,1100,1201,
1649,2210nmでそれぞれのフィルタごとに光センサが配置されている。手持ち式の受光へ
ッド部と本体とは光ファイバで接続され,本体には鉛バッテリ電源を内蔵している。視野角
は5。以下,測定時間は2秒である。データはラップトップコンピュータに転送され,さら
に内蔵の3.5インチフロッピーディスクに記録・蓄積される。1987年11月にタイ国でイネ
を含む数種の作物の二二掟を行った結果,833nmと661㎜の2バンド比とイネの生育ス
テージとの間に負の相関関係が見られた。
引噛用 文 献
1)秋山 侃。山形与志樹・芝山道郎(1988),ランドサットデータによるタイ中央平原の農
業生産力の把握.2.分光計測による土壌・作物情報の収集.出作紀57(別1):239−240.
2)秋山 侃。芝山道郎・山形与志樹(1988),圃場生体情報総合計測システムの応用「各種可
山型圃場用分光反射率計の開発」農林水産業における自然エネルギーの効率的利用技術に関
する総合研究.昭和62年度研究報告 農林水産技術会議事務局,pp.136−137.
3)Shibayarna, M.,and Wiegand,C. L.(1985), View azimuth and zenith,and
solar angle effects on wheat canopy reflectance. Remote Sens. Environ.
18:91− 103.
4)芝山道郎。秋山 侃・棟方 研(1988),圃場生体情報総合計測システムの開発。
植物個体群の生産構造と光エネルギー利用機能の解明,』農林水産技術会議編,グリーンエナ
ジー計画成果シリーズ山系%15,pp.104−183.
5)芝山道郎・山形与志樹・秋山 侃(1988),圃場用分光センサを使った水稲生育情報の追
跡.皿 穂/全二重比と反射スペクトル.日記紀57(別1):241−242.
6)渡辺利通・堀江正樹・芝山道郎(1988),農業用リモートセンシング解析装置(ARSAS).
一46一
農業環境技術研究所資料 第4号 pp。ユー19.
一47一
Cγ℃p Gγ℃wth Diagnosls from Low AIti’しude PIatform−
Sensor Systems and Development of an E可ght−band
Portable Rad漸ometer for F漸eld Use
Michio SH工BAYAMA, Tsuyoshi AK工YAMA and Yoshiki YAMAGATA
National 工nstitute of Aqro−En▽ironmental Sciences
Summary
l) Crop qrowth information was obta土ned by usinq optica:L sensors
from low altitude platforms。 工n the crop discriminatiQn test
usinq MSS mounted on an airplane, more than 80宅 of the crops in
the fields were cOrrectly classified with 4 bands。 Bands with a
reflectance of 550 nm as ▽isible band and 860 nm as rlear infrared
band, as well as the Inid−infrared bands were often effective for l
the discrimination of the crops。
The reflectance ▽alues at different altitudes of helicOpter,
did not exhibit siqnificant chanqes between 50m to l,000m ele▽a−
tion, especially fOr the visible and mid−infrared bands, 1⊃ut
sliqhtly decreased for the near infrared band alonq with the
increase in altitude。 High correlatiOn coefficients Of more than
r=0。8were observed between reflectance of 2018 nm and agronomic
variables in sinqle correlations. By the apPlication of multiple
regressiOn analysis, higher correlations exceedirユg R篇0。9 were
obtained usinq 2 0r 3 bands。
2) An eiqht−band port二able radiometer was newly desiqned and built
for crop qrowth diaqnosis。 工t employs filters of wavelenqths 490,
560, 661, 833, llOO, 1201ダ 1649 and 2210 nm and optical sensor for
each band fi:Lter. A hand−held type liqht quide wit二h a triqqer
switch is connected by ar10ptical fiber qlass to the electronics
unit which has a charqeable battery power source。 Field of ▽iew
is less than 50。 Measurement time is 2 seconds for 8 bands re−
flectances and the observed data are loqqed by a laptop microcomputer
一48一
and stored in a 3。5 inch floPPy disk。
Radiometric observat二ions were made for various crops includinq
rice in Thailand in NOvember l987. Ratio veqetation index usinq
661nm and 833 nm reflectances wa・f。撃nd t・be useful f・r estimatinq
rice qrowth staqe in the qrain fillinq period.
一49一
皿.作物群落用マイクロ波レーダーの応用
佐藤健次・原島徳一・梨木
1.騒
守・野 本 達 郎
的
反射・放射マイクロ波エネルギーの変化から作物の生体情報や土壌情報を計測するために開
発されたマイクロ波レーダーを用いて,牧草類を対象とした圃場での測定方法,適用の範囲,
応用の可能性について明らかにしょうとした。
2.方
法
草地試験場(栃木県西那須野町)の放牧草地,採草地および飼料畑において,1985年から3
年間実施した。
2.1 供試材料
供試草種は,オーチャードグラス,ペレニアルライグラス,トールフェスク,メドウフェス
ク,レッドトップ,ケンタッキーブルーグラス,シロクローバ,エンバク,トウモロコシおよ
びコウシュンシバである。エンバクとトウモロコシは,直径26cm(容積104)ポットで栽培し,
コウシュンシバは,図3−1のように栽培した。他の車種は,単播あるいは混播草地として,
採草,放牧によって維持管理しながら供試した。
腫
喜9ε1。llr
ほ コ
l l l l
5 1 σl llo
[]
淋撫{
A
B
C D
E
(Full)
(Checker)
(Stripe) (Scatter)
(Bare larld)
図3−1.
Fig.3−1.
コウシュンシバ草地の栽植様式
Plallting Pattems of manilagrass.
2.2 マイクロ波のレーダーおよび測定方法
測定に用いたマイクロ波レーダーは,図3−2∼4の3種類であり,測定は表3−1の方法
で行なった。本報告では,便宜的に,垂直型(図3−1)および水平型(図3−2,3)と称
する。さらに,計測の方法(マイクロ波照射方向)によって,垂直型の場合は草地に対して垂
直計測(図3−2一〔1)),および草地に対して傾斜角をつけて測定する傾斜計測(図3−2
一②),水平型の場合は,発信受信アンテナと反射板の間にサンプルを置いて計測する水平型一
1(図3−3)および発信アンテナと受信アンテナの間にサンプルを置いて計測する水平型一
∬(図3−4)とした。垂直型の垂直計測および傾斜計測は,地上から約1,5mの高さから発
信受信アンテナを上方向に移動しながら計測した。また,水平型一1の計測も,発信受信アン
草地試験場草地計画部(現草地試験場放牧利用部)
一50一
テナを横方向に移動しながら測定した。
測定に用いた周波数は,
牧草類を対象とした調査結果から,垂直型は6.15GHz,水平型は
5.6GHzとした。
表3−1.測定方法
Table 3−!.莇ethods of measurement
Vertical type
’Type
Horizontal type−1
HOrizOntal type−1[
Frequency
6.15GHz
5.6GHz
5.6GHz
Measurement
a)Vertically to
Samples between the
Samples between sender
the ground
reflector and micro
and recei ver antennas
(Fig.3−2(1D
antennas
(Fig。3−4)
b)王nclilled to
(Fig。3−3)
the ground
(Fig、3−2一(2D
ω 垂直方向からの計測 ② 傾斜時の計測
Vertical measurement to the ground Inclined measuremeBt to the grQund
図3−2 垂直型装置での計測
Fig.3−2 MeasuremeDt of vertical type
・∵:三韓脳:
慧
二ふ 蜿Q_、、
輔翻政1.締捌
謬
ほ)計測装置 (2)計測
Measurement equipmellt Measurement
図3−3 水平型一1の装置および計測
Fig.3−3 Measurement equipment and measurement of horizQntal type−1
一51一
〔1)計測装置 (2>草地での計測
Measurement equipment Measurement on the grassl alld
図3−4 水平型一丑の装置および計測
Fig.3−4 Measuremellt equipmellt a1ユd way of horizonもal type−H
2.3 調査軍陣
マイクロ波の反応は,受信電圧値(V)で測定するが,送信・受信アンテナを上方向あるいは
横方向に移動しながら計測した場合には,電気的に波形を描くために,受信電圧値(V)の最大
.値(Max),最:小値(Min),平均値(Mean)および最大値と最小値との差である波形幅(Range)
を記録した。アンテナを固定して計測した場合には,その時の計測電圧値を記録した。垂直型
の計測では,受信電圧値をもとに散乱係数(dB)を求めた。
計測に供試した草地では,生草重(g/㎡),乾物重(g/㎡),乾物葉身重(g/㎡),草高(cm),
草丈(C田)およびマメ科率(%)を調査し,ポット栽培では,生草重(g),乾物重(g)を調査し
マイクロ波の反応との関係を解析した。
3.結
果
本報告では,計測機器が3種類(表3−1)で,これらの計測方法によって4種類(表3−
1)の結果が得られたが,ここでは,(1}垂直型,および②水平型の結果に分けて述べることに
する。
3.1 垂直型の反応
ω 草地の草種,形態および草量に対するマイクロ波の反応
イネ科牧草のトールフェスク(TF)単播草地,オ・一チャードグラス(OG)単播草地および混
播(MI)草地において,草垣は等しい立毛状態(S)と倒伏状態(L),およびこの草を除いた
Xlj取状態(C)を計測した結果について,図3−5および図3−6に示した。 R ange(騒)と
Mean(鱒)の受信電圧値(図3−5)は,トールフェスク(TF)と混播(MI)で同一のパタ
ーンの反応がみられ,刈取状態(C)で最も高く,同一草叢の状態で倒伏(L)が立毛(S)
よりもわずかながら高かった。オーチャードグラス(OG)では, Rahge(圏)の倒伏(L)が
最も低く,特異的な反応であったが,その他の値は,トールフェスク(TF)と混播(MI)と
類似したパターンであった。図3−6では,トールフェスク(TF),オーチャードグラス(OG)お
よび混播(MDの平均値から求めた散乱係数は,いずれの場合も,マイナスの値で刈取(C)
が最も小さく倒伏(L)が立毛(S)よりやや小さかった。受信電圧値の最大値(Max)から
求めた散乱係数(念)は,オーチャードグラス(OG)の倒伏(L)を除いて,各草地で刈取(C)
〉倒伏(L)〉立毛(S)の大小関係であった。このように,マイクロ波は,草露の最も少な
い刈取(C)で反応が大きく,同じ草量では,倒伏(L)が立毛(S)よりも大きい反応を示した・
一52一
0.7
圏 :Range,
盤 :Mea11
0.6
騨
騨
{
〉
0.5
’
翻
’
調
。
>
’
0.4
’
bP
’
.臼
’
’
蜜
’
0.3
’
’
8
’
’
’
’
’
’
0.2
’扇
鵠
’
TF:Tall fescue, OG:Orchardgrass。
’
,幽
MI:Mixture TF, OG, Meadow fescue
ノ
0.1
翻
.雷
alld Perellnial r yegrass.
S:St and, L:Lodged stand, C:Cut stalld
0
S L C
TF
S L⑳C
OG
S L C
M I
図3−5 受信電圧値とイネ科牧草の立毛構造との関係
Fig.3−5 Relationship be毛ween recording volt
and stalld structure of grasses.
7
禽 Max,
鯵:Mean
命
一 8
qq
1
’
℃
’
) 一 9
’
眉
’
.曾
鼠一10
’
「
1
蒼
’
。
’
/
f
評一11
’
琵
’
§一12
轟
TF:Tall fescue. OG:Orchardgrass.
傘ダ
ω
MI:Mixture of TF, OG, Meadow fescue
愈
/
and Perelmial ryegrass.
一13
S:Stalld, L:Lodged stand, C:Cut stalld
S L C
TF
S L C
OG
S L C
MI
図3−6 散乱係数とイネ科牧草の立毛構造との関係
Fig.3−6 Relationship between scattering coefficient.and
stalld structure of grasses.
一53一
表3−2に,垂直,傾斜測定時における栄養生長期のイネ科牧草地の生草重と受信電圧値お
よび散乱係数の相関係数を示した。有意な相関係数は,垂直計測よりも傾斜計測で多くみられ,
草地の種類間の比較では,オーチャードグラス(OG),トールフェスク(四)およびレッドトッ
プ(RT)の単播草地において有意な相関関係が多く得られた。
表3−3に,垂直,傾斜測定時における出穂期のイネ科牧草地の諸形質と受信電圧値,散乱
係数との相関係数を示した。有意な相関関係は,表3−2の栄養生長期の結果と異なり,傾斜
計測よりも垂直計測で多くみられた。特に,受信電圧値と散乱係数に対する葉身重(9/㎡)の
相関係数が大きかった。
表3−4に,垂直計測時における栄養生長期の草量,草高および草丈に対する受信電圧値,
散乱係数を示した。10c皿以上の生草重,乾物重,草高および草丈は,有意な負の相関係数が多
く,5cm以上の海草重では従来から認められる負の相関関係と異なり正の相関関係が認められ
た。
表3−2.垂直,傾斜測定時における栄養生長期のイネ科牧草地の翁草重(g/㎡)と
受信電圧値および散乱係数の相関係数
Table 3−2. Correlation coefficients of scattering coefficient, alld recording
volt for fresh weight(g/㎡)of some grass swards ill measurement
vertically alld inclilled measuremellt to the ground
Vertical measurementヒ。 Inclined measurementbto
the ground the ground
OGc TFd RTe M工f OGc TFd RTe MIf
Scattering coefficient
Mean
一〇,599 −0,636* 一〇.316 −0.275 −0!744* 一〇.710* 一〇.752* 一〇,211
Max
−0.536 −0.622 −0。506 一α445 −0.744* 一〇,337 −0.824**一αi30
Recording volt
Max
一〇.523 −0.619 −0.512
一〇.463
一〇.731* 一〇.322 −0.839** 一〇.137
Min
−0.658* 一α598 −0.108
−0.519
−0.039 −0.826**一〇.488 −0.264
Mean
Rangea
−0.587 −0.669* 一〇.462
−0.242
−0.731* 一〇,698* 一〇.743* 一〇.219
Z.435 −0,113 −0.380
−0.620
−0.596 −0.741* 一〇.275 −0。095
.一
a)Range:Max−Min
d) TF:Tall fescue
b) Incline is about 100
e) RT:Red top
c)OG:Orchardgrass
f)MI:Mixture ofOG,TF,Meadow fescue
and Perennial ryegrass
*,**
@ :Significant at 5%,
1% level,reSpectively・
一54一
表3−3,垂直,傾斜測定時における出穂期のイネ科牧草地の諸形質と受信電圧値,
散乱係数との関係
Table 3−3, Correlatioll coefficiellts of scattering coefficiellt, and recording
volt for the character of grass sward ill heading stage,
Fwa
DMb
Plant
i9/㎡)
i9/㎡)
@(c阻)
@ lerlgth
Leaf
Leaf
Stem
Stem
i%)
i9/㎡)
i%)
i9/㎡)
Recording
volt
Max
一〇,524**
0,108
一〇.400*
一〇.132
一〇.327
0,109
一〇,247
一α400* 一〇.390* 【一〇.320
一〇。043
一〇.411*
0.038
一〇,316
適429*
一〇.140
一〇.470**
0,116
一〇357*
Max
一〇.450** 一〇.459** 一〇.463** 一〇.159
Mean
一〇.391*
一〇.406*
Min
Mean
Range
Vertical
rneasurernent
to the ground
一〇.487** 一〇.494** 一〇.491** 一〇.129
一〇.288
一〇.306
一〇.442*
一〇.364*
一〇.467*
Scattering
coefficient
一〇.515**
0,140
一〇.349
一〇439*
一〇.163
一〇.455**
0,142
一〇.309
Recording
vol t
Max
一〇,149
一〇.085
一〇.050
一〇.067
一〇.149
0,063
一〇.034
Inclined
Min
一〇.054
一〇.006
一〇ユ03
一〇.174
一〇.060 一 0,188
一〇,039
measurement
Mean
Range
諭.099
一〇.120
一〇.240
一〇385*
一〇.294
一〇.099
一〇.034
一〇.038
0,075
to the ground
0,405*
0,024
一〇.030 一 α085
一〇.039
Scattering
coefficient
Max
一〇.173 −0ユ12 −0.071
Mean
−0.098 −0.034 −0.036
一〇.042
一〇.158
0.040
一〇.068
0.063
−0.035
−0.074
−0.036
a)FW:Fresh weight
b)DM:Dry weight
*, ** :Significant at 5%, 1% 1evel, respectively.
表3−4,垂直計測時における栄養生長期の.草量,草高および草丈に対する受信電圧値,
散乱係数の相関係数
Table 3−4, Correlation coeffecients of recording vol t, scatterillg coefficie旦t for
herbage rnass, pl allt height alld plant length in vegetative stage.
FW(9/㎡)a DW(9/㎡)b FW(9/㎡)a
・M㎏/㎡)bPlaRl、gh,
above 5cm above 5 cm above 10cm
(cm)
abo・κ}10cm
Plant
器th
Recording volt
0.131
一〇,545***
一〇.558***
一〇.739***
一〇.48i**
0,142
一〇.539***
一〇.549***
一〇.744***
一〇.472**
Mean O.456**
0.136
一〇.547***
一〇.558***
一〇.747***
一〇.480**
Range O.386*
−0.012
一〇,172
一〇.196
一〇,186
一〇.187
0,143
一〇.534***
一〇.544***
一〇.737*** 一〇.467**
0.137
一〇,533***
一〇.545.***
一〇.731*** 一〇.469**
Max O.456**
Min O,402*
Scatte「ing coefficient
Max O.430**
Mean O.451**
a)FW:Fresh weight
b)DM:Dry weight
*,** C*** @:Signif孟cant at 5%, 1%, 0.1% level,
一55
reSpectively.
② 草地の植被およびマメ科牧草に対するマイク皿波の反応
図3−7に,コウシュンシバ:草地での植被と受信電圧値との関係を示した。植被の状態は,
図3−1のとおりである。最大値および最大値と最小値との差(Range)の受信電圧値は,11
,月および5月で,裸地(E)で最:も高く,全面シバ(A)で最も低く,面積の割合で50%の植
被状態のBおよびCでは中間的な値であった。散在させた状態(D)では,11月と5月で反応
が異なった。
図3−8に,受信電圧値(Range)とマメ科牧草(シロクローバ)の面積割合で示したマメ
科率との関係を示した。両者には,正の相関関係がみられ,受信電圧値は,マメ科牧草の多い
ときに高く,マメ科牧草の少ないときに低かった。図3−9に,受信電圧値(Mean)とシロク
ーバの面積割合で示したマメ科率との関係を示した。図3−8同様,両者に正の相関関係の傾
向がみられ,マメ科率が高くなるに従い,受信電圧値が高くなる傾向にあった。
0.5
1985.11月
0,4
0.3
0.2
ε
巷 o・1
>
留
0
昭
8
8
餌 0,5
1986,5,月
1
0.4
0.3
0.2
魁
T
エ
0.1
0
A
D
B C
E
一
図3−7 コウシュンシバ草地での天外と受信電圧値との関係
Fig.3−7 Relationship between plant cover and recording
volt on manilagrass sward(horizontal t ype−1)
翻:Maximum, E]:Minimum
A∼E:see Fig.3−1
一56一
0.4
9
r=0.47萎
0.3
と
騨
0,2
評
噸
8
0.1
8
鯵
鶴翻 ⑭鯵 総
謬㊥麟
鯉露 ⑭
鯵
0
0 50 100
Ratio of legumes(%)
図3−8 受信電圧値(Range)とマメ科率
との関係(1985.Oct)
Fig,3−8 Rel ationship between recording
volt and ra七io of legumes
(1985.Oct)
100
§
沼
自
&
2
働
50
鯵⑭
ぢ
鈎 麟
.9
届
働 幽
0
0 0,25 0,50 0.75 1.00
Recording volt(V)
図3−9 受信電圧値とマメ科率との関係(1987.May)
Fig.3−9 Relationship between recording volt alld ratio of Iegt∬nes.
Recordillg volt is mean value。(1987, May)
3.2 水平型の反応
表3−5に,水平型一1におけるポット栽培のトウモロコシおよびエンバクの反応を示した。
調査対象の現存量によって計測時の出力値を変えたために,受信電圧値に差を生じたが,最大
値(Max)と平均値(Mean)は,トウモロコシおよびエンバクともに,ポットのない条件で最:
も高く,ポット4個のときに最も低く,ポット数1から3の値はその範囲内にあった。最大値,
平均値は,ポット数が多くなるほど,すなわち現存量が多いほど受信電圧値が低下する傾向が
認められた。
一57一
表3−5.ポット栽培のトウモロコシおよびエンバクのマイクロ波(水平型一1)の反応
Table3−5. Respollse(V)of microwave for maize and oats growing at the pot by
borizontal type−1
Maize
Oat
Max
Mean
0
0.80
0.59
0.42
1
0.65
0.49
0.31
2.93
2,88
0.12
2
0.66
0.52
0,30
2,75
2.68
0,16
Number of pot
Range a
Max
Mean
Range a
2,95
2.91
0,08
3
0.66
0,51
0,31
2,80
2.75
0.11
4
0.64
0,48
0.31
2.20
2,14
0.1i
a)Range:Max−Min
表3−6に,測定時のアンテナ下部の高さを,地上約10cmに設定したときの水平i型一且にお
ける草量,草高および草丈に対する受信電圧値の相関係数を示した。有意な相関係数は,10cm
以上の生草重と乾物重,草高および草丈との間に認められ,5cm以上の生草重と乾物重との間
には認められなかった。相関関係は,草量では,乾物重よりも生草重で高く,草丈よりも草高
で高かった。このときの10c阻以上の生草重と受信電圧値との関係を,図3−10に示した。受信
電圧値は,草量の多いときに低く,草量の少ないときに高かった。
表3−6.水平型一Hにおける草量,弓長および草丈に対する受信電圧値の相関係数
Table 3−6 Correlation coefficients of recording vo至t for herbage mass, plallt
height and plant length by horizontal type −H
FW(g/㎡)DW(g/㎡)FW(g/㎡) DM(g/㎡) Plant height Plallt length
above 5 cm above 5 cm above 10cm above 10cm (cm) (cm)
5盤。欝
一〇,008 −0.100 −0,809*** 一〇.781*** 一〇.824*** 一〇.645***
2000
恥
き
葺
⑳亀
1000
鯵 鱒
窪
鱒鱒
⑳ 劔
甥
爾醗
、9
幽 鹸
働翻
鱒晶
0
0
5
10
15
Recording volt(V)
図3−10 水平型一Hにおける10c田以上の草量と受信電圧値との関係
Fig・3−10 Relationship between herbage mass(Fw g/㎡)above
10cI丑alld recording volt(V)by horizontal重ype一豆,
一58一
20
嬬.考
察
広沢3)は,マイクロ波シグネチャ(microwave signature)の研究動向を概説し,その中でマ
イクロ波リモートセンシングは物理的測定という性格が強く,シグネチャの研究なしにはマイ
クロ波リモートセンシングは成りたたなく,SAR画像のよりよい理解のためには,、農作物の
外,森林,樹木,草地等の散乱特性に関して十分に調べておくことの意義は大きいとしている。
著者2’5)らは,広沢3)の立場と同じような視点から,牧草地におけるマイクロ波の反応を検討
しているが,前述したように,本研究では,最終的には,応用の可能性まで明らかにしょうとし
ていることから,1)マイクロ波による牧草類の量的評価,および2)マイクロ波による牧草
類の形態的評価の2点について考えてみることにする。
4.1 マイクロ波による牧草類の量的評伝
本試験ではマイクロ波の反応は,Young 7)らのカンサス州のrange(牧野)と同じように,
草丈との間に負の相関関係を認め,この相関関係は,垂直型(表3−2∼4)より水平型(表
3−6,図3−10)の計測時に高い傾向にあった。水平型の計測は,土壌の影響を排除あるい
は軽減しながら草量を推定できる可能性の高いことが明らかであった。この水平型の反応(表
3−5∼6,図3−10)は,水平型一1(図3−3)より水平型一1・(図3−4)が良好であ
ったと判断されたことから,実用姓を追求するときには水平型一1の有効性が高いと考えられ
る。
垂直型の計測では,栄養生長期の草地の傾斜計測時に,水平型同様,一〇.7あるいは一〇.8
の高い負の相関関係を認めることがあった。これは,牧草の葉虫が良好な反射体として反応し
たことによると考えられる.また,出穂時の草地(表3−3)の場合,草露とマイクロ波の反
応との相関関係は,傾斜計測より垂直計測で高い傾向にあり,特に葉身重量(9/㎡)との間に一〇.455
から一〇.524の相関係数を認めた。これらのことから,垂直型の応用の可能性は,草地の雨量
をみる場合,牧草の葉虫に注目した計測によって一層高まると考えられる。
本試験の牧草地は,一般の牧草地同様,牧草個体の密度が高かったために,マイクロ波の反
応と草量との間に比較的高い相関関係が認められたと同様に,草高や草丈(表3−3,4,6)
との間にも有意な相関関係がみられたと考える。一般に,高密度条件の草地は,伸長的形質の
草高や草丈が高くなるほど,現存量が多くなる。草高や草丈は,最適な草地管理下の草地にお
いて,マイクロ波による草亀推定の場合,有効な形質になると考えられる。
草地は,利用管理や,施肥管理が適正でないときに,牧草の個体密度が減少し,裸地化が生
じたり耐量が減少し問題となることがある。この画地面積と牧草の高息面積とは負の相関関係
にある。この植被の状態とマイクロ波の反応を検討したところ,図3−1の草地モデルと図3
−7から示されるように,マイクロ波の反応は,Aの植被面積の多い条件で最も低く,逆にE
の絹地の条件で最:も高く,植被面積50%のBとCが中間の値となる傾向がみられたので,牧草
地の砂地率の推定も可能であると考える。ただし,植被面積の識別は,植被面積100%(A)
と50%(B,C)との間にあるDの11月と5月の反応は,大きく異なっていたことから,裸地
が塊状にある時に特に有効であると推定された。これは,牧草が接近した心地では,牧草の影
響が出易く,立地のもつ良好な反射体としての機能が低下することによると考えられる。この
ようなことから,マイクロ波によって,牧草地の状態診断への適用の可能性も高いと考えられ
た。
4.2 マイクロ波による牧草類の形態的評価
牧草の形態は,主に草種によって大きく異なり,さらに同一草種内では,栄養生長および生
殖生長の各生長期によって異なる。そこで,ここでは,この2点から,マイクロ波による牧草
一59一
の形態的評価について考えてみる。
(1)草種による違い
受信電圧値と散乱係数は,図3−5および図3−6のように,応化し易いオーチャードグラ
ラスがトールフェスクより小さく,また,生台盤および受信電圧値,散乱係数の間の相関係数
は,表2の垂直計測時のように,株化の小さいトールフェスクがオーチャードグラスより高い
傾向にあった。株は,マイクロ波の散乱を大きくし,均質な葉はマイクロ波の良好な反射体と
して機能するため,叢生型の草種が存在する場合,マイクロ波は,株化しにくい草種によく反
応したためと考えられる。このことは,葉および株の構造が複雑な叢生型牧草の混播条件で,
マイクロ波の散乱が大きいために,マイクロ波の反応と草量の間に有意な相関関係が認められ
なかったこと(表3−2)からも推察できる。表3−2のレッドトップは,一点型の牧草とい
えるが,この歯種は垂直計測でマイクロ波の反応は悪く,傾斜測定時に有意な反応がみられた
ことから,草画の低い葡翻心牧草は計測角度を計測因子として取り入れることにより識別が可
能になると考えられた。これは,草高の低い草種の計測では垂直計測の時に土壌からのマイク
ロ波の反応が大きく測定に誤差を生じ易いが,傾斜計測をすることにより牧草からだけの反応
が得られ易くなるためと考えられた。
マイクロ波とマメ科率との関係は,図3−8および図3−9に示したように,マメ科率の高
い条件でマイクロ波の反応は高く,正の相関関係にあり,マイクロ波によるイネ科牧草とマメ
科牧草の形態的な違いの識別は可能性が高いといえる。これは,心高の低いシロクローバの多
いところほど,地面からのマイクロ波の反射と,平担な葉部からのマイクロ波の反射が高くな
るためと考えられる。ただし,マイクロ波の反応は,マメ科率30%以上の時に高いことから,
マメ科牧草の識別は,マメ科率30−100%の範囲で推定精度が高いと考えられる。
② 生長期による違い
マイクロ波の現存量に対する反応は,栄養生長期では傾斜計測時に高く,垂直計測では低い
(表3−2)が,生殖生長期では傾斜計測時より垂直計測時に高い(表3−3)ことから,生長
期の違いによって,計測角度を変える必要がある。この反応の違いは,現存量が栄養生長期よ
り相対的に多い生殖生長期の草地の場合,垂直計測での土壌からのマイクロ波の反射は少ない
ために牧草量に反応し易くなり,傾斜計出時では,出穂茎によるマイクロ波の散乱が拡大し易
くなったこと,栄養生長期の場合,垂直計測では,現存量が生殖生長期より相対的に少ないた
めに,土壌からの反応が高くなり易く,傾斜計測ではマイクロ波は主として均質な葉から良好
に反射し易かったことによると考えられる。
以上,マイクロ波による牧草類の量的評価および形態的評価について検討したが,ここでの
成果は,Thomasら6),堀江』 轤S)の畑作物の結果よりも有効性の高い場合が多く,草地の範躊であ
るRange(牧野)を8−18 GHzで計測した結果7)と同程度の有効性があったと判断される。ま
た,本結果は,これまで植物を測定対象とするときに,17GHz付近のマイクロ波を用いるこ
とが多かった1)ことに対して,対象植物ごとに多くの周波数の検討が必要であることを指摘する
ものと考えられた。
5.摘
要
牧草類を対象とした圃場において,マイクロ波エネルギーの変化から作物の生体情報を計測
するために開発されたマイクロ波レーダの応用の可能性について検討した。
その結果,ωマイクロ波は,草地群落に対して垂直あるいは傾斜方向からの計測により,牧
草現存量の量的変化に反応することから草量推定の可能性がみられた。(21草地群落に対して横
一60一
方向からの計測では,草量とマイクロ波の反応との相関関係が高く,マイクロ波による草量推
定の可能性は高かった。(3}マイクロ波の反応は,草地のマメ科牧草の混入割合,草種,植被状
態,牧草の栄養および生殖生長期によって異なり,マイクロ波による牧草類の形態的な群落識
別の可能性が示唆された。
以上のことから,マイクロ波レーダの応用の可能性は高いと判断された。
謝辞:本研究に当たりアジア航測株式会社,田中米技師,西村文彦技師および目黒玄氏に多
大の援助,協力を戴いた。データの解析に当り草地試験場,井上慶一氏に多大の協力を戴いた。
深く感謝の意を表する。
引 用 文 献
1) 古濱洋治(1986)マイクロ波リモートセンシングの特徴.電子通信学会,人工衛星による
マイクロ波リモートセンシング,コロナ社,東京.19−27.
2) 原島徳一・佐藤健次・梨木守・野本達郎・西村文彦・田中米(1987)作物群落用マイクロ
波レーダの応用 (2)草量推定の可能性.日草誌33(別):318−319,.
3)広沢春任(1986)マイクロ波シグネチャの研究.日本リモートセンシング学会6(3}:257
−266.
4)堀江正樹・田中米(1985)畑作物のマイクロ波情報.写真測量とリモートセンシング24
(特集号1):51−54.
5) 佐藤健次・原島徳一・梨木守・野本達郎・西村文彦・田中米(1987)作物群落用マイクロ
波レーダの応用 (1)牧草類における反応.日草誌33(別):316−317.
6) Thomas Wl B.,Edward T. K. and Jean L.S。(1981)Microwave Radar Response
to Canopy Moisture,Leaf Area Index,and Dry Weight of Wheat,Corn, and
Sorghum. Remote Sens.EnviroD.11:207−220.
7) Young S, K., Richard K. M.,Khalid S. and Janet E. B. (1981)Surface Based
Radar Scatter meしer Study of K:ansas Range圭and。 Remote Sells. Ellviro11.
11= 253−265.
一61一
ApPIicat甫on of Mlcrowave Rader on Grassland
1くenzi SATO, Norikazu HARASH工MA, Namoru NASHIKI and 田atsuro NOMO[rO
(National Grassland Research 工nstitute)
Summary
工nvestigat二iQns were conducted to explore a possibil±ty of the
apPlication of microwave radar on grassland located at the National
Grassland Research 工nstit二ute in Tochiqi Prefecture from April l985
to Dec曲e「1.987・;R・尋ar mea・urements wrre car・i・d out by a▽e「一
tical type (Fig。 3−2) and a horizontal 七ype (Fiq. 3−3 and 3−4)。
Used materia:Ls were temperate qrasses (orchardqrass etc。) and
fOraqe crops(oa七s, cOrn)。
Results are su㎜arized as fQllows:
1) Response Qf microwave usinq vertical type is dependent upon
radar paramaters such as anqle of incidence, and plant parameters
such as masses of herbage and leaves。
2) CorrelatiOn cOefficients between herbaqe mass and micrOwave
response tended to be hiqher in usinq horizontal type than in usinq
vertical type.
3) Microwa▽e responded to morpholoqical factors such as ratio of
lequmes Qn pasture, qrass species, condition Of plant cover, arユd
growth staqe。
Althouqh stronq conclusions cannot be drawn because of the
limitation of the measurinq number, it was clarified。 That the
availabilit二y Of a microwave radar on qrassland。
一62一
IV. TVカメラによる作物群落立体情報計測装置の開発
1)
芝山道郎,秋山
ラ
渡辺利通,棟方
1.園
1)
侃
3)
研
的
作物は各個葉で太陽光を受けて光合成作用を営んでいるが,群落全体の正味の光合成量でそ
の生産が評価される。群落としての生産力を評価するに当たっては,個々の葉の大きさ,向き
や葉の重なり具合いなどによる光環境の違いが光合成能力へ及ぼす影響を推定する必要がある
だろう。その上,現実の田や畑では作物は1株だけで植えられることはなく,集団で栽培され
るので隣の株の葉や茎との相互作用も見逃すことはできない。このように,作物の立体的な形
(特に田畑における)は作物の生産と密接に関わるものであり,作物の葉の大きさや向き,相
互の位置などを測ることが重要である。しかし,従来これを実際に測定したり,記録すること
コ
は極めて困難な作業であった。例えば宇田川らは葉の基部,頂点,先端の高さを計測し,軌跡
法で描いた笹葉の図から角度を測っている。しかし作物の体は通常軟弱で作業者の手が触れた
り,風により容易に揺れ動く上に,日々生長し変化している。そのためにこのような手法では
測定に多大な労力を要し,精度や測定点数が限られてしまう欠点があった。作物集団の立体的
な形がより容易に計れるようになれば,群落の光環境と生産に関する今後の研究が大いに進展
するとともに品種改良や栽培法の開発にも資することができる。
この研究では上に述べたような背景に基づき,近年発達してきたTVカメラ,レーザ光線,
コンピュータ等を活用して,作物集団の立体的な構造を容易に計れる自動システムの開発の可
能性を模索した。
2.ステレオ立体視を利用したシステムの試作
2,1 測定の原理
本システムでは,ヒトが左右の目を使って物を立体的にとらえる原理,すなわちステレオ立
の
体視と呼ばれる手法を応用している。光軸を平行に,撮像面の位置を同じ高さに保持した2台
の同一規格のTVカメラで立体的な物体を撮影すると,左有の2枚の画像中の物体の像は一致
せず,ずれが生じる。このずれの程度は,物体がカメラに近くに位置する程,大きくなる。
そこで,左右2枚の画像中での物体上の同一点を認識し,それらのずれの大きさを調べること
によりその点とTVカメラとの距離を算出することができる。図4−1にこの原理の模式図を
示した。すなわちTVカメラの光軸間距離を4,対応する点間のずれをdとすると,この点と
TVカメラとの距離H’は,
1)農業環境技術研究所環境管理部
2)野菜・茶業試験場茶栽培部
3)東北農業試験場生産工学部
一63一
H’=l gf/d (1}
で求められる。ここでfはカメラの焦点距離である。したがってカメラと基準面(例えば地面)
との距離をHoとすれば,その上にある物体上のある点の高さHは
H=Ho−H’;Ho−1・f/d (2}
により算出される。
1。f
H=Ho−
d
H :height of the obj ect
4〃幽
Ho:height of TV cameras
ギ
H’:distance between the object and TV cameras
、
、
ρ
f :fQcal distance of TV camera
d
l :distance between the two cameras
弁 へ
d :distance between the equivalent po量nts on
!A
鯉斗
、レ
the object.
f
1
H’
Ho
、、
、 H
四蓋
φ夢ρ @ 、、
、
図4−1 2眼カメラによる高さ測定の模式図
Fig.4−1 Fundamental schema of the stereo TV cameras.
原理は上のように比較的明快だが,これを人間の判断を介在させずに自動的に行わせるため
には,コンピュータに物体の形状を認識し,各点を対応させる能力をもたせる必要がある。し
かし現時点ではコンピュータのこの種の機能(パターン認識能)が低いために画像が複雑で大
量の情報を持つと,左右画像の対応点の探索が非常に困難になり,計算時間,記憶容量などに
よる制約が大きくなる。そこで物体の輪郭および特徴ある箇所の二丁の高さ情報を得ることが
できれば,物体の3次元構造を一応把握したことになると考えれば,コンピュータの負担は大
幅に軽減される。したがって本装置では画像中の物体の立体像を得る前に,予め原画像をその
物体の輪郭および色が急激に変わる境界線のみからなる線画像に加工しておき,次に左右の画
像の重ね合わせと対応付けを行い,最後に立体情報を出力する構成をとることにした。
2.2 装置の概要:
装置は2台の工業用TVカメラと,それを支え角度や間隔を自在に変えられる架台,画像を
記憶するメモリおよびミニコンピュータ等から構成されている(図4−2)。構成機器の主なも
のは,①計測用テレビカメラ(2台,池上通信工業社製CTC−2600,外部同期),②画像デ
ータメモリ2台(米国Quantex社製,256×256画素,1画素6ビット),③モニタ(1次モ
ニタ2台,2次モニタ1台),④グラフィックディスプレイ(YHP−2648,360×720ドッ
ト,メモリ内蔵),⑥ミニコン(YHP21MX,128KW),⑥磁気ディスク(YHP製5MB
一64一
⑦カメラ駆動システム,⑧カメラ架台およびフラッシュライトなどである。
このうち,カメラ架台とカメラ駆動システムは,2台のカメラを床上2mで懸垂し,ミニコ
ンからの制御で各々1cmきざみで20ないし80cmの水平移動および1。きざみで0ないし45。傾
けることができる。テレビカメラの画像データは1/60秒のスピードで画像データ専用メモリに
デジタル情報として記録される。この取り込みに同期して照明のためのフラッシュライトを点
灯させることもできる。記録内容は常時モニタに写し出されるが,画像メモリの内容はミニコ
ンによる1画素単位の読み出し,書き込みが可能になっている。機器の製作は(株)日本システ
ム技術に依頼した。
蝋謳繕_壌繋:
灘、
図4−2 植物群落立体情報計測用ステレオ立体視TVカメラシステム
Fig.4−2 The stereo TV camera system for recognizing plarlt canopy structures.
2.3 高さ計測処理の流れ
物体の高さを計測するためのプログラムの流れ図を図4−3に示す。まず2台のカメラで対
象物体を撮影し,画像メモリに取り込むルーチンが必要である。これには,カメラ,フラッシ
ュ,メモリの各駆動プログラム(ドライバソフト)が含まれる。次いで原画像の前処理ルーチ
ンとして以下のサブルーチンを用意した。
(1}平滑化サブルーチン:一様重み付き線形フィルタを用いて電気的なノイズ(チラつき)を
除去し,階調処理サブルーチンは画像全体の濃度を調整したり,照明むらを取り除いたりして
輪郭線抽出を容易にする働きをする。
② 縁抽出サブルーチン:レンジフィルタを利用したもの,微分フィルタを利用したものなど
により,画像の明るさが急激に変わる物体の縁を検出する。
(3}細線化サブルーチン:輪郭線が太いと高さ計測の誤差につながるので,縦横1画素よりな
る連続線にする。
㈹ ノイズ除去および線画補正サブルーチン:画面に残された葉脈,影の線,ノイズを除去し,
また抽出しきれなかった必要な線を手動で挿入する。
3)
これらのアルゴリズムは榎本らを参考にし,プログラムはすべてミニコン上でFORTRA
Nを使って作成した。
一65一
STA飼
IMAGE ACQUISIT亙ON
PRE−PROCESSING
S]MOOTHING
EDGE DETECTION
THINNING
NOISE ELIMINATION
HEIGHT ESTIMATION FROM
LINE DRAWING STEREO IMAGES
DETECTION OF EQUIVALENT
POINTS ON THE LEFT AND
RIGHT HAND SIDE IMAGES
MEASUREMENT OF DISTANCE
HEIGHT ESTIMATION
COMPLETED THE CALC{JLATION
FOR THE ALL PIXEL?
NO
YES
0むTPUT 3−D王NFORMATION
國
図4−3 物体の高さを計測するプログラムの流れ図
Fig.4−3 Flow chaft of the height measurement.
次に図4−3に示すように左右の線画像より物体の高さを推定するルーチンに入る。これに
は左右の線画上の対応点の検出,その対応点のずれの計測および式(2}を用いた高さの推定が含
まれ,線画上のすべての点について一連の操作が繰り返される。対応点の検出は,基本的には
TVカメラの走査線に沿って,一方の画像のその走査線上で見いだされた点を他方の画像で近
一66一
傍を探索することにより,行っている。この際の誤対応を減らすために各輪郭線に番号を付す
ことも可能である。また複雑な対象の計測用に特徴点の位置を線画上で対話的に指示できる会
話型高さ測定プログラムを開発した。
最後に推定された立体情報を出力するルーチンとしては,側面からの透視図を作図するサブ
ルーチン,平面図の輪郭線を高さ別の記号で印刷するとともに面内の平均高さを出力するサブ
ルーチンを開発した。また同一対象をいろいろな角度から見た推定透視図も作成できる。さら
に計測された立体情報を用いて各葉の方位角,傾斜角,葉面積を求めるプログラムを作成し
た。
2.4 本装置を嗣いだ測定の例
(1}材料および方法
a.四角錐の模型を対象とした室内での検証のために白色の厚紙を使って,高さ約20cmの四角錐
を作り,本装置を用いて一連の高さ計測を行い,その精度を調べた。
b,鉢植えのインドゴムノキ(Fガ6%3θ1σε拓。αRoxb,)を使って植物での計測実験(室内)
を行い,葉の方位角,傾斜角,葉面積を実測した。
c.屋外のガントリフレーンにカメラを搭載してオンラインでダイズ(α夕。吻θ吻ακMerr・)
個体群の画像を撮影し,解析実験を行った。
(2)結果と考察
四角錐の左右の画像に対する前処理を施した後の線画の重ね合わせ画像を図4−4に示した。
この画像から高さ推定を行って側面からの透視図に表したのが図4−5である。おおむね全体
の形が認識されており,推定誤差はカメラよりおよそ80cmの距離で約2cmであった。この推定
誤差の大きさは画像メモリ1画素分の認識距離に相当する。また図4−5で稜線BおよびDに
不連続点が見られるが,これは左右画像閲の対応点が見いだせず高さ推定ができなかった点の
あることによるものである。対応点の欠落(誤対応)は左右の走査方向に平行に走っている稜
線に多く生じている。つぎに輪郭線に番号付けをして誤対応を減らすよう改良を加えたプログ
ラムで同じく模型四角錐を測定し,その精度を調べた。四角錐の底辺は同一高さにあるとして
各辺ごとの平均高さおよびばらつきを表4−1に示した。各辺とも変動範囲は20ないし40㎜に
∼堅、ノ“。、
ノAワ、㍉ミ\
図4−4 四角錐の左右の線画の重ね合わせ画像
Fig.4−4
Line drawing of stereo images for a quadrangular pyramid model.
一67一
l l ・
l il ・i___一 ↓一一.・一 5 i一 卜一
@ i i i
E・一・・一一L一…・}』一1一一 }
9−
li
D・
一一」凹■皿一
b
回
00
l i
o
皿
血
J
o
O
100 200 300
図4−5 四角錐の高さ計測の結果:側面から見た透視図
Fig.4−5
The perspective side view for a quadrangular pyramid model.
/
4凡
2
も
1
3
図4−6 四角錐のふかん計測デーータから計算推定した300斜め透視図
Fig.4−6 An overhead view of a quadrangular pyramid measured by the
stereo TV camera system・
納まっており,この大きさは1ないし2画上分のずれに対応する大きさであった。さらにカメ
ラよりの距離と分解能の関係を表4−2に示し,測定結果は斜め透視図として図4−6に示し
た。カメラからの距離が大きいほど分解能が粗くなるが,高さ分解能は1mの距離で約38㎜,
0,4mでは,約7㎜であった。また縦方向と横(走査線)方向とでは縦方向の方が分解能がや
や劣る結果となったものの,高さ方向の分解能よりは数倍優れていた。細部については線の連
続性の不十分さ,高さ認識の不備により斜めの線が一直線にならないことなど,不十分さを残
しているが,全体としては立体構造を認識できると考えられる。
一68一
表4−1 四角錐の4底辺に関する測定値の変動程度
Table 4−1 The accuracy of rneasurement for 4 bases of a quadrangular
pyrarnid model.
Base
Number of
pixels
82
715
2
71
734
3
66
731
4
84
714
303
723
Standard (iev量ation
(m皿)
(㎜)
1
Whole
Range
Mean depth
689−728
728−749
728−749
689−728
689−749
9.5
9.6
7.5
9.5
13。12
表4−2 TVカメラからの距離と分解能の理論値
Table 4−2 The theoretical resolution versus the distance between the cameras
and the target,
bistance from the cameras(㎜)
600
400
Height(mm)
14
7
800
26
Transverse direction(m田)
1.5
2.3
3.,1
Lengthwise direction(mm)
2,0
3.1
4.1
1000
38
3.8
5,1
インドゴムノキを使った実験で各処理の経過を示したのが図4−7(a)(bXc)である。インドゴ
ムノキの画像(a)からまずその輪郭線を抽出し{b),左右画像のずれから各部分の高さを計算し,
表示する(c)。計測精度はおおむね2ないし3cmである。しかし細部にわたって検討すると,誤
対応により周辺の高さとくらべて数十cmの違いのある推定をすることがあった。対象が複雑に
なり,特に左右画像によって葉の重なり方が異なって見える場合に誤対応が多く現れるようで
ある。そこで計測結果をカメラからの距離によるゆがみを補正して平行光線で見た様子を図4
−8に示したところ,おおまかには全体像を捉えていることがわかる。計測エラーの原因とし
ては,カメラからの位置によってそこから見える葉の重なり量が異なること,鏡面反射,影な
ど光量の違いに対する補正が難しいことなどが考えられる。
一69一
a
C
騨醐
ロ ・…畿il
汐帆ハ、
博爆
爵32 ・冒毒9。・ド
誕 臨謬
壁 29 讐ζ3励 24
囲唱65
261
).
595}畠
1呈
,、3・9’鵬。 綜。’
ε39
P2
副 21
1・ 26
1鵠』
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’農』 23 39\
1;綴閻 ,一
ノ
ロみの
83冒 e 、臨覧 辱
隔
炉
胤町隔 認 ρr’ 麟繭h臨し、鴨マ7
囲 、㍉ 7團一}一一
b
99£99’富剛
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ク
画
\ ’ 巳」
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32
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、、
、、
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\
L
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と
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L
、、:薩
㈹
『審 ,野
る 醐齪
8 7 脳
6」8團
69
図4−7 ステレオ立体視TVカメラシステムによるインドゴムノキの鉢植えの3次
元計測
a.インドゴムノキの鉢植えのTV画像
b.左右の線画の重ね合わせ画像
c.高さ計測の結果 数字はその付近の平均的高さ(c珊)を示す
Fig.4−7 Flow of a 3−D measurement for a potted rubber tree.
TV image of a rubber tree(a), line drawing stereo images(b),
and the result of 3−Dmeasurement(c). The figures in(c)
indicate the average heights(c鵬) of the planes.
一70一
..}川
〈》
∼罷
\’
ノ
図4−8 インドゴムノキを真上より平行光線で見た図
Fig.4−8 An ichnograph of the rneasured rubber tree.
屋外で生育中の作物個体群のオンライン撮影を行うためTVカメラをガントリフレーンに搭
載した(図4−9a)。ダイズで得られた画像と縁を抽出する線画化処理を行った結果を図4−
9bおよび。にそれぞれ示した。実際の圃場でとる画像はかなり込み入った複雑な様相を示す。
この線画を用いて高さを計測する実験を行った結果,現有のプログラムの能力では,自動的に
正確な高さ計測を行うことには困難が認められた。
そこでこのような複雑な対象の計測エラーを回避するため,対応する葉の特黒点(葉の先端,
他の葉と重なり合う点など)の位置を線画上で対話的に指示することによりその葉の高さ推定
を行う「会話上高さ測定プログラム」を用いて再度インドゴムノキを計測し,真上より見た様
子を図4−10(a)に,斜め上方より見た様子を同図(b)に示した。図から明らかなように指示を与
えた葉については立体計測が可能になった。しかし線画抽出の不十分さおよび本測定システム
の制約から葉の全周の高さ計測がなされるまでには至っていない。また各葉の方位角,傾斜角,
葉面積を求める実験の結果を表4−3に示す。本システムによる計測値と実測値とはおおむね
一致していた。
現有の装置とプログラムでは,計算機とその周辺装置のコストがかなり高価な時期に試作し
て開発したため撮影から立体情報の出力までの計算時間が約1時間かかるが,最近,コンピュ
ータや画像処理機器等ハードウエアの性能向上が著しいため,同じ原理を使ってより高い精度
と短い処理時間のシステムを作ることはさして困難ではない。この方式の問題点は,左右の画
像を正確に対応させる作業を全自動でコンピュータに実行させる点にある。この対応点の自動
認識の問題を解決するためには,専用マルチアレイプロセッサによる画像処理速度の飛躍的向
上などハードウエアの改良と同時に,コンピュータが作物の形態についての知識を記憶し,欠
落データの外挿を行うなどして,上位の葉の蔭になる下位の葉の形を推測する一種の人工知能
として機能するソフトウエアの開発が必要になるだろう。
一71一
b
a
騒騒、
臨藻
難懸畿麟麟
灘難
C
,
\.鵡却、
)!’執\
q
∼♂1
!
、
へ
♪
レ戯
.へ
く:こ・・ρ、甲、
’
斧ぺ
\夙 、
〆
彬
(lr∼ピ
ノ
イ〉 〉よメぐ
〆ぴ
ヒ
∠ \
調
鴇ア疇
\磁
1ハ
図4−9 ガントリフレーンに搭載されたカメラ{a}とそれにより撮影した
ダイズ個体群画像(b)およびその線画処理結果(c)
Fig.4−9 Stereo TV camera loaded on a gantry(a), an image of a soybean
canopy taken by it〔b), and the line draw{ng of the image.
一72一
a
∵2、
)》ク
ヒ ノ
ノ・煮
、
)
\
図4−10 「会話型高さ測定プログラム」で計測した鉢植えのインドゴムノキ
a,真上からの直投影図(数字は葉の番号)
b.斜め上方より見た直投影図
Fig。4−10
Apotted rubber tree measured by the conversational height
measuring Prograln.
a・Aright overhead projection drawing. The f玉gures are the
numbers of leaves.
b.An oblique projection drawing.
表4−3 インドゴムノキの各個葉の空間配置パラメータ
Table 3
Leaf
1)
nUmber
Three parameters for each leaf of the potted rubber tree.
Estimated value
Measured value
(Stereo TV calneras)
A、im。th(o jTilt(.
jArea2’
A,im。th(.、)Tilt(.)Area2)
107
1
153,4
59,石
106.0
165
55
2
172.9
41,0
8,5
−160
30
12
125
3
−127.6
52.4
151.4
−120
50
4
−54.0
42.8
203.9
−70
20
60
95
40
188
25
112
60
158
0
98
5
28.3
37.5
100.3
6
61.9
58.3
194.8
7
88.4
−19.8
96.2
1) Leaf numbers are same in Fig.4−10.
2) Area(c㎡)of the plane surrounded by the ieaf edge detected by the stereo
TV camera system.
3. レーザー作物レーダの開発
前節に引き続いて,最近進歩の著しいレーザー光技術,TVカメラによる画像計測技術,コ
ンピュータによる画像処理技術を導入して,作物群落の立体構造の計測用システム開発の可能性
の検討を行った。前節で取り上げたステレオ立体視方式の計測システムでは左右画像の閤の相
一73一
互に対応する点を自動的に認識させることが困難であり,複雑な対象になるほど処理時間が増
加した。この左右画像間の対応点の自動認識の困難さを回避するために,TVカメラの一方を
レーザー光に置き換えた「レーザー作物レーダ」を新たに試作した。
3.1 測定の原理
5) 1)
本装置に応用した計測原理として,宮本らの「レンジファインダシステム」や石井の「レー
ザトラッカ」などの3次元物体認識技術の研究がある。これらは,スリット光やレーザービー
ムを動かして,その反射光をカメラで検出し短時間で画面内の多数の3次元位置を得て,その
5)
距離情報から物体の認識をする方法である。図4−11に測定の基本的な原理を示す。本装置で
は,レーザースキャナにより,レーザー光で対象物をカメラの走査線(X方向とする)と直交
して高速スキャンする。このスキャン方向をZ方向とする。レーザー光とTVカメラの光軸は
角度τを有するため,対象物体の凹凸がレーザー光軌跡のX方向のズレとして入力される。対
象物体の高さはズレの大きさにより,次式によって基準面(ズレ」x=0)からの距離として
算出される。
∠fyエ4x/tanτ (3)
CAMERA
LASER BEAM
X
OBJECT
τ
y
図4−11 レーザー作物レーダの基本原理
Fig.4−11 Fundamental schema 6f the laser crop radar.
しかし実際にはズレの量はレーザー光のスキャン位置によって変化するために基準面が球面の
一部のような形状をなし,式(3)では正確な高さの算出はできない。そこで実際的な測定方法の
模式図を図4−12に示すとともに物体の位置検出のための式を以下に記す。すなわち画像上の
各点の高さ(H)および水平位置(X,Z)は次式により計算される。
H轟Ho−F(Dtanθ一1)/(Xim。tanθ十F) (4}
x=Xirn(Dtanθ一1)/(Xim。tanθ十F) (5}
z匹Zim(Dtanθ一1)/(Xim。tanθ十F) (6)
ここでDはカメラ光軸とレーザー射出点の距離,Fはカメラの焦点距離,1はレンズ中心とレ
ーザー射出点の高さの差,θはレーザー照射角度,Xim, Zimはカメラ結像面の像位置である。
これらのうち,F, D,1の値は,装置に固有のものである。あらかじめ高さのわかっている
一74一
物体の計測結果から逆に推定して求めておく必要がある。またθは測定点に応じて制御する。
Xim
D
F
1
O
Z
・イ
A(x,y,z)
y
Coordinates of the object”A(x,y, z)”are
x濡Xim(D tanθ一1)/(Xim tar1θ十F)
y=F(Dtanθ一1)/(Xim tanθ十F)
z=Zim (D tanθ一ユ)/(Xim tanθ十F),
Where,
D Distance between the camera and the laser scanner;
,
F,Focal length ofもhe camera;
.1,Differerlce in the heights of the camera and laser scanner ;
θ 至nclination of the laser beam ;
り
Xim, Zim,Position of the image of object”A”on the image orthicon.
図4−12 レーザー作物レーダによる高さ計測の実際
Fig.4−12 He{ght measurement method of the laser crop radar.
3.2 測定の原理
レーザー光源と光点移動用の小型ミラー2個よりなるレーザースキャナ,光点の座標をテレ
ビカメラにより読み取るビデオプロセッサ,制御用パーソナルコンピュータおよびデータ記録
用磁気テープ装置で構成されている(図4−13)。レーザー光源には,当初,入手の容易さから
出力5mW,波長633nmのヘリウムーネオンレーザー(後に出力5mW,波長782nmの半導
体レーザーに換装).を用い,TVカメラにはシリコンビジコン(浜松ホトニクスC1000−02)
と£35㎜,F2のレンズを使用した。スキャナーコントローラは垂直スキャン周波数450Hz,
水平スキャン位置はコンピュータの指示に応じてミラーを振動,または旋回させてレーザービ
ームを走査する。カメラで入力された256×256画素の画像はビデオプロセッサ(浜松ホトニ
クスc1867)で2値化し,ノイズを除去した後, x方向の変位を測定し, iOビット分解能で
デジタル化し,GPIBインターフェースを介して,制御用パーソナルコンピュータ(YHP
98ユ6S,512kB,プロッタプリンタ付)に転送される。大量の画像データを記録するたあ,
磁気テープ装置(TEAC MT−1000GP)を接続した。図4−14にシステムの外観写真を示
す。本装置の製作は,㈱浜松ホトニクスと㈱日本システム技術に依頼した。
一75一
LASER
SCANNING
MIRROR
SCANNER
TV
CAMERA
LAS ER
GUN
SCANNER
CONTROLLER
留
VIDEO
PROCESSOR
LASER
團
BEAM
MAGNET工C
TAPE UNIT
DESKTOP COMPUTER
(HP 9816)
OBJECT
図4−13 レーザー作物レーダの機器構成
Fig。4−13 Configuration of the laser crop radar・
一76一
難
繊涛
灘,
灘繍
{ , 1「兎
灘
灘
藝熱鐡
。罵
図4−14 レーザー作物レーダ
写真左,レーザースキャナーおよびTVカメラ部;
写真右,ビデオプロセッサ,コンピュータ,磁気テープ装置
Fig・4−14 Photographs of the laser crop radar,
Left, the laser scanner and TV camera;
Right, the video processor, cQmputer and magnetic
tape uniも.
3.3 レーザー作物レーダによる測定例
(1)直方体の模型を用いた計測実験
レーザースキャナおよびTVカメラから約1m離れた基準面上に高さ8c皿,長さ20cmで表面
を白色ラッカーで塗装した木製の直方体を置いた。これを本装置で計測した結果を斜め上方か
らの透視図に表示した(図4−15)。その結果,画面全体について計測が行なわれていることが
確認された。しかし図からも明らかなように原理的にレーザー光あるいはテレビカメラのいず
れかから見て影となる場所(見えない場所)については計測できない。また画像上の露点の高
さや位置を計算することは比較的容易にできるが,光点の位置座標のデータ収録に比較的長い
時間を要し(9秒以上),その間に対象が動くと精度が落ちることが観察された。これはその間
測定対象が静止している必要があり,動かないものを除いては室内での計測に限られることに
なろう。
一77
r1しE: 閥1:㌧囲,
一 一
一
爾r3届し監画罪3。
P璽τ駐=H囲lo
鍔
一ず皿四
β一♂。一一・ r置し監 随。:1.冊2
ψ_,._軸 RrJ幽し紅恥lO5’
F’置τ1:HΨ11〕
げ ザ の
ロ
鎌瀬.…
_ _隣齢一犀』一F朔』一・ 一〇
図4−15 直方体模型の計測結果
Fig.4−15 Result of measurement for a rectangular parallelopipedon.
(2)鉢植え植物を用いた計測実験
レーザー光およびTVカメラから見て陰となる部分をできるだけ減らすためにレーザ発射台
の取付位置と角度を変更する改造を施した。すなわち,レーザースキャンの中央点でのθは改
造前の63,1Qから82.9。に増加し,レーザー射出点とカメラ撮像面中心との水平距離Dを67
cmから27 cmに短縮した。その結果,より真上に近い位置から照射する形になり,測定可能な範
囲(レーザーおよびカメラの視野の重なる面)はカメラから2m離れた基準面(床面)上で約
30cm四方となった。
改造後,鉢植え植物(プリムラオブコニカ,P而〃z%1α砂oo蛎6α)の立体構造を本装置で計
測した。実験は室内で消灯し,外光はオフィス用の灰色ブラインドで遮った状態で実施した。
またレーザー光(赤色)の反射を良好にするため,葉表面に白色ラッカーをスプレー塗布する
必要があった。図4−16{a),(b)は,白色ラッカーを塗布したプリムラで得られた3次元データ
から,側面図と平面図を描いたもので,〔a}は花部だけを除去したもの,(b)は一部の葉も除去し
た場合の例である。これらを,実物と比較すると,レーザー光の届かない陰の部分以外は,よ
くその立体構造を表わしていることがわかった。
3次元データから,葉によって反射されたと推測される画素(光点)の個数を数えることが
出来る。鉢植え植物の葉を小量ずつ除去しながら,3次元データを取り,その時の葉面積と光
点数との関係を調べた。図4−17は,プリムラの葉面積と,植木鉢の上縁より上方で検出され
た光点数との関係を示すものである。測定は,各々の葉数段階で,植木鉢を1200ずつ水平に
回転させて3回行なった。約8dm 2までの葉面積と,光点数はよく直線関係を保っており,
植物の形態によっては本装置が,葉面積の非破壊測定に使えるものと考えられた。
一78
(a)40
(b}40
Side view
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図4−16
X(cm) . X(cm)
白色塗装された鉢植え植物(プリムラオブコニカ)の計測で得られ
た側面図(上)と平面図(下)
a」花茎を切除したもの
b,花茎および一部の葉を切除したもの
Fig.4−16
The side view(upper)
and the top view(10wer)of a white
lacquer・sprayed potted pl ant measured by the Iaser crop radar.
a.Apotted plant without the flower stalks,
b. Apotted plant without the flower sta里ks and some of
leaves.
一79一
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図4−17 白色塗装した鉢植え植物の計測から検出された光点数と
葉面積との関係。各点のバーは標準偏差。
Fig.4−17 Number of pixels detected versus ieaf area of the potted plant.
次に白色ラッカーの代りに,実験後に洗浄することのできるタルカムパウダを散布した鉢植
えプリムラを使って植物への悪影響の少ない反射率増加方法を検討した。図4−18(a)は,タル
ヵムパウダを散布したプリムラ,図4−18(b)は無処理の同一植物で得られたデータをプロット
したものである。タルカムパウダを散布(少し白っぽくなる程度)することにより光点の輝度
が増し安定したデータが得られることがわかった。タルカムパウダが植物に与える影響につい
ては未検討であるが,測定後,水で十分に洗浄すれば特に問題はないものと予想している。
一80一
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X(cm) X(cm)
図4−18 タルカムパウダを散布した鉢植え植物(a)と無処理のもの{b)での計測結果
Fig.4−18 The side view (upper)and the top view (lower)of a talcum
powder sprinkled potted plant(a〕and non−treated plant (b)
measured by the laser crop radar.
(3}ポット植えのダイズを用いた計測実験
前節では,供試植物体に白色塗料や白粉を塗布することにより,赤色レーザー光の反射強度
を増大させてコントラストの良好なデータを得た。本実験ではTVカメラの受光感度や絞りを
調整し,特別な処理を施さない作物体による反射光の検出を試みた。
a.材料および方法
5万分の1アールポットにわい性のダイズ(品種えぞにしき)を一粒播きし,双葉期から,成
熟期まで栽培し,その間,2週間に一度,レーザー作物レーダーによって立体計測を実施した。
立体計測は室内を暗黒にし,床に黒色布を敷きつめた上で同時に2ポットつつ行い,片方のポ
ットは全実験期間を通じて同じものを連続計測し,他方については計測終了後に,すべての葉
身の一枚ごとの面積と乾物重を計測した。さらに得られたデータを3次元表示するソフトウエ
アを整備した。
b.結果および考察
背景の反射と外光の遮断およびカメラの増感とにより,植物への特別な処理を施さないでも
ほぼダイズ葉の輪郭をとらえることに成功した(図4−19)。しかし,植物体が存在しないのに輝
点ができたり,データが欠落したりするエラーやノイズは,前節の白色塗装した実験よりも増
加した。これは,同じ葉表面でも,レーザー光線に対する角度等の相違により,反射強度が微
妙に変化するためと,カメラの絞りを開け,増幅器の利得を上げたためにノイズが混入し易く
なったのが原因と考えられる。
一81一
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図4−19 レーザー作物レーダによりとらえたダイズ(品種えぞにしき)
の平面図と側面図
a. 6月15日測定 b. 7月13日測定
c.8月10日測定 (いずれも1985年測定)
Fig.4−19 for growing soybean plants.
The side views and the top views
Measur6ment dates are J une 15(a},July 13(b}, and August 10(c)in 1985。
得られた3次元データから作成した平面図,側面図(図4−19)によってダイズの成長の過程
や葉のおよその角度,重なり具合,宇高などを調べることができた。草高測定誤差は,約30cm
の草高に対して1cm以内に納まった。計測精度は画像の画素分解能に依存するため,現在の256
×256画素では不足で少なくとも512×512画素程度が必要と考えられる。
X−Y−Zの3次元空間に散らばる各輝点を直軸側投影法により,立体表示したものが図4
−20である。パラメータを変更することにより,様々な角度から投影した図を描かせることが
可能である。
一株当たりの総輝点数と全葉面積との関係を図4−21にプロットした。両者の相関係数は
0.90***である。しかし葉面積が大きくなるとレーザ光が葉の相互遮蔽により下位まで到達
しなくなるため,葉面積の増加に比して輝点数が少なくなり,誤差が大きくなるものが見られた。
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の直軸側投影図
a,6月15日測定 b.7月13日測定
c.8月10日測定 (いずれも1985年測定)
Oblique projections o至soybean plants measured by the laser
crop radar on Jtme i5(a), J函y 13{b)and August 10(c)ir11985.
一82一
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、
X
レーザー作物レーダによりとらえたダイズ(品種えぞにしき)
図4−20
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図4−21 ダイズにおける輝点数と株当り葉面積との関係
y=26.4十〇.037x r=0,904***
Fig.4−21 Relatiorlship of the total number of pixels (x)and the leaf area
of potted soybean plants (y)。
y=26.4十〇.037x r=0.904***
(4)近赤外レーザー光源への換装
ヘリウムーネオンレーザーは波長633nmの赤色域で発振するが,この波長域での緑色植物
体の反射率は数%に過ぎないことが知られている。画像の質を向上させるためや屋外での測定
実験には,光源の出力を増すか,あるいは,植物での反射率のより高い波長を選択する必要が
あると考えられた。しかし出力の増加には費用の問題や実験上の危険性が増す。そこで比較的
蜜価な波長782nmで発振する半導体レーザー光源を購入し,光源部を交換することにした。
この波長での植物体反射率は20ないし40%と考えられる。この際,現用のTVカメラはある程
度近赤外域での感度を有するため改造は干渉フィルターを使ったバンドパスフィルターの交換
だけにとどめた。その結果,近赤外レーザー光の植物体上での反射を捉えることには成功した
が,新たに次のような問題点が生じた。すなわち,TVカメラの感度が依然不足しており,期
待したほど背景ノイズとのコントラストが十分に得られなかった。また,波長が長くなったこ
とに起因すると見られる画像のにじみが顕著になり,計測精度が予想したほどには向上しなか
った。このような障害により,現有のシステムでは窓から自然外光が差し込む状況では植物を
実用的な精度で測定することは困難であることがわかった。また近赤外レーザーはヒトの目に
見えないため,実験の際は不便であると同時に危険でもある。結局,上記の問題点は,より高
出力の赤,近赤外の2波長のレーザーを同時に使い,さらに感度の優れたカメラと専用のレン
ズ系を採用することで技術的に解決する必要があると考えられる。
一83一
4.摘
要
TVカメラとコンピュータを組み合わせた画像処理技術を駆使して作物個体群の立体構造を
計測・認識することの可能性を検討した。
1)2眼カメラによる立体視の原理を応用したステレオTVカメラシステムと各種画像処理お
よび3次元計測ソフトウエアを開発した。室内で鉢植えのインドゴムノキを測定したところ,
その葉の空間配置・角度・面積などを実用的な精度で計測できることがわかった。
2)しかし,屋外のダイズ個体群では形状が複雑なことから,現有のコンピュータでは3次元
計測は困難であった。
3)現今,コンピュータやメモリ,TVカメラなどの高速化・大容量化が著しいので同様の原
理で今日実用レベルの装置を作ることは可能と考えられる。
4) 1台のTVカメラとレーザースキャナで物体の3次元計測を行うレーザー作物レーダを開
発した。遮光した室内では約15分闘でほぼ確実に3次元データを収録することができた。
5)このシステムを使うことにより,ポット栽培のダイズの成長過程を同一個体について連続
的に追跡し,また葉面積の非破壊計測を試みた。しかし,遮光しない場合にはレーザーによ
る輝点の明るさが背景に対して不足するため画像にノイズが生じ,測定は困難であった。レ
ーザー光源(ヘリウムネオン)の波長が植物に吸収される赤色域であるため,生きた植物を
測る場合,レーザー基点の反射率が低いのが原因のひとつと考えられた。そこでレーザー光
源を近赤外船(半導体レーザー)に交換して実験中だが,画像のにじみなどが問題となり現
在のところ屋外での試験にまで至っていない。
引 用 文 献
1)石井 優(1982),レーザーを用いた物体認識と環境教示システム.オートメーション
27 : 23−29.
2)宇田川武俊・内山善兵衛・堀江武・小林勝次(1968),作物群落内におけるエネルギーと
ガスの交換に関する研究(3).日輪紀37:589−596.
3)榎本 肇編著(1978),画像の情報処理.コロナ社.
4)西尾元充(1971),だれにもわかる写真測量一空中写真の見方・読み方・測り方.オー
ム社.
5)宮本岩男・北村曼一・白井良明(1971),レンジファインダによる3次元物体の計測。電
子技術総合研究所彙報35:297−307.
一84一
Three−Dlmenslonal Measしlring for Crop Canopies with TV
Cameras and Computer−Aided Image Pγ・ocessing
Michio SH]=BAYAMA, Tsuyoshi AK工YAMA,
Toshimichi WA田ANABE l and Ken MUNAKATA2
National 工nstitute of Aqro−En▽ironmen七al Sciences
l) National Research 工nstitute of Veqetables, Ornamental Plants
and Tea, Kanaya, SH工ZUOKA.
2) Tohoku National Aqricultural Experiment Station, Morioka, 工WATE.・
Summary
Two measurinq equipments with T▽ cameras and computer have been
developed for’measur■nq the shape of plant bO内ies and the struc−
ture of crop canopies which affect the efficiency Of phQtosynthesis
or yield。
1)Astereo TV camera syst二em emp:Loys twO工TV cameras, imaqe memories
Of 256 x 256 pixels, and a mini−computer with l28 kW memory and 5
MB disk drive. The heiqht of the plant part can be calculated by
measurinq the 冒ldistance11 between the pair of. equivalent points on
the stereo imaqes。 The 3−D measurinq software includes ▽arious
imaqe processinq routines such as smoothinq, line−drawinq, oblique
proゴec七ion, and so on。
The exemplary measurement fOr a pOtted rubber tree was made
successfu⊥ly to show the position, anqles and area of each leaf・
2) ApPlication for a soybean canopy did not resul七ed satisfactory
because the computer was too small for such huqe and complicated
imaqe dat二a.
3) Cost t二〇 perfOrmance of compuもers and 工C memories are decreasinq
day by day, sO that二 土t is hopeful to device a hiqh speed syst二em。
4) A laser crop radar employs an ITV camera, a laser beam scanner,
a video processor, and a desktop computer. The laser beam scanner
projects and moves a liqht point on the obゴect。 The picもure at
一85一
each instant is taken by the 工丁▽ camera and the distance to each
point is obtained by triqonometrical calculation。 It requ土res l5
minut二es to take a 256 x 256 pixel imaqe.
5) The laser crop radar could detect the shape Qf a potted sOybean
plant throuqhout i七s qrowinq season。 However, it was difficult to
use it Outdoors。
一86一
V 植物生体電位計測システムの開発
平尾常男・荒井成彦
1.國
的
従来,植物の電気生理学的研究は,さまざまな生命現象を解明する方法の一つとして,微小
電極を用いて細胞レベルの電気現象をとらえることを中心として発展してきたσしかし,植物
個体を立毛状態のまま,その電気現象を非破壊的に把握することは,ほとんど行なわれなかっ
た。最近になって,このような試みがいくつか行なわれはじめている1・2・6・7・8)。この研究も
その一つである。
植物を立毛状態のままで,その電気現象が非破壊的に把握されるならば,その結果は植物の
生命現象の解析に有効であると考えられるだけではなく,健康状態や環境条件などの診断技術
として,さらには環境制御技術として発展させうる可能性をもっていると期待される。そのた
めには,まず安定した計測システムを開発しなければならない。
計測システムの第一の要となるのは,電極である。電極は,非分極性に優れ,植物に障害を
与えず,かつ長時間安定して作動するものでなければならない。そして,電極から導出された
生体電位変化は,その波形も含めて正確に増幅記録される必要があり,そのためには前置増幅
器の入力インピーダンスがきわめて高いことが要求される。また目的とする入力情報が微小で
あると予想されるので,雑情報(ノイズ)の混入を極力防止しなければならない。さらには,
環境条件との関係についての生体電位変化の標準パターンを確立するため,環境条件を制御し
うる装置が必要である。これらの条件を満足させるような電極の作成やインピーダンス変換・
増幅・記録システムの検討およびその他の装置の作製を,実際の生体電位計測を行ないながら
システムの開発を進めることとした。
2.材料と方法
2.1 供試植物
生体表面電位計測には,インゲンマメ(1=)〃σ3θo〆z63 zノ%19α7ゴε L・)の養液栽培(肥料:ハ
ィライザー使用)のものを主とし.一部に養土栽培(用土:パームキュライト使用)のインゲンマ
メとオランダイチゴ(F7σ9α短σoぬ〃。θπ3ゴ3 Duch)を供試した。また,生体組織内電位計測にお
いては,養土栽培したオウゴンカズラ(5噛。歪忽αρ3z6ε σz67θz6ε EngL)およびセントポーリア
(30魏加%〃αH・Wendl・.)と,養液栽培(肥料:ハイポネックス使用)のシロフハカタツユ
クサ(τ7σolθ30σπ’ゴσ ノ7%吻ゴηθ2z3ゴ3 Vell・)を供試した。なお,裁培は1/5000αのワグネ
ルポットを使用し,養液が常に一定量供給されるような装置を施した。実験に際しては供試用
植物を計測装置内に移して,3日以上その環境に順応させた後に電位の計測を開始した。
2.2 生体電位計測システム
生体電位の測定は,生体一電極一インピーダンス変換器一記録計およびモニターの系による,
農業生部資源研究所機能開発部
一87一
いわゆる電気生理学的システムを用いた。植物生体情報としての生体電位を解析するためには,
まず目的に添った一定の環境条件を設定して,その条件下における電位変化の基本パターンを
明らかにする必要がある。そこで,実験の環境条件の設定には,温度,湿度および照度を,そ
れぞれ5∼45℃,30∼80%RH,および0∼280001uxの範囲で変化させうるグロースチャン
バーを用いた。そして,このチャンバーから発生するノイズや,アーティファクトを防ぐため
に,チャンバーの内壁に導電性透明フィルム(帝人KK製)を被覆し,アース回路に導通させ
てシールドを施した(図1)。なおチャンバーは,表面電位変化の基本パターンの計測実験に使
用したが,組織内電位計測実験は,実験室内に設置された防振台墨のシールドボックス内で行
なった。また,屋外の自然環境条件下における実験では,シールドボックス等による検体の被覆
をしない方法を試みた。
a
a:hght
「一一一一P一一一 一皿『閏一聖1
1 1
b:Electromagnetic shield
1 5
i l
ib
i還
d
c:Growth chamber
d:Thermometer and
photometer
e
e: 1凱Pedance converter
f: Morlitor
9:Recorder
f
レ 一 r r 一 一 一 一 噌 一 一 一 r一 吋
C
暮
ア
図5−1.植物生体電位測定装置の概要
Fig.1 Schematic diagrarn of the measurement system of
bioel㏄tric potential in plant.
このシステムに用いたインピーダンス変換器およびモニターは,それぞれ日本光電工業(株)
製のプリアンプ(MEZ−7101および8201)とブラウン管オシロスコープ。(VC−10),記録
計は東亜電波㈱製のEPR−231A,241Aならびに,横川北鷹気㈱製のハイブリッドレ
コーダー(3087)であるdまた,気温,葉書,および照度の測定には,それぞれ東亜電波(株)
製のTH−FU−112A,英弘精機(株)製のMI−1501Rサーモ,およびミノルタカメラ(株)製
のT−1照度計を用いた。
2.3 生体電位導出用の電極の作製
立毛状態の植物から,その生体電位を長時間連続的に計測するには,微小電極を用いて行な
う細胞膜電位の測定方法では,極めて困難である。したがって,その目的に適合した方法とし
一88一
ては,生体の体表から電位を導出する表面電極を用いるか,あるいは生体の組織内から電位を
導出する針電極の使用が考えられる。今回はその二種の電極を作製し,検討を行なった。
なお,方法などの詳細については,必要に応じて結果の項で記述する。
3.ii建験結果
3.1 表面電極の作製と生体電位計測
(1)表面電極の作製とその導電性
電極は,非分極性で,電位導出の際に植物体表の任意の部位(地上部)に設置が容易であり,
長時間安定した機能を果し得ることが必要である。すでに,その目的に添った表面電極(フェ
ルト電極)を試作し,その概略については報告したが4),今回はそれをもとにさらに改良し,
検討を行なったQすなわち,図5−2に示したように,プラスチックボックス(10×30×5
㎜)に電解質溶液を注入したクリップ型の電極を用いて,検体一電解質溶液一銀線(1㌧9−AgC1)
一計測器の系によって生体表面電位を導出するものである。これに用いる電解質溶液はKC 1
とし,電極の保水性を高めて使用可能時間をできるだけ長くするために,電解質溶液1認中に
○
飢尉5◎
a f
a: SupPorting Plate of sumple
b: Plastic box
c:Felt
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? :♪ 、 、
@o
d: Fulcrum
』一_ __。 _ _ _ __
∵∴ゴ’;・’∴㌔唱㌔・’5=..__.一_
●。。ゼ・ 。・ ・.∴:… 、,吟丁
r…惹d
f: Spr ing
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堰@ e b
9:Wire(Ag−AgCl)
h: Sample
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P(軌、 oo、鴨 卿 皿 吻 ロ
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e: Sample holder
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i:El㏄tromagnetic shield
p ㎝ ㈱
_ _ _Pρ 仰_ _ _ __」
図5−2 表面電極(フェルト電極)の構造
Fig.5−2 Construction of the electrode for measurement from
the surface of plant(felte1㏄trode)
含水性高分子材(アクリルアミドー2一メチル‘プロパンスルポニックアシド:日本光電工業KK)
30mgを加えた。、そして,それに挿入する銀線は,径200μmのものを用いて,常法によるAg
−AgCl処理の非分極性とした。プラスチックボックスの外側面にはアルミ箔を接着被覆し
そのアルミ箔部にプリアンプ入力端子までのリード線(極細シールド線:ME−PFA−FEP−
SW日立電線)のシールドとを導通させて,ノイズ等の防除効果を高めた。このようにして作
製した表面電極は,電解質溶液を含んだ細いフェルトの東で検体と電気的に接触することにな
るが,その接触面積は,約3㎡であった。なお不関電極は,銀板(10×150×0.5㎜)をAg−
AgCl処理して用いた。
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(B):Circuit for measuring the conductivity on the network of the
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b: Felt electrode
c;Measurement system
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3:Wave−form pattern on the A−circuit(0.003mM−KCI)
4:Wave−form pattern on the B−circuit(α03 mM−KCI)
ついで,作成した表面電極の導電性をみるために,図5−3に示した尉と{B)の測定システム
を用いて,キャリブレーター(10mV lKHz)による矩形波の印加に対する電極の伝導性と抵
抗値を調べた。(A)は,表面電極と不関電極とを短絡させて,電極への注入電解質溶液(KCl)
濃度の0.03mMと0.003mMとについて,比較したものである。その結果,パターン2とパタ
ーン3に示したように,前者は標準の印加波形と全く同一であり,その抵抗測定値は約250K
Ω程度であった。一方後者においては,矩形波に歪みを生じ波高も低下し,その抵抗測定値は
3MΩ以上もあり,0,003mMでは溶液濃度が不足していることが明らかとなった。つづい『d
(B}では,KC l濃度α03mMの電極を用いて不関電極一検体一表面電極の電導回路について調
べた。その結果,パターン4に示したように印加波形は,IE確に導出されていた。これらの結
果から,以後の実験はすべて0,03mMKCI溶液濃度の電極を用いることとした。’
(2)作製電極の植物体表電位導出機能の観察
上述した電極の表面電位導出機能をみるために,養液栽培した検体を用い,気温25℃,湿度
50%RH,光条件280001ux, L 14;D10の下で実験を行なった。図5−4は,その電位導出
回路と,24時間の電位変化記録パターン(記録紙速度10㎜/h)を示したものである。不関電
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生体電位変化パターン
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Iower hypocotyl of P〃σ3θ01z68 z協〆go万3 L.
極は養一中または養土中に,表面電極は葉身・葉柄・下胚軸の各部位に,それぞれ設置した。
そして,不関電極を基準とした各表面電極からの電位を計測システムに導入して同時記録を行
った。その結果をみると,葉身においてはDCレベルが一40mV前後に,また,葉柄および下
胚軸においてはDCレベルが一70:mV前後であり,葉身は葉柄よりも約30mV DCレベルが高か
った。また,Light−on,一〇ff時に,それぞれ特徴をもった多相性の波形を示す電位変化がみ
られるが,その波高値は下胚軸く葉柄く葉身の順に大きくなり,葉身の反応が顕著であった。
ちなみに,葉身の電位記録パターンを詳細にみると,図5−5に示したように,Light−on
時においてn−1∼n−6,Light−offl時には, f−1∼f−4の特徴ある多相性の電位変化
が示された。この電位変化は,いわゆる“光電反応”といわれているものである3)。そのほか
には,明期においてこきざみの電位変化がみられた。なお,この電極が長時間の使用に耐える
かどうかをみるために実験終了後も計測を続けたが,測定開始後15日を過ぎてもなお安定して
おり,検体の生育が進んだこともあってここで計測を中断した。以上の観察結果から,植物の
一91
環境に対する生体情報計測にその体表電位をパラメータとする場合,顕著な電位変化を示す葉
身が最も都合がよいと考えられるので,以下の実験は葉身の表面電位(以下生体電位と略称)
計測を中心にして行なうこととした。
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∼f−4 ;Each co卑Ponent of potential changes in response to light−off〔
照度の変動に対する電位変化 はじめに,通常の明一暗周期における明期の照度の違いが生体電位にどの様な影響を与え
かについて,照度と生体電位との関係を経時的にみる実験を試みた。図5−6は,気温2
,湿度50%RHの環境において,光照射を5時から19時(L14:D10)に設定し,明期にお
三段階の照度に,図示したように順次変えた場合の電位変化パターンを連続記録したもの
る。2日目の明期の中間に4時間だけ70001uxに照度を低くしたが,その照度を下げた
と280001uxの照度にもどした時点に小さい “光電反応”がみられ,照度を70001
とした4上聞のDCレ・ドルは若干高くなった。つづいて明期の照度を3日目に140001ux,4
に70001uxとしたパターンをみると,照度が低くなるに従ってそのDCレベルは高くな
向がみられ,それが一期に入っても,@(1日目)の十一30mVに比べて⑤(3日目)の
10mV,⑥(4日目)の約5mVと,DCレベルの上昇が続いた。また,それぞれのL
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(4)環境温度の変動に対する電位変化
環境の.温度変動が,生体電位にどのような影響を与えるのかを観察するために,照度を10000
1uxとしてL12:D12に設定して,通常の生育温度と考えられる変動範囲で実験を行なった。
図5−7はその記録パターンを示したものである。記録{淘は,明期を34℃,暗期を22℃の気温
変動条件下で養土栽培の検体を用いた場合の記録であるが,このパターンから,気温22‘ 獅ノお
いてはDCレベルは一60∼一70mVに下降し,34℃では一20mV前後にまで上昇するという変
化が認められた。この顕著な現象は,単に気温の変化だけではなく,日周性ぼどの生体の内性
リズム1・2)が重なっていることも充分に考えられる。それで,それらの重なりを防ぐために,
1日間の明期・暗期を通して,25℃(1日目)→35℃(2日目)→25℃(3日目)と順次に気
温を変化させて,その反応を観察してみた。その記録パターン{B)をみると,ユ日目の25℃にお
いてはそのDCレベルは一40mV前後にあるが,2日目に30℃に気温を上げるとDCレベルは
一20mV‘ O後にまで次第に上昇するという変化がみられた。つづいて,3日目に25℃に戻すと
その夕刻には一35mV前後へと1日目(25℃)のレベル近辺にもどり,さらにつづいて,4日
目に気温を20℃に下げるとDCレベルは一50mV前後のところまで下降するといった変化がみ
一93一
られた。これらの実験結果から,気温が下がればDCレベルは下降し,,気温が上がればDCレ
ベルも上昇するという気温とDCレベルとの対応関係が示された。また, Light−on,一〇ff時
の“光電反応”をみると,25℃のパターンに比し30℃および20℃の両方ともに波高値が小さく
なり,波形にも変化がみられた。
上述の〔3)および(4)の実験結果から,生体電位は,照度の変動および気温の変動に対して,そ
のDCレベルおよびで禮光電反応”に変化が示され,とくに照度に関しては,明期の照度が不十
分な場合にDCレベルは上昇し,それが暗期に入っても継続すること,また温度に関しては,
明期の照度が一定であっても温度の違いによってDCレベルが顕著に変化することなどから,
温度や照度の変動による光合成や呼吸などの生理機能の変化と,生体電位の変動との間の関連
性が強いことを示唆しているものと考えられる。
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図5−7 インゲンマメ葉身の気温変動に対する電位変化パターン
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(A): Soil culture (B)二Hydroponic cul ture
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一94一
⑤ 光円成機能の阻害に対する電位変化
そこで,まず光合成機能と生体電位との関係をみるために,光合成に対して阻害作用をもつ
プロメトリン(中外製薬KK:ゲザガード粒剤2.5)を用いて検討してみた。実験は,25℃
280001uxとして通常の明暗リズムの環境条件のもとで生体電位の記録を開始し,2日目
に阻害剤を険体のポット内にその濃度が30ppmとなるように添加してその反応を連続記録によ
って観察した。図5−8はその記録パターンである。この記録から明らかなように,阻害剤添
加前の1日目においてはLigh−on,off時の多相性の波形,すなわち,“光電反応”の通常の
パターンが観察される。これに対して阻害剤添加後の反応においては,添加数時間後のLight
−off時の“光電反応”に影響が現われ,その波形は小さくなった。そして,添加して麗時間
経過以後の‘ヒ光電反応”は,Light−onは正の方向の単相波形に, Light−offは負の方向の単
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図5−8 インゲンマメ葉身の生体電位に及ぼす光合成機能阻害剤の影響
Fig.5−8 Effect of the photosynthesis inhibitor on the bioelectric
potential of p加3θo如ε lamina
(11∼(4): 1st day∼4th day
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一95一
相波形に変化する現象がみられ,明期の細かい電位変化はみられなくなった。さらに,薬剤を添
加して50時間経過後あたりからDCレベルに上昇の傾向がみられはじめた。
このように,光照射に対する生体電位の反応は光合成と密接に関連していることが示された。
なお,DCレベルの変化については,薬剤添加後かなり遅れてから現われることから1それは
光合成機能の阻害による二次的影響であろうと考えられる。
⑥ 呼吸機能の阻害に対する電位変化
つついて呼吸機能と生体電位との関係をみるために,呼吸の阻害作用をもつPCP(保谷化学
KK:PCP水溶剤)を用いて,それに対する生体電位への影響について実験を行なったQ図5
−9は,上述同様に照度280001uxの通常の明暗リズムの環境条件のもとで,ポット中の濃度
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図5−9 インゲンマメ葉身の生体電位に及ぼす呼吸機能阻害剤の影響
Fig.5−9 Effect of the respiration inhibitor on the bioe豆ectric
potential of p肋3θ01%3 1amina
(11∼(4}:1st day∼4th day *1 30 PPm of PCP was added
一96一
その結果をみると,PCPを添加して30分後あたりからDCレベルに上昇の変化が起こり,その
添加前に比し添加数時間後において20mV前後の上昇が示され,その状態は継続された。一方
“光電反応”においてはLigh卜offのパターンに現われる波高地が相対的に小さくなるよう
であったが,その波形に顕著な変化はみられなかった。この実験から,呼吸機能は,生体電位
のDCレベルとの関連性が高いことが示された。
なお,薬剤添加に対する生体の生理的影響は,外観上はプロメトリン,PCPの両方ともに添
加2日後あたりから,葉身が僅かに下垂したかにみられる程度であり,視覚的にその影響を判
定するのは極めて困難iであった。これらの結果から,生体電位計測では,外観上の異常が観察
される以前から生理的異常をとらえることができる,という可能性が示された。したがって,
植物の除草剤などの薬効や薬害に対する妻定方法として,生体電位計測は極めて有効な方法で
あると考えられる。
(7}麗外における生体電位の計測
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図5−10屋外におけるイチゴの生体電位変化パターン
Fig・5−10 Bioelectric potential on 1日号9α7ゴα oん〃06π3ぎ3 Duch
under the outdoor conditi ons
①:Light intns{ty(×100001ux)
②:Temperature of lamina(℃)
③:Atomospheric temperature(℃)
④IEIectric potential (mV)
一97一
Time
自然環境下における植物の生体電位を計測する場合,ノイズ等の侵入を防ぐために検体をシ
ールドボックス等によって被覆することは,自然とは異なった環境を与えることになる。した
がって自然環境下では,シールドボックス等を用いないで計測する必要がある。計測システム
においても最もノイズ等の侵入しやすいのは,電位導出電極からインピーダンス変換器入力部
までの系である。そこで今回は,シールド効果を高めるように改良した表面電極を用いて,屋
外における生体電位の計測を試みた。実験は,ポットによる養土栽培のイチゴを検体として屋
外におき,計測システムをセットして,そのノイズ防除効果を確かめるとともに,天候の変化
に対してどのような電位変化が記録されるのかを,併せて観察した。図5−10は,1987年2月
19日から4日間における照度,気温,葉温および生体電位の並列同時記録のパターンを示した
ものである。この記録から,まず,生体電位の記録パターンにおいて,ノイズ等の侵入がほと
んどみられないことが確認された。この記録期間の天候条件は,2月19日:快晴,20日:晴時
々曇り,21日:薄曇り,22日:曇りであり,気温は一1℃∼14QCの範囲で変化し,その時どき
の照度,気温および,革製に対応して,その生体電位変化が詔録された。すなわち,それぞれ
の昼間におけるパターンをみると,晴でも雲の流れによって直射日光が遮られたり,曇天でも
雲量が変化したりして照度や気温が刻々変動し,それに応じた変化が生体電位に表われている
ことが示された。なお,夜間に気温が一1℃に下がったが,生体電位の導出に支障は生じなか
った。
以上の結果からみて,屋外においてはシールドボックス等を使用しなくても生体電位の計測
は可能であることが明らかとなった。
3.2 生体組織内電位導出用針電極と生体電位計測
(1)針電極の作製
植物の生体表面電位計測法の開発に続いて,できるだけ非破壊に近い状態で,生体組織内電
位計測のための針電極の作製を試みた。立毛状態における長時間の生体電位計測に,針電極を
用いた例はこれまでには見当たらない』もし,生体内への針電極挿入の障害が無視できる程度に
小さければ,生体と電極との接触面における分極電圧の発生を抑えやすいと考えられるので,
針電極による生体電位計測法は簡便で優れた方法となる可能性がある。
針電極としては,長さ3−」4c皿,直径200μmのテフロン被覆銀線を用いた。この一方の先
端を約300μln程度銀線を露出させ,針状に研磨した。そしてこの部分は,常法により,Ag−
AgC1処理を行ない非分極性とした。なお,この電極と植物組織との電気的な接触面積は0.09
∼0,1m㎡である。この銀線のもう一方の先端とプローブとの間をきわめて細いシールド線で接
続し,電極からのノイズの混入を防止した。
供試植物には,養土栽培,養液栽培ともにすべて養液としてハイポネックス(5−10−5)
の1000倍液を用いたので,この養i液内に試作した針電極と不関電極を設置し,電極の非分極性
を確かめた。さらに,キャリブレーター(10mV,1KH z)による 形波を用いて波形パター
ンも正常に導出しうることを確認した。
② 針電極による生体組織内電位導出
まずはじめに,表面電極を用いた組織内電位との比較を行なった。供試植物は養土栽培をし
たオウゴンカズラである。表面電極は地上第二節目の茎に設置し,その反対側から茎の内部に
針電極を挿入した。この二つの電極からは,差動型プリアンプにより電位を導出し,土に対す
る茎表面の,土に対する茎組織内の,および茎組織内に対する茎表面の三種類の電位を同時に記
録したQ記録は15日間続けたが,そのうちの一日間の記録を示したものが図5−11である。三
種類の電位変化ともLight−on, roffに対応したいわゆる“光電反応”が見られた。三種類の
電位の比較においてちがいが見られるのは,電位のDCレベルと明期,暗躍におけるその差で
一98一
①
Potential difference
between the surface of
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②
Potenしi al difference
be亡ween the inner part
②
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③
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図5−11 オウゴンカズラの茎における表面電位と組織内電位の比較
Fig.5−11 Comparison of the electric potential in the innet part
with the potential on the surface of 80伽げoρ3粥 caulis
ある。土に対する茎表面電位のDCレベルは茎組織内電位よりも低く一100mV前後を示した
が,明暗による差はほとんどみられなかった。しかし,茎組織内電位のDCレベルには明暗によ
る差があり,明よりも暗においてDCレベルは低下した。したがって,茎組織内は表面よりも
その電位は低く,明よりも暗においてDCレベルは上昇するという結果が得られた。この実験
に明らかなように,針電極の生体組織内への挿入により,きわめて安定した,しかも長時闇の電
位導出が可能であり,もちろん植物の生育にも何ら障害が生じなかったので,針電極による生
体組織内電位計測は優れた方法の一つであることが示された。
図5−12は,土に対する茎組織内生体電位変化を,地上第一,第三,第五,および第七回目
の茎に針電極を挿入して同時に計測記録した結果を示したものである。これらの結果をみると,
全体として図5−11の土に対する茎組織内電位変化の結果とほぼ同じパターンが得られており,
茎部位の上下によるDCレベルと明暗によるその差や,変化のパターンにほとんどちがいない
ことがわかる。しいていえば‘‘光電反応”が上位の方がやや大きめである。この結果から,茎
一99一
組織内の生体電位は,先端の幼若部などを別にして,測定部位にはこだわらなくてもよい,と
考えられるQなお,この実験において,試作針電極の長時間安定性を確かめるために計測を続
行したが,測定開始後73日を経ても記録はきわめて安定していた。
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図5−12 オウゴンカズラ茎の各部位における組織内電位変化六ターン
Fig.5−12 Electric potential patterns in several inner parts of
5,6Zπolσρ3ε4ε cau I is
Potentials were recorded as the difference between the measurement
point and、soil. The measurement points were as follows:
①The central part between the lst node of caulis and the 2nd
node
② The central part between the 3 rd and the 4 th
③The central part detween the 5 th and the 6 th
④The central part between the 7 th and the 8 th
The node was ordered from the bottom level upward.
次に,茎葉柄,葉身などの異なる器官において,その組織内電位変化のパターンにちがい
があるかどうかについて比較を行なった。このうち葉身については,やむをえず葉脈(主脈)
のできるだけ先端に近い部位に針電極を挿入した。その結果は図5−13に示したとうりである。
土に対する植物生体電位は,当然土壌自体の電位も含まれており,しかも後述するように,
その電位は土壌条件によって左右されるから,この実験ではその影響をなくし,植物自体のも
つ電位のみを記録することを試みた。すなわち,土に対する植物各部位の組織内電位から土に
対する地下部の茎の組織内電位を差し引き,地下部の茎に対する電位変化として記録した。
地下部の茎は土よりも約100mV前後低い電位を示した。その地下部の茎に対する地上部の組
織内電位は,茎では約一70∼一別mVを示したが,葉柄,葉脈については約一20∼一40mVと,
地下部の茎との電位差は小さくなった。また,地上部の茎よりも葉柄,葉脈においてはは明暗
によるDCレベルの差は大きく,さらにLlght−on,一〇ffに伴う“光電反応”も強く,葉脈に
一100一
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図5−13 オウゴンカズラの葉脈,葉柄および茎における組織内電位変化パターン
Fig.5−13 Electric potential patterns in vein, petiole and caulis
ofεo勿4σρ3%ε σ%7θ%3 Engl・
おいて最大であった。
この“光電反応”の比較を,記録紙速度を6倍に上げ,パターンを拡大して示したのが図5
−14である。これをみると“光電反応”が茎よりも葉柄に,葉柄よりも葉脈に,より大きく表
われていることがわかる。そして,形は同一ではないが,“光電反応”が多相性である点は表
面電位と共通していた。
一101一
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②:Potential difference between B and A
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オウゴンカズラの葉脈,葉柄および茎におけるLight−onに対する
組織内電位変化
Fig.5−14
Electric potential changes in response to 喝電Light on”
in vein,petiole and cauhs of 30ゴπ4αρ3z63 (z%7θz6ε Engl・
一102一
③ 土壌水分(養液)が生体絡織内電位に及ぼす影響
土壌水分量(含水率)や養液組成などの土壌中の養液の条件が生体組織内電位に影響をおよ
ぼすことは,十分に考えられることである。そこでまず,土壌中の水分量の多少が組織内電位
にどんな影響を及ぼすかを調べてみたQ
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図5−15
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土壌水分量がオウゴンカズラ茎の組織内電位に及ぼす影響
Fig.5−15
Effect of the water content in soil on the electric
potential in the inner part of 30ゴπ4αρ3z43 caul is
図5−15のイラストに示したように,ハイポネックス1000倍液の入ったシャーレ内にポット
を置いてオウゴンカズラの茎の組織内電位を計測し,この水分(養液)を除去した場合や再び水
分を供給した場合の記録と比較し,土壌水分の組織内電位に及ぼす影響を調べた。この場合,
土に対する茎の電位とともに,植物自体の電位変化として,地下部の茎と地上部の茎の間の電
位差をも記録した。オウゴンカズラは水分不足によく耐える植物であるので,水分除去してか
ら約10日後に,やっと電位に変化が表われはじめた。すなわち,土に対する地上部の茎の組織
内電位が高くなりはじめたが,土に対する地下部の茎の電位変化はみられなかった。したがっ
て,地下部と地上部の茎の間の電位差も高くなっていた。水分除去後,15∼18日を経てから土
に対する地下部の茎の組織内電位も高くなりはじめた。図5−15に示した皿は,それらの変化
が最も大きく表われた水分除去28日後の記録である。土に対する地上部の茎と,地下部の茎で
それぞれ120∼160mV,90∼100mVDCレベルが上昇しており,したがって,地下部と地上
部の茎の間の電位差も30∼60mV程度高くなった。また地上部においては, DCレベルの明暗
による差がほとんど見られなくなった。なおこのときも,オウゴンカズラは水不足による“し
おれ”などの,外観⊥の異常は全く認められなかった。その後再び十分に水分を供給すると,
一103一
水分除去前とほぼ同じ状況に戻った。このように,水分不足は,土壌,植物組織内ともに電位
のDCレベルを高めるとともに,明暗によるDCレベルの差が減少することが明らかとなった。
次に,シロフハカタツユクサを用いて,養液組成のちがいが生体組織内電位にどのような影
響を及ぼすかという検討を行なった。この実験は,養液をすべて交換する必要があるので,土
を使用せずに水耕栽培で行なった。組成の異なる養液としては,普通の水道水とハイポネック
スのioOO倍液の二種類を用いた。まず水道水において計測し,ついで1日間ハイポネックス液
で計測後再び水道水で4日間計測した。そして最後にもう一度ハイポネックス液にもどして計
測を行なった。それらの結果として,それぞれの養液を用いた場合の明暗におけるDCレベル
の平均値を示したものが図5−16である。
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図5−16 養液組成がシロフバカタツユクサの組織内電位に及ぼす影響
Fig 5−16 Effect of the composition of hydroponicsolution on
the eleCtriC pOtential in the inner part of
7「7α4θ30απ’ガσ cau正is
一104一
水道水からハイポネックス液に養液を交換すると,組織内電位は瞬間的に大きく低下した。
その後水道水に戻しても,そのDCレベルはすぐには元のレベルには戻らずに,ゆっくりと数
日間かけて回復していった。そして,再びハイポネックス液に移すと,DCレベルは前回と同
じレベルに瞬間的に変化した。また,DCレベルが,明において高く,暗において低いという
現象は,水道水,ハイポネックス液に関係なく共通してみられた。
この実験では,養液下の茎に針電極を設置しなかったので,茎の部位間の電位差は記録でき
なかったが,水道水からハイポネックス液に移した瞬間に電位が大きく変化することからみて,
これは養液自体の,もしくは生体表面と養液との間の電位変化が主であると考えられる。また,
ハイポネックス液から水道水に移した後の,.数日間の電位のゆるやかな上昇による回復は,ハ
イポネックス液成分を吸収したことによる,植物自体の生体電位変化と以後のゆるやかな回復
現象であると考えられる。
以上の結果からみて,土壌中の養液(水分)の量や組成は,生体電位にかなりの影響をもた
らすことが明らかとなった。
(4)光に対する生体組織内電位の変化
続いて,セントポーリアを用いて,照度を変えた場合に組織内電位はどんな影響を受けるか
ということについて検討を行なった。照明は,シールドボックスの外部上方から,タングステ
ン白色電球(ビーム型)を用いて行なった。セントポーリアは,比較的弱い光を好む植物であ
るので,スライダックにより,1500,2000,および45001uxの三段階に照度を変えて実験を
行なった。なおこの場合,照度の変化とともに当然ながら温度も変化するが,温度制御ができ
ない装置で実験を行なったため,温度の影響を除くことができなかった。
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セントポーリアの葉脈および葉柄における組織内電位変化パターン
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Electricpotential’in the inner parts of vein and
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①:Potential difference
between vein and soil
②:Potential difference between petiole and soil
③:Potential difference between vein and petiole
一105一
図5−17は,・4500iuxにおけるセントポーリアの組織内電位変化のパターンを示したもの
である。この実験では,土に対する葉脈と葉柄,およびその差としての葉柄に対する葉脈の電
位を測定記録した。葉柄では明暗によるDCレベルの差もほとんどみられず,“光電反応”もま
たきわめて弱かった。一方葉脈においては,明暗によるDCレベルの差も大きく,“光電反応”
も強く表われた。そして明期においては,表面電位計測の場合と同様に小きざみの電位変化が
みられた。
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図5−18照度のちがいがセントポーリアの葉脈および葉柄のLight−on,
Light−offに対する組織内電位に及ぼす影響
Fig 5−18 Effect of light intensity on the electric potentials jn
response to light−on and light−off in vein and pe.tiole
of 8α勿’ραπ〃θHWend1.
1:Electric potential patterns in response to light−on
H:Electric potential patterDs in response to light−off
Light intensity(A):1500hlx(B}:20001ux(C)二45001ux
①:Potential difference between vein and soil
②:P6tential difference between petiole and soil
③:Potential difference between vein and petiole
一107一
(C)
このようなセントポーリアの電位変化パターンが,照度を変えた場合にどのように変化する
のかを調べてみたのが図5−18であるQここではLight−on,一〇ffに対する“光電反応”を記
録紙速度を6倍にして示した。この結果に明らかなように,葉柄では照度の強弱によるパター
ンの変化はみられなかったが,葉脈では明るくなるにつれて明暗によるDCレベルの差が大き
くなり,“光電反応”も強くなった。このような電位変化が生ずる照度の限界は,この実験条件
では,1500∼20001uxにあるという結果が得られた。
4.考
察
4.1 これまでの到達点
植物生体電位計測システムの開発にあたって,まず第一に,「植物を立毛状態のままで非破
壊的に,かつ長時間安定して生体電位を計測記録すること」を目標に掲げた。そして,この課
題を成功させる要は電極にあると考え,電極の開発に重点を置いた。
今回の結果をみると,環境条件を変動させない限り,生体表面電位計測のための表面電極
(フェルト電極)においても,組織内電位計測のための針電極においても,DCレベルや“光
電反応”を中心とした電位変化パターンが,ほぼ同一の形で24時間ごとにくりかえされるよう
に導出されることが示されている。しかも,この両者の電極によって,少なくとも表面電極で
は15日以上の,針電極では73日以上の計測が可能であることも確かめられた。さらに,環境条
件の変動に応じて,電位変化パターンもまた,規則的に変化することも確かめられた。これら
のことから,今回開発された二種類の電極をはじめとした計測システムの長時間にわたる安定
性は,きわめて高いと判断される。
これらの二種類の電極には,それぞれの長所や短所がある。針電極は,数十日を越える長時
間の計測が可能であるが,針を挿入する方式であるため,一定の組織の厚さが必要であるQ例
えば,葉身については,やや太めの葉脈でなければかなり使用困難であるが,表面電極は,地
上部であれば器官の種類を問わず,はとんどの部位に設置可能である。一方,根などの地下部
では針電極が適している。このようなそれぞれの長所を生かして使用すれば,計測可能範囲は
かなり広いものとなろうQ
この二種類の電極を用いて生体電位を計測した結果から,光や温度などの環境条件の変化に
対して,さらには薬剤などの化学的ストレスに対して,それぞれの刺激に応じた生体電位変化
が記録された。一方,屋外の自然環境下における生体電位計測においても,気温や照度などの
気象条件の変動に応じた電位変化が記録された。屋外の自然環境下における計測については,
今回の結果は,最終的な技術化という目標からみてほぼ満足されるものであっ・た。
以上の結果からみて,まだまだ改良の余地はあるとしても,第一の目標は達成されたと結論
される。
4.2 今後に残された問題点
これまでに植物細胞の膜電位は,イオン濃度勾配による拡散電位と,いくつかの起電性イオ
3)
ンポンプにより発生する電位とで成立っていることが明らかにされている 。しかし今回の実
験のような立毛状態の植物における生体電位変化は,多数の細胞における膜電位変化を総合し
たものとして計測されると考えられ,その変化の機構についてはまだほとんど解明されてはい
ない。このような複雑な立毛状態の植物生体電位変化機構の解明には,また植物の生育診断技
術開発をめざすには,電位変化パターンの解析がその鍵となろう。解析の基礎は,ある刺激に
対する生体電位変化の標準パターンを明らかにすることである。そのためには,その刺激以外
の条件を出来るかぎり一定に保つ必要があるQこの点では現段階はきわめて不十分であり,そ
一108一
のための実験設備の改善が急務である。
解析の指標としては,“光電反応”と電位のDCレベルの変化の二種類が有効であると考え
られる。 “光電反応”は,図5−6などでも示したように照度変化が大きいほど,その波高が
高くなる傾向が認められた。そして同一の照度変化のもとでも,温度条件や薬剤による化学的
ストレスの有無などの照度変化以外の条件の違いによって,“光電反応”の波高値や波形に影
響を与えることも明らかとなった。(図5−7,図8など)。このような今回の結果を出発点とし
て,条件設定をより厳密にしながら実験を繰り返す必要がある。
しかしながらこの“光電反応”は,短時間における急激なDCレベルの電位変化と考えられ
るから,また自然状態では,Light−on, Light−offのような極端な照度変化はありえないか
ら,生体電位変化パターンのより基礎的な指標は,電位のDCレベル変化であるといえよう。
再現性の高いDCレベル変化パターンを得るには,不関電極や基準電極の設置位置がきわめ
て大切である。不関電極はアースとして設置するのが常識的であるが,図5−15および図5−
16に示したように土壌条件の違いによってDCレベルは大きな影響を受ける。したがって今回
の実験では,養液栽培を基本とし,養土栽培においてもできるだけ粒をそろえたバーミキュラ
イトを単用とするなど,さらに養液量を一定に保つ装置を施すなどして,可能な限り土壌条件
を一定にするように心がけた。また場合によっては,アース電極(不関電極)の他に,基準電
極を植物体の適当な部位に設置して,差動型プリアンプによって誘導電極と基準電極の間の電
位測定を行うことにより,土壌条件による電位変動分を除去することも試みた。ただしこの場
合,基準電極部位において環境変動などに対する電位変化ができるだけ小さいことが必要であ
る。図5−4および図5−13の結果で明らかになったように,葉身〉葉柄〉茎の順にその電位
変化が小さくなるので,基準電極は茎に,可能であれば地下部の茎に設置した。いずれにして
も,この不関電極や基準電極の設置位置の問題は,もっと検討を繰り返す必要がある。
インゲンマメの葉身における電位変化のほとんどの場合(図5−4,図5−5など)や,セ
ントポーリアの葉脈における電位変化(図5−17)には,小刻みな電位変化がみられることが
多かった。これは,チャンバー内の温度制御がかなり小刻みに行なわれ,それに応じて葉温も
また小刻みに変化することと関連が強いと考えられる。しかし,図5−17に示したセントポー
リアの場合は,温度制御を行なわない実験室での結果であるので,温度制御と無関係な小刻み
な電位変化も存在するとみてよい。今後は,葉温変化と生体電位変化との関係についても,検
討を重ねる必要があろう。
5.摘 要
立毛状態の植物を用いて,その生体電位を長時間安定的に計測することを目的としたシステ
ムの開発を試みた。
1)システムの要となる電極として,表面電極(フェルト電極)および組織内電極(針電極)
を試作し,少なくとも表面電極は15日以上,針電極は73日以上安定的に作動し続けることが確
かめられた。
2)土壌中の水分量や養液組成などの土壌条件が,土壌自体の電位を左右するとともに,植
物の生体電位にも影響を及ぼすことが示された。
3)光や温度などの環境条件の変動に対して生体電位が変化することが認められた。その変
化の度合は,葉身においてもっとも大きく,葉柄,茎の順に小さくなった。
4)瞬間的な照度変化に対しては,必ず“光電反応”が認められた。そして,照度変化が大
きいほど“光電反応”の波高値は高くなった。
一109一
5)光合成機能や呼吸機能の阻害剤による化学的ストレスは,生体電位パターンに影響を及
ぼしたQその影響は,光合成阻害剤は主と.して“光電反応”の波高値と波形に,呼吸阻害剤で
は主として電位のDCレベルに表われるなど,生理機能と生体電位との関係を示す興味深い結
果が得られた。
6)屋外の自然環境下における生体電位計測を行なったが,気温や照度などの気象条件の変
動に応じた電位変化が記録された。
引 用 文 献
1)相見霊三(1973)植物内生リズムの電気量変換について 一植物反応による環境の自己
制御方式に関する研究 日本生物環境調節学会講演要旨P18∼19
2)Aimi,R・and ShibazakL S・(1975)Diurnal change in biQelectric poteR−
tial of P肋3θo伽5 plant in relation to leaf movement and light condition,
Plar】t&Cell Physiol.16:1157−1162
3)Fuj ii,S., Shimmen,T. and Tazawa,M.(1978)Light司nduced changes irl
membrane potential in 3ρ〃ogッ70 Plant&Cell P}翼ysiol.19(4):573−590
4)Hirao,T∼(1987)Test of electrode for measure【nent of bioelectric
potential orl plant surface Ann.Rep.Nut。 Inst.Agrobiol.Resour.2:43−45
5)Nishizaki,Y. (1959)Physiological studies photo−electric response in
plant tissues. The effects of different light intensities on photo−elect−
ricresponse of green leaves. Botan. Mag.72:377−383
6)関山哲夫・羽生広道・棟方 研(1982)植物生体の電気特性.日本農業気象学会読国大
会講演要旨p71
7)関山哲夫・羽生広道・棟方 研(1983) 植物生体の電気特性{2)光電反応の温度特性.日
本農業気象学会全国大会講演要旨P66
8)関山哲夫・羽生広道。斉木 博(1987)植物生体の電気特性{3)光電反応の光合成。呼吸
阻害剤による影響.日本農業気象学会全国大会講演要旨P128−129
一110一
Development of Measurement System of Bioelectric Potentlals
ln PIant
Tsuneo H工RAO and Narihiko ARA工
Nationalエnsti七ute of Aqrobioloqical ResOurces
Summary
An attempt was made to develop a continuous measurement system
o▽er a lonq periOd of time of bioelectric potentials in intact
plants.
1) Both felt and wire electrodes were tested for measurement of
bioelectric pOtent二ials from t二he surface and from the inner parts
Qf a plant, respecti▽ely。 As a result, continuous recordinq were
POssible for more than l5 days by usinq the felt electrode’ and for
more than 73 days by usinq the wire electrode。
2) Not only potentials in soil but also pOtentials in plant were
affected by water cOntent in the soil or the composit二ion of the
hydroponic solution。
3) Bioelect二ric potential chanqed in relation to ▽aエiations of the
envirOnment二al factors of plant, such as liqht intensity, or atmos−
pheric temperature. Degree of the potential chanqe in response to
environmental cOnditions was larqest on the lamina, and then On
the pe七iole and on the caulis, in Order。
4)Adistinct chanqe Of the electric pQtential in response to liqht−
Qn and −off (photoelectric response) was recorded at e▽ery :Location,
lamina, petiQle arld caulis。 Peak value of llphot二〇electric responsel贋
increased in prOportion to liqht intensity。
5> Bioelectric potential pattern was influenced by the addition of
photosynthesis inhibitor or respiration inhibitOr. The peak ▽alue
of l蟹photoelectric responsel曹decreased aft二er the addition of photo−
synthesis inhibitor。 On the other hand, the DC level of the
electric pOtential became hiqher after the addition of respiration
一111一
inhibitor. These results showed that the bioelectric po七entials
were closely related t二〇 the physiolOqical functions of plant二。
6) The measurement of the bioelect二ric potential was tested under
the outdoor natural conditions. Electric potential patterns were
recorded in response to.the variations of liqht intensity or
atmospheric temperature.
一112一
VI インピーダンス・トモグラフィー法
による植物生体計測計への応用
馬 越
淳・上 山 澄 江
1.闘 的
農業生産物は気象,土壌などの自然条件に依存するところが大きく,常に,最適な環境のも
とで,生産管理を行うことは,きわめて難かしい。従来より,さまざまの努力がなされ,生産
性の向上が図られてきたが,今後,より一層の革新的な生産管理技術が求められるものと思わ
れる。また,今日,一般消費者の高級化指向に応えて,高品質の生産物を提供していくために,
品質評価技術の開発が重要な課題と考えられる。
そこで,これらの要求に応えるために,植物体の生体情報を正確に把握収集して,生育制御
を行う生体計測管理が必要である。さらに,生産物は適格な品質評価方法を確立することによ
って,流通過程における品質の維持管理と適正な選別を行うことが出来ると考えられる。
生産物の品質評価を行うには,外部的評価すなわち,形状,導き・さ,色などによる評価とと
もに,内部の状態を適格に把握することが必要である。外部的な品質評価は光学的エネルギー
を利用する方法などによって,比較的簡単に把握できるが,内部の評価は対象物を破壊しなけ
れば,直接的な評価は困難である。しかし,商晶として生産物を破壊することは,商品である
価値を失うことになるので,対象物をこわさずに評価する非破壊計測方法が必要となる。
そこで,本報告において,農産物である果実と野菜を対象とし,光エネルギーの一領域であ
る電磁波エネルギーを使用して,測定対象物に照射し,透過したエネルギーを指標として,生
育状態や内部品質の評価を非破壊的に行う計測技術開発を試みた。
なお,この計測技術の開発には,昭和57∼59年のグリーンエナジー計画の中で,日立製作所
8)
が実施した「インピーダンス・トモグラフィー法の植物生体応用に関する研究」 において,試
作した植物インピーダンス生体計測計を使用して,この計測計の性能を調べ,新しい計測技術
の開発の可能性について考察した。さらに,計測計より得られた電磁波エネルギーの透過にお
ける減衰量の変化と果実および野菜の実際の糖度,酸度および力学的特性との関係について検
討した。
本研究を進めるにあたり,専門的御示唆をいただいた電子総合技術研究所川上友軍博士,日
立中央研究所,鶴岡久博士,さらに試料である研究材料に協力していただいた果樹試験場佐藤
義彦氏ならびに農業生物資源研究所の諸兄姉に対し,心よりお礼申しあげる。
2.非破壊計測の概要
非破壊計測法について簡単に説明すると,非破壊状態である対象物に外部から光学的,物理
的,化学的,生物的エネルギーをあたえ,測定対象物を通して,透過,反射,散乱,回折され
たエネルギーを外部に放出させる。このエネルギーの変化を計測することにより,対象物の内
* 農業生物資源研究所機能開発部
一113一
部を推定することが,非破壊計測方法である。その種類を図6−1に示す。
恥楓 d τ盤
Op士;ical Method
Radiation Wave
−Optical Wave
EleCtrOmaqnetiC Wa▽e
Chemical Method
Bioloqical 1近ethod
図6−1 非破壊計測方法の種類
Fig・6−1 Types of nondestrutive method・
2,3)’
非破壊計測の中で数多く使用されているエネルギーは光である。
この光エネルギーの利用方
法は波長によって異なり,波長が非常に短かい放射線(α,β,X線)はエネルギーが高く,
6)
7)
透過や回折として用いられる。医療の診断,
工業用資材の欠陥 の非破壊計測等に利用され
エネルギーが高いために人体に危険性を伴う。
次に放射線よりも波長が長い,光学的エネルギー(紫外,可視,赤外線,10−1∼10噂9c皿)の
5)
領域は非破壊計測にもっとも多く用いられ,果実,野菜などの品質評価に適している。しかし,
対象物が肉厚なものに対してはエネルギーが弱いために不適当である。
次に,光学的エネルギーよりも波長が長い電磁波領域のエネルギーは対象物内を透過しやす
いために,肉厚で軟いものを測定するのに適していると考える。そこで,この領域のエネルギ
ーを用いた方法について検討を進める。
3.潰捷原理
果実や野菜などの農難動の帯を嚇する内矧ま・形状・外観色彩・光沢・香り・鮮
度,糖酸度,空洞の有無などがある。これらの評価の内容の一部分は光学的エネルギーの領域
を用いることによって出来る。空洞の有無は放射エネルギーや物理エネルギーで判断出来る。
前節で述べたように,果実や野菜の肉厚なものの内部状態を非破壊的に計測することは非常に
むつかしい。
そこで,光エネルギーの中で,残されたエネルギー領域として電磁波がある。電磁波エネル
ギーを果実や野菜に照射し,通過したエネルギーの減衰によって,内部の品質を推定し,評価
することが可能であるかどうかを考える。
果実の糖成分には果糖,ショ糖,ブドウ糖などがあり,酸成分にはクエン酸,リンゴ酸,酒
石酸などがあり,果実の評価は総酸度,総糖量として表わされている。果実内細胞には両成分
が含まれ,酸はイオンに解離し,糖濃度が高くなると,相対的にイオン濃度が低下すると考え
9)
られる。果実の細胞では液胞が大きな容積で占められ,液胞内にイオンが解離し,電気的手法
によって糖酸度を推定することが可能であると思われる。従って液胞の電気的性質が反映され
る波長を選ぶことが必要となる。
そこで,電磁気エネルギー領域のマイクロ波を利用することが適していると考える。マイク
ロ波の波長が短いほど,精密が高いが,非破壊対象物を透過する時,透過しにくくなる点が欠
一114一
点であるので,周波数と減衰定数の関係と果実の大きさから判断すると1∼10GHzが適当で
あると思われる。実験では2,6GHZを使用する。
9>
次に果実や野菜のインピーダンスの減衰量を非破壊的に求めるために,マイクロ波をあてる
と,対象物に反射,透過,吸収する。空気中ではマイクロ波は対象物の表面を通りやすいので,
水中に入れて,zk中にあるアンテナから発信し,透過した後のインピーダンスの減衰を測定す
る!)離鵬彫の方法によるとρ,1’)水中の果皮課肉のイ。ピーダンスの蔽定遂をそれ
ぞれdw, dg, dxとし,ビームのパスの長さをそれぞれlw, lg, lxとする。但し,境界面の
反射のロスと指向性は無視すると,
g=2010g(dxlx十dg正g+dwlw)……(1)
となる。次に()内をGと置く。
観測されるGの負値Gに対し修正値△dx,△dg,△dwから,修正後のGの期待値は
(dx+△dx)lx+(dg+△dg)lg一ト(dw+△dw)lw=G……(2}
となり,Gに一致する。この反復法を基本として,コンボリューション法をとり入れることに
12)
より,反復法の電気定数分布の初期値から漸近的に修正して,
インピーダンスの減衰量を求め,
実際に,果実や野菜の糖酸度と比較検討する。
4.鍵験方法
インピーダンス・トモグラフィー法による植物生体計測は昭和57∼59年度にかけて,日立製
作所がグリーンエナジー計画に基づいて,試作した装置である。この装置を使用して,果実や
野菜のインピーダンスの減衰量を求めた。装置の詳細については,グリーンエナジー計画成果
8)
シリーズ∬一Nα15に記載されている。
測定対象物の各部位における糖度と屈折率測定はアタゴ製アツベ屈折計2Tを使用し,酸度
は岩城硝子製pH/ion meter 225を用いた。
さらに,測定対象物の硬さの測定には,東洋ボールドウイン製万能引張試験機UTM−n型を
用いて,各部位1c前を取り出し,10㎜/minの速度で圧縮し,1%圧縮時応力を求めた。また
圧縮応力降伏点は弾性限界を越え,大きく屈曲する点の応力をgで表わした。
実験材料は果実として,ナシ,スイカ,メロン,野菜として,ナス,ピーマン,トマトを使
用した。これらの測定物を実際に破壊して,切片を取り出し測定した部位については,その断
面図を図6−2∼図6−4に示す。
一115一
鵜鱗鰐(1)
茎側②
外層
横側(1)横側(1)
横難②、横側②
中間層ll外層
,外層 中間層
羅智(1麟花側(2)「
図6−3 スイカの断面図
Fig 6−3 Crosssecdon of water melon
・麟懇,
灘
懇懇
灘灘、
図6−2 ナシの断面図
Fig.6−2 Crosssection of pear
−116一
響灘内側ω』
&麦一
謬驚護壺
1併置側(2)1
「ガ議・
瀧憲
ゴ藪
嫌
「避
鹸
転回
図6−4 メロンの断面図
Fig 6−4 Crosssection of melon
5.結果と考察
5.1 インピーダンスの減嚢量
インピーダンス・トモグラフィー法による生体計測計の測定結果の1例を図6−5に示す。
測定対象物はメロン,測定は水中,修正回数は15回,1回の測定時間は約2分間,測定1回ご
とに式(1),式②により,計算,修正して打ち出され,修正回数が多くなるほど,実際の値のイ
ンピーダンスの顧量に近くなる1)
図6−5はインピーダンスの減衰定数の初期値から出発して,15回修正するがK2(2,の
はメロンの皮厚部の減衰を示し,K3(3,疹)はメロンの内灘部の減衰を示す。ゴは修正回数
を示し,修正回数が多くなるほど慧敏する。そこで,修正回数がほぼ12回以上ではインピーダ
ンスの減衰量が変化しないものと仮定し,12回以内で減衰量の値を決めた。
次に,測定対象物を装置内にセットせずに,空気と水のみの状態にした時の減衰量の変化を
図6−6に示した。図から明らかなように,両方のインピーダンスの減衰量の変化は,修正回
数が増加しても,初期値と同じであった。このことから,何もない状態においては,マイクロ
波は減衰しないで,伝わっていることと考えられる。
次に,測定対象物,ナシ,スイカ,メロン,トマト,ナス,ピーマンを水中にセットして,
マイクロ波をあてた時のインピーダンスの減衰量の変化と修正回数との関係を皮厚部と内厚部
とに分けて,測定した結果を,図6−7∼図6−12に示す。なお図中の値は測定物の糖度を示
した。
ナシ1,1,皿と収穫の時期を変えた時の減衰量と糖度との関係(図6−7)は,修正回数
一117一
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図6−6 空気中,水中における減衰量の変化
Fig・6−6 Changes of attenuation of imaginary part of
reffactive index in air and in water
が多くなるほど一定値に近づくことが分った。ナシ1は収穫最適1週間前,ナシ五は収穫時,ナシ
皿は収穫最適3日後である。皮厚部において,インピーダンスの減衰量の変化にバラツキが多
いが,ナシ且の減衰量が大きかった。内厚部については,ナシ1では0.7に,ナシHでは0,8
に,ナシ皿では0,7以下に,曲線がかたまる傾向を示した。インピーダンスの減衰量の変化に
バラツキの多い理由は,ナシを計測計にセットする場合に,ナシの形状が個々に異なり,つね
に正常な位置にセット出来ないために生じたものと思われる。この問題を解決するためには,
アンテナ,ナシの中心部位置と畠山アンテナが直線状に正確にあることが必要で,現段階の装
置においては,正確におこなうことがむつかしい。図6−7のナシにおいて,全体的にバラツ
キがあるものの,おおよそ一定の集団に収束していることが分る。
一119一
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図6−7
Fig.6−7
零
雪
:
§
窪
→ 寓
xePUP岨。B」」O」JO即d凶J2叫82田1
ナシ1,n,皿のインピーダンスの減衰量の変化
Changes of imaginary part of refractive index of
irnpedance of pear I・ 皿 and 皿
一120一
9
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図6−8 スイカのインピーダンスの滅衰量の変化
Fig,6−8 Changes of imaginary part of refractive
index of impedance of water rnelon
一121一
o
1.コ
皮厚部
L2
省
L1
①
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1 5 10 15 20
0.6
H Number of repetition times of calclllation
6.0
1
o.5
エ 5 1。 乳5 2。
Number of repetition times of calculation
図6−9 メロンのインピーダンスの減衰量の変化
Fig・6−9 Changes of ilnaginary part Qf refractive
index of impedance of melon
L1
5.4r 4.巳讐
皮厚部
1.0
4.o
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省
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霧
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4.5
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Number of repetition times of calculation
図6−10 トマトのインピーダンスの減衰量の変化
Fig.6−10 Changes of imaginary part of refractive
index of irrlpedance of tomato
一122一
LO
養
皮穴部 養
董…
・・轡8
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5.2
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Number of repetition tirnes of calculation Number of repetition times of calculation
図6−11 ナスのインピーダンスの減衰量の変化
F{9・6−11 Changes of imaginary part of refractive
index of impedance of egg plant
1.4
1.ユ
内厚部
Lユ
Lo
1.2
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録・」
0.4
0.6
0.3
1 5 10 15 20
G.5
1 5 10 15 20
Number of repetition times of calculation
Number of repetition times of calculation
図6−12 ピーマンのインピーダンスの減衰量の変化
Fig66−12 Changes of imagirlary part of refractive index
of imped ance of green pepper
次に,スイカについて述べると(図6−8),スイカのインピーダンスの滅衰量の皮厚部の変
化はナシに比べて,全体的に放散し,一定方向に収敏していない。内厚部についても,減衰量
は収束せず,発散する傾向を示した。この原因について,スイカはナシに比べて,直径が大き
く,肉厚なために,アンテナから出るマイクロ波がスイカの中で吸収されてしまい,修正回数
を増しても,修正されずに,値が他の因子の影響により,全体的に発散するのと考えられる。
このことは,測定対象物の大きさがある最適範囲に限定されるということであり,現装置の
問題点である。
一123一
表6−1 インピーダンスの減衰量
Table 6−1 Attenuation of impedance of plant
ナ シ
メ ロ ン
スイ カ
H
1
プリンス
皿
金 俵
(n−17)
(n−11)
(n⊇12)
(n=11)
皮厚部
0.9696
1,02玉0
0.9工58
0.7778
内層部
0.6839
0.7196
0.6741
0.5950
トマ ト.
ナ ス・
ピーマン
(n=4)
(n=5)
(n需5)
甘 露
(n=2)
(n−2)
1.1621
1.1245
α7560
0.9255
α7636
0.8712
0.9837
0.8655
α5850
0.6830
0.6222
0.9438
(n需11)
メロンについては(図6−9),スイカと異なり,修正回数が増加すると共に減衰量は増加し,
ナシと同じような結果を得た。皮二部,内三部に一部分,減衰の傾向が異るものが観察された。
この原因は他のメロンより径が大きいために,メロンの内部でマイクロ波が吸収されたためと
思われる。
次にトマト(図6∼10),メロンの二二および甘露については,測定個数が少いために,イン
ピーダンスの盛衰量の変化に傾向は認められなかった。
ナスのインピーダンスの減衰量の変化は図6−11に示すように,皮厚部,内三部ともに収束
する傾向を示した。減褒量の変化はナシ,スイカに比べて小さく,水分率が少いためであると
思われる。またピーマンについては,図・6−12より皮島山,内厚部共に発散する傾向がある。
ピーマンは内部が空洞のために,皮厚部,内六部ともに修正が適切に行なわれないためである。
次に,ナシ,スイカ,メロン,トマト,ナス,ピーマンの滅衰量を測定した結果の平均値を
表6−1に示す。ナシについて,収穫時期を変えた3試験区の測定を行った。測定個体数はナ
シ1が11個,ナシHが12個,ナシ皿が11個である。皮学部の減衰量はナシ1が0.9696,ナシ
πが1,0210,ナシ皿が0.9ユ58で,ナシ11の区が一番高い値を示した。内層部ではナシ1が
0.6839,ナシHが0,7196,ナシ狙が0.6741とやはりナシHの区が一番高い値を示した。
スイカについては,同時期に17個全部収穫したために,収穫時期の変化については測定でき
なかった。スイカのインピーダンスの減衰量の平均は皮二部が0.7778,内層部が0.5950で
あった。
メロンについてはプリンス,金山,甘露の3品種について測定した。プリンスメロンは11個
を測定した結果,減衰量は内訓部で1.1621,内層部で0,9837で,スイカやナシにくらべて
大きな値を示した。金高,甘露については,測定個数が少く,信頼性に欠けるが,その値は金
面の皮厚部1.1245,内層部0.8655,甘露の皮三部0.7560,内層部0.5850であった。
トマト,ナス,ピーマンについて,測定個数はそれぞれ4個,5個,5個である。また,減
衰量はそれぞれ皮厚部0.9255,0,7636,0,8712で内層部はそれぞれα6830,α6222,
0.9438であった。
それぞれの対象物のインピーダンス減衰量を比較検討すると,皮厚部はプリンスメロン,金
俵,ナシHと高い値を示し,スイカ,甘露,ナスは低い値を示した。内層部については,プリ
ンスメロン,ピーマンが高く,スイカ,甘露が低い値を示した。ピーマンのみは皮三部と内層
部の値の大きさが反対であった。これはピーマンの内層部が空洞のためによるものであると思
われる。
5.2 糖度,酸度,屈折率
ナシ,スイカ,メロン,トマト,ナスの糖度,酸度および屈折率を表6−2に示す。測定部
位は図6−2∼図6−4に示すように,花側,中央,横側,茎側と全体とに区分して測定した。
なお,全体の値は各部位の切片を破砕混合して測定したものである。
一124一
ナシについて,収穫時期がおそいほど,糖度,屈折率は大きく,酸度はあまり変化していな
い。部位別では花側と横側は糖度が高い。中央部は当然,糖度は低い。また酸度も低くすっぱ
い。ナシの糖度は花側,横側,茎側,中央の順に低下することが分った。さらに,スイカにつ
いては,中央部の糖度も酸度も高く,横側は糖度が低く,酸度は高かった。
メロンについて,プリンスメロンでは中央,味噌,花側,横側の順に糖度は低くなり,
酸度は中央,横側,茎側,花側と低くなった。金俵,甘露についても,同じ傾向であった。次
に,トマトとナスはナシ,スイカ,メロンの果実に比べて糖度が低かった。
5.3 力学的性質
ナシ,スイカ,メロン,トマト,ナスの熟度を知る一つの手がかりとして,対象物に圧縮と
いう力学的変形を加えた時の変形率や圧縮応力をテンシロンの万能引張試験機を用いて調べた
結果を図6−13と図6−14に示す。
ナシの力学的性質はナシの部位の横,花,茎側ともに同じ圧縮変形挙動を示す(図6−13)。
その圧縮応力は1.5∼2.5kg,圧縮率は約20∼40%であった。
スイカの場合(図6−13)は花壇外層,横側外層ともに圧縮応力は高く,圧縮率も大きいが,
その他の部位はほぼ同じ値を示した。
メロンの場合(図6−13)には,花側は圧縮応力が小さく,やわらかいことを示し,汚辱,
横帆は圧縮応力が高く,圧縮率が大きいことから,弾力性があり,若干硬い傾向を示した。
トマトの場合(図6−14)は赤く,熟しているために圧縮応力は小さく,圧縮率も大きいこ
とから,内部状態はやわらかいことを示している。
ナスの場合(図6−14)は圧縮応力は大きく,圧縮率も大きく,弾力が強く,スポンジ状の
内部状態を示した。
次に図6−13と図6−14で求めた圧縮応力曲線から,測定対象物の花油,中央,横面,委曲
の各部位について,1㎜圧縮時応力(g),圧縮応力降伏点(g)と圧縮率(%)をそれぞれ求めた
結果を表6−3にまとめて示す。
ナシについては収穫時期がおそくなるほど,圧縮応力と圧縮率は小さく,内部状態はやわら
かくなっている。これはナシが熟した状態にあることを意味している。メロンのプリンス,金
座,甘露について,いずれも右側が硬く,花側と茎側は軟かかった。甘露については,まだ青
熟だったので,どの部位も同じ圧縮応力であった。トマトとナスは全体的に同じ硬さで,ナス
は茎側が硬かった。
次にスイカについて,スイカの花側外層,中間層,茎側の外層,障壁の中間層が硬く,中央
部,横の中間層はやわらかな内部状態を示した。
5。4 相関関係
ナシ,スイカ,メロンの測定個数が比較的多い対象物について,インピーダンスの減衰量と
糖度,酸度,屈折率および減衰量と力学的性質との相関関係を表6−4に示す。
ナシの減衰量と糖度との相関関係は,各収穫時期別に見ると相関関係は認められるが,収穫
時全体を通して,はっきりした相関関係は認められなかった。しかし,横側の糖度と減衰量に
は多少の相関関係が認められた。また,力学的性質の1㎜応力時では,わずかな相関関係が認
められた。
スイカについては,顕著な相関関係は認められなかったが,力学的性質にわずかな相関関係
が認められた。
メロンについては,減衰量と糖度および屈折率にわずかに正の相関関係が認められた。この
ことより,メロンの熟度と減衰量とには関係があることが分った。
ナシ1,且,皿の糖酸度と力学的性質には,横側の1㎜圧縮時応力と酸度に正の相関が,茎
一125一
茎側’横側(1)ド
ナシ
横側②
横側②
横側(1)
籍・
メロン【
6
花側(1)
圧
縮
応
力
努
聖
聖 1
4
レ
2
花側
ノ
0
0
051005051005051005101520
0510σ505 0 10 20 30 40
圧縞率(%)
圧縮率(%)
1.2
圧
「
横側②
花側外層
外層
縮 0,8
横側(1)
応
花側中間層 外層 横側ω
茎側中間層 中間層
力
讐α4
中央
横側(2)
中間層
茎側外周
0
0505050505100505050 10
20
30
圧縮率(%)
図6−13 ナシ,スイカ,メロンの力学的性質
Fig.6−13 Dynamic properties of pear, water melon
and melon
茎側 ナス
4
六三②
2
一側
3
籍
圧
縮
応
力
横側(1)
努1
2
トマト
花側
中央
横雨ω
横側(2)
@
聖
1
中央
0
0 5’0 5100 5
0 10 20 30 40
圧縮率(%)
0
050505051001020 3040
圧縮率(%)
図6−14 ナス,トマトの力学的性質
Fig,6−14 Dynamic properties of egg plant and tomato
−126一
表6−2 糖度。酸度および屈折率
Table 6−2 Sugar conte就, acidity and re丘active index
ナ シ
亘(n電11)
全 体
11.63
451
ヤ 側
? 央
。 側
s 側
P2.32
P0.37
P1.69
P1.25
スイ カ
簸(n嗣12)
屈折率
糖 度
酸 度
1.3503
12.47
S.60
P.3514
P3.24
453
S67
≠T7
P.3484
P1.49
S75
S75
P.3504
P.3502
亜(n=1ユ)
屈折率
糖 度 .酸 度
in.;17)
屈折率
i
糖 度
空
回
1
酸 度
Z10
U87
V29
T.63
584
屈折率
1.3526
7.69
530
P.3528
P4.05
S.62
P.3536
V.14
≠R4
≠T7
P.3501
P2.14
R.59
P.3516
T.64
P.345墨
P2.34
S70
P.3515
P3.16
S.62
P.3552
浮R0
≠W7
T.63
P.3430
P1.64
S.69
P.3503
P2.55
S60
P.3517
V.19
≠T0
P.3434
金 俵(n22)
糖 度
酸 度
a68
P.3429
T.87
P.3436
U.63
T.81
P.3424
V10
T.73
P.3462
屈折率
甘 露(n“2)
糖 度
酸 度
屈折率
1.3398
a65
570
U.65
P.3397
≠W5
T.54
P.3429
T.70
≠U9
P.3413
V40
T.73
P.3438
S53
S95
≠S6
P.3380
≠盾W
T.61
P.3418
U.71
P.3372
U.80
T.50
P.3430
トマ ト
ナ ス
(n記4)
(n=5)
1.3427
ピーマン
q
糖 度
全 体
ヤ 側
? 央
。 側
s 側
475
│463450『
酸 度
4G8
屈折率
1.3395
@−
S12
@『
P.3421
S03
P.3394
@一
屈折率
4.47
470
S75
1.3434
酸 度
13.12
メ ロ ン
プリンス(n= )
糖 度
1.3516.
糖 度
494
:
酸 度
屈折率
5.55
1.3403
F=
@=:
@こ
糖 度
:=『
酸 度
=:一
屈折率
::一
1.3442
P.3436
表6−3 力学的性質
Table 6−3 Dynamic properties
ナ シ
1(n巴11)
梔棊ヘ(9)
花 側
? 央
。 側
s 側
∬(n己12)
圧縮応力降伏点
1㎜圧縮
降伏点(9)
1㎜圧縮
圧縮率(%)
梔棊ヘ(9)
皿(n躍1ユ)
圧縮応力降伏点
降伏点(9)
圧縮率(%)
1團圧縮
梔棊ヘ(9)
圧縮応力降伏点
降伏点(g)
圧縮率(%)
1,916
1,866
11.20
ユ,497
1,326
10.67
1,031
881
9.43
@ @ @ 』
@ −
@ −
@ −
@ 一
@ 一
@ −
P,975
P,818
P0.80
P,378
P,245
P0.85
P,393
?,380
P1.66
P,697
P,535
X.25
P,243
P,099
P0.85
P,416
P,485
P2,・64
メ ロ ン
プリンス(n隔7)
1㎜圧縮
梔棊ヘ(9)
.金 俵(n漏12)
圧縮応力降伏点
1嘲圧縮
甘 露(n躍2)
圧縮応力降伏点
ユ㎜圧縮
梔棊ヘ(9)
降伏点(9)
花 中
441
458
8.93
750
980
11.25
2,720
6、000以上
? 央
。 側
@ }
@ −
@ 』
@ 『
@ −
@ @ −
@ 一
P,349
Q,711
P9.11
P,150
P,830
P5.63
Q,050
U,000以上
ワ_鍔
@813
P,013
P3.75
@510
@275
W.25
Q,250
U,000以上
降伏点(9)
圧縮率(%)
梔棊ヘ(9)
圧縮応力降伏点
ト マ ト
花 側
梔棊ヘ(g)
360
? 央
。 側
s 側
圧縮率(%)
(n漏4)
圧縮応力降伏点
降伏点(9)
圧縮率(%)
=二
ナ ス ピ 一 マ ン
(n=4)
1團圧縮
降伏点(9)
1闘圧縮
圧縮率(%)
623
26.38
S25
V38
Q1.50
R80
V98
Q4.42
@ @}
@ 一
梔棊ヘ(9)
(n= )
圧縮応力降伏点
降伏点(9)
圧縮率(%)
772
王,793
26.25
@350
@577
@846
Q5.50
、,440
Q7.30
?,410
R,140
Q5.ユ7
1㎜圧縮
梔棊ヘ(9)
二:
圧縮応力降伏点
降伏点(9)
二二
圧縮率(%)
二三
ス イ カ
(n=16)
1圃圧縮
梔棊ヘ(9)
441
圧縮応力降伏点
降伏点(9)
圧縮率(%)
682
15.31
R54
R58
W.72
?央?
P82
P12
S.97
。側 外 層
Q67
Q31
V.88
V 中間層
P63
X5
V.95
?側 外 層
Q84
R71
X.00
V 中間層
Q87
Q02
T.67
花側 外 層
V 中間層
側の1田m圧縮時応力と屈折率に負の相関が認められ,ナシが熟するとやわらかくなることが分
った。ナシHの丁丁の1㎜圧縮時応力と糖度,屈折率とに相関が認められ,ナシ狙では,寸寸
の1皿圧縮時応力と降伏点に正の相関が認められた。
次にスイカについては減衰量と中央・横側と酸度にわずかに負の相関が認められ,スイカが
熟すると酸度が低くなることが考えられる。メロンについては力学的性質と糖酸度には顕著な相
関関係は認められなかった。
5.5 比重と水分率
ナシ1,1,皿の比重と糖酸度との相関図を図6−15に示す。ナシ1については比重と糖度
に負の相関がわずかにあらわれ,ナシ皿については正の相関が認められた。このことより,糖
度が増加するとナシの比重はわずかに⊥臥すると考えられる。
一128一
表6−4 相関関係(i)
Table 6−4 Coe丘icient of correlation(1>
ナ
シ
豆(n罵12)
亙(n−li)
ス イ
廼(n耳11)
カ
メ ロ
(n扁17)
(n=1ユ)
減衰量(内)
減衰量(皮)
全 体 糖 度
一α213
一〇.023
α402
酸 度
一〇.378
一〇.646
屈 折 率
一〇.305
一α068
中 央 糖 度
一〇,421
一〇.121
α418
α306
α695
1
酸 度
一〇.676
α313
0,048
一〇.136
α268
お
り
屈 折 率
一〇.501
一〇,129
0,111
0,032
0,651
減衰量(内)
減衰量(皮)
ン
減衰量(内)
減衰量(皮)
減衰量(内)
0,383
一〇277
一〇.372
一〇,121
0,115
0,080
α413
α278
0,077
α700
0,572
一〇.209
一α165
0,083
一〇.013
0,364
α352
一〇.340
一〇.500
一〇.172
0,058
0,094
α416
減衰量(皮)
減衰量(内)
減衰量(皮)
1
横 側 糖 度
α009
α500
一〇.203
0,155
α212
酸 度
一〇.662
α079
0,482
一α089
α064
屈 折 率
α016
0,181
一〇.129
0,036
α175
1m圧縮時応力
一〇.3学5
0,664
0,329
α398
一〇.098
圧縮応力降伏点(g}
一〇,149
α450
α465
α430
一〇.181
〃 (劒
α072
α230
α456
α391
一α05i
横 側
(n卍7)
表6−4 相関関係②
Table 6−4 Coefficient of correlation(2)
ナ シ
(n=11)
横 側
花 側
1皿m圧縮
1
圧縮応力降伏点
1mm圧縮
時応力 降伏点 圧縮率 時応力
花側 糖 度
一〇.134
一〇,224
一〇,074
酸 度
一〇,098
一〇.061
0,046
屈折率
一〇.106
一〇,王96
一〇,078
茎 側
圧縮応力降伏点
1㎜圧縮
圧縮応力降伏点
降伏点 圧縮率 時応力 降伏点 圧縮率
横側 糖 度
一〇,342
一〇.401
酸 度
0,625
0,388
一α074
屈折率
一〇,350
一〇.411
一〇.087
一〇.075
茎側 糖 度
0,020
0,561
0,100
酸 度
一〇.061
一〇,188
一〇.351
屈折率
一〇.738
一〇.329
一〇.475
表6−4 相関関係㈲
Table 6−4 Coefficient of correlation(3)
ナ シ
耶12)
横 側
花 側
1圃圧縮
H (n
圧縮応力降伏点・
1皿皿圧縮
茎 側
圧縮応力降伏点
1mm圧縮
時応力 降伏点 圧縮率 時応力 降伏点 圧縮率 時応力
花側 糖 度
0,145
0,141
一〇.012
酸 度
一〇.019
一〇,016
一〇,179
屈折率
0,145
0,113
一〇,098
横側 糖 度
0,309
一〇,007
一〇,284
酸 度
一〇,297
一〇,206
0,018
屈折率
0,116
一〇,132
一〇.253
圧縮応力降伏点
降伏点 圧縮率
茎側 糖 度
一〇,470
一〇,596
一〇,301
酸 度
0,053
0,129
0,324
屈折率
一〇.500
一〇,619
一〇.338
一130一
表6−4 相関関係(4)
Table 6−4 Coefficient of correlation(4)
ナ シ
(n=11)
横 側
花 側
1㎜圧縮
皿
圧縮応力降伏点
1皿m圧縮
茎 側
圧縮応力降伏点
1㎜圧縮
圧縮応力降伏点
時応力 降伏点 圧縮率 時応力 降伏点 圧縮率 時応力 降伏点 圧縮率
花園 糖 度
一〇.112
酸 度
0,225
0297
0,625
一α366
一〇.613
一〇.037
屈折率
一〇.320
一〇.543
横間 糖 度
一〇.079
一〇.209
一〇.305
酸 度
0,013
α290
0,460
屈折率
0,130
0,402
0,376
茎側 糖 度
一〇.084
酸 度
屈折率
0,037
0,181
0,882
0,849
α481
一α174
一〇.057
0,157
表6−4 相関関係.(5>
Table 6−4 Coefficient of correlation(5)
メ ロ
花 側
1㎜圧縮
(n;6)
横 側
圧縮応力降伏点
1㎜圧縮
時応力 降伏点 圧縮率 時応力
花軸 糖 度
ン
一〇.223
0,124
酸 度
一〇.133
0,579
0,406
屈折率
一〇,244
0,130
一〇,147
茎 側
圧縮応力降伏点
1㎜圧縮
降伏点 圧縮率 時応力
圧縮応力降伏点
降伏点 圧縮率
一〇,144
横面 糖 度
一〇.279
α631
α743
酸 度
一〇,227
0,289
0,106
屈折率
一〇.258
0,640
0,757
銀側 糖 度
一
}
酸 度
一
一
屈折率
一
一
一
一131一
表6−4 相関関係{6)
Table 6−4 Coefficient of correエatioπ1(6)
ス
圧縮応力降伏点
1㎜圧縮
時応力 降伏点 圧縮率 時応力
1
記
お
1
(n−16)
中 央
花 側
1㎜圧縮
イ カ
花川 糖 度
一〇.249
一〇.488
一〇.582
酸 度
一〇.083
一〇.005
一〇.043
屈折率
一〇.281
一α514
一α540
横 側
圧縮応力降伏点
1圓圧縮
降伏点 圧縮率 時応力
中央 糖 度
α086
一〇,176
一α277
酸 度
一〇.419
一〇.429
一〇.333
屈折率
αエ64
一α250
一〇.409
茎 側
圧縮応力降伏点
圧縮応力降伏点
降伏点 圧縮率 時応力 降伏点 圧縮率
横側 糖 度
一〇.262
一〇.324
一〇.337
酸 度
一〇.456
一α415
一〇.525
屈折率
一〇.198
一α363
一〇.407
茎側 糖 度
1㎜圧縮
一α299
一α424
一〇.338
酸 度.
一〇.125
一〇.042
一〇.029
屈折率
一〇.340
一α436
一〇.363
ナシ1
1.20
r=0.230
1,15
r==一〇,389
1.10
比
.1,05
重
1.00
0,95
0.90
10 11 12 13 14 15
4.2 43 4.4 4.5 4.6 4.7 L3441.3461.3481.3501.鐡1.茄4
糖度
酸度 屈折率
ナシH
1,20
r
1.15
;一
Z.
324
r=0. 133
330
r;一〇,
:1.10
比
1.05
◎
重1.00
.
・
●
@●●
E 9 ,
・−
」
u o
@ .
,
,..:
@ 「
@「
@ .
・
0.95
P
,
0.90
10 11 12 13 14 15
4.2 43 4.4 4.5 4.6 4.7 L3錘L3461.謎81.350 L3521.謝
糖度
酸度 屈折率
ナシ皿
1.
1,
比
137
r ;
583
0.
o
0
9
■
1.
重
r =0.
r篇0. 52β
1,15
5
■
.
0
1.00
・
響
・:’
,
響
,
@響
u “
、
冒
噸 ’.
0,95
0.90
10 11 12 13 14 15 4.2 43 4.4 45 4.6 4.7 1.3鍛13461,348L蕊01.3521.謝
糖度 酸度 』 屈折率
図6−15 ナシ1,∬,皿の比重と糖度,酸度,屈折率の相関関係
Fig・6−15 Coeffident of correlation amQng density, sugar content,
ad dity and refractive index of pear L H and 且1
スイカおよびナシの水分率を調べた結果を表6−5に示す。スイカの場合には各部位に大き
な差異は認められないが,ナシについて,花側の水分率が小さく,茎側が大きい傾向を示した。
一133一
表6−5 スイカとナシの水分率
Table 6−5 Water content of water melon
and pear
ス イ カ
1
2
横割 外 層
93.45
93.55
93.50
V 中間層
X3.95
X3.42
X3.69
X4.03
X2.26
X3.15
93.81
93.08
??
平 均
平 均
ナ シ
1
2
3
4
5
平 均
花 側
87.19
87.36
87.73
87.42
86.75
87.29
。 側
s 側
W8.76
W8.62
W9.34
W8.08
W9.22
W8.80
W9.08
X0.00
X1.11
W9.01
W9.71
W9.78
平 均
88.45
88.65
89.38
88.15
88.73
5.6 インピーダンス・トモグラフィー法による生体計測計の性能
インピーダンス・トモグラフィー法の生体計測計によるナシ,スイカ,メロン,トマト,ナ
スの減衰量と糖酸度との関係から,非破壊計測方法の可能性を検討したが,部分的には相関関
係が認められるものもあるが,全体的には,明確な相関関係は認めにくかった。この原因とし
て,スイカのように径の大きいものは,電磁波が対象物の中で消滅したり,減衰したり,発散
したりするために,マイクから発振された電磁波が受口口にとどかず,正確な値が観察されな
かったためと思われる。発振された電磁波はマイクの発振ロから受口口まで. C直線的に伝わる
ので,そのための装置の改良を行い,感度を上げることによって,正確に受口出来るものと考
えられる。
インピーダンスによる方法は原理的に,果実体の熟度を判断するのにょい方法と考えられる
が,この装置の分解能が26c皿のために,小さな測定対象物や,電磁波が吸収される大きな対
象物には使用が困難であることが難点と考えられる。
今後,この装置を改良して,簡易的インピーダンス計測計の開発が望まれる。
6.摘 要
非破壊的に果実,野菜を品質評価する技術の開発を目的として,インピーダンス・トモグラ
フィー法による植物生体計測計についての可能性を検討した。更に,インピーダンスの減衰量
が測定対象物の内部状態を適格に評価しているかどうかを判断するために,実際に破壊して,
測定した糖度,酸度,屈折率の値と減衰量との関係を比較検討した。なお,力学的性質との関
係についても検討した。その結果,スイカ,メロンについて,一部分・相関関係が糖度とインピーダ
ンスの減衰量とに認められた。糖度と力学的性質には熟度との関係で相関関係は認められた。
水分率と比重については,糖酸度と比重に相関関係が認められた。
本装置について,次の2点が問題点として明らかになった。①測定対象物の径の大きさが限
定されること,②マイクの発振口と対象物の中心の位置,および受口日が厳密に直線上にあり,
受口部の感度を上げることが要求される。
一134一
以上の結果から,さらに装置の改良が必要であると共に,
簡易的に移動が可能な計測計に改
良することが望ましい。
引 用 文 献
1)秋元浩一(1985)果実,野菜の品質評価技術の展開方向,農業および園芸 60,9一一17
2)岩元睦夫(1981),食品品質の非破壊評価法(1),農業および園芸 56,1213−1219
3)岩元睦夫(1981),食品品質の非破壊評価法(2),農業および園芸 56,1340−1344
4)岩元睦夫(1981),食品品質の非破壊評価法(3),農業および園芸 56,1469−1473
5)岩元睦夫,魚住純(1985),近赤外分光法による食品の非破壊品質測定,日本食品工業学
会誌 32,685−695
6)日下部正宏(1979),生体計測,応用物理 48,335−341
7)中村滋男(1985),産業用X線CTスキャナとその応用,機械の研究 37,1237−1243
8)高辻正基,鶴岡久(1988),インピーダンス・トモグラフィー法の植物体生体応用に関する
研究,グリーンエナジー計画研究報告H−Nα15,220−234
9)鶴岡久,(1981),果実の非破壊糖酸度測定の基礎検討,計測自動制御学会論文集 17,
844−849
10)鶴岡久,高辻正基(1984),マイクロ波による野菜,果実の品質測定の可能性,信学会研
究報告 MBE 83,103−108
11)鶴岡久,高辻正基(1986),インピーダンス・トモグラフィー法の果実の品質測定への応用,
計測自動制御学会論文集 22,74−79
12)R.D. Radcliff(1981), E星ectromagnetic Geophysical Imaging Incorporating
Refraction and Reflection, IEEE Trans Antennas and Propagation, AP−29−2,
288−292
一135一
ApP1甫catlon of Impedance TomGgraphy for the Measurement
of the Quality of Fγ’u甫ts and Vegetables
Jun MAGOSH工 and Sum■e KAM工YAMA
Nat二ional 工nstitu七e Qf Aqrobioloqical Resources
SUI叩ary
Nondestruct⊥ve measurement of plant has begrl carried out on the
quality of fruits and veqetables by the impedance tomoqraphy method・
田h・decay・f・斗r・七・i・imp・d・・ρ・・f p・ant w・・mea・u・¢d i・w・ter by
2。6 GHz microwa▽e irradiat二iQn。 Amultilayer shell model was con−
st二ru.ct;ed from tarqet obゴect for the principle Of the』iterat.‡ve
method. Each shell is giverユan initial refracti▽e index. 田he
鳳easured transmission wa▽e intensity of the obゴect was.compared.
with the calqulated intensity from the Ino(耳el・ .The calcμlat二ed
refracti▽e index was expected to apProach the true ▽alue by repeat−
ing#h・p・。とess・
Pea「sダwater melon, melon, tomato, egq plant and qreen pepper
were selec七ed as samples。 After measurement plants were cut into
slice呂7 and suqar conterlt, acidity and refractive index were
measured。 The absolute errors Of suqar cOntent measured by the
impedance tomoqraphy were found to be O.383 for pear I工, 2.121 for
water meloD and O。413 for melon。
The mechanical properties, espec土ally cQmpressiQn stress and
compressi▽ility of the plants were a.lso measured。 The cOrrelations
of the decay of impedance and the suqar content, acidity and me帽1.
chanical properties were examined。 A li七七le correlations were
recoqnized between the decay of impedance and the suqar corltent of
Water melon and melon。
一136一
大型別枠GEP一豆一4系 1985
大型別法縮圃P)研究
文
文 献 番 号
GEP85−H−4−1
献
題
目
Test of Electrode for the Measurement of Bioelectric
Potential on Plant Surface.
植物体表面の生体電位測定のためのエレクトロードの実験
GEP85−H−4−2
対象物の分光情報
皿一4 畑作物の分光反射特性
Extraction of Spectro−radiometric 互nformation.
狙一4 Renectance characteristics of field crop canopies.
GEP85一π一4−3
対象物の分光情報
盟一9 畑作物のマイクロ波情報
Extraction of Spectro−radiometric Information.
m−9 Microwave backscattering character of upland
crOPS.
GEP85−H−4−4
対象物の分光情報
m−7 牧草群落の生体情報
Extractまon of Spectro−radiomeもric Information.
皿一7 Bio−information of forage crops.
GEP85−H−4−5
Spectroradiometer for Field Use.
π.Biomass estimates for paddy rice using 1100 and
1200nm reflectence.
作物群落用反射スペクトル解析装置の開発
第2報 1100,1200nm反射率を用いた水稲生体量推定の試み
GEP85−H−4−6
個体群生長速度の作物間差について
Speci童。 Differences in CrQp Growth Rate.
GEP85−H−4−7
Spectroradiometer for Fie玉d Use.
皿,Acomparison of solne vegetation indices玄or
predicting luxuriant paddy rice biomass.
作物群落用.反射スペクトル解析装置の開発
第3報 可視,近赤外,中赤出域反射率を利用した水稲生体量の
各種推定手法の比較
GEP85−H−4−8
AS⇒ectroradiometer for Fieid Use,
IV. Radiometric prediction of grain yields for ripening
rice plants.
作物群落用反射スペクトル解析装置の開発
第4報 完熟期の分光反射率測定による水稲穀実収量の推定田
GEP85−1−4−9
畑作物の種類と生育時期の違いが野外分光反射率に及ぼす影響
Effects on Field Radiospectral Reflectance by Different
Species and St ages.
一138一
一1987年研究発表論文一・覧
発表論文一覧表(1985)
年月日
掲 載 誌
発 表 者
’86.12
T.Hirao
日本写真測量学会誌24巻,特集号1
’85.6
芝山道郎,秋山 侃
日本写真測量学会誌24巻,特集号1
’85.6
田中 米,堀江正樹
日本写真測量学会誌24巻,特集号1
’85.6
秋山 侃,高畑 滋
日本作物学会語素55巻,1号
’86.3
芝山道郎,棟方 滋
日本作物学会紀事54巻,別号2,「講要」
’85.10
豊田政一
日本作物学会紀事55巻,1号
’86.3
芝山道郎,棟方 研
日本作物学会紀事55巻,1号
’86.3
芝山道郎,棟方研
日本作物学会紀事54こ口別号2,「講要」
’85.10
芝山道郎,秋山 侃
ADnual Reporf of Nationai Institute of
Agrobiological Resources,1986
一139一
備考
文
文 献 番 号
GEP85−1−4−10
献
題
目
インピーダンストモグラフィの果実の品質測定への応用
Application of Impedance Tomography to the Measurement
of Qualityof Fruit.
GEP85−H−4−11
圃場用分光センサを使った水稲生育情報の追跡
丑.窒素含量と可視・近赤外分光反射特性
Detection of Crop Growth Information in Rice Plant Using
Field Spectroradiometer.
皿.Relationships between nitrogen content and reflectance
characteristics v主sible and nearinfrared wavelength ranges,
GEP85−H−4−12
圃場用分光センサを便った水稲生育情報の追跡
皿.可視∼中側外耳圃場用分光装置の試作
Detection of Crop Growth Information in Rice Plant Using
Field Spectroradiometer.
m.Design and function of field spectroradiometer for
visible to mid−infrared wavelengths.
GEP85−H−4−13
圃場用分光センサを使った水稲生育情報の追跡
IV.生育時期による可視∼中赤外分光反射特性の変化とLAI,バ
イオマスの推定
Detection of Crop Growth Information in Rice Plant Usirlg
Field Spectroradiometer.
IV. Changes in visible to mid−infrared reflectance by
growth stage alld estimation of LAI and biomass.
GEP85−1【一4−14
航空機MSSによる作物生育情報の判読
ほ)夏作畑作物の作目判読
Interpretation of Crop Information from Aerial−MSS.
(1}Crop inventory test for summer crop species.
GEP85−H−4−15
航空気MSSによる作物生育情報の判読
② ダイズにおける生育段階とバイオマス
Interpretatlon of Crop Information from Aeria王一MSS.
(2)Estimation of growth stage and biomass in soybean
population.
GEP85−H−4−16
係留気球による作物生育計測手法の開発
第1報 カイトバルーンを利用した遠隔撮影装置の試作
Development of Crop Growth Measuring Method Us重ng
Captive Balloon System。
1.Remoもe photographing systern from kite balloon.
GEP85−H−4−17
係留気球による作物生育計測手法の開発
第2報 カラー写真を利用した水稲生育量の推定
Development of Crop Growth Measuring Method Using
Captive Balloon System.
2. Estimation of rice growthby analysing;color photographs.
一140一
掲 載 誌
年月日
発 表 者
計測自動制御学会論文集22巻,9号
’86.9
鶴岡 久,高辻正基
日本作物学会紀年55巻,別号1,「講要」
’86,4
芝山道郎,秋山侃
日本作物学会紀事55巻,別号1,「講要」
’86.4
芝山道郎,秋山侃
日本作物学会紀事55巻,別号1,「講要」
’86.4
芝山道郎,山形与志樹
秋山 侃
日本作物学会紀事55巻,別号1,「講要」
’86.4
秋山 侃,山形与志樹
芝山道郎、鳥越洋一
日本作物学会紀事55巻,別号1,「講要」
’86.4
鳥越洋一,山形与志樹
秋山 侃
日本作物学会紀事55巻,別号1,「講要」
’86.4
芝山道郎,秋山 侃
躰作物学会慰事5 ト別号1・「講要」
’86.4
山形与志樹,芝山道郎
一141一
備考
文
文 献 番 号
GEP85一∬一4−18
献
題
目
A Spectroradiometer for Field Use.
V.Aportable spectralphotometer−design and performance.
作物群落用反射スペクトル解析装置の開発
第5報 可搬型フォトメータを利用する移動分光計測システム
GEP85−1−4−19
ASpectroradiometer for Field Use.
VI. Radiometric estimation for chlorophyll index of of耽e
canopies.
作物群落用反射スペクトル解析装置の開発
第6報 野外分光反射測定による水稲のクロロフィル・インデック
スの推定
GEP85−H−4−20
A Spectroradiometer for Field Use.
W.Spectral estimation of nitrogen levels in paddy rice
canOPles・
作物群落用反射スペクトル解析装置の開発
第7報 野外反射測定による水稲窒素量の推定
大型別枠(G翻P)研究
文
文 献 番 号
GEP86一皿一4−1
献
題
目
牧草および作物の分光反射特性
1,バイオマスの推定
Spectral Characteristics of Pasture Grasses and Crop Plants.
1. Biomass Estimation.
GEP86−1−4−2
牧草および作物の分光反射特性
2.作物種の判読
Spectra} Characteristics of Pasture Grasses and Crop・Plants.
2. Crop Spec重es Identification.
GEP86−H−4−3
水稲生育モニタリング法の検討
分光反射率計による箱苗の生育量推定
St1ユdies on Growth Monitoring Method for Rice Plant.
Biomass estimation for rice seedling by using spectral
photometer.
GEP86一∬一4−4
航空機MSSによる作物生育情報の判読
(3)作物分光特性の統計的判別
Interpretation of Crop Information from Aerial−MSS.
(3) Statistical analysis of crop renectance.
GEP86−H−4−5
航空機MSSによる作物生育情報の判読
(41農家圃場における水稲の出穂期並びに収量予測
Irlterpretation of Crop Information from Aerial−MSS.
一142一
掲 載 誌
年月日
日本作物学会紀事56巻,4号
’86.12
日本作物学会紀事56巻,4号
’86.12
発 表 者
備考
M.Shibayama
T.Akiyama
K.Munakata
Michio Shibayama,
Tsuyoshi Akiyama
日本作物学会紀事56巻,4号
’86.12
Michio Shibayama,
Tsuyoshi Akiyama
発表論文一覧表(1986)
掲 載 誌
日本草地学会誌32巻,別号,「講要」
年月日
’86.10.17
発 表 者
秋山侃,山形与志樹
芝山道郎
日本草地学会誌32巻,別号,「講要」
’86.10.17
秋山侃,芝山道郎
山形与志樹
日本作物学会東北支部会報 Nα29
’86.12
矢島正晴,具 然忠
石倉教光,芝山道郎
秋山 侃
日本作物学会紀事55巻,別号2,「講要」
’86.10
山形与志樹,秋山侃
芝山道郎
日本作物学会紀事55巻,別号2,「講要」
’86.10
鳥越洋一,山形与志樹
秋山 侃
一143一
備考
文
文 献 番 号
献
題
目
(4)Estimation of ear emargence date and grain yield in
farmers field.
GEP86−H−4−6
圃場用分光センサを使った水稲生育情報の追跡
V..微分スペクトルによる収量予測
Detection of Crop Growth Information in Rice Plant Using
Field Spectroradiometer.
V.Yie玉d estimation by spectral differentiation.
GEP86−1−4−7
作物生体情報の計測
Measurement of Crop Growth Information.
GEP86−1−4−8
作物群落用マイクロ波レーダの応用
(1}牧草類における応用
Application of Microwaverader on Plant Canopy,
(1) ApPlication on pasture plants.
GEP86−H−4−9
作物群落用マイクロ波レーダの応用
② 草量推定の可能性
Application of Microwaverader on Plant Canopy
(2)Estimation of forage biomass.
GEP86−H−4−10
Utilization of Remote Sensing Tもchnology in Agriculture.
リモートセンシング技術の農業への適用
GEP86−H−4−11
牧草・作物の分光反射特性
(3)航空機MSSによるトウモロコシの現存量推定
Spectral Characteristics of Pastt江e Grasses and Crop PIants.
(3}Estimation of corn biomass using aerial−MSS.
GEP86−1−4−12
圃場用分光センサを使った水稲生育情報の追跡
VI.反射スペクトルの2次加工による立毛籾収量推定の精度向上に
ついて
Detection of Crop Growth Information in Rice Plant Using
Field Spectroradiometer.
VI. Finite difference calculation technique for spectral
reHectance signatures and its apPlication for gra重n
yield production.
GEP86−11−4−13
圃場用分光センサを使った水稲生育情報の追跡
顎.出穂直前の桿葉鞘でんぶん量の推定可能性
Det6ction of Crop Growth Information in Rice Plant Using
Field Spectroradiometer.
V∬.Radiometric prediction for stem starch content in the
stage just prior to heading.
GEP86−H−4−14
圃場用分光センサによる作物の各種ストレスの検出
1.イネいもち病の病勢進展と分光反射スペクトルの経時変化
Detection of Stress Information in Crops Using Fie豆d
Spectroradiometer.
一144一
掲 載 誌
日本作物学会紀事55巻,別号2,「講要」
年月日
’86.10
発 表 者
芝山道郎,山形与志樹
秋山 侃
近畿作物・育種研究
’86.12
芝山道郎
日本草地学会誌33巻,別号,「講要」
’87.4
佐藤健次,原島徳一
梨氷 守,野本達郎
西村文彦,田中 米
日本草地学会誌33巻,別号,「講要」
’87.4
原島徳一,佐藤健次
梨木 守,野本達郎
西村文彦,田中 米
Farming Japan 20巻,6号
’87.12
T.Aki yama
日本草地学会誌33巻,別号,「議長」
’87,4.3
秋山侃,山形与志樹
芝山道郎
日本作物学会紀事56巻,別号1,「講要」
’87.4.2
芝山道郎,山形与志樹
秋山侃
日本作物学会忌事56巻,別号1,「講要」
’87.4.2
芝山道郎,秋山侃
山形与志樹
日本作物学会紀事56巻,別号1,「講要」
’87,4.2
一145一
秋山侃,芝山道郎
山形与志樹,加藤肇
備考
文 献 番 号
文
献
題
目
1. Chronological changes in spectral reflectance in accordance
with exasperation of rice blast disease.
GEP86−H−4−15
圃場用分光センサによる作物の各種ストレスの検出
肛.肥料レベル,遮光,落水処理が反射スペクトルに及ぼす影響
Detectiorl of Stress Information in Crop Using Field
Spectroradiometer.
1.Effects of f6rtrilizer., shading and water deficit on
spectral renectance.
大型別枠(G賊P)研究
文 献 番 号
GEP87−1−4−1
文
献
題
目
航空機MSSによる作物生育情報の判読
一水稲の出穂期と収量の推定一
Interpretation of Crop Information from Aerial−MSS.
一Estimation of heading date and yield of paddy rice.
GEP87−H−4−2
圃場用分光センサを使った水稲生育情報の追跡
珊.穂/全甲州比と反射スペクトル
Detection of Crop Growth Information in Rice Plant Using
Field Spectroradiometer.
田.Relatiorl of grain water content and spectral renectance.
GEP87−1−4−3
Spectral Characteristics of.Paddy Rice Canopies in Visible
to Mld−infrared Wavelength Region in Relation with
Their LAI and Top Dry Weight.
可視・近赤外波長帯における水稲個体群の葉面積指数および地上.
白乾物量の分光反射特性
GEP87−H−4−4
リモートセンシングによる稲穂水分の推定
Estimation of Water Content of Rice Grain by Remote
Sensing.
一146一
掲 載 誌
年月日
日本作物学会紀事56巻,別号1,「講要」
’87、4.2
発 表 者
備考
芝山道郎,秋山侃
R形与志樹
発表論文一覧表(1987)
掲 載 誌
年月日
日本作物学会手事56巻,別号2,「講要」
’87.10.15
発 表 者
鳥越洋一,山形県志樹
秋山侃,芝山道郎
日本作物学会紀事57巻,別号1,「講要」
’88,4.4
芝山道郎,山形与志樹
秋山 侃
Remote Sensing of Environment
(受理)
M.Shibayama,
T.Akiyama
農業気象学会全国大会「講書」
’88.4.12
平:木永二,芝山道郎
山形与志樹,秋山 侃
一147一
備考
8ulletin of Green Einergy Program
Group−H(Fixation of Matter)No.20
A:騨 翫組量⑪聾⑪ぼ鱗⑪一量:陥董⑪r膿瓢量⑪髄S㊧薦⑪r
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Ministry of A嘉rioulture, For鮪try菰nd Fish研i薦
Tokyo J畝P獄n