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ナノテクノロジーと食品 - 東レリサーチセンター

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●ナノテクノロジーと食品
ナノテクノロジーと食品
先端技術調査研究室 吉崎 理華
早麻 里穂
ことから、我が国の農林水産省のプロジェクト研究「食
品・素材のナノスケール加工及び評価技術の開発(平成
19 ~ 23年度)
」においては、粒径をナノスケールに近づ
けたマイクロスケールのものまでを研究対象に含めてい
る₁)。
1.はじめに
3.開発動向
ナノテクノロジーは、材料分野、エレクトロニクス分
野をはじめとする広範な分野で著しく発展してきてい
₃.₁ 研究開発動向(論文動向)
る。
食品素材、食品添加物、食品製造、食品容器・包装材料、
近年、食品分野においてもナノテクノロジー利用が注
台所用品等に関するキーワードと、ナノ材料や超微粒子
目され、研究開発が活発化してきている。2010年6月に
に関するキーワードを用いて論文データベース*の検索を
は、国際食品工業展(FOOMA JAPAN 2010)において、
実施すると、過去5年間で約400件の文献がヒットする。
日本で初めての食品ナノテクノロジーの国際会議である
研究開発内容としては、食品素材やサプリメントの開
「食品ナノテク国際シンポジウム」が開催されたところ
発、カプセル基材の開発、ナノスケール化装置の開発な
である。
どが活発である。最も研究開発が活発であるのは、食品
本稿では、食品分野におけるナノテクノロジーの利用
素材のナノスケール化であり、これらは吸収効率向上、
について、その利用範囲(定義)
、開発動向、安全性に
食味改善(におい、味のマスキングなど)
、安定性向上、
関する取り組み状況等を中心に紹介する。
溶解性向上、透明性向上などを目的としたものである。
ナノスケール化が研究されている物質(例)を表1にま
とめた。
2.食品ナノテクノロジーとは
表1 ナノスケール化が研究されている物質(例)
食品分野におけるナノテクノロジー利用は、
[1]食品自体へのナノテクノロジー利用
[2]食品接触材へのナノテクノロジー利用
の大きく二つに分けられる。[1]は食品素材そのもの
や 食品添加物 で あ り、[2]は 容器包装材料 や 製造機械、
台所用品に相当する。
ナノテクノロジー利用の主たる目的は、食品のテクス
チャー(食感)の改変、食品素材や添加物のカプセル化
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による溶解性・透明性の改善、新しい味や感覚の創出、
フレーバー放出の制御、栄養成分の生物学的利用率の増
また、最終製品にナノスケール物質は含まれていない
強などがある。食品包装においては、機械的特性、バリ
が、製造工程においてナノテクノロジーを利用すること
ア性、抗微生物特性を改善した新しい材料の開発、台所
に関する研究開発(ナノ濾過、ナノバブルを用いた殺菌
用品においては、抗菌特性や洗浄性を改善した製品が開
・滅菌・洗浄、ナノマテリアルを利用したナノセンサの
発されている。
開発等)も活発であった。
<定義について>
農林水産省では、平成14年度より食品分野でのナノテ
食品分野におけるナノの範囲はまだ明確になっていな
クノロジー利用に関するプロジェクト研究を実施してい
い。工業用の人工ナノ材料については、
“少なくとも₁次
る。第一期(平成14 ~ 18年度)
「生物機能の革新的利用
元が100nm未満の物質”という定義がなされているが、
のためのナノテクノロジー・材料技術の開発」
、第二期(平
食品分野においては、このようなサイズによる定義は適
成19 ~ 23年度)「食品・素材のナノスケール加工及び評
用されない見通しである。ナノ材料の新規性は物質の特
価技術の開発」である。
性(特に新しい機能性)にあり、サイズにあるのではな
現在推進されている「食品・素材のナノスケール加工
いという考え等から、各国で議論がなされているところ
及び評価技術の開発」の具体的な研究内容は、
である。
食品では、工業材料等とは異なり、数十μmのスケー
ルにおいてすでに食感や加工特性に大きな変化が現れる
* ここでは、(独)科学技術振興機構が提供する学術文献データベース
JDreamIIを用いた検索結果を示した
・41
東レリサーチセンター The TRC News No.112(Jan.2011)
●ナノテクノロジーと食品
ナノスケール加工基盤技術の開発と生体影響評価
・食品素材等を対象にマイクロスケールからナノスケー
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ルのサイズの粒子を効率的に製造できる加工技術の開
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・開発された素材の粒子サイズの違いが物理化学的特性
や生体に及ぼす影響の解明。
ナノスケール計測・評価技術の開発と新機能の解明
・従来の手法では解析困難なナノ領域特有の構造・物性
を計測・評価する技術を開発し、ナノ領域における新
㻢㻕
機能を解明。
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₃.₂
食品企業の取組み
内閣府食品安全委員会が実施した『食品分野における
ナノテクノロジー利用の安全性評価情報に関する基礎的
調査』 においては、国内の食品関連企業に対し、食品分
2)
野におけるナノテクノロジー利用状況についてアンケー
ト調査を実施している。
回答を得た237企業のうち、
「ナノテクノロジーを利
用している」のは48企業、
「現在利用していないが開発
計画がある」のは30企業であった。これらの78企業によ
る「ナノテクノロジーの利用目的」と「ナノ物質に期待
する有効性」についての回答を図1および図2に示す。
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図2 ナノ物質に期待する有効性
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定性向上」
「溶解性向上」は、いずれも食品工業におけ
る取扱性向上にかかわる項目であり、食品におけるナノ
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テクノロジー利用が、食品工業上の技術開発として取り
㻟㻕 㻝㻜㻑
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組まれている側面を示唆していると考えられる。
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₃.₃
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市場に出ている食品製品
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ナノテクノロジーを利用した製品については、以下の
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ようなインベントリ(一覧表)がある。
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図1 ナノテクノロジーの利用目的
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利用目的としては、食品材料と食品製造・加工が中心
であることがわかる。容器包装材料への利用が活発化し
ている海外の状況₂)と比較して、興味深い結果である。
ナノ物質に期待する効果については、44%の回答者が、
「吸収効率向上」を選択しており最も多い。次いで多い
「安
42・東レリサーチセンター The TRC News No.112(Jan.2011)
on the market3)
米国ウッドロー・ウィルソン国際学術センターの
PEN(The Project on Emerging Nanotechnologies)が
とりまとめた、米国および世界全般のナノテクノロ
ジーインベントリ。
②ナノテクノロジー消費者製品一覧4)
(独︶産業技術総合研究所(AIST) 化学物質 リ ス ク
管理研究センター(CRM)が編集したナノテク消費者
製品一覧。
これらのインベントリーにおける食品・飲料分野の製
品は、①では98製品、②では41製品が掲載されている
(2010年7月20日現在)。これらの多くが、サプリメント
等のナノスケール食品であり、その他には食品容器包装
と台所用品が含まれている。
●ナノテクノロジーと食品
ナノスケール食品としては、例えばナノ化された成分
告書を相次いで発行している。2009年12月には、FAO
を含む美容ドリンクやナノコロイド化された金属を含む
とWHOが共同で「Expert Meeting on the Application of
水や食品、サプリメント等がある。食品容器包装は、フィ
Nanotechnologies in the Food and Agriculture Sectors:
ルムにナノ粒子を充填したりコーティングすることによ
Potential Food Safety Implications₆)」 と 題 し た ナ ノ テ
り、ガスバリア性を高める等の効果をもたらしたものが
クノロジー専門家会議の成果をまとめた文書が発表され
開発されている。米国では既にプラスチックのビール瓶
た。その内容は、ナノテクノロジーが食品分野(農業分
に用いられているものがある。
野を含む)にプラスの効果をもたらす可能性があるとい
う前提を認めつつ、現時点ではリスクを評価するための
技術や情報が不足しており、そのための技術開発の発展
を促すよう強く求めたものであった。
4.新技術の導入と安全性
日本では、前節で述べたように、農林水産省で2002年
ナノテクノロジーを利用した食品の安全性に関する問
(平成14年度)より、ナノスケール食品素材に関する研
題については、食品安全や保健衛生にかかわる国際機関
究プロジェクトが進められているほか、2009年(平成21
や各国政府機関が取り組んでおり、専門家を招聘した検
年度)には内閣府食品安全委員会によって調査2)が実施
討会や研究プロジェクトの推進、それぞれにおいて製品
され、日本の食品関連企業におけるナノテクノロジーの
の流通情報の収集といった活動が進められてきた。2009
利用状況や各国の取り組み検討状況、食品分野における
年以降に発表された国際機関および欧米主要国の報告書
ナノテクノロジー利用の安全性評価に関する文献調査が
の一覧を表2に示す。
行われた。
米国FDAは2006年にナノテクノロジー調査特別委員
このように、ナノテクノロジーを利用した食品の安全
会を発足させ、FDAの科学プログラムと規制権限につ
性に対して、様々な議論が行われている中で、比較とし
い て 分析 し、2007年 に「Nanotechnology: A report of
てしばしば取り上げられるのが遺伝子組換え食品が、そ
the U.S. FDA Nanotechnology Task Force₅)」 を 発表 し
の技術開発に多大な資源を投入してきたにもかかわら
た。欧州各国やカナダの政府機関も、2007年から2009
ず、消費者には受け入れられなかった、という反省であ
年の間に、食品のナノテクノロジー利用についての報
る。2010年1月に英国上院議会/科学技術委員会から発行
表2
際機関・欧米主要国による食品分野におけるナノテクノロジー利用に関する報告書(2009年以降)
国
(参考文献2)より抜粋)
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FAO/WHO
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Supplements
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EFSA/Scientific Committee
EU
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FAO/WHO Expert Meeting on the Application of
Nanotechnologies in the Food and Agriculture
Sectors: Potential Food Safety Implications
⎔ቃ࣭㣗ᩱ࣭㎰ᮧ
ᆅᇦ┬(DEFRA)
ୖ㝔㆟఍/⛉Ꮫᢏ⾡ጤဨ఍
HOUSE OF LORDS
Science and Technology
Committee
㣗ရ⾨⏕Ᏻ඲ᗇ
(AFFSA)
ᅜ❧බ⾗೺ᗣ⎔ቃ◊✲ᡤ
(RIVM)
ᢏ⾡ホ౯ࢭࣥࢱ࣮
㸦TA-SWISS)
Ⓨ⾜ᖺ
2009
2009
Nanotechnology in Food Products
The Potential Risks Arising from Nanoscience and
Nanotechnologies on Food and Feed Safety
N a no t e c h n o l o g y i n A g r i f o o d .
2009
Novel foods, MEPs set new rules
EMERGNANO A review of completed and near
completed environment, health and safety research
on nanomaterials and nanotechnology
2009
N a no t e c h n o l o g i e s a n d F o o d
Nanotechnologies et nanoparticules dans
l’alimentation humaine et animale
Nanotechnology in perspective. Risks to man and
the environment
Dinner is served! Nanotechnology in the kitchen
and in the shopping basket, Abridged version of
the TA-SWISS study "Nanotechnology in the food
sector "
2009
2009
2009
2010.1
2009
2009
2009
EU: European Union, FAO: Food and Agriculture Organization of the United Nations, WHO: World Health Organization, WWICA: Woodrow Wilson International Center for Scholars, PEN: Project on Emerging Nanotechnologies,
IOM: Institute of Medicine, EFSA: European Food Safety Authority, MEP: Member of the European Parliament,
DEFRA: Department for Environment, Food and Rural Affairs, FSA: Food Standard Agency, AFFSA: L'Agence française de sécurité sanitaire des aliments, RIVM: National Institute for Public Health & the Environment, TA-SWISS:
Center for Technology Assessment
・43
東レリサーチセンター The TRC News No.112(Jan.2011)
●ナノテクノロジーと食品
された「Nanotechnologies and Food₇)」では、消費者自
全性評価情報に関する基礎的調査」報告書(2010)。
身が食品分野におけるナノテクノロジーの利用について
http://www.fsc.go.jp/fsciis/survey/show/cho201001
情報に基づいた決定ができるよう、情報の透明性の確保
やパブリックコミュニケーションが不可欠であり、政府、
業界、アカデミアおよび消費者団体が継続的に、この問
題について議論をすすめていくべきであると勧告してい
る。
ナノテクノロジーを利用した食品の安全性について
は、まだデータが少なく、各国ともそのリスクに対する
00001
3)Woodrow Wilson International Center for Scholars,
PEN(The Project on Emerging Nanotechnologies)
http://www.nanotechproject.org/inventories/consu
mer/
4)ナノテクノロジー消費者製品一覧((独)産業技術総合
研究所 安全科学研究部門)。
明確な結論を出すことができていない。しかし、消費者
http://staff.aist.go.jp/kishimoto-atsuo/nano/index
に対する情報開示は、そのリスク検討の過程を含め積極
5)Nanotechnology: A report of the U. S. FDA Nano-
的に行うべきであるという方向に進んでいる。
technology Task Force, FDA(2007).
今後、特に欧米では、消費者が自主的な判断で、ナノ
http://www.fda.gov/ScienceResearch/SpecialTopics/
テクノロジー利用食品を選択/非選択することができる
Nanotechnology/NanotechnologyTaskForceReport
よう、ナノテクノロジー利用した食品にはその表示を行
うことが義務づけられていく可能性が高いと思われる。
2007/default.htm
6)FAO/WHO Expert Meeting on the Application of
ただし、第₁章に述べたように、ナノテクノロジー利用
Nanotechnologies
in
the
Food
and
Agriculture
食品の範囲や定義に対する考え方はまだ統一されておら
Sectors: Potential Food Safety Implications, WHO/
ず、国際的なハーモナイゼーションが必要である。
FAO(2009).
http://www.who.int/foodsafety/fs_management/
meetings/nano_june09/en/index.html
5.おわりに
7)Nanotechnologies and Food, HOUSE OF LORDS
Science and Technology Committee(2010).
本稿では、食品とナノテクノロジーを取り巻く状況に
ついて概観した。ナノテクノロジーは、工業分野だけで
http://www.publications.parliament.uk/pa/ld/
ldsctech.htm
なく食品分野においても大きな革新をもたらす技術であ
る。先端技術調査研究室では、本分野の技術的発展と社
会的・制度的な動向の両面から注目していきたいと考え
ている。
■吉崎 理華(よしざき りか)
調査研究部先端技術調査研究室 研究員
略歴:1994年 筑波大学環境科学研究科 修士課程修了。
㈱東レリサーチセンターにて調査研究に従事。専門
は生物化学工学。
趣味:Jazz & Champagne
(Both, every other day)
6.参考文献
■早麻 里穂(はやま りほ)
1)杉山 滋・大谷敏郎:第₂章 食品ナノテクノロジープ
ロジェクト、中嶋光敏・杉山 滋 監修「フードナノ
テクノロジー、シーエムシー出版(2009年)
」。
2)平成21年度食品安全委員会事務局食品安全確保総合
調査「食品分野におけるナノテクノロジー利用の安
44・東レリサーチセンター The TRC News No.112(Jan.2011)
調査研究部先端技術調査研究室 研究員
略歴:1996年 お茶の水女子大学家政学研究科 修士
課程修了。
㈱東レリサーチセンターにて調査研究に従事。専門
は栄養生理学。
趣味:Sparkling Wine (once a week)
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