インド:増大する石炭在庫の管理に向け 石炭を輸出へ

インド:増大する石炭在庫の管理に向け 石炭を輸出へ
2016 年 7 月 28 日掲載
7 月 19 日付けの地元報道によると、近隣国への海上輸送による石炭輸出は、インドの石炭在庫管理の鍵
となり、更に、インドが石炭輸出市場に参入することになる。
石炭公社(CIL)は、石炭省の指導のもと、例えばバングラデッシュ、ネパール、スリランカへの石炭輸送
に向けて調査を始めた。しかし、近隣国への石炭輸送は、短期的な解決策でしかなく、CIL に率いられた
国内石炭会社は、中長期的な戦略のもと、国際石炭市場にその存在感を示すべきであり、海外市場での安
定した立場は、石炭在庫の効果的な管理の鍵となる。
政府幹部は、在庫管理は、今後 4 年間での 10 億トン/年の生産目標達成に向けた、重要な局面であると指
摘した。CIL は、過去 4 カ月以上、最大 50 百万トンの坑口貯炭を 6 月時点で 43 百万トンまでに削減し、また
電力需要減の中、国内消費者に対して引き取り量増の動機づけを行い、中期的には在庫管理での大きな影
響は受けなかったとした。
政府と CIL の見込みでは、近隣国への最大輸出量は約 10 百万トン/年。石炭省データでは、インドは海上
輸送の石炭輸出では、過去数年以上、1 百万トン/年程度の国でしかなかった。
石炭省は、インドは、豪州、米国、南アフリカ等の大手さえ、炭価安、再生エネルギーへの転換という
厳しい逆風に曝されている状況下で、
国際石炭輸出市場へ参入しようとしていると認めた。
石炭の輸出は、
インドの石炭会社にとって次なる未開拓の分野だとし、国内石炭の大部分を占める CIL には、その在庫対
策、輸出方法の調査が期待されているとした。
(石炭開発部 辻
誠)
おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確
な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとら
れた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の
図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願
い申し上げます。