インド:発電会社 石炭は供給過剰だが コストは上昇

インド:発電会社 石炭は供給過剰だが コストは上昇
2016 年 9 月 29 日掲載
9 月 14 日付けの地元報道によると、石炭の大規模消費者は、クリーンエネルギー課税の倍増、鉄道輸送価
格の値上げにて、石炭過剰供給の利益を享受していない。
政府が所有するインド鉄道は、石炭輸送距離に応じて料金値上げを行った。
国内最大発電会社である国営火力発電会社(NTPC)は、政府のクリーンエネルギー税の倍増 400 ルピー/トンに
て、発電設備の発電経費は、少なくとも 10~12%は増加したとした。NTPC の関係者は、鉄道輸送料金と増
税は、石炭火力発電の全体利益を損ない、電力需要も低下しているので、石炭の供給過剰にて発電量が増加す
るとはならないとした。
中央電力庁(the Central Electricity Authority)によると、石炭火力発電所の稼働率(PLF)は現状、50~57%
程度。電力会社は、PLF が平均 70%となると、石炭需要は増加するとした。
石炭公社(CIL)の生産量は、4~8 月の期間、前年度同期比 1.3%増、販売量は横並びであった。この状況に
は、石炭火力発電所の在庫量 28 百万トンと CIL の貯炭 48 百万トンという問題がある。最も特徴的なことは、
CIL は、当該期間、燃料供給契約にもとづく石炭販売量が、100 万トン減少し、大規模石炭火力発電会社の
需要の減退を示しているとした。
(石炭開発部 辻
誠)
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