(3−4) ICU ベッド 仕様書 大阪府立成人病センター 平成 25 年 11 月 1.調達の背景及び目的 ICUにおける重症の患者様の体重測定に関しては、従来よりハンモック式の体重計で対応しているが、吊 り上げによる患者のバイタルサインの変化が大きく、輸液ルートや呼吸器回路、透析回路の抜去に繋がるリス クもある。また、ハンモック式体重計を用いるためには、最低でも、1人の患者に対し、看護師3名が30分程度 拘束され、業務に支障をきたしている。 このデジタルスケール付のベッドは、看護師がルートを持ちあげ、数秒で精密に体重を測定することができ、 患者に係る負担やリスクが低減できるものである。また、測定した体重をメモリーすることができ、重症患者 尚且つ透析患者の体重管理に役立つ。さらには、優れた人間工学に基づいたフルチェアポジションをとること により、多くの重症患者の肺合併症を予防でき、早期離床に繋げることができる。なお、バッテリーを標準搭 載しており、停電時にも対応できるベッドである。以上のことを目的として導入するものである。 2.調達物品 ICUベッド 1 酸素ボンベホルダ 1 点滴保持システム 2 3.要求要件の概要 本件調達物品に係る性能・機能及び技術等(以下「性能等」という。)の要求要件(以下「技術的要件」 という。)は別紙1に、性能以外の要件を別紙2に示すとおりである。 別紙 1 調達物品に備えるべき技術的要件 1. ベッドの概要 ①本ベッドは、背・膝・足・高さ・トレンデレンバーグ(以下 TR と略す)及びリバーストレンデレ ンバーグ(以下 RTR と略す)をそれぞれ単独で操作できること。 ②背・膝・脚部・高さ・TR/RTR・座位姿勢(フルチェアポジション) ・フラット状態などの調節は、 サイドレールに備えられた操作パネルによってベッドサイドから行うことができること。 ③ベッドの上の患者の体重を計測し表示するスケール機能を有し、表示部をサイドレールに備える こと。 ④ベッド搬送時の労力を軽減させる搬送システムを備えること。 ⑤チェアイグレスポジションに移行することにより、フットボード側からの患者の立位をサポート することができること。 ⑥外形寸法は全幅 1,020mm とし、全長は 2,070mm∼2,370mm の範囲内で調節可能なこと。 2. ボトムは以下の要件を満たすこと。 ① ボトムは 3 分割とし、背ボトム、膝ボトムおよび足ボトムで構成されていること。 ② 背ボトムは、ベッドからの落下を防止する為、サイドレールを左右に備えること。 ③ マットレスのずれを抑制させるため、滑り止めの機能を有すること。 ④ 足ボトムは患者の身体にあわせて電動で伸縮できる構造とする。また、Ⅳポールなどのオプシ ョン品を 2 ヶ所取り付け可能なこと。 ⑤ 患者の体位を保持するためのベルトを取り付け可能なこと。 3. メインフレームは以下の要件を満たすこと。 ① メインフレーム内側の四隅には、ベッド上の患者の体重および体重変化量を計測するロードセ ルを備えること。 ② 搬送システムを操作する搬送ハンドルを有する。搬送ハンドルは処置等の邪魔にならないよう に格納可能なこと。 ③ 頭側にヘッドボードが取り付け可能なこと。 ④ Ⅳポールなどのオプション品取り付け穴を頭部に 2 か所有すること。 ⑤ フレーム側面(左右 4 か所)および足部(左右 2 か所)にアクセサリーレールを有すること。 ⑥ ベッド前後に樹脂製のバンパーを有すること。 4. ベースフレームは以下の要件を満たすこと。 ① ベッド搬送時の労力を軽減させる搬送システムの駆動部を有すること。 ② 搬送システムを駆動させるバッテリーを搭載し、容易に交換できる構造を有すること。 5. キャスターは以下の要件を満たすこと。 ① ベースフレーム四隅に配したキャスターは、車輪径は 152mm とする。ブレーキペダルにより、 4 輪同時固定(首振り・回転)、4 輪自在、搬送システム起動の切り換えが可能なこと。 ② ベッドに静電気が蓄積させるのを防ぐため、4 輪のうち 1 輪は導電性キャスターであること。 6. 搬送システムは以下の要件を満たすこと。 ① ベッドに加える力に応じて、ベースフレームに設置された駆動部の車輪を回転させ、ベッド搬 送時の労力を軽減させるシステムを有すること。 ② 安全性の確保とベッドの破損防止のため、下記の条件を全て満たさないと駆動できないシステ ムであること。 ・ブレーキペダルが、搬送システム起動状態である。 ・電源プラグをコンセントから抜いた状態である。 ③ ベッドを真横に動かすことができるよう、駆動車輪は床から離れることが可能な構造であるこ と。 7. ヘッドボードは以下の要件を満たすこと。 ① ベッドに容易に脱着できる構造であること。 ② 患者の容態急変など、緊急時の際には CPR ボードとして使用することが可能なこと。 8. フットボードは以下の要件を満たすこと。 ① 患者の尖足防止や座位姿勢時の姿勢の安定を確保するため、フットボードに足裏が接地できる よう、フットボード内側は平面形状であること。 9. サイドレールは以下の要件を満たすこと。 ① 頭側は、ボトム固定、足側はメインフレーム固定とし、それぞれ左右 2 か所備えていること。 ② 処置や移乗時の邪魔にならないようボトム下部に格納できる構造で、格納時の衝撃を緩和する ための緩衝装置と、持ち上げる際の力を補助する機構を有すること。 ③ 背上げ時の体のズレを最大限におさえるため、患者の寝る位置を推奨する表示があること。 ④ 頭側サイドレールの外側には、看護者用の高さ調節スイッチを備える。足側のサイドレールに は、患者用のスイッチ(以下、患者スイッチ)を左右両内側に、看護者用のスイッチ(以下、 ナースパネル)を左右両外側に備え、それぞれからベッド調節を行うことができること。ナー スパネルの一方は液晶表示式とし、体重計測などの表示・操作も行うことができること。 ⑤ ベッドの動作角度を正確に知るため、背上げ角度、TR/RTR 角度を表示する角度表示計を有す ること。 ⑥ チェアポジション動作時に必要な条件であるキャスターの固定状態や、フットボードの取り外 し警告、電源コードの接続状態を表示するランプを備え、看護者が一目で確認できること。 10. ① スケール(体重測定)は以下の要件を満たすこと。 液晶表示式のナースパネルからの操作で、ベッド上の患者の体重を計測できること。 ・体重測定許容荷重・・・・・・・・・・・227kg (併行精度 1% ±0.3%(34∼79.4kg)±0.1%(79.4∼208.7kg)) ② 患者体重測定後、寝具などを乗せたり降ろしたりしても、計測値に影響が出ないよう風袋引き 機能を有すること。 ③ 計測した履歴を 21 回分まで保存する機能を有すること。 ④ 万が一、計測結果を消去した場合、履歴を確認し、手入力することが可能なこと。 11. マットレスは以下の要件を満たすこと。 ① マットレス素材は、難燃性素材で構成されていること。 ② コンプレッサーによる加圧・減圧の自動調整が可能な圧力調整機能を有すること。 ③ CPR レバー操作を行った際、ベッドに連動してマットレスの硬さが最大となる最大膨張機能を 有すること。 ④ ベッド全長の伸縮に連動して踵部の減圧を行い、マットレスも伸縮する機能を有すること。 ⑤ 外形寸法は、全幅 889mm、厚さ 152mm とし、全長を 2,165mm とし、ベッドサイドレール、 ヘッドボードおよびフットボードで囲まれた中に収まる形状であること。 12. 電装品およびベッド操作は以下の要件を満たすこと。 ① 電装品は他の機器へのノイズ等による影響を軽減させるため、クラスⅠ機器(保護接地付)で あること。 ② ベッド調節は各操作パネルから電気的に油圧シリンダーを作動させることで行うことができ、 各々の機能は下記の範囲で調節できること。 背上げ角度・・・0∼75° 膝上げ角度・・・0∼20° 足部下降角度・・・0∼−85° マットレス上面高さ・・・床上より 571mm∼1,054mm TR、RTR の傾斜角度・・・それぞれ 0∼15°、0∼20° ③ 背上げ角度が 30°又は 45°以下になるとアラームを鳴らす機能を有すること。 ④ 不用意にベッドの動作を行うことがないよう、背・膝・高さ及び全ての動作(CPR 操作レバー による操作を除く)をロックする機能を有すること。 ⑤ 離床検知機能を備え、患者さんが離床をするとアラームの鳴る機能を有すること。 ⑥ 瞬時に背下げ及び膝下げ動作が必要な緊急時には、CPR 操作レバーを踏むことによって自動で フラット状態に戻る機能を有すること。ベッド頭部がフラット状態の場合、CPR 操作レバーを 上げることによって TR ポジションへ移行することができること。 ⑦ 電源供給がない場合においては、搭載したバッテリーにより基本的な操作(背上げ、膝上げ、 足上げ、高さ、TR、RTR、チェアポジション)が可能であり、各々の操作ボタン・操作ペダル により作動できること。 ⑧ 電源プラグは 3P プラグであること。 別紙 2 性能以外の要件 1 設置条件 ① 納入予定の機器は、当センターの機器設置予定場所に適合するものであること。 ② 入札機器のうち薬事法に基づく承認又は認証が必要な医療機器に関しては、入札時点でその承認又は 認証を得ている物品であること。 ③ 上記以外の機器に関しては入札時点で製造化されていること。 2 調整等 ① 当センターが指定した納入場所において、本装置を有効に稼働できるよう、納入期限までに装 置の搬入、据付、調整を行うこと。 機器の搬入及び納入した機器の調整は受注者が責任を持って行うこと。 ③ 調整後装置が正常に作動するように当センター職員が立会いの上で試運転を行うこと。 ④ 機器搬入の際、当センター建物の破損等がないよう細心の注意を払うこと。 ⑤ 建物に破損を生じたときは受注者の責任において原状に復旧すること。 3 ② 職員の研修 機器の取り扱いについて、当センター担当者に対し研修を行うこと。 4 保証期間 納入後故意または重大な過失に因らない故障に対する保証期間は納入日から1年間とすること。 5 費用負担 機器搬入・据付・調整、当センター職員の研修及び機器の検収に伴う費用は、受注者の負担と すること。 6 納入期限 平成 26 年 3 月 31 日 7 納入場所 大阪府立成人病センター 病院棟3階 ICU
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