車いす座面の最適形状計測システム 生産技術部 概 要 福祉施設の入居者は,日常生活の多くを車いす上で過ごしているため,お尻の痛みや,じょくそ うの発生を訴えています。そこで利用者のお尻の形に車いすの座面を合わせることを目的として, お尻の形を計測するシステムを開発しました。 ■システム構成 開発したシステムは車いすの形状 を模した外観で,着座部分にプラス チック注射器を158個設置し,お尻 の形状を形作ることが可能な構成 にしました。それぞれの注射器には チューブを接続し,内部に水を充填 します。そして,すべての注射器内 部の圧力を均一化するために,各 チューブの終端をひとつに繋げま す。また各注射器を固定するため に,各注射器の近傍には2方コック を介在させました(図1)。座面の高 さは,着座部分の上方から奥行き カメラKinectにより測定します。 ■座面試作と評価結果 取得した高さデータを基に,3次 元CADソフトで曲面データを作成し, NCルータを用いて座面を作成しま した。圧力分布測定装置((公 財)JKA補助事業で整備)によりお尻 にかかる圧力を測定した結果,試 作座面の方が広い範囲で圧力を受 けており,お尻や太股にかかる圧 力も均一で,座骨部分の強い圧力 も緩和されています。 注射器と2方コック (1個の注射器) 生 産 技 術 部 1モジュール(11∼12個) 測定システム(158個) 図1 開発したシステム 図2 評価結果 鹿児島県工業技術センター キーワード いちおし この技術は,座面そのものを利用者のお尻の形 状に合わせ,座面体圧の分散を図ることを目的に, 車いすに座ったときのお尻の形を計測するシステム の開発を行いました。 座面,形状計測,車いす Kagoshima prefectural Institute of Industrial Technology 4
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