17.産業機械技術分野における 国際標準化活動基盤強化アクションプラン はじめに 日本工業標準調査会標準部会は、我が国の国際標準化活動の一層の強化を図るため、 我が国の国際標準化に関するリソースを効率的に活用する観点から、我が国の国際標 準化対応体制のパフォーマンス等を評価し、具体的な国際標準提案テーマ(選定の基 準を含む。 ) 、提案テーマに関する国際市場の分析、具体的な提案方法、国際標準策定 プロセスにおける具体的な対応のあり方等を盛り込んだ中長期的な「戦術論」を策定 することが不可欠であると判断し、 「国際標準化活動基盤強化アクションプラン」を策 定することとした。 この決定を受けて、産業機械技術専門委員会では、平成13年8月に策定された「標 準化戦略(総論)及び分野別標準化戦略」等を踏まえて、産業機械分野におけるアク ションプランを以下のとおり策定した。 1. 産業機械分野の対象となる国際標準化活動 産業機械分野の対象としている国際標準化活動は、別表のとおりである。 産業機械分野では、建設・土工機械、繊維機械、木工機械、農業機械、食品機械、 油空圧機器など広範囲の生産機械類に渡っている。関連するISO/IECのTCの 数は、約30の委員会に関係している。それぞれ現在の我が国の参加位置は、別表の とおりである。 いずれのTCも、ほとんどが細別された機械類に関する国際標準化を所掌するもの であるが、ISO/TC199 や IEC/TC44 など機械類全般の安全に係る委員会も関係してい る。 2. 我が国の国際標準化活動の現状と評価 産業機械分野の主な国際標準化活動の現状は、以下のとおりである。 2.1 主な個別 TC/SC 別国際標準化活動状況 (1) 機械安全(ISO/TC199,IEC/TC44) 安全に関する社会的な関心の高まりを受けて、 機械安全の国際標準化がISO/TC 199及び IEC/TC44 で進められており、グローバル化対応や非関税障壁の撤廃 の観点から国際規格への積極的な対応が求められている。これらの TC については、 (社)日本機械工業連合会が国内審議団体として対応している。 機械安全の国際標準は、基本理念的な規定となる一般設計原則の規格(基本安 全規格(A 規格) )と広範囲の機械類で利用できるような安全又は安全装置を規定 する規格(グループ安全規格(B 規格) ) 、更に特定の機械に対する詳細な安全要 件を規定する規格(個別機械安全規格(C 規格) )といった3層構造で標準化が進 められている。TC199(ISO)及び TC44(IEC)では、これら A、B 規格に該当する国 際標準化の審議を進めており、このうち A 規格は長年に亘る審議の末、IS として 発行するに至ったところである。わが国でもこれらの進展に追従して昨年11月 にA規格のJIS化を行った。 TC199(ISO)及び TC44(IEC)の WG には、 これまでも日本から積極的参画をし、 近年その成果によって、国際会議の場で日本の意見も反映できるような環境が確 立できたところである。 (2) 圧力容器(ISO/TC11) 圧力容器関係の TC11 の国内審議は、高圧ガス保安協会が対応している。 種々のプラント等の信頼性の確保には、プラントの構成品である圧力容器の標 準が重要な要素となっており、この国際標準化を ISO/TC11/WG10 で日本が幹事 国・コンベナーとして推進してきたところである。国際標準は、欧州の動きに対 応すべく、性能要求規定形国際規格としてのとりまとめを日米が協力して推進し ているところである。 また、関連する国際標準化の動向として、ドイツから EN/シェルボイラー規格 の迅速処理手続きによる国際標準化申請がなされたが、日米で協力のうえ、これ を阻止するに至った。昨年11月に、WG10 及び WG11 を日本で開催し、各 WG 毎の DIS 案をとりまとめた。 (3) 建設・土工機械(ISO/TC127、TC195) TC127 の土工機械の分野では、TC127 直下の二つの WG と四つの SC(他に SC 傘下の WG 六つ)が設置され、更に新たに一つの WG 及び三つの特設グルー プが設立され、日本がコンベナーとなり、それぞれに積極的な国際標準化が推進 されているところである。一方、TC195 の建設機械関係では、国際標準化の推進 が土工機械に比べて立ち後れていたが、土工機械の国際標準に倣った国際規格作 りを推進することとなり、その迅速化が図られつつあるところである。 これら二つのTCに対する国内の審議対応は、 (社)日本建設機械化協会が行っ ている。我が国は、TC127 の関係で、親委員会直下の WG2及び SC2/WG5 のコ ンベナーを、また SC3(運転と整備)の幹事国及び議長を引き受け、さらに TC195 の関係では、WG 4(コンクリート定量混練装置) 、WG 8(骨材処理用機械及び装 置)のコンベナーを引き受けるなど積極的な対応をしてきたところである。 これまで、国際会議にも積極的に参画し、日本の意見を反映させてきたところ である。また、日本から積極的に新規課題の提案もし、それらの国際標準化のフ ォローアップを推進しているところである。 これら土工機械、建設機械は、国土交通省の技術基準、厚生労働省の強制法規 とも関連が深いことから、国内対策審議においては、これらの関連省庁とも連携 を図り推進してきたところである。 (4) 消防器具(ISO/TC21) TC21 の消防器具の分野では、 火災報知器や消火装置など五つの SC が設置され、 積極的な審議が進められている。 これらの分野の国内の対応は、ISO/TC21 事務局(SC11 については、建築・住宅 国際機構:建築分野で対応)が対応しているが、わが国から ISO7240-7(煙感知 器)の規格改正案を提案するなど、積極的な対応をしている。 また、平成13年には、千葉県幕張で TC21 及び五つの SC などの国際会議を開 催し、日本の意見を反映するなど、国際標準化を推進しているところである。 (5) 木工機械(TC39/SC4) TC39/SC4 の木工機械分野では、ここ数年活動が停止している状況にあるため、 取り立てた活動は行われていない。わが国の対応は、 (社)全国木工機械工業会が 対応している。今後、機械安全の C 規格の審議が開催される場合には、国内体制 の充実と強化を図って対応している。 (6) ガス容器(TC58) TC58 のガス容器の分野では、三つの SC が設置され、積極的な活動を行ってい る。国内の審議対応は、高圧ガス保安協会が行っている。 国際規格原案について、必要なものについては関係国内機関と調整を図ったり、 高圧ガス保安法との関連を調査し、日本の意見を反映するよう積極的な対応をし ているところである。 (7) 繊維機械及び附属品(TC72) ISO/TC72 の繊維機械の分野では、七つの SC が設置され活動している。国内の 審議対応は、日本繊維機械標準化協議会が対応している。 世界の繊維機械産業は総じて低迷しているが、その中で、日本勢と欧州勢が二極 分化して技術競争が激化しているが、産業の低迷で、本邦企業の国際標準化への 取組意識は薄い状況である。 (8) 冷凍技術(TC86) ISO/TC86 の冷凍技術の関係では、八つの SC が設置されているが、そのうち SC2 は、現在ほとんど活動しておらず、SC1 及び SC8 は親委員会とともに合同で活動 していたが、用語と定義に関するリストを作成する動きがでてきた。親委員会並 びに SC1、SC2 及び SC8 の委員会については、 (社)日本冷凍空調学会が国内対 応を行っている。 SC1 の安全の関係では、幹事国の米国の活動が低下していたが、フランスが、 WG1 のコンベナーを引受け、積極な活動が再開されつつある。も視野に入れた積 極的な活動をしているところである。SC8 の冷凍用冷媒及び潤滑油の関係では、 現在検討されている毒性評価の規格案に我が国の検討結果を提案するなど、積極 的な対応をしているところである。 SC3、SC4 及び SC7 については、 (社)日本冷凍空調工業会が国内対応を行って いる。SC4 の関係では、新代替冷媒対応のための改正案が頓挫した状態で進展が ないが、動き始めた場合には、積極的な対応をしていく。 (9) 真空技術(TC112) ISO/TC112 の真空技術の分野では、二つの SC が設置され、活動してきたが、国 内審議の対応は日本真空協会が行っている。 これら二つの SC のいずれも WG2 については、昨年9月まで我が国がコンベナ ーを引受け、積極的な対応をしてきたところである。どちらの SC も平成 15 年9 月に解散されたが、親委員会に「ナイフエッジフランジ継手の面間形状と寸法」 の規格の再提案や、 「L−形バルブの面間寸法」の規格について新規国際規格提案 を行って、プロジェクトリーダーを引き受けるなど、積極的に我が国の意見反映を推進し ているところである。 (10) ポンプ(ISO/TC115) ISO/TC115 のポンプの分野では、三つの SC が設置され活動しているが、国内審 議の対応は、 (社)日本産業機械工業会が行っている。 ポンプの我が国の国際競争力強化の観点から積極的に我が国の意見を反映させる よう対応しているところである。 (11) 油圧及び空気圧機器・システム(ISO/TC131) ISO/TC131 では、9の SC とその下に19の WG が設置され、積極的な国際標 準化活動がなされている。国内の審議対応は、 (社)日本フルードパワー工業会が 行っている。日本からも、SC7 の幹事国と議長を、また SC8/WG12 ではコンビナ ーを引き受けるなど積極的な対応をしてきたところである。この度、この SC8/WG12 で取り組んできた、わが国から提案した電気制御式油圧ポンプ試験方 法が ISO17559 として、制定・発行された。 これまで、我が国の対応としては、提案案件に対する意見は出してきたが、日 本から新たな提案をすることは、少ない状況であった。近年、TC131/WG4(信頼 性)の会議等で CD に対する日本からの意見について、そのほとんどが採択され るなど日本の技術力が認められてきており、日本からの新規提案も積極的に出す 基盤が確立されてきたところである。加えて、SC5/WG3において空気圧流量測 定法の提案を行い、WD として採用された。 (12) 印刷技術(ISO/TC130) ISO/TC130 には、WG が五つ設置され、急速なディジタル化に対応した国際標 準化等が推進されつつあるところである。これまで、我が国として国際会議に積 極的に参画するとともに、印刷機材や関連機器の主要生産国は、ドイツと日本が 圧倒的に多いことから、日本提案も多くしてきたところである。一昨年は、全体 会議及び全分科会の会合を日本で開催し、WG2 の副コンビナーも積極的に引き受 けるなどの対応をしているが、国内の審議体制は、 (社)日本印刷産業機械工業会 を中心に関連する(社)日本印刷産業連合会、 (財)日本規格協会内の画像処理技 術標準化委員会、 (社)日本印刷学会、 (社)新聞協会、フレキソ技術協会等の協 力を得ながら対応している。4回目の日本開催を来年予定している。 (13) 超過圧力保護用安全機器(TC185) TC185 の超過圧力保護用安全器機の分野では、 これまで18の WG が設置され、 国際標準の検討がされてきたところである。国内対応は、 (社)日本バルブ工業会 が対応しているが、これまでにも、我が国から「安全弁の騒音計算」などの規格 案を提案するなど、積極的な対応を進めている。 (14) 内燃機関・ガスタービン(ISO/TC70,TC192) 往復動内燃機関の分野では、基本的に関連国際規格の整備は、TC70 が所掌し ているが、自動車用は除かれて TC22 が担当し、また、建設機械用、産業トラッ ク用、 スモールクラフト用等ではそれらを担当する TC と調整して対応することと している。ISO/TC70 及びその SC7,SC8 並びに TC192 については、日本内燃機 関連合会が国内審議の対応をしており、これまで国際会議にも積極的に参加し、 日本の意見を反映させてきている。 TC70 の関係では、現国際規格の改正 WD を日本から数多く提案するなど、積 極的な対応をしているところである。特に、TC70/SC8 で審議されている排気・ 排出物測定方法の規格は、国内法規制とも密接に関係していることから注力して いる。 また、近年、往復動内燃機関の性能関係規格は、全ての用途に適用する中心規 格(Core Standard)と各用途別に適用する周辺規格(Satellite Standard)に分 けて規格化することとし、性能表示、性能試験など基本事項について、既存規格 の見直しを進めており、これらへの対応が求められている。 一方、TC192 のガスタービンの関係では、コージェネレーションに関する日本 提案を行ったり、その他のドラフトに対する我が国の意見を出したり、また、コ ージェネレーションについての新 SC 又は WG の設置を提案するなど積極的な対 応を行っているところである。 (15) クリーンルーム(ISO/TC209) クリーンルームの分野では、電子・精密・半導体産業の微細加工技術の進歩に 合わせて、より高度な技術開発と汚染物質の多様性に対する対応が求められてき ている。このような状況の中で、より高い空気清浄度レベルが要求されたり、除 去対象となる汚染粒子が微細化したり、分子汚染を引き起こす化学物質の除去等 が当面の課題となっているところである。 TC209 の関係では、 (社)日本空気清浄協会が国内審議の対応をしているとこ ろであり、WG3 の幹事国・コンベナーを引き受けるとともに、これまで、JIS や 当協会指針として策定した基準をもとに、多くの国際提案をしてきたところであ る。 一方、半導体産業の製造拠点が東南アジアへ移ってきている状況や、半導体産 業など微細製造加工産業の技術進歩に伴うニーズから、クリーンルームの国際標 準化事業は製造設備のインフラとして益々重要となってきている。 2.2 産業機械分野における国際議長、国際幹事及びコンベナーの引受状況 産業機械分野の関連 TC の国際議長、国際幹事及びコンベナーは以下のとおり である。 ① ISO/TC11 ボイラ及び圧力容器:WG10 のコンベナー・国際幹事 ② ISO/TC112 真空技術:PT4ISO/CD9803 コンベナー PT5ISO/CD21360 コンベナー ③ ISO/TC127 土工機械:WG2コンベナー・国際幹事 SC2/WG5 コンベナー・国際幹事 SC3 幹事国・国際議長・国際幹事 ④ ISO/TC130 印刷技術:WG2 副コンベナー ⑤ ISO/TC131 油圧・空気圧システム及び要素機器:SC7 幹事国、国際議長、国際 幹事 ⑥ ISO/TC195 建設用機械と装置:TC 195/WG 4(コンクリート定量混練装置) TC 195/WG 8(骨材処理用機械及び装置) ⑦ ISO/TC209 クリーンルーム及び関連制御環境:WG3 コンベナー、国際幹事 3. 国際標準化活動の重点化 産業機械分野の国際標準化活動は、建設・土工機械分野を除き、他の分野でも多く 見られるような欧州統一整合規格や米国のASTM(American Society for Testing and Materials)などを基礎とした国際規格提案が多い。しかし、産業機械分野では、 国内強制法規と密接に関係する国際標準も数多くあり、国内規格・基準を国際規格へ 反映し、整合化を図ることが重要な課題の一つとなっている。 機械安全や環境保全に係る国際標準化について、国際社会のニーズから推進されて きており、これらについては、国内強制法規との関連もあり、我が国としても積極的 な対応が求められているところである。 このような産業機械分野の状況を踏まえ、国際標準化事業に係る限られた資源(予 算・人材等)を効果的・効率的に投下するために、当面、次のとおり産業機械分野に おける国際標準に係る事業の重点化を図ることとする。 (1) 重点 TC・SC 抽出の観点 ① 日本の先進技術を国際的に広め、国際社会へ貢献 ② 国内規格の国際規格への反映・整合化推進の必要性 ③ 強制法規と関連の深い国際標準化 ④ 国際規格の適正化の推進 ⑤ 機械安全・環境保全など社会ニーズに対応した国際標準化 ⑥ その他、業界ニーズの高いもの (2) 重点化を図る TC・SC ① TC11(圧力容器 ② 真空技術(TC112) ③ TC127(土工機械)・TC195(建設用機械と装置) ④ 印刷技術(ISO/TC130) ⑤ TC131(油圧及び空気圧機器・システム) ⑥ TC209(クリーンルーム及び関連制御環境) 4. 重点 TC・SC の今後の活動目標及び活動方策 産業機械分野では、2.及び3.に記載したとおり、グローバル化した国際社会へ 対応するためにも国際標準化が重要な課題となってきており、各TC・SCとも国際 規格案の提案や幹事国・コンベナーの引受けなど積極的な対応を推進している。 さらに、国際標準化の課題には、国内の強制法規とも関連するものが多く、関係省 庁や関連機関との連携・調整も重要であり、これらの取組みも推進しているところで ある。 今後とも、これらの取組みを一層推進していくことが重要であり、特に重点化され たTC・SCについては、以下のとおり更なる推進を図っていくこととする。 今後、向こう3年程度を見通した重点TC・SCの活動目標及び活動方策は、以下 のとおりとする。 (1) ISO/TC11(ボイラ及び圧力容器) 圧力容器の国際標準化は、欧米の対立構造の折衷案として、性能要求事項を含む国 際規格案の作成を日米の協力のもとに推進しているところである。これら圧力容器の 基準は、国内法規との関連も深く、一昨年9月に国内関連法規の統一的な基準として 整備された日本工業規格が、より統一化を促進する方向で改正された。この日本工業 規格を国際標準案の性能要求事項に整合したものとして含まれるよう取り組む必要が あり、そのための改正、英文版の発行等積極的な対応をしていくこととする。 当該国際標準案は、日本がコンベナー及び事務局をしている WG10 で検討している ところであり、今後とも米国と歩調を合わせ、国際標準化を推進することとする。 また、前述したとおり、本国際標準案は、国内の関連法規との関連も深いことから、 国内意見のとりまとめ等に当たっては、国内対策委員会の場において、関係機関や法 規の関係省庁とも密接な連携を図って対応することとする。昨年合意に至った DIS 案 を平成17年度中にIS化する予定である。 (2) ISO/TC21(消防器具) 消防器具の国際標準化は、近年火災感知及び警報システム等の分野で新アイテムの 提案が積極的に行われているが、欧州規格を中心に議論が進められていること等から、 日本意見を全面的にこれらの規格に盛り込むことは難しい面がある。しかし、国内の 関連法規の設備基準、規格等との関係もあることから、これらの新規作業項目も含め、 国際規格のあり方の根本的な議論を進めながら、各国とも協力しつつ、我が国の意見 を反映するよう積極的な対応をしていくこととする。 (3) ISO/TC70(往復動内燃機関) 、ISO/TC192(ガスタービン) TC70 の関係では、ISO で性能表示、性能試験の規格体系の見直しを行っており、 対応する日本工業規格との整合化の観点から、これらの作業に積極的に参画するとと もに、日本からの意見や改正提案を積極的に推進することとする。 また、用語の規格については、従来から日本からの提案が取り入れられてきており、 「往復動内燃機関の要素及びシステム用語の主要運動部品及び冷却装置」についても 改正提案を行ったところであるが、これらの提案のフォローを積極的に推進するもの とする。 さらに、SC7(潤滑油ろ過器試験)では、往復動内燃機関のオイルフィルタの試験 方法、最近では特にディーゼル機関のオイルフィルタの「すす」の除去性能の試験方 法に重点を置いた標準化が実施されているが、日本はフィルタのシェアを多く占めて おり、我が国の意見を積極的に反映していくため、必要な対応を推進することとする。 SC8(排気排出物測定)では、排気排出物測定方法が国内の大気汚染防止法関連の 規制とも密接に関係することから、これらの関連規格の審議に関しては、国内法規と の関連等を十分考慮しながら積極的に対応することとする。日本での TC70/SC8の総 会開催を来年10月に予定している。 TC192 の関係では、安全性の規格などについては、欧州偏重の規格が作成される傾 向にあるが、なお、日本の意見を反映させるべく対応を推進していくこととする。 また、マイクロガスタービンに関する標準化に関しては、日本の技術を生かした原 案を作成し、積極的に提案していくこととする。さらにコージェネレーションについ ての新 SC 設置を提案したところであるが、本件については、今後も継続してコージ ェネレーション関係規格の審議の場の設定に対応していくとともに、関係する「コー ジェネレーションについての試験方法」 、 「導入評価方法」 、 「用語」などの規格原案の 提案を推進することとする。コージェネレーションに関する新たな SC 又は WG が設 置された場合には、日本が幹事国やコンベナーを獲得すべく積極的な対応を図るもの とする。 (4)ISO/TC86(冷凍技術及び空気調和技術) SC1(安全)では、WG1 のコンベナーが昨年1月にフランスに交替となり、審議が活 性化してきている。 また、その他の SC 関連では、全般としてオゾン層問題・温暖化問題による代替冷 媒や自然冷媒の導入により安全規格を大幅に見直す必要が生じてきている。一方、途 上国市場の成長により海外市場が大きく拡大し、米系企業と日系企業が市場で競合し ていることから、今後、安全規格の国際標準の見直しに際しては、更に積極的に日本 意見を反映するよう対応を図っていくこととする。 本年9月に、TC86/SC1/WG1 及 び TC86/SC1/WG5 を日本で開催予定である。(5) ISO/TC127(土工機械)・ ISO/TC195(建設用機械と装置) TC127 の分野では、WG2でコンベナーを引き受け、SC3 では幹事国となるととも に、日本からの提案も積極的に行ってきたところであるが、今後更に土工機械関係の 日本提案を推進するとともに、TC199 の機械安全の分野で、機械全般にかかわる基本 的国際標準が整備されたことから、地域又は各国の個別機械の安全規格作成の動きを 受けて、土工機械関係の安全に関する国際標準化の推進が決まったので、我が国から も積極的に安全に係る国際提案を推進することとする。WG2及び SC2/WG5 に関し ては、コンベナーとして日本提案のフォローアップなど積極的に国際標準化をリード していくこととする。これらの国際標準は、EC 指令や米国 OSHA(Occupational Safety and Health Administration)にも繋がるとともに、我が国の規制及び技術基準 とも関連するため、関連省庁、関連機関との連携も一層図ることとする。なお、安全 規格関係が、産業界にとって PL 対策のためなど主として「守り」の分野であるのに 対して、WG2 における情報化関係は、米国など先行のデファクト規格化への対抗とし て「攻め」の要素を含んでいる。 TC195 の分野では、WG4 のコンベナーとして国際標準化をリードするとともに、 我が国の意見・提案も積極的に行っていくこととする。また、今後、コンクリートポ ンプの性能試験方法や、コンクリート塊破砕機関連の国際標準化について検討を進め、 それらを日本提案していくこととする。これら日本提案が採択された場合には、幹事 国・コンベナーの獲得にも積極的に対応するものとする。 (6) ISO/TC131(油圧・空気圧システム及び要素機器) 我が国は、SC7(密封装置)の幹事国として議長及び事務局、並びに SC8(要素機器 の試験)WG12(ポンプの試験方法)のコンベナーの業務を遂行しているが、これら の業務を引き続き推進していくとともに、今後、更に日本からの新規提案を増やして いくこととし、新規提案が採択された課題については、積極的にコンベナーを引き受 けるなどの対応をしていくこととする。一例としては、SC5 で「空気圧−流量測定法」 に関する新規提案をするとともに、コンベナーも獲得していくこととする。 油空圧分野においても、機器やシステムの信頼性、安全性、識別情報などのソフト 面の標準化の重要性が高まってきており、昨年、信頼性試験の規格が提案され、具体 的な審議が開始されてきている。信頼性は、機器メーカ及びユーザにとっても重要な 課題であり、日本の意見を積極的に組み入れるよう対応していくこととする。来年、 日本での TC131 総会を開催予定である。 (7) ISO/TC199 ,IEC/TC44(機械類の安全性) WG1 で長年にわたって審議がされてきた ISO12100(基本概念、一般原則)という 機械安全の基本となる規格が、先般国際標準として制定された。我が国としてもこれ らの活動に積極的に対応してきたところである。これらの審議の国際会議には積極的 に参画し、日本からも新技術の提案や多くのコメントを出すなどの対応をしてきたこ とにより、近年日本からのコメントも多く採用されるようになってきている。これを 契機に機械類の安全性の一層の確保に向け、国際標準で採用されている「機械安全」 規格の体系化を我が国としても構築していく必要がある。 機械類の安全性規格では、その対象を単体の機械で捉え、設計者・製造者を対象と する規格が主体であったが、近年、機械安全の対象をシステムで捉え、設計者・使用 者・インテグレータなどを対象とする規格が開発されてきている。また、制御システ ム関連のようなソフトに関連する規格やリスクアセスメントの規格化の推進が予定さ れており、これら安全に係る国際標準化の課題は、国内法規にも多く関連するもので あることから、整合化の推進とともに、新技術の開発と規格提案など今後ともより一 層の積極的対応をしていくこととする。これらの国際標準化について、欧米に主導権 を握られないためにも、アジア諸国と連携を図ることが重要であるが、規格案の国際 共同開発や研修事業などを通じて連携の強化を図ることにも積極的な対応をしていく こととする。 また、C 規格の一つである高性能工業炉に係る燃焼安全技術の標準化について、適 当な TC を通じて我が国からの国際規格提案を推進することとする。 (8) ISO/TC209(クリーンルーム及び関連制御環境) TC209 のクリーンルーム関連では、WG3(計測及び試験方法)の幹事国・コンベ ナーを引受け、日本からの提案も積極的に行ってきている。また、他の WG でも、例 えば WG1(空中浮遊粒子清浄度クラス)の関係では、JIS の「クリーンルーム中にお ける浮遊微粒子の濃度測定方法及びクリーンルームの空気清浄度の評価方法」につい て、日本から国際標準化の提案をし、これをベースとした国際規格が制定されたり、 WG8(分子状汚染物質の評価法)の関係では、 (社)日本空気清浄協会の指針として 定められているいくつかの基準について、国際規格として提案し、その基本的な考え 方が取り入れられて、現在 CD 段階の審議に付されているところである。また、WG9 (クリーンサーフェイス)の分野では、 「基板表面汚染物質の測定方法」を国内審議中 であり、本年6月頃を目途に国際提案していくこととしており、採択されれば、日本 がコンベナーをするよう働きかけるなど、積極的な対応を図ることとする。さらに、 TC209 の関連では、 今後も新たな WG の設置や新規課題が多く提案されることも予想 され、我が国としても一層の積極的対応を促進していくこととする。 5.まとめ 産業機械分野の関連する TC は、消防器具、農業機械、木工機械、建設機械といっ た様々な個々の機械関係の TC のほか、圧力容器、内燃機関、ポンプといった共通的 な機械類の TC、更に機械類の安全性など機械類の基礎となるソフトに関する TC など、 あらゆる角度からの国際標準化が取り組まれている。 これらの TC の活動状況は、鉱山など TC そのものが所期の目的を達成して休止状 態となっている分野、また、国際流通が少ない、あるいは産業が停滞して関心が薄く なったりし、活動が不活発な分野も見受けられるものの、総じて国際市場のボーダレ ス化や、技術開発の進展に伴って、国際標準化の新たな課題への取組みが積極的に行 われてきている。 また、産業機械分野の課題は、各国の強制法規と関連する課題も多く、WTO/TBT 協定との関係から、欧米を中心に、それぞれの独自の強制基準を国際標準として規格 化を図ろうとする動きも見受けられる。 このような状況から、産業機械分野の国際標準化への取組みは、欧米の動向を十分 把握しつつ、国内の関連省庁、関連機関とも密接な連携を図って、国際標準化に取り 組むとともに、わが国が開発した技術に関する国際標準化を積極的に推進するよう取 り組んでいくこととする。そのためには、様々な機会において、幹事国やコンベナー などの業務を取得するよう働きかけることが重要である。また、それぞれの課題に対 応し、環太平洋を中心とした仲間作りへの対応も積極的に推進する必要がある。 これらの事業を推進するためには、国際会議へ同じ人の継続的参加、幹事国業務等 の支援体制の確保、国際標準化課題の提案のための国内体制の整備といったことが重 要であり、そのため、それぞれの TC での取組みについて重点化を図り、推進を強化 していくこととする。 なお、これらの重点化した分野は、固定したものではなく、今後の状況の変化に対 応して適宜見直しを行い、改定を図っていくこととする。 別表 TC/SC 名称 地位 審議団体 TC11 ボイラ及び圧力容器 P 高圧ガス保安協会 TC21 消防器具 P ISO/TC21 事務局 TC21/SC2 携帯用消火器 P ISO/TC21 事務局 TC21/SC3 火災報知器及び警報システム P ISO/TC21 事務局 TC21/SC5 固定消火装置 P ISO/TC21 事務局 TC21/SC6 消火剤 P ISO/TC21 事務局 TC21/SC8 ガス系消火設備 P ISO/TC21 事務局 TC21/SC11 防排煙設備 P 建築・住宅国際機構 TC23 農業用トラクタ及び機械 O (社)日本農業機械工業会 TC23/SC2 一般試験 N TC23/SC3 乗員の安全性及び快適性 N TC23/SC4 トラクタ N TC23/SC6 収穫物保護設備 N TC23/SC7 収穫及び保存設備 N TC23/SC13 芝生及び庭園用動力機械 O TC23/SC14 操作制御、操作記号及び操作マニュア ル N TC23/SC17 携帯式林業機械 P TC23/SC18 灌漑・排水装置とシステム N TC23/SC19 農業用電子設備 P (社)日本農業機械工業会 TC31/SC5 農業機械用タイヤ及びリム P (社)日本自動車タイヤ協会 TC39/SC4 木工機械 P (社)全国木工機械工業会 TC58 ガス容器 P 高圧ガス保安協会 TC58/SC2 ガス容器の附属品 P 高圧ガス保安協会 TC58/SC3 ガス容器の設計(試験・検査含む) P 高圧ガス保安協会 TC58/SC4 ガス容器の使用要件 P 高圧ガス保安協会 TC70 内燃機関 P 日本内燃機関連合会 TC70/SC7 潤滑油濾過器の試験方法 P 日本内燃機関連合会 TC70/SC8 排気排出物測定 P 日本内燃機関連合会 TC72 繊維機械及び附属品 P (社)日本繊維機械協会 TC72/SC1 紡織準備精紡及び撚糸機 P (社)日本繊維機械協会 TC72/SC3 製布機械 P (社)日本繊維機械協会 TC72/SC4 染色・仕上機械及び洗浄機械 P (社)日本繊維機械協会 TC72/SC5 工業用洗濯機器及びドライクリーニングマシン P (社)日本繊維機械協会 TC72/SC7 繊維機械管理のためのデータインタフェース P (社)日本繊維機械協会 TC72/SC8 繊維機械の安全制御 P (社)日本繊維機械協会 TC72/SC9 繊維機械の図記号 P (社)日本繊維機械協会 (社)日本農業機械工業会 (社)日本農業機械工業会 TC82 鉱山(スタンバイ) O (社)資源・素材学会 TC82/SC1 地質・岩石記号(スタンバイ) N TC82/SC2 コンベアの部分(スタンバイ) N TC82/SC3 巻鋼(スタンバイ) N TC82/SC6 ダイヤモンド試すい機器(スタンバイ) N TC86 冷凍技術 P (社)日本冷凍空調学会 TC86/SC1 安全 P (社)日本冷凍空調学会 TC86/SC2 用語と定義 P (社)日本冷凍空調学会 TC86/SC3 冷凍装置の試験方法 P (社)日本冷凍空調工業会 TC86/SC4 冷凍用圧縮機の試験方法 P (社)日本冷凍空調工業会 TC86/SC6 冷暖房空調装置の試験方法 P (社)日本電機工業会 TC86/SC7 冷凍冷蔵ショーケースの試験方法 P (社)日本冷凍空調工業会 TC86/SC8 冷凍空調機器の冷媒と潤滑油 P (社)日本冷凍空調学会 TC112 真空技術 P 日本真空協会 TC112/SC1 真空装置用フランジ及び継ぎ手 P 日本真空協会(2003.9 解散) TC112/SC3 真空ポンプの性能測定 P 日本真空協会(2003.9 解散) TC115 ポンプ P (社)日本産業機械工業会 TC115/SC1 ポンプの寸法及び仕様 P (社)日本産業機械工業会 TC115/SC2 測定及び試験方法 P (社)日本産業機械工業会 TC115/SC3 据え付けと用途 P (社)日本産業機械工業会 TC117 工業用送風機 O (社)日本産業機械工業会 TC118 圧縮機、空気圧工具及び空気圧機器 O (社)日本産業機械工業会 TC118/SC1 ターボコンプレッサー O (社)日本産業機械工業会 TC118/SC3 空気圧工具及び空気圧機械 P (社)日本フルードパワー工 業会 TC118/SC4 圧縮空気の品質 P (社)日本フルードパワー工 業会 TC127 土工機械 P (社)日本建設機械化協会 TC127/SC1 性能試験方法 P (社)日本建設機械化協会 TC127/SC2 安全性と居住性 P (社)日本建設機械化協会 TC127/SC3 運転と整備 S (社)日本建設機械化協会 TC127/SC4 用語、分類及び格付け P (社)日本建設機械化協会 TC130 印刷技術 P (社)日本印刷産業機械工 業会 TC131 油圧・空気圧システム及び要素機器 P (社)日本フルードパワー工 業会 TC131/SC1 用語・分類及び記号 P (社)日本フルードパワー工 業会 TC131/SC2 ポンプ・モータ及び集積伝動装置 P (社)日本フルードパワー工 業会 TC131/SC3 シリンダ P (社)日本フルードパワー工 業会 TC131/SC4 接続及び結合部品 P (社)日本フルードパワー工 業会 TC131/SC5 制御用要素機器 P (社)日本フルードパワー工 業会 TC131/SC6 汚染管理及び作動油 P (社)日本フルードパワー工 業会 TC131/SC7 密封装置 S (社)日本フルードパワー工 業会 TC131/SC8 要素機器の試験 P (社)日本フルードパワー工 業会 TC131/SC9 装置とシステム P (社)日本フルードパワー工 業会 TC185 超過圧力に対する保護用安全機器 P (社)日本バルブ工業会 TC192 ガスタービン P 日本内燃機関連合会 TC195 建設用機械と装置 P (社)日本建設機械化協会 TC199 機械類の安全性 P (社)日本機械工業連合会 TC208 産業用熱タービン P (社)火力原子力発電技術 協会 TC209 クリーンルーム及び関連制御環境 P (社)日本空気清浄協会 TC214 昇降式作業台 P (社)日本建設機械化協会 TC220 極低温容器 O 高圧ガス保安協会 TC4 水車 P (社)電気学会 TC5 蒸気タービン P (社)火力原子力発電技術 協会 TC44 機械安全−電気的側面 P (社)日本機械工業連合会 TC74 IT機器の安全性 P (社)ビジネス機械情報システム 産業協会 (IEC)
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