FAJ鉢物レポート2月 ●発行日:平成19年1月15日 ●発 行:(株)フラワーオークションジャパン 鉢物営業センター Vol.12 FLOWER AUCTION JAPAN, INC. Catch Up ! New Flower ハーデンベルギア ウンナンサクラソウ 学 名: Primula filchnerae 学 名: Hardenbergia violacea 科 名:サクラソウ科 科 名:マメ科 性 状:耐寒性多年草 性 状:半耐寒性の常緑つる性低木 原生地:中国 原生地:オーストラリア コメント:砂糖菓子のようなやさしい桜色の花 コメント:山野草愛好家の間ではコマチフジ(小町 が魅力。葉や茎には柔らかい毛に覆われて 藤)とも呼ばれます。 います。寒さには強いのですが、1 月から 2 寒さに比較的強く、関東以南では霜よけ程度で 月にかけて流通するものは温室で促成栽培 戸外で越冬します。水やりは鉢土の表面が乾い されたものです。寒風や霜、雪を避け、太陽 てからたっぷりと行います。 の光のあたる場所で育ててください。 なお、この時期に出 また、過湿を嫌うので、鉢の表面が乾いて 回るものは促成栽培さ から水やりします。 れたものなので霜の心 一鉢で3色楽しめる寄せタイプも 配がなくなるまで室内 問い合わせ先:鉢物営業センター で管理したほうがよいでしょう。 第 1 販売チーム 問い合わせ先:鉢物営業センター 第 1 販売チーム 砂糖菓子のような 桜色がチャーミング 同じ白花でも赤軸と緑軸では 雰囲気が異なります。 左は赤軸。右は白軸。 木立セネシオ‘桂華シリーズ’ 学 名: Pericallis x hybrida ‘Keika Series’ コメント:‘桂華シリーズ’は切花としてごく一部で利用されていたサイ 科 名:キク科 ネリアのステラタ系(Stellata)を交配親にして改良された品種群。 性 状:耐寒性の常緑多年草 草丈が高く、すっきりとした姿は従来のサイネリアにはない可憐な雰 囲気があります。 今年は新に‘彩(いろどり) シリーズ’が登場。開 花が進むにつれ、花色が変化していくタイプで、 一株でいろいろなピンク色を楽しめます。 寒さに強いのが特徴です。室内なら日当たり 上)今後主流となる スタンダードシリーズ 世界展開を予定している。 写真協力:華金剛 のよい窓辺などで育てましょう。暖房の風が直接 あたるような場所は不向きです。また、寒さに強いから といって直接霜や雪にあたるような場所は避けます。 一方、日本の夏のような蒸し暑さは苦手。できるだけ涼しい場所で 風通しをよくします。 問い合わせ先:鉢物営業センター 第 1 販売チーム 飯塚まで 今期あらたに登場する 彩(いろどり)シリーズ 花色の微妙な移り変わりを楽 しめる。 写真協力:華金剛 鉢物営業センターからのお知らせ 2 月 25 日~ 3 月 3 日 ホワイトデー用商品のご紹介(中央通路) 2 月の行事 2 月 2 日~ 2 月 11 日札幌雪祭り) 2 月 8 日 針供養 2 月 3 日 節分・豆まき 2 月 10 日 ふきのとうの日 2 月 4 日 立春 2 月 14 日 バレンタインデー 2 月 19 日 雨水 鉢物レポート Vol.12 品目分析:球根植物 早春の訪れを告げるスイセンや春を象徴するチューリップ、華麗な姿で夏を彩るユリ・・・。 わたしたちにとって四季の訪れを感じさせてくれる球根植物はとてもなじみぶかいものです。 今回はそんな球根植物を分析してみます。 球根類の生産額と輸入額 球根輸入のきっかけ 300 生産額 輸入額 度の導入を決め、球根類では事前検疫を条件 で見てみましょう。1990 年(平成 2 年)からの生産額 に隔離検疫を免除するという改正案を示し、オ と輸入額を積み重ねグラフにして表しました。 ランダの花博出展にこぎ着けました。前置きが 1990 年、それは大田市場花き部が開場した年で 長くなりましたが、条件付きとは言いながらもそ すが、同時に大阪の鶴見緑地で国際花と緑の博覧 の譲歩案は球根輸入を容易にし、90 年代半 会が開催された年でもあります。アジアで初の花博を ばには円高が進行したこともあり、球根輸入は 開催するにあたり、花の先進国オランダの出展は必 急増し、いっぽうで国内生産は減少の一歩をた 須でしたが、オランダは直前まで花博への出展を渋っ どることになりました。ちなみに国内で利用され ていました。その理由は、日本の植物防疫法が厳し る球根は 7 割以上が輸入品、それも大半はオ すぎるというものでした。そこで日本は、事前検疫制 ランダからの輸入!なのです。 250 200 (億円) まず、右の球根の生産と輸入の状況についてグラフ 150 100 50 0 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 球根植物(鉢花として)の取扱金額 ベスト20 海外との利用の比較 2006 植物名 2003 順位 取扱金額 順位 取扱金額 チューリップ 1 48,926,247 2 53,274,038 国内で消費される球根はその 7 割が切花生産や え球根は欧米では毎年植え替えせずとも据え置きで 鉢物生産に使われるといわれ、店頭で販売される球 よく育ち、宿根草と同様に育てられますが、日本は夏 ユリ類 2 48,449,303 3 38,194,594 根は全体の 3 割程度といいます。欧米では店頭で販 の高温多雨があるために据え置きが難しいという違い カラー 3 46,797,647 1 56,452,834 売される比率が 7 割といいますから、日本の花壇に が、その原因でしょう。 ヒアシンス 4 24,929,343 4 35,726,543 スイセン 5 18,245,872 5 23,378,904 ラナンキュラス 6 17,010,279 7 9,840,095 ダリア 7 14,744,194 14 4,374,021 おける球根類の活用はかなり少ないといえます。秋植 今後の展望 オランダから大量の球根が輸入されるようになり、国 内の球根生産は減少していますが、輸入拡大とともに 多数の品種が導入され、一般消費も、球根切花や球 根鉢花の営利生産も、すべてが活況を呈したというプ アッツザクラ 8 8,607,915 6 15,275,330 購入し、それを鉢植えにして開花させ、出荷するわけ アルストロメリア 9 7,947,119 8 7,596,900 ですが、球根鉢花生産は事前の投資額が大きく、しか アマリリス 10 5,656,125 9 5,993,878 も原価率が高いという特徴があります。つまり、市場単 スズラン 11 5,479,985 11 5,856,624 価が生産原価を割り込む危険性が高い、きわめてリス フリージア 12 3,324,644 12 5,362,983 アネモネ 13 3,226,311 15 3,693,153 ムスカリ 14 2,940,050 10 5,917,859 オキザリス 15 2,840,613 13 4,990,254 グロキシニア 16 2,817,363 16 2,982,372 グロリオサ 17 1,524,350 17 2,844,074 ラスの影響もありました。1 月から 3 月の早春には切 キーな商品群であり、市場単価が下落する傾向にあ 花も鉢物も球根類の商品が重要なアイテムにあるの る状況を考えれば、致し方ないでしょうか。生産者に も、輸入が拡大した成果といえるでしょう。 はより高品質な商品の出荷を望み、買参の皆さまに 昨年 1 年間に販売された球根鉢花の取扱額ベスト は丁寧に販売することを願いたいものです。昨年より 20 を表に示しましたが、過半は早春の品目になって 1 ユーロが 150 円を前後し、年を明けて 155 円を超 スノーフレーク 18 890,109 21 820,058 います。ただ、ピーク時に比べると国内販売量は減少 えるに至り、オランダからの球根輸入は大きく減少し、 カンナ 19 887,640 23 653,422 傾向にあり、2003 年との比較に於いてもその傾向は 球根鉢花の作付けも少なくなると推測されます。 フリチラリアの仲間 20 779,807 20 1,284,624 明らかです。球根を使う鉢花生産は、事前に球根を *オレンジ色:早春にかけて出荷されるもの *クリーム色:早春から初夏まで出荷されるもの 歳時記:二十四番花信風 私が住む横浜は起伏があり、都会といえ すのがぴったりでしょうか。どちらの季 どもあちこちに小さな雑木林が残っていま 節分けも中国に元を発しますが、中 す。その雑木林は冬のあいだ枯れ草色を 国では肌をうつ風が5日ごと(后と呼 見せていますが、芽吹きが始まるとまず最 ぶ)に変わるといわれています。中国 初に赤味を帯びてきます。そして、日々緑 と日本の違いこそあれ、その感覚は 色が加わり、やがて青々とした林に変化を 日本の自然にも当てはまると思いま 遂げます。日々移ろう季節が見える、それ す。特に、芽吹き前後の季節は視覚 が芽吹きの頃で、もっとも愛すべき季節で 的にその移ろいを見ることができま す。 す。 季節といえば日本の四季ということになり 穀雨までの8節気にある二十四候は 四節気があり、さらに節気を三つに分けた 候ごとに咲き始める花があり、その花 七十二候と呼ぶものがあります。二十四 が咲くときに吹く風を「花信風」と呼ん 節気で15日ごと、七十二候で5日ごと。 でいます。花信風がその花の便りを運 春の季節の移ろいはまさに七十二候で表 んでくるということでしょうか。 春編 七十二候(中国) 七十二候(本朝=日本) 二十四番花信風 立春 りっしゅん 東風解氷(とうふうこおりをとく) 東風解氷(とうふうこおりをとく) 迎梅(オウバイ) 蟄虫始振(ちっちゅうはじめてふるう) 黄鶯睨睆(こうおうけんかんす) 桜桃(ユスラウメ) 魚氷上(うおこおりをのぼる) 魚氷上(うおこおりにのぼる) 望春(コブシ) 獺祭魚(たつうおをまもる) 土脈潤起(どみゃくうるおいおこる) 菜花(アブラナ) 鴻雁来(こうがんきたる) 霞始靆(かすみはじめてたなびく) 杏花(アンズ) 草木萠動(そうもくほうどうす) 草木萌動(そうもくきざしうごく) 李花(スモモ) 桃始華(ももはじめてはなさく) 蟄虫啓戸(ちっちゅうこをひらく) 桃花(モモ) 倉庚鳴(そうこうなく) 桃始笑(ももはじめてわらう) 棣棠(ヤマブキ) 鷹化為鳩(たかけしてはととなる) 菜虫化蝶(なむしちょうとけす) 薔薇(バラ) 玄鳥至(げんちょういたる) 雀始巣(すずめはじめてすくう) 海棠(カイドウ) 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす) 桜始開(さくらはじめてひらく) 梨花(ナシ) 始電(はじめていなびかりす) 雷乃発声(らいすなわちこえをはっす) 木蘭(モクレン) 桐始華(きりはじめてはなさく) 玄鳥至(げんちょういたる) 桐花(キリ) 田鼠化為鳥(でんそけしてうずらとなる) 鴻雁北(こうがんきたす) 麦花(ムギ) 虹始見(にじはじめてあらわる) 虹始見(にじはじめてあらわる) 柳花(ヤナギ) 萍始生(うきくさはじめてしょうず) 葭始生(よしはじめてしょうず) 牡丹(ボタン) 鳴鳩払其羽(めいきゅうそのはねをはらう) 霜止出苗(しもやんでなえいず) ドピ(トキンイバラ) 戴勝降于桑(たいしょうくわにくだる) 牡丹華(ぼたんはなさく) 楝花(センダン) 雨水 うすい 啓蟄 けいちつ 春分 しゅんぶん ちなみに、二十四節気の小寒から ますが、陰暦では24の節気に分ける二十 Vol.12 二十四節気と七十二候 節気 清明 せいめい 穀雨 こくう FLOWER AUCTION JAPAN, INC. 園芸店の基礎知識その12 「花芽形成と開花調整」② 先月号では植物が開花に至るメカニズムとそのメカニズムを利用して開花調節をした「アイスドチューリッ プ」について学びました。2 月号では球根の隔離検疫と春化処理(バーナリゼーション)について学びます。 ◆球根の隔離検疫 現在、日本で販売される球根のおおよそ 7 割は 育中に再検査を行う必要があるとの認識から設けら た。それ以前はオランダから小さな球根を輸入し、 輸入に頼っています。それも大半はオランダからで れた仕組みです。隔離検疫が免除される例外は、 隔離圃場で一年間培養する途中で検疫を受け、太 す。球根を海外から輸入する場合、病害虫の侵入 私用に育てられる少量の輸入と、もうひとつは生育 らせた球根を国内に流通させていました。富山や新 を防ぐ目的の法律、植物防疫法によって検査を受 中に植物防疫検査を受けた場合(事前検疫)で 潟などは球根産地として知られていますが、もともと けることが義務づけられています。海外旅行のおみ す。①日本に輸出する目的で栽培される農場に、 は隔離圃場が設けられた場所だったのです。1990 やげに植物を買ったとき、通関前に植防検査のカウ ②その球根植物が生育している時期に、③日本の 年以降、オランダからの輸入が急拡大し、国内産 ンターに植物を持ち込み、病害虫のチェックを受け 植防検疫官がでかけて植防検査を行う、以上の 3 地は球根生産から切花などの製品生産に方向転 ますが、球根に関しては原則、隔離検疫が義務づ 点の条件を満たしたときに隔離検疫を免除するとい 換してゆきました。 けられています。隔離検疫とは、国に届けた一定の う仕組みが 1990 年に導入されました。事前検疫 前号で紹介したように、最近はニュージーランドや 条件を満たす圃場(隔離圃場)で一定期間栽培し、 に掛かる費用は相手国持ちということもあり、この制 チリからユリやチューリップの球根輸入が増えていま そこで植防検査を受けることです。休眠中の球根は 度をいち早く採り入れたのはオランダだけで、1990 すが、いずれも事前検疫を受けるようになったとい バイラスなどの病気があるかないか視認できず、生 年以降、オランダからの球根輸入が急拡大しまし います。 ◆春化処理 休眠した花芽や冬芽は冬を経験すること(低温に 見られないと言っていました。このように、多くの植 ~ 6 月に開花します。買った年はすぐに咲いたの 遭遇させること)で、春に生育を開始します。例え 物は一度休眠に入ると一定の環境条件が与えられ に、翌年は秋にも冬にも開花しない、これは自然な ば、チューリップの球根を秋以降 20℃で貯蔵する ない限り目覚めることはなく、ある期間、低温に遭遇 ことですが不安に思う消費者が多いらしく、「アマリリ と、いつになっても萌芽・開花しません。もう 10 年 して休眠から目覚める条件が整うことを春化(バー スが開花しないが・・・」という電話相談が 4 ~ 5 月 近く過ぎますが、サンパウロ(ブラジル)の鉢物生産 ナリゼーション)と呼び、休眠打破のための低温処 になると必ずあり 者を訪問したとき、そこでアジサイの栽培をみまし 理を特に春化処理と言います。 ます。 た。そこでは暖冬になると春になってもアジサイは萌 秋に販売されるアマリリスの球根は室内に入れる 芽もせず、もちろん開花もしないといっていました。 とまもなく開花しますが、これは春化処理済みだか 同じ理由から、サクラはサンパウロ周辺では開花せ らです。アマリリスは夏の高温で花芽形成をして、冬 ず、標高 1 千メートルほどの山地に入らないと花を の低温に遭遇することで春化が完了し、ふつうは 5 ◆四季咲きあじさい 前記のように、春の到来を告げるサクラも春化が ランテーション経営者が日本 季咲きにならず、せいぜい二季咲き止まりです。そ 必要な植物です。また、花の王様「花王」の漢名を の花木を好んで育てており、 の原因は 25℃以上の高温になると成長がストップ もつボタンも同様です。ところが、サクラでは 10 月 是非にということで招待され するからとのこと。 桜や冬桜など、ボタンでは寒牡丹と呼ぶ晩秋や冬 ました。庭にはツツジやツバ 以上のように、植物には季節の変化を温度の変 に開花する種類があります。どちらも、すべての花が キ、アジサイなどが所狭しと 化として感じとるものが多いということがわかります。 秋や冬に咲くわけでなく、花芽分化が早く進んだ蕾 植えられていま したが、11 今回はこれまでとしますが、季節の変化を日長の変 が秋や冬に開花し、分化が遅れた蕾は春に開花し 月というのにアジサイの花が 化で感じとるもの、日長と温度変化の両方に感応す ます。すなわち、どちらも枝先の花芽が秋や冬に開 咲いていました。そして、よく るものもあり、次回は日長変化と花芽形成、あるい 花し、腋芽に出来た花芽は春に咲いています。蕾に 見ると花の下の腋芽はふっくらとした花芽になってい は休眠についてまとめましょう。 よって休眠に浅い、深いがあり、眠りの浅い蕾がわ ます。確認すると、そこでは秋と春を中心に、ほぼ一 ずかな期間の低温で春化が完了して開花するとい 年中花が咲くとのこと。そしてツバキも同様とのこと うことです。 でした。グアテマラは亜熱帯気候にあり、農場がある 年によっては秋にフジが咲いたり、初冬にツツジが 場所は標高 1500 メートルほどで、一年中、春のよ 咲いたりします。これは狂い咲きと呼ばれる現象で うな気候が続くと聞きました。アジサイは充実した芽 す。いっぽう、冬桜や寒牡丹は一年に 2 度咲く特性 が 20℃程度の温度に遭遇することで花芽分化が をもつ品種です。アジサイにも昔から秋にも開花す 始まりますが、その土地では一年中そのような温度 る二季咲き性の品種があります。 帯にあり、しかも春化に必要な低温、15℃前後まで しかし、これは日本に 於ける常識であること 下がる日もときどきあるのでしょう。そう考えればアジ サイが一年中開花することも納得できます。 を述べなければなりま ちなみに、FAJ で販売する四季咲きアジサイ‘エン せん。数年前のこと、 ドレスサマー’は分化した花芽が休眠せず開花に至 中米グアテマラに行っ る特性をもつ品種です。そして春以降に伸びる新梢 たときのことです。時期 の枝先に必ず開花し、導入もとの米国では初夏から は 11 月。アボカドのプ 初冬まで随時開花しています。しかし、日本では四 FAJが販売する 四季咲きアジサイ‘エンドレスサマー’ 導入元のアメリカでは四季咲きするが、 日本では二季咲きに FAJ 鉢物レポート 生産者紹介 1 月号から若い後継者にスポットライトをあてた「Debut(デビュー) 生産者紹介」。 2 月号は ㈲金井塚園芸 金井塚良行さん と まる伊園芸 中村雅充さんをご紹介します。 ㈲金井塚園芸 金井塚良行さん ㈲金井塚園芸は、埼玉県のほぼ中央の東松山 当初は洋蘭が中心でしたが、洋蘭は栽培期 市に位置しています。もともと父が洋蘭を中心に生 間が長いこと、また、「花」に対する流行の流 産を行っていました。私が花き生産に携わろうと れが早くなってきたことからもっと栽培期間が 思ったのは、大学4年生の就職段階になって、「時 短いものをと思い、草花中心の生産に移行し 間で給料をもらうような仕事ではなく、結果をだして ていきました。 給料を稼ぐような仕事につきたい」と思うようになっ 父が昨年(平成18年)の夏に転職したことも たのがきっかけです。大学卒業後は宮城県の花生 あり、現在は私が中心となって栽培していま 産農家で 2 年間研修し、実家に戻って生産を始 す。 金井塚園芸 金井塚良行さん(中央)と従業員のみなさん お父様の転職に伴い、現在正社員募集中です。 めて現在で 10 年経ちます。 左)早春のおすすめ デルフィニウム ‘ミントブルー’ 鮮やかな青が印象的。 おすすめ商品 早春のおすすめは、デルフィニウム‘ミントブルー’です。実際 右)プリムラ・ジュリアン ‘キャンディーシリーズ’ 花色の鮮やかさが魅力。 見ていただければよくわかるのですが、花の青色が実に綺麗で す。春からは「ナスタチウム(金蓮花)」がおすすめ。しっかりした 草姿にするのに、何年も試行錯 誤しました。植え替えしてもらう と、すくすく大きく育ってくれま す。 秋冬は、日光や軽井沢に山上 げした「プリムラ・ジュリアン」で温 室がいっぱいになるのですが、そ 左)しっかりした草姿の ナスタチウム のなかでも‘キャンディシリーズ’ は大輪で、花色が多く、また鮮や 生産に対するモットー 人から言われたり、薦められたり、自分で思いついたりしたことは、出来る限り一度やってみるとい うことです。また、自分の栽培した花に関わる人全員に「いい花だね」と言われたいです。見た目や 値段、日持ち、植え替えした後の根はりの良さなど、全てがいいようにしていきたいと思っています。 金井塚さんから一言 まだまだ知らないことばかりです。いろいろ教えていただけたらと思っています。こんな花が欲しいと か、こんな花栽培してみない?など、ご意見、ご要望があればどんどん宜しくお願いします。 かなのでおすすめです。 まる伊園芸 中村雅充さん まる伊園芸は旧渥美町(現在 田原市)の遠州灘に面 入れの手伝いをさせてもらい、大学卒業後は したところにあります。父が鉢物生産をしており、自分も 愛知県飛島村の平野園芸で 鉢物生産に興味を持ち、千葉大学の園芸学部に入学し 研修し、現在は父の後を継ぎ ました。在学中は千葉県白井市の高橋植物園さんの仕 鉢物生産をしています。 年間の生産品目 母の日用のブーゲンビレアを中心に、3 月と 4 月にデプラデニア、 まる伊園芸 中村雅充さんとご両親 4 ~ 8 月にブーゲンビレア、11 月と 12 月に小鉢のシクラメンを出荷 右)3月・4月は デプラデニアが 出荷 しています。 生産に対するモットー 名前入りのラベルを付けて出荷しても恥ずかしくくない ものを作っていきたいと思っています。 が少なく、ピンク色がうまく出ない時期でもはっきりとした 色が出る品種です。 今年から出荷予定の新品種 ‘ピンクレディ’は ‘ブライダルピンク‘よりも発色が良く、梅雨時の日射量 中村さんから一言 渥美は温暖で関東、関西の大消費地にも近く、とても 恵まれた条件で生産ができる場所です。まだまだ勉強 不足で完全に満足できる出荷物はなかなかできません が、お客様が納得して買っていただけるものを育ててい きたいと思いますのでこれからもよろしくお願いします。 11月から12月にかけては小鉢のシク ラメンがハウスに並ぶ。 写真は12月下旬頃のもの。 左) 4月からはブーゲンビレアが出荷に なる。今年は新品種の‘ピンクレ ディ’がおすすめ。 http://www.faj.co.jp
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