サイズ:244KB - ニッセイ アセットマネジメント

F i n a n c i a l M a r k e t R e v i e w | 2009年7月13日vol.
47
英国の政策金利0.5%据え置きについて
9
9
9
英国中央銀行(BOE)は政策金利を現行の0.5%に据え置くことを発表。
量的緩和の手段である資産買取規模は現行の1,250億ポンドに据え置かれた。
民間非金融企業向けなどのクレジット市場は依然、懸念材料だが、一方で景気には回復の兆候がうかがわれる。
英国では、社債や国債が中央銀行の購入対象になり、量的緩
和が実施されています。量的緩和に踏み切った背景の一つと
しては金融機関の貸し渋りが挙げられていました。英国の金
融機関の貸し出し、および住宅ローン承認件数(※1)の急減
がこの証左でした。しかし、足元は量的緩和効果なのか、貸
し出しや住宅ローン承認件数に底入れの兆しが見られるよう
になりました(図表①参照)。このこともあり、英国の金融
当局は、4ヶ月連続で政策金利を据え置いているのかもしれま
せん。
民間非金融企業向けの貸し出しは減速が続いており、依然、
金融危機を背景としたクレジット市場の先行き不透明感がく
すぶり続けている状態です。この状況の中、英国中央銀行
(BOE)は量的緩和の手段である1,250億ポンドの資産買取
枠の据え置きを発表しました。この買取枠は8月の政策会合前
には使い果たされてしまう計算になります。今後、経済の更
なる悪化がなければ8月以降の資産買取策を延長する可能性は
低いと見る向きが多いようです。市場の一部には買取枠増大
の期待もあっただけに、今回の決定はやや意外であり、英国
債市場では長期金利が上昇しています。
【 図表① 】
20%
【 図表② 】
100
英国住宅ローン承認件数(右軸)
(千件)
15%
30%
90
80
25%
70
10%
20%
5%
60
50
0%
40
30
10%
20
5%
10
0
0%
英国の銀行&英国ハウジングアソシ
エーション(※2)の家計向け貸し出し
(前年比:左軸)
-5%
-10%
00
01
02
03
04
05
06
07
08
英国の民間非金融企業向け貸し出し(前年比)
15%
09
-5%
98
99
00
01
02
03
04
※1
住宅を購入したい人のローン申請に対して金融機関が何件の承認
をしたのかを表すデータ
※2 日本で言う住宅金融公庫のようなもの
出所:ブルームバーグ
05
06
07
08
出所:ブルームバーグ
英国の頭痛の種であるクレジット市場の回復が遅れているのは懸念材料ですが、一方、循環的な景気指標は回復の兆候が出て
きたことを示唆しています。英PMI(購買担当者)製造業指数のうち、製造業と建設業指数は改善傾向を維持しつつも、拡
大・縮小の分岐点である50を若干下回っていますが、サービス業指数については50を超過しはじめました(図表③参照)。ま
た、平均収入の上昇に伴い消費者信頼感指数も回復しはじめました(図表④参照)。
【 図表③ 】
【 図表④ 】
65
7
英PMIサービス業指数
60
6
55
5
50
4
10
5
(%)
0
-5
-10
-15
-20
-25
-30
-35
-40
3
45
英PMI製造業指数
2
40
1
35
0
30
平均収入(左軸:前年比)
消費者信頼感指数(右軸)
-1
英PMI建設業指数
-2
25
06/2
06/10
07/6
08/2
08/10
出所:ブルームバーグ
09/6
95
96
97
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
出所:ブルームバーグ
ご留意いただきたい事項
当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の
勧誘を目的とするものではありません。
投資信託は値動きのある資産を投資対象としており、基準価額は変動しますので、これにより投資元本を割込むおそれがあります。
ファンドによって投資対象資産や投資規制、投資対象国などが異なるため、リスクの内容や性質が異なります。また、投資信託の
お申込時、保有期間中、およびご換金時には費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)を
ご覧ください。
当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
当資料に記載されている各指数、統計資料等の著作権・知的財産権その他一切の権利は、各算出先、公表元に帰属します。
当資料に記載されている内容は発行日現在のものであり、今後予告なく変更される場合があります。投資に関する最終決定はお
客様ご自身でご判断ください。
当資料のグラフ・数値等は過去の実績であり、将来の市場環境の変動や投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第369号
加入協会:(社)投資信託協会、(社)日本証券投資顧問業協会