「ネットバブル」 有森 隆 著 吉田ゼミ2回生 野村智史 ☆ 本の概要 日本のナスダック・ジャパンやマザーズといった株式市場におけるネット関連株の、 2000年4月までの株価高騰を「ネットバブル」とし、光通信やソフトバンクなど の会社の経営、そしてネットベンチャーに群がる暴力団の存在や、経営者による株価 のつり上げ疑惑など、日本のインターネットビジネスにおける闇の部分についてのレ ポート。しかし、IT 革命の有効性や技術的問題に関する話題は全くない。また、今後の 展望もない。普通の裏経済レポートIT版といったところ。 第1章 ネットバブルとは何か? 一般的なバブルの原因・・・政治(80年代後半の日本のバブル) 新産業・新技術の創出(1929 年アメリカの大恐慌) ネットバブルは、金融緩和(ゼロ金利政策)で過剰になった流動性が、規制緩和で新規上 場したインターネットビジネスという新産業の株になだれこみ、発生した。 ※ ナスダック・ジャパン 99 年創設。ベンチャー企業育成のため、日の浅い赤字企 業でも上場できる店頭市場 ※ マザーズ 東京証券取引所による同様の目的を持った新市場 ソフトバンク・孫正義の「時価総額極大経営」 ・ 株価をいかにして上昇させるか ・ 株価を上昇させる情報をどうやってうまくマスコミに流すか「発表経営」 ベンチャー経営者は株価上昇に心血をそそぎ、最初から株式上場を目指すベンチャー起業 家の急増 ネットビジネスがマネーゲーム化 また、これらの企業を持ち上げた日経などマスコミやアナリストなどの罪は重い。 第2章、第3章では光通信を例に取り、どんな経営をやり、どんな風株価暴落に至ったか を述べている。キャリアからの手数料ビジネス、名義貸しの架空契約「寝かせ」 第4章 アングラ勢力と金のなる木 暴力団など闇の勢力が新興市場に近づき、ベンチャーをフロント企業化し て、 そこを通してマネーロンダリングを行う実態が書かれている。 マザーズ上場第1号「リキッドオーディオジャパン」の黒い噂 第5章 プロ意識なき株式市場の将来 アメリカの市場は日本と違い、様々な審査を通して上場、上場廃止で淘汰 さ 可能性も高い。このような日米の新興市場の違いに加え、マスコミやアナ リ ストのあおりでネットバブルが生まれた。 ・ マザーズの空騒ぎ ・ ファンドマネージャーの犯罪… 第6章 アメリカのハイテク景気 アメリカのインターネットブームは、日本と違い以前からの様々な蓄積が あ あってこそのものである。(技術、一般への利用知識の浸透、ビジネスス タ イルの定着)それに対してコピーである日本の弱さ。 第7章 ネットバブルのもたらしたもの IT基本法はたわごと。 2001年初頭からネットバブルの影響が…(今回の円安か?)
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