に対する業務停止命令(6か月)について(PDF:272KB)

平成25年10月30日
関 東 経 済 産 業 局
特定商取引法違反の訪問販売業者に対する
業務停止命令(6か月)について
○
関東経済産業局は、ネックレスや指輪等ジュエリーの訪問販売を行ってい
た株式会社DIAWIN(本社:東京都渋谷区)に対し、本日、特定商取引
法第8条第1項の規定に基づき、平成25年10月31日から平成26年4
月30日までの6か月間、訪問販売に関する業務の一部(勧誘、申込受付及
び契約締結)を停止するよう命じました。
○
認定した違反行為は、勧誘目的不明示、公衆の出入りしない場所での勧誘、
迷惑勧誘です。
○
処分の詳細は、別紙のとおりです。
○
なお、本処分は、特定商取引法第69条第3項の規定に基づき、消費者庁
長官の権限委任を受けた関東経済産業局長が実施したものです。
1.株式会社DIAWINは、消費者へ電話をかけ、ネックレスや指輪等ジ
ュエリー(以下「本件商品」という。)の売買契約の締結について勧誘する
ためのものであることを告げずに、本社へ来て欲しいと誘った上で、執拗
な勧誘を行い、本件商品の訪問販売(アポイントメントセールス)を行って
いました。
2.認定した違反行為は以下のとおりです。
(1)同社は、消費者にファッションのアンケート調査と称して電話をかけた
上で、「一度お店に来てみないか。」、「今からこっちに来ない。」など
と勧誘に先立って、勧誘の目的を告げずに、本社への来訪を要請してい
ました。また、来訪した消費者に対しても、映画や趣味といった雑談か
ら話を始め、本件商品の売買契約の締結について勧誘をする目的である
ことを勧誘に先立って明らかにしていませんでした。
(勧誘目的不明示)
(2)同社は、勧誘をすることが目的であることを告げずに呼び出した消費
者に対して、一般的な店舗のように消費者が自由に入出店できるような
状況にはないビルの4階にある本社において、複数の従業員で取り囲む
ような方法で勧誘を行っていました。
(公衆の出入りしない場所での勧誘)
(3)同社は、5時間を超えるものが散見されるなど長時間にわたって、ま
た、終電時刻まで執拗に勧誘を続けるなど、消費者に迷惑を覚えさせる
ような仕方で勧誘を行っていました。
(迷惑勧誘)
【本件に関するご相談窓口】
本件に関するご相談につきましては、消費者庁から権限委任を受けて消費者庁
とともに特定商取引法を担当している経済産業局の消費者相談室で承ります。お
近くの経済産業局までご相談下さい。
北海道経済産業局消費者相談室
電話
011-709-1785
東北経済産業局消費者相談室
022-261-3011
関東経済産業局消費者相談室
048-601-1239
中部経済産業局消費者相談室
052-951-2836
近畿経済産業局消費者相談室
06-6966-6028
中国経済産業局消費者相談室
082-224-5673
四国経済産業局消費者相談室
087-811-8527
九州経済産業局消費者相談室
092-482-5458
沖縄総合事務局経済産業部消費者相談室
098-862-4373
(別紙)
株式会社DIAWINに対する行政処分の概要
1.事業者の概要
(1)名
称:株式会社DIAWIN(ディアウィン)
(2)代 表 者:代表取締役 菊地 唯夫(きくち ただお)
(3)所 在 地:東京都渋谷区広尾二丁目1番18号
(4)資 本 金:300万円
(5)設
立:平成18年4月14日
(6)取引類型:訪問販売(アポイントメントセールス)
(7)取扱商品:ジュエリー
2.取引の概要
株式会社DIAWIN(以下「同社」という。)は、消費者へ電話をかけ、
ネックレスや指輪等ジュエリー(以下「本件商品」という。)の売買契約の
締結について勧誘するためのものであることを告げずに、本社へ来て欲し
いと誘った上で、執拗な勧誘を行い、本件商品の訪問販売(アポイントメン
トセールス)を行っていました。
3.行政処分の内容
業務停止命令
(1)内容
特定商取引法第2条第1項に規定する訪問販売に関する業務のうち、
次の業務を停止すること。
①
訪問販売に係る売買契約の締結について勧誘すること。
②
訪問販売に係る売買契約の申込みを受けること。
③
訪問販売に係る売買契約を締結すること。
(2)停止命令の期間
平成25年10月31日から平成26年4月30日まで(6か月間)
4.命令の原因となる事実
同社は、以下のとおり特定商取引法に違反する行為を行っており、訪問販
売に係る取引の公正及び購入者の利益が著しく害されるおそれがあると認め
られた。
(1)勧誘目的不明示(特定商取引法第3条)
同社は、消費者にファッションのアンケート調査と称して電話をかけた
上で、「一度お店に来てみないか。」、「今からこっちに来ない。」など
と勧誘に先立って、勧誘の目的を告げずに、本社への来訪を要請していま
した。また、来訪した消費者に対しても、映画や趣味といった雑談から話
を始め、本件商品の売買契約の締結について勧誘をする目的であることを
勧誘に先立って明らかにしていませんでした。
(2)公衆の出入りしない場所での勧誘(特定商取引法第6条第4項)
同社は、勧誘をすることが目的であることを告げずに呼び出した消費者
に対して、一般的な店舗のように消費者が自由に入出店できるような状況
にはないビルの4階にある本社において、複数の従業員で取り囲むような
方法で勧誘を行っていました。
(3)迷惑勧誘(特定商取引法第7条第4号、同法施行規則第7条第1号)
同社は、5時間を超えるものが散見されるなど長時間にわたって、また、
終電時刻まで執拗に勧誘を続けるなど、消費者に迷惑を覚えさせるような
仕方で勧誘を行っていました。
5.勧誘事例
【事例1】
平成24年3月、同社の営業員Zは、消費者Aに電話をかけ、「20代
の人にアンケートしています。」とファッション等の質問をした。Aは質
問に答えて電話を終わらせようとしたところ、Zは色々な話を続けた。こ
の時Zは、同社の会社名を名乗らず、ジュエリーの話もしなかった。アニ
メの話を30分程した頃、AはZから携帯電話番号を聞かれた。Aは好き
なアニメの話で会話が弾んでいたので、Zに自分の携帯電話の番号を教え
た。数日後、Zは教えられたAの携帯電話に電話をかけ、「Aさんと話が
合うからもっと話したい。電話だと料金もかかるから実際に会って話がし
たい。」と言った。AもZとアニメの話がしたいと思ったので、Zと待ち
合わせをして会うことにした。
恵比寿駅で会った時、ZはAに、「ちょっと寄りたい所があるんだ。」
と言い、ZはAを連れて本社が入っているビルに案内し、エレベーターで
4階に行った。Aは、案内された場所は、ネックレス等が陳列されたジュ
エリーの小さな店であることがわかった。ただ、駅前の店舗のように一般
のお客が自由に出入りしてジュエリーを購入するという感じでは無いと
思った。その部屋は電気が点いていたが、窓のカーテンは閉められ、外か
ら内部を見ることができない状態だった。
AはZから名刺を渡されたが、その時初めてそこがDIAWINという
ジュエリーの販売店で、Zの勤め先だと知った。AがZと店の奥のソファ
ーでアニメの話をしていると、別の営業員Yが加わり、AにZと一緒にア
クセサリーと宝石の違い等を説明し始めた。Aが理解できずに困っている
とYとZは再びアニメの話をした。その時、更に別の男性が来て、Aに名
刺を渡し、世間話を少しだけしてすぐに部屋を出て行った。Aは渡された
名刺からその男性が代表者Xだと知った。すると、YとZは突然、「展示
してあるネックレスを見てみようか。」と言って、Aをショーケースの方
に誘い、ネックレスを見せた。Aは宝石に興味がなく、買う気もなかった
のに、Yが「試してみればいいじゃん。」と言って、Aにネックレスを着
けた。Xは「似合うよね。」と言いながら、奥から契約書類を持って来た。
Aは言われるままソファーに座ったところ、X,Y,Zの3人に取り囲ま
れる状態になった。Aは買う気はなかったのに、Xから「ここに名前を書
いてください。」と言われ、取り囲まれる状態に恐怖を感じて「要らない。」
とは言えず、差し出された書類に言われるまま、氏名等を記入した。
【事例2】
平成24年3月、同社の営業員Wは消費者Bへ電話をかけ、氏名を名乗
り、ファッションのアンケート調査をしていると話し始めた。途中からB
の好きな漫画の話になり、打ち解けた後、WはBに、「会ってみようよ。」
等と言い、BはWとメールアドレスを交換し、何度かメールでやりとりを
した。その後、WからBにメールで具体的に何日何時に会おうと連絡があ
り、BはWと会うことになった。
午後7時頃、BはWと恵比寿駅で待ち合わせて、10数分歩いて本社へ
行った。Bは、奥のソファーに座り、Wは最初、電話で話していた時と同
様、漫画の話をしていた。途中から宝石の話になり、Wは、ショーケース
の方へBを案内し、宝石を見せて「こういうのが似合う。」などと言った。
Bは宝石を買うつもりで来たのではなく、漫画の話をするために来たの
で、宝石の話に違和感を覚えた。その後、別の営業員VがBとWのところ
に来て話に加わった。Vはショーケースの中の宝石について説明を始め、
話の流れでBはネックレスをひとつ選ばされた。Vはそのネックレスにつ
いて「これは本当は○○円くらいの値段だが、今回は安くする。」と言っ
た。Bは買うと言ったわけではないのに、Wから「これですね。」、「買
うと言って。」、「Bさんが書きますと言うかだ。」等と矢継ぎ早に次々
と言われたり、夜遅い時間まで勧誘されていて、契約書を書かないと帰る
ことができないと思い、氏名等を記入した。
恵比寿駅からBの自宅までは電車で1時間30分程かかるが、契約した
後、Bが終電に乗り、自宅に戻ったのは深夜0時を過ぎていた。
【事例3】
平成24年9月、同社の営業員Uは、消費者Cに電話をかけ、アンケー
ト調査をしていると話を始めた。Cは話をするだけならいいかと思い、U
と映画やゲームの話をしていた。最後にCは、「何で電話をかけてきたん
でしたっけ。」とUに聞いたところ、Uは「うちの店を知ってもらいたい。」
と言った。Cはその時初めてUがアクセサリー関係の店で働いていること
を知った。UはCに、「今からこっちに来ない。」と誘い、Cは「無理で
す。」と答えた。さらに、Uから、「じゃあ空いている日はいつですか。」
と聞かれたが、Cはジュエリーを勧めるような話は出なかったため、Uと
映画や趣味の話をすると思い、後日の夕方、恵比寿駅でUと会う約束をし
た。
Cが約束の時間に恵比寿駅に行くと、Uとは別の営業員Tが迎えに来
て、CはTに連れられて本社へ行った。本社は、店舗が少ない地域の建物
の4階にあり、4階にはエレベーターホールはなく、エレベーターから直
接本社内に入る作りだった。窓のカーテンは閉められ、外も見ることはで
きなかったので、Cは、「普通の人はここまで来れないだろうな。」と思
った。Cは、本社では、ソファーに座り、Tと映画やゲームの話をした。
この時もTからジュエリーを勧めるような話はなかったため、Cはジュエ
リーを買うことになるとは思っていなかった。途中からUがCとTの会話
に加わった。
2、3時間経った頃、UとTはCに、「良かったらうちの商品も見てい
きませんか。」と言った。UとTは、Cにジュエリーを合わせて、「これ
似合いますね。」と言ったので、Cは「そうですか。」とあまり乗り気で
はない言い方をした。また、Uから「この中で欲しいのがありますか。」
と聞かれたCは、「あまりないです。」と答えた。さらに、Uから「強い
て言えばどれですか。」と聞かれたので、Cは、「これですかね。」とネ
ックレスをひとつ選んだ。値段を聞くとUは、「△△円。」と言ったので、
Cは断る方便として、「この金額じゃ無理ですね。」と断った。すると、
Uが、「上の人に値段を下げてもらうように頼んでくる。」と言って、隣
の部屋に行き、「下げられるよ。」と戻ってきた。それでもCは、「無理
です。」と断ったが、隣の部屋から男性が出て来て、Cに名刺を渡し、「う
ちは完全招待制なので、あまりお客さんが来ないので、来たお客さんには
良いものを買ってもらいたい。」と話し、「□□円にする。」と言った。
Cはもらった名刺から、この男性が代表者Xだとわかり、買う気はなかっ
たが、あまりの金額の落差に思わず「そんなに下げちゃって大丈夫なんで
すか。」と聞いた。Xは、「お客さんのためなら大丈夫ですよ。」と言い、
Cが、「買います。」と言っていないのに「買う」ということで話が進ん
でしまった。Cはジュエリーを勧められているときは「しつこいな。」と
思ったが、実際に口に出して「帰りたい。」とは言えず、Xから契約書に
住所、氏名等を書くように促され記載してしまった。結局、Cが本社を出
たときには、到着してから5時間程経っていた。
【事例4】
平成25年2月、同社の営業員Sは、消費者Dに電話をかけ、「新しく
お店を立ち上げることになった。若い人の意見を聞いているところです。」
と好きなファッション等を聞いた。Dが質問に答えるとSは雑談を続け、
2人はフレンドリーな雰囲気になった。するとSはDに、「バイトが休ん
でしまい、たまたま自分が電話することになった。こんなに仲良くなれた
のは偶然で、奇跡だ。」、「お店もファッションの店ではなく、実はジュ
エリーショップでDIAWINという店だ。」、さらに、「こんなに仲良
くなったのは最近ではないことだ。一度お店に来てみないか。」と言った。
Sからこのように何度も言われたため、Dは断り切れず、訪問日時の約束
をしてしまった。この際、SはDに、「お店に来て話をしよう。」と言っ
たので、Dも買うつもりで行ったのではなかった。
約束の日の正午頃、Dは、恵比寿駅に迎えに来た別の営業員Rと歩いて
本社へ行った。そこで、Dは、Rや本社にいた別の営業員Qとソファーに
座り、最初は趣味や漫画等の話をしていた。RとQは、Dに「ショーケー
スを見てみようか。」と切り出し、Dはショーケースの方に連れて行かれ
た。Dは気に入ったものを選んでと言われ、ひとつを選ばされた。すると、
Dが買うと言っていないのに、RとQは選んだ宝石の意味等を説明し、さ
らに、Qは「地元が一緒なのは偶然だ。がんばって安くしてあげるよ。」
と言った。Dは買うとは言わなかったが、最初のSと同様に、「偶然だ。」
と何度も繰り返し言われたため、断ることができず、買うことにした。契
約をし、Dが本社を出た時に時間を確認したところ、午後4時頃だった。