★★ レイルエキスパート 体験レポート ★★ ㈱日本旅行 京都海外旅行支店 近藤 健二 ① 旅の目的 ユーロ通貨も見たことないくらいヨーロッパにご無沙汰でしたので、渡りに船とばかりレイル エキスパート講座を受け、あと1ヶ月でコンプパスの有効期限が切れる~、というとこで強引に お休みを取って、ゆっくりした旅行を楽しもうと思い立っての旅でした。 ② 旅行日程&ルート 日程内で気付いたこと <1日目> ITM→NRT→AMS→BRU by AIR アムステルダム空港は手荷物用のカートがあったのに、ブリュッセル空港は手荷物用のカ ートがなく、おまけに到着ゲートからターンテーブルまでが異常に遠い…。ここが目的地の人 は手荷物を軽めにした方がいいかも知れません。 ブリュッセル空港駅から中央駅までは列車を利用。空港駅は1番線と2番線のみで、15両 ぐらいの列車は楽勝でとまれそうなホームにもかかわらず、やってくる列車は3~4両。行き先 はゲントなど近郊都市ばかりで、短い列車はブリュッセルMIDI行きのものも…。 車内は結構清潔でしたが、1等車と2等車の違いは、1等が布貼りのシートで、2等がビニ ール貼りのシートだったくらいです。中央駅は1~6番線まであり、エスカレーターとエレベー ターで地上の改札まで上がれます。切符売り場の左手出口向かいにあるメリディアンが高級 鉄道旅行の方におすすめホテル。予算重視の方には、少しグランプラスの方に歩いたところ にイビスやノボテルがあります。 <2日目> ZYR(BRU MIDI)→ QQW(LON WATERLOO) by EUROSTAR (No.9153 17: EUROSTAR (No.9153 17:56/19: 56/19:28) ユーロスターのチェックイン方法には2種類あり、磁気の入ったチケットは自動改札機を通 し、磁器のないチケットは係員にチケットを見せます。今回のコンプチケットは自動改札機を 通るチケットでしたが、ユーロネット発券のチケットには磁気は入りませんので、係員にチケッ トを提示してチェックインします。 ただし、係員のいる入口は2つしかなく、自動改札より時間がかかりますので、混雑する時 間の列車の場合は早めに駅へ到着するよう、お客さまに案内が必要です。チェックインが終 わるとパスポートチェックと手荷物検査があり、その後は出発20分前にアナウンスがあるまで 出発ロビーで待っています。 1等車はラウンジが使えると聞いていたような気がしたので、ラウンジに入ろうとしましたが、 「フリークエントトラベラーの白いカードを持っている人かビジネスファーストクラスの人じゃな いとダメ!!」と言われ、あえなく退散…。フリークエントトラベラーにはなれないと思いますが、 ビジネスファーストクラスって何じゃい? そんなの聞いたことないよ~、と思いながら車内へ …。夜の列車なので、周りは真っ暗。どこを走っているか分からないまま、リールを過ぎたころ に夕食が出ました。 前菜・メインは順番にサーブされますが、飛行機でいうとエコノミークラスぐらいの内容です。 海峡トンネルを通る前にアナウンスがあったときは、「今、海の下かな?」なんて思ったりしまし たけど、出発から到着まで周りが暗く、夜景で明るくなった頃、ロンドン着でした。ロンドン着 後はパスポートチェックと手荷物検査を受けて、出口からタクシー乗り場に向かいましたが、 タクシーは、出発口→到着口の順で寄りますので、長蛇の列を避けたい人は出発口に着くタ クシーを捕まえるのがおすすめです。 <3日目> LON 滞在 コンプチケットの分際でウオータールー駅に出向き、チケット変更をお願いしてしまいまし た。チケットに 「EXCHANGE BEF. DEP/NON REFUNDABLE」 と書いていた ので、もしかしたら…、と思ってチャレンジしたら、何事もなかったかのように列車変更OK。条 件は、元のチケットと一緒に携帯ということのみで、手数料も不要でした。 <4日目> QQW(LON WATERLOO)→XPG(PAR NORD) by EUROSTAR (No.9024 12: EUROSTAR (No.9024 12:09/15: 09/15:59) QQWも チェックイン→パスポートチェック→手荷物検査→ロビーという流れはZYRと同じ でしたが、各施設は段違いに充実していて、ガラス張りの屋根のおかげで雰囲気も明るかっ たです。 イギリス国内の高速新線ができてからは初めての乗車でしたが、ロンドン→アシュフォード 間の後半部分が高速新線です。メリットとしてはスピードが段違いに上がったことと、直線とゆ るいカーブで構成されるせいか、スピードの割には揺れないです。ただし、トンネルの続く区 間がありますので、新幹線と同様に耳が痛くなります。 前のユーロスターもこのユーロスターも、4人用のテーブル席が取れて、かつ、ZYR→QQ Wは他のお客様が乗ってこなかったので、ゆったり使えましたが、QQW→XPGはアシュフォ ードもカレーも他のお客様が乗ってきてカレー→パリはほぼ満席…。ユーロスターって国際 列車だしさすがにカレーからは誰も乗ってこないだろうと思っていたのが甘かった。停車駅ご とに食事トレーを持って席を替わるのはバツが悪いですので、席は指定されたとおりに座りま しょう。XPGには入国審査はなく、ホームを抜けたらすぐにパリの街を楽しめます。 <5日目> PAR→シャルトル→PAR 無計画旅行だったので、朝起きての思いつきでシャルトル行きを決意。地下鉄でモンパル ナス駅へ。地下道には、通常の3倍の速さで動くムービングウォークがありましたが、まだ普 通のムービングウォークを使う方が多かったです(私は乗りましたが、快感ですよ)。 初めての駅に構内図も持たずに行き、シャルトル行き列車のホームを探したら、パリ近郊 行のホームは自動改札になっていました。係員に聞いたら近郊行き列車もパスは使えるとの ことでしたが、どうやって入場するのかも分からないままシャルトル行きの列車は出発しました。 近郊列車はTERという名前に統一されていたみたいですが、SNCFの案内に出てくるような 二階建てのカッコイイTERはモンパルナス駅発には皆無…。昔ながらのボロッちい列車が名 前を変えただけ、という感じです。 イスは1等車も2等車も一緒で、1等車のメリットは周りのお客様が少ないことぐらいでした。 ただし、シャルトル行きの列車は近郊列車のゾーンより遠いところ向けの列車なので、パリの 次は Versailles Chantiers、その次が Rambouillet と停まり、その後シャルトルまで各 駅停車でした。検札も来ないかなと思っていた頃、急に普通のスーツを着た人が「チケット」と 言い出して結構ビックリ!! 検札の係官はいかにもといった制服ではないので普通のビジ ネスマンに見えます。シャルトル駅は5番線までの小さな駅で、パリから来れば、駅の手前・左 手に大聖堂が見えますので、下りてから迷うことはないと思います。帰りも行きと同じ要領で 戻って来ました。 <6日目> PAR G.LYON → AVIGNON CENTRE TGV (No.6193 10::44/14 44/14::15) by TGV (No.6193 10 パリ・リヨン駅に早めに着いて、案内板で出発ホームを探しても、何番線か分かりません…。 最初は水色と黄色の案内板が出ていて、A~N番線(のどこか)のホームか、5~19番線い ずれかのホーム、という大雑把な分け方のみなので、とりあえずはそのどちらかのエリアに行 く形となり、実際の出発番線は出発20分ぐらい前に確定されます。 列車の外観は一番古いタイプと一目で分かるものですが、車内は改装されていて、1等車 のリクライニングも電動でした(ユーロスターでも手動です)。出発後15分ぐらいですぐ高速線 に入り、ヴァランスの手前で在来線に戻ります(ヴァランスはVille駅着となります)。その後は 在来線を通って行きますが、地中海行きの高速線は在来線のすぐ近くを通っていて、一回 目の前で抜かれてしまいました。 あと、車内の食事はカフェテリアでパスタ、サンドイッチ、ドリンクを売っています。アヴィニヨ ンが目的地の人は、城壁の目の前にあるCentre駅の方が到着後のことを考えるとおすすめ だと思います(くわしくは7日目の内容で…)。到着後アヴィニヨンの街を見学して、翌日早め に出発しようと思い、またも日本で買った指定券を変更することに……。エキストラネットを含 めてどの解説にも「Non Refundable」の旨、案内がありましたので、変更も無理かと思った ら快くOKでした。しかも、またも手数料無しで…。確かに「No Reservation Changable」と は書いてなかったのですが、全然知らなかった内容でした。向こうでの指定料金は3ユーロ です。 <7日目> AVIGNON TGV → NICE VILLE TGV (No.5103 10::20/13 20/13::24) by TGV (No.5103 10 最初はCentre駅からTGV駅へのバス移動ですが、バス停の場所はCentre駅前の道を 渡り、城壁の横を抜けて左手すぐのところです。La Poste(郵便局)の看板下で、Centre駅 の出入口から50mもありませんので、迷うことはないと思われます。このバスが曲者で、アヴィ ニヨン市営バスのため、パスや乗車券を持っていても1.5ユーロ取られてしまいます。最低で も1時間に2本は走っています(所要時間約15分)ので、よほどのことがないとタクシーに乗ら なければならない、ということはないと思います。 バスがTGV駅に着いたら着いたで、バス停-駅舎は吹きさらしの階段と道を歩かなければ なりません(約50m)。駅舎の中は超近代的できれいですが、設備としては喫茶店とちょっと したKIOSKみたいなのがあるだけで、あとは通路などのパブリックスペースです。パリ方面ホ ームにはガラスの仕切りがありますが、ニース方面のホームは待合室もない吹きさらしです。 ホームの柱にはアルファベットで柱番号が掲示されていて、自分の乗る号車がどのアルフ ァベットの柱かを掲示した案内板が駅舎内にあります。列車内は前日に乗ったTGVと全く同 じでしたので、割愛しますが、途中エクサンプロヴァンスTGV駅の通過用線路で30分以上 足止めを食らい、マルセイユ→ニースまでずっと雨…。ニースに着いても下車ホームにエス カレーターはなく、荷物を持っての移動はかなりしんどいです。 <8日目> ニース → マントン → モナコ → ニース この日も無計画だったのでホテルで前日に時刻表をもらいましたが、「マントンまで行く直 通電車はないよ」みたいなことを言われました。しかし、もらった時刻表には「直通」と書いて いたので、なんとか行けるのかなと思っていたのが甘かった…。東行きの列車は全部モナコ・ モンテカルロ止まり。時刻表は直通って書いているし、モナコから乗り継ぎの電車が出ると思 って楽観していた私は、モナコで列車を下りてガク然!! つなぎの電車はもちろんなく、み んなゾロゾロと山の手の出口の方へ出ていて、駅員に「マントン行きはこっちですか?」 と聞 いても 「ハイ」 というくせに、 前に見えるバスは 「MONTECALRO COUNTRY CLU B」 行き。「そんな駅聞いたことない~」と思いながらも周りを見たら年配の方ばっかりだった ので、この方々全員がゴルフかテニスすることなんかあり得んと、思い切ってバスに乗車。 バスはモナコのちょっと山あいの道を通り「COUNTRY CLUB」に到着。バスが着いても つなぎの列車やバスは見えず、ゾロゾロ歩かされた挙句、地面に柵を囲っただけの待合所で 立ったまま待つこと約20分…。前方から人が現れてやっと小さな仮設ホームに現れた列車を 発見。そういえばモンテカルロトンネルの工事ってどこかで案内していたな…、と気付いたの はVentimiglia行き列車に乗ってからのことでした。 マントンではジャン・コクトー美術館などを見学してから、モナコに戻りました。このモナコ・ モンテカルロ駅も曲者で、王宮側とグランカジノ側と山側の出口がありますが、みんな長い通 路かエレベーターでつながっているので、移動も結構大変です。 <9日目> ニース → マンドリュー・ラナプール → カンヌ → ニース この日はまず、マンドリュー・ラナプールのお城を見に行くことにして、ニース駅へ向かいま したが、朝の時間帯、普通列車はみんなカンヌ止まり。サン・ラファエルから戻る列車の方が早 いかな? と独断で決めていったものの戻る列車も1時間待ち。やっぱり計画は大事です。 9時過ぎにホテルを出たのにマンドリュー・ラナプールに着いたらお昼過ぎ。お城のガイドつ きツアーは2時半までなかったので、そそくさとカンヌに行くことにしましたが、その列車は50 分遅れ…。定刻15分過ぎたら電光掲示板は次の列車に変わるし、間引かれたか~と思った 頃に列車はやって参りました。 カンヌの街を見てニースに戻るとき、この旅行最後の列車が初めて、観光局の案内に出てく る2階建てTERでした。1等車は2車両あり、1、2階に分かれており、1つは喫煙車、もうひとつ は禁煙車両になっていますが、設備自体は2等車となんら変わりません。新しい列車の割には 落書きも多く、TERはしょせんTERだと思って帰ってきた次第です。 <10&11日目> NCE→CDG→NRT→ITM by AIR この日は列車に乗らなかったので、特記事項はありません。 ③ その他気付いたこと 今回はユーロスターとフランス国内のみでしたが、ローカル線の検札はほとんどありませ んし、パスを提示しても使った日付のところに穴をあけられることもありませんでした(前回行 ったドイツ・スイス&イタリアはきっちり穴を開けられていました)。ただし、係員のいる駅では チケットの刻印はうるさく言われます。 これからのセールスはパスから区間乗車券&予約券に移っていくものと思われます(現に ビジネス客の多い当支店では顕著な傾向です)。乗車券&予約券は内外価格差が大きい ですので、現地の料金+10%までに抑えてほしいところです。
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