ビ ジ ネ ス 将 来 像 熱 く 議 論

﹁ロボットサミット2011﹂が
サイトで開催された︒同サミットは︑
月 日に東京・有明の東京ビッグ
月9︱ 日に開催された﹁20
11国際ロボット展﹂の併催事業として行われた︒サミットには︑産業
用ロボットのユーザー2社とロボットメーカー6社の8人が参加︒ユー
ザーサイドからメーカーに安全性と生産性の両立や新分野展開への体制
三神 国際ロボット連
れます︒景気変動に影響
って大きく市場が左右さ
ザーの設備投資動向によ
いと思っております︒
を含めて進行していきた
きか︒このあたりの議論
市場開拓はどう進めるべ
谷さんにプレゼンテーシ
す︒まずはツムラの橋
おりますのが製薬業界で
として大きく期待されて
んできました︒
化︑自動化という話が進
課題もあり︑ロボット
ら生産性を高めるという
のか︒生薬を煎じて用い
を積極的に導入してきた
弊社がなぜロボット技術
橋 谷 製薬業である
タイジングを行っていま
ロボットが箱詰めやパレ
た︒包装工程では製品を
ロボットを開発しまし
る造粒工程用に容器交換
て︑漢方薬の顆粒剤を作
り海外向け販売比率が増
しています︒なかでも中
国や韓国などのアジア新
興国で飛躍的な拡大が見
られています︒
たいことは︑小型化や安
今後のロボットに求め
必要ではないかと思いま
応用できる仕組み作りが
かって︑ロボット技術を
グ会社などとの連携をは
さらに︑エンジニアリン
全機能の充実︑そして医
く方針です︒
薬品メーカーとしてはロ
す︒
三神 ありがとうござ
ボット自身の清掃性の向
上を考えてもらいたい︒
ト同士の幅をコンパクト
ボットを使う時にロボッ
ること以外に︑複数のロ
ットそのものを小さくす
化についてですが︑ロボ
橋本 ロボットの小型
工業の橋本さんにお願い
三神 それでは川崎重
なりました︒
離の緩和ができるように
限の範囲や人との接近距
した︒これにより動作制
ウエアでも可能となりま
なかったものが︑ソフト
全機能を構成してはなら
は電気のハードでしか安
ました︒従来は機械また
ISOの規程が改訂され
ては︑大きな変化として
っています︒
距離は近づいてきたと思
程遠いのですが︑かなり
業をするということには
人とロボットが一緒に作
ようになりました︒まだ
れば人が近づけるという
ていても停止を確認でき
かったのが︑電源を入れ
トに近づくことができな
態でなければ人はロボッ
でCPUを2系統同時に
セーフティーという機能
にデュアル・チェック・
視を行っています︒さら
ソフトウエアでの安全監
を始めています︒
向けのロボットから適用
えました︒スポット溶接
いう位置決めの手法を考
ロボットに覚えさせると
いました︒トヨタ自動車
の中村さんお願いいたし
ます︒
安全柵の設置もロボッ
稲葉 ロボットの小型
ワーで動いて衝突するよ
より︑ロボットがフルパ
うにしています︒これに
クして安全を確保するよ
動かして︑二重にチェッ
いかと考えています︒
うになっていくのではな
けを囲うものにできるよ
安全柵も︑必要な領域だ
うな想定で設置している
A社のベルニンガーさん
りました︒では︑KUK
ローチがあることが分か
言ってもさまざまなアプ
三神 小型化と一口に
ットを打ち出したメーカ
ーです︒ロボットの小型
化については新しいシリ
ーズでは同じリーチ︑可
搬重量を持ちながら小型
程の鍛造プレス間を運ん
0時間︒熱処理は鍛造工
はがたっと落ちて160
するロボットのMTBF
工程にマシンの管を搬送
ても難しい課題がありま
出や停止の仕方など︑と
とロボットとの距離の検
はないかと思います︒人
5年ぐらいは難しいので
分野への本格導入はこの
います︒当社は顧客に近
台頭してくると予想して
は違うユーザーニーズが
せた製造のあり方︑今と
ローカル化で現地に合わ
国などへ進出しており︑
視しており︑世界100
でいるロボットですけれ
カ所以上に拠点を置いて
いところにいることを重
三神 どうもありがと
す︒
うございました︒日本に
どもさらに悪くて500
時間︒同様なロボットを
ロボットがフレキシブル
使っているにもかかわら
きました︒ユーザー側か
オートメーションを行う
販売サービスを行い︑製
らの小型化︑安全性︑清
ために必要だと言われて
造拠点を中国・上海に設
いろいろ検証してみる
掃性向上︑あらゆる環境
います︒また︑非常に管
おける最大ユーザーのお
と︑機械加工工程はクー
下できちんと保証すると
理の複雑な現場での利用
立場から非常に多岐にわ
ラントがちょっとしたす
いう信頼性などにどう応
も課題になってきます︒
ず︑環境の悪さによって
き間から毛管現象で入っ
えていくか︒メーカー側
こうした課題を解決する
こんなに落ちてしまいま
てくるのが原因と分かり
から聞きたいと思いま
ための開発として︑セン
現在使っているロボット
中村 トヨタ自動車で
い︒世界の1%ぐらいは
せて1万6000台ぐら
海外が6370台︑合わ
点で国内は9770台︑
配線などトータルでの信
ト単体だけでなく制御や
ーカーの方には︑ロボッ
っています︒ロボットメ
もあるのではないかと思
産ラインやほかの工程に
よくわからない環境が生
ットも長く使っていても
このように産業用ロボ
です︒自動車業界は非常
に重要視してきたテーマ
ABBロボティクスが常
ですが︑この点は私ども
解していくかということ
ーザーの要求をいかに理
のテーマはロボットのユ
ドを務めています︒今回
ィクスのグローバルヘッ
ニース ABBロボテ
BBはロボットを提供す
ニース そうです︒A
るのですか︒
メーカー側で提供してい
ではエンジニアリングは
います︒ABBグループ
三神 ありがとうござ
あると考えてます︒
研究にも取り組む必要が
覚システムなど革新的な
サー︑ソフトウエア︑視
将来は100万台もの
ました︒熱処理工程は︑
す︒ABB社のニースさ
けています︒
減速機のグリースが熱で
んからお願いします︒
たる問題点を指摘いただ
本来の機能を果たさない
す︒
ことが要因でした︒
の台数は︑2010年時
トヨタの中で使っていま
頼性を是非考えていただ
るだけでなく︑ソリュー
す︒一方︑同じようなロ
Fは8万時間ぐらいで
工程︑塗装工程のMTB
ます︒溶接工程︑プレス
平均故障間隔 があり
人とロボットが共存する
す︒しかし︑組立工程は
換える需要はまだありま
ット溶接や塗装にも置き
の採用については︑スポ
新しい分野のロボット
たが︑それらの顧客も中
れまでは欧米が中心でし
ロボットユーザーもこ
ります︒
ロボットのタイプも異な
トラックなどさまざまで
す︒
ションにも対応していま
望があったインテグレー
先ほどユーザー側から要
ザーに提供しています︒
ション一式を世界のユー
したが︑当初は相撲取り
サイズしかできませんで
した︒そこからアクチュ
エーターの小型化でアー
ムをスリム化し︑ボディ
ーもスリムになり︑今で
はほぼ女性と同じサイズ
までになりました︒これ
でほぼ人がいたスペース
に設置できます︒
機械工具︑ベアリング︑
わせていくというやり方
てもらい︑技術をすりあ
エンジニア会社の方に見
だ︑人と一緒に作業する
ようになりました︒た
でかなりのことができる
ーフティー機能の二重化
安全性については︑セ
油圧などの商品構成があ
を採用しています︒
共有化し︑共同で取り組
ためには︑顧客と課題を
場のすそ野を広げていく
ました︒今後ロボット市
開発テーマをもらえてい
さんからは︑顧客側から
る自動車︑電機メーカー
当社も従来の顧客であ
みになっています︒
技術を広げられるのが強
きたニーズをもとに適用
ことに取り組んでいま
をロボット化するという
自動化が困難だった人手
ボット化する︑これまで
ています︒そこで人をロ
したが︑当社もそう考え
しいという発言がありま
ボットと人との共生が難
村さんから︑組み立てロ
ます︒先ほどトヨタの中
で︑重複しないようにし
な方が発言されているの
津田 すでにいろいろ
場でもロボットがいると
だいずれは家庭でも︑工
きな課題があります︒た
していますが︑非常に大
を持ち込みたいと研究は
将来は家庭にロボット
ん︒
レベルには達していませ
にそれを導入するという
いますが︑まだ組立工程
といったことを試みては
人が押せば押し返される
ったら自動的に止まる︑
度を測り︑万一人に当た
ンサーで人との距離や速
ということになると︑セ
り︑社内にモノづくり現
三神 安川電機の津田
むというやり方が必要だ
す︒
さんお願いします︒
と感じています︒このた
て︑ユーザーやシステム
事例をショールーム化し
ットを目指して開発しま
人と同じサイズのロボ
発を進めています︒
いうことを夢見ながら開
め社内でのロボット適用
た課題を把握し︑見えて
ん持っています︒こうし
場が抱える課題をたくさ
コーディネーター 三神氏
ことになるわけで︑この
ト以外に自社に特殊鋼︑
佐々木 当社はロボッ
す︒
々木さんにお願いしま
三神 次は不二越の佐
技術で提供しています︒
ー︑アーム部分を自社の
ェース︑コントローラ
か︑すべてのインターフ
ボットに採用しているほ
トローラーをすべてのロ
ボットですが機械加工の
すものとしてMTBF
ロボットの信頼性を示
す︒
に重要な顧客ですが︑そ
す︒また二重制御のコン
いった制御を行っていま
から出ないようにすると
グラムによってこの範囲
をつくっています︒プロ
一緒に仕事ができる環境
安全においては︑人と
性を向上しています︒
数も少なくしながら信頼
ル︑コネクター︑部品点
現しています︒ケーブ
のなかも乗用車︑バス︑
〈メーカー代表〉
ABBグループ シニアバイスプレジデント
ロボティクス事業責任者
パーベガード・ニース氏
川崎重工業 理事、ロボットビジネスセンター副センター長
橋本康彦氏
KUKAロボター エグゼクティブバイスプレジデント
アジア・パシフィック担当
アルヴィン・ベルニンガー氏
ファナック 社長
稲葉善治氏
不二越 常務
佐々木誠氏
安川電機 社長
津田純嗣氏
きたいと思います︒
コーディネーター
について注文が出されるなど︑ロボットビジネスの将来像について熱い
盟のデータによると︑2
されない分野︑あるいは
議論を繰り広げた︒討論の要旨を紙面で紹介する︒
010年末までの世界の
未開拓だった産業用途の
る漢方薬を工業化し︑品
す︒ロボット導入のメリ
新規の需要産業の一つ
産業用ロボットの稼働台
質を安定させるには︑世
ットは 時間生産が可能
かりゅう
具体的な導入例とし
の中の標準的な技術では
ョンをお願いします︒
数は103万台で年々拡
大しています︒そのうち
して世界トップですが︑
解決できないことが多く
になったことです︒今後
日本は約 万台で依然と
年々減少しています︒日
ありました︒また︑従業
も導入台数は増やしてい
本メーカーは国内市場よ
員の負荷を軽減させなが
産業用ロボットはユー
化するという両面で取り
トが実際に使う範囲で設
化についてはすでに指摘
安全性では︑以前から
組んでいます︒また︑ケ
ーブルの動きを最小にす
けることができます︒さ
がされていますが︑新し
三神 ファナックの稲
るために︑ケーブルが内
らに新しい機能として︑
葉さんお願いします︒
蔵できる新しい手首構造
電源が落ちて停止した状
において初めて6軸ロボ
がある会社で︑ロボット
Aは110年以上の歴史
ベルニンガー KUK
お願いします︒
安全機能の充実につい
します︒
〈ユーザー代表〉
ツムラ 生産本部技術・品質センター、生産技術開発部部長
橋ヶ谷修司氏
トヨタ自動車 理事、工程改善部部長
中村尚範氏
化︑軽量化︑高速化を実
津 田 氏
ロボットサミットパネリスト
なども提案しています︒
い提案としてロボットの
台数を減らして同じ仕事
をさせるということもあ
ると思います︒それを実
現するために︑私どもは
ロボットをもう少し賢く
動かすことを考えていま
す︒例えばロボットの手
首に3軸加速度センサー
を付け︑速く動きながら
揺れを小さくする動作を
ジャーナリスト・キャスター
三神万里子氏
佐々木氏
小型化・清掃性求める製薬業界自動車業界信頼性の向上必要
稲 葉 氏
ニース氏
橋ヶ谷氏
中 村 氏
「
賢
く
」
「
速
く
」
「
人
と
の
共
存
」
課
題
橋 本 氏
ベルニンガー氏
ビ
ジ
ネ
ス
将
来
像
熱
く
議
論
安
全
性
と
生
産
性
の
両
立
で
注
文
産
ロ
ボ
ユ
ー
ザ
ー
水曜日
2011年 平成23年 12月14日
)
(
ロボットサミット2011
国際ロボット展併催事業