原油価格の変動が群馬県内企業に与える影響等

(2015 年9月号掲載)
原油価格の変動が群馬県内企業に与える影響等について
一般財団法人
群馬経済研究所
主任研究員
~要
桑原
正幸
約~
1.昨年後半から今年1月にかけ原油価格が大幅に下落し、企業の経営に少なからず影響
を与えていると考えられることから、当研究所では県内企業に対してアンケートを実施
した。以下は、その結果の概要である。
2.原油価格下落により、収益面で「プラスの影響を受けた」とする企業は回答全体の4
割弱に上り、内容として「燃料費の減少」が最も多く挙がった。
3.原油価格下落の影響が明確に現れた時期としては、「昨年中」が3割弱と最も多く、以
下、「1月」、2月」、「3月」の順となった。業種別では、非製造業の方が製造業よりも
早い段階で影響が現れている。
4.「プラスの影響を受けた」企業の3分の1では、本年1~3月の営業利益が一昨年の
同時期に比べ増加している。
5.現状の原油相場水準が続くと仮定した場合の施策については、「特に実施しない」が5
割弱で最多となったが、施策を実施する企業では「仕入価格の値下げ交渉」が 21%と最
も多かった。
6.16 年3月末の原油価格予想では、今年4月末と比べて「上昇する」と「横ばい」がと
もに5割弱で拮抗した。原油価格が予想通りに推移した場合の企業業績への影響につい
ては、原油価格が「上昇する」と予想した企業では「マイナスの影響を受ける」が、ま
た、
「横ばい」と予想した企業では「影響を受けない」と回答した割合が、それぞれ高か
った。
7. 今回のアンケート結果において、原油価格下落により収益面でマイナスの影響を受け
たとする企業は6%にとどまる一方、プラスの影響を受けたとする企業は 38%を占めて
おり、原油価格の下落が円安と相まって県内企業の業績を後押しし、企業にとって追い
風になっているものと考えられる。