THA後股関節脱臼

THA後股関節脱臼
整形外科
レジデント
國﨑 篤
人工股関節置換術(THA)の構造
ソケット
ライナー
ヘッド
ステム
THA後股関節脱臼
初回THA後では1~5%(再置換では5~15%)。
リスク:関節唇、関節包、円靭帯がなく大
腿骨頭径が小さい(→可動域狭い)。
インプラント等のインピンジメントが関与。
股関節の屈曲・内転・内旋位での、転倒な
どの軽い外力が原因で生じる。
股関節後方脱臼の所見
肢位:股関節屈曲・内転・内旋、
大腿短縮
運動:自動運動(歩行)不能、他動
運動に対しては抵抗あり(ばね様
固定)
触診:股関節後方に骨頭を触れ
る
股関節後方脱臼の治療
徒手整復:全身麻酔下に骨盤を固定し、股・
膝関節を90度屈曲内旋位とする。大腿の長軸
に沿って牽引しながら外旋する(整復感あり)。
初回脱臼の場合、整復後は数カ月外転装具等
で固定する。
THA後股関節後方脱臼の合併症
坐骨神経麻痺→早期の整復が必要
ライナーの欠損(脱臼溝)→再発の可
能性
THA後股関節脱臼予防
手術(アプローチ、アライメント、ヘッド径
etc)
屈曲・内転・内旋をしない、させない(禁忌
肢位) 患者指導が重要!
リハビリ(筋力保持)
脱臼とは・・・
関節固有の生理的な範囲以上、あるいは生理
的な方向以外の外力が加わることで起こる
関節面の相互の位置関係が失われ、完全に接
触を失ったもの(一部接触あれば亜脱臼)
関節面の骨折を伴ったものは脱臼骨折という
外傷性股関節脱臼
後方脱臼>中心性脱臼>前方脱臼
高所からの転落や交通事故などの高エネル
ギー損傷によることが多い
(後方脱臼:股関節屈曲位で前方から強い外力が大腿骨軸の
方向に加わる(ダッシュボード損傷)
合併損傷に注意!
股関節後方脱臼の合併症
骨折(骨盤、大腿骨、膝蓋骨・・・)
坐骨神経麻痺
大腿骨頭壊死(阻血性)
変形性関節症
ご清聴ありがとうございました
脱臼肢位にご注意を