12)関節液の検査

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情報
関節液の検査
関節液とは
結晶成分の鑑別
「関節包」の内部にある「関節液」は「滑膜」
により作られ、関節の滑らかな動きを助けてい
ます。
健康な人の膝関節
健 康 な 人 の 関 節
液の量は数㎖程度
で す。と こ ろ が 関
節に強い炎症がお
こると関節液が多
く作り出され数十
㎖と過剰に溜まる
ようになります。
膝関節全体を包む「関節包」の内
関 節 液 が 過 剰 に
側は「滑膜」で裏打ちされており、
溜まると滑膜を圧
関節液を分泌・吸収している。
迫 し、さ ら に 炎 症
を悪化させてしまうため関節液を抜く治療を行
います。
関節液が再び溜まらないように炎症の原因を
探るため抜いた関節液で色々な検査を行います。
関節液中の結晶によって誘発
される急性関節炎には痛風や偽
痛風があります。
痛風は高尿酸血症が原因で関
節液中に尿酸が増えて結晶がで
き、関 節 に 沈 着 し ま す。尿 酸 結
晶(MSU 結晶)を白血球が溶かそうと攻撃する
ため、痛風発作が起こります。多くは足の親指
の付け根の関節に起こりますが、くるぶし、ひざ、
手首などの関節に発症することもあります。
偽痛風は痛風によく似た症状を起こしますが、
尿酸結晶ではなくピロリン酸カルシウム結晶
(CPPD 結晶 ) が沈着して起こります。特に膝関
節に発症します。
この 2 つの鑑別をするため関節液を簡易偏光
装置を付けた顕微鏡で観察して検査します。
ほう かつまく
ピロリン酸カルシウム結晶
尿酸結晶
関節液の検査・外観(色調・性状)
赤色系が混ざると出血が示唆され、混濁があ
ると細胞結晶、細菌の混入が考えられます。
通常は強い粘性を示しますが、
炎症が強くなるに従い粘性は弱
くなります。
細胞数から非炎症性、炎症性、
化膿性などに分類されます。
・針状に見えるものが多いが
長方形もある
・長いものが多い
・結晶が束状になりやすい
・長方形や棒状
・尖った針状にならない
・結晶は様々な方向を向く
関節液の分類
量
外 観
炎 症 性
化 膿 性
3.5 ㎖以上
3.5 ㎖以上
高
高
低
多様
色 調
無色∼淡黄色
淡黄色
黄色
多様
透明度
清澄
清澄
半透明∼混濁
混濁
200 以下
200∼2,000
2000∼100,000
100,000 以上
25 以下
25 以下
50 以上
75 以下
μL
多核白血球
%
主な疾患
非炎症性
3.5 ㎖以上
粘 性
細胞数
培 養
正 常
3.5 ㎖以下
陰性
陰性
陰性
しばしば陽性
変形性膝関節症
痛風 偽痛風
細菌性関節炎
外傷 骨軟骨症
関節リウマチ
SLE リウマチ熱
平 成 2 4 年7月 1日 第1 5 2 号 3