タバコを吸わない人が、いろいろな場所で自分の意思とは関係なくタバコの煙を吸わされる ことを「受動喫煙」といいます。受動喫煙は、タバコを吸わない人にとって不快と感じられ るだけでなく、さまざまな健康被害を及ぼします。 ◆有害物質が多い副流煙 タバコを吸う人がタバコ自体やフィルターを通して吸い込む煙(主流煙)よりも、火がつ いている部分から立ち上がる煙(副流煙)の方が有害物質の濃度は高く、喫煙者の周囲の 人たちに様々な健康被害を与えています。 温度 700~800 度 喫煙者本人が吐き出す煙 喫煙者本人が体内に取り込む煙 火のついた部分から立ち上る煙 ・主流煙の 2~4 倍の有害物質が含まれる ・主流煙と比べた副流煙中の有害物質 ニコチン・・2.8 倍 タール・・3.4 倍 一酸化炭素(CO)・・4.7 倍 ◆受動喫煙の悪影響 夫 ●肺がんリスクが大! 1 日に 20 本以上のタバコを吸う夫を持つ妻は、 吸わない夫を持つ妻に比べ、肺腺がんになる 危険が約 2 倍になります(右図)。 非喫煙 1 過去 喫煙 1.5 1 日 20 本未満 1.7 1 日 20 本以上 75 歳女性非喫煙者 夫は喫煙者 65 歳女性非喫煙者 夫も非喫煙者 <夫の喫煙の有無による妻の肺の状態> ●呼吸器系疾患のリスクが大! *その他、脳腫瘍、骨髄性白血病、リンパ腫、 注意欠陥多動性障害(ADHD)なども喫煙と 関係があると報告されています。 0 1 厚生労働省研究班 2(倍) 2007 年 <夫の喫煙の有無による妻の肺腺がんリスク> 家庭に喫煙者が いない子ども 家庭に喫煙者が いる子ども 日常的に受動喫煙にさらされている子どもは、 気管支炎や肺炎にかかりやすく、気管支喘息 などを起こす危険が高くなります。 2.2 気管支喘息 肺炎・気管支炎 中耳炎 *Californica Environmental Protection Agency, 1997 ** Adair-Bischoff CE, et al.:Arch Pediatr Adolesc Med, 1998 <喫煙者の有無による子どもへの影響> ●換気扇下やドアの閉鎖では受動喫煙は防げない! 15.2 倍 両親が喫煙しない家庭の子どもの尿に含まれる ニコチン量を「1」とすると、屋内で自由に 喫煙している家庭の子どもの尿中ニコチンは 15.2 倍と最も高くなります。またドアを 閉めて屋外で吸ったり換気扇の下で吸ったり しても完全に受動喫煙は防ぐことはできません。 3.2 倍 1 2.0 倍 ドア閉鎖 屋外 換気扇下 屋外 屋内喫煙 非喫煙 (Johansson A, et al. Pediatrios 113:291,2004.) ●タバコの誤飲・誤食の危険性 誤飲・誤食事故は、1 歳前後の乳幼児に 特に多く、その誤食の原因物質の第 1 位は 毎年タバコです。 その他 ニコチンの致死量は、乳幼児で 10~20mg、 これは紙巻タバコ 1 本分に相当。 また、バケツや灰皿等の水に浸っていた タバコやその液には、ニコチンが溶け出して いて吸収されやすく少量でも危険です。 誤飲した場合、30 分~4 時間以内 (タバコが浸っていた液体を誤飲した場合は 15 分以内)に吐き気、めまい、顔面蒼白などを 訴えます。 化粧品 電池 タバコ 洗剤 33% 食品類 硬貨 プラスチック 金属 玩具 医薬品 医薬部外品 <H20 年度 家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告> 子どもの手の届くところに灰皿や灰皿 代わりの空き缶は置かないように! ≪大気汚染物質PM 2.5 と受動喫煙環境を比べると・・・≫ PM 2.5 とは・・・『空気に含まれる直径が千分の 2.5 ミリ未満の 微小粒子のこと』 毛髪断面 Q 大きさは? 物が燃えることによって発生し、タバコの煙にも (直径 70μm) たくさん含まれています(副流煙にも多い) 。 PM 2.5 0 完全禁煙の コーヒー店 100 200 良好 300 許容範囲内 400 弱者に危険 500 危険 600 大いに危険 μg/㎥ (2.5μm) 緊急事態 2月末に北京では 400μg/㎥以上を観測 完全分煙の飲食店 (禁煙席) 自由に喫煙できる居酒屋や 不完全分煙の 居酒屋(禁煙席) 車内喫煙等は、今年の 2 月 自由に喫煙できる 居酒屋 1000 末の北京の大気(400μg/㎥ 以上)より高いPM 2.5 レベル タクシー内で1人 喫煙した場合 ←環境省が定めた外出禁止目安=70μg/㎥ ←日本の環境基準値=35μg/㎥ ←郊外での屋外平均=20μg/㎥ 日本禁煙学会資料より 禁煙でない飲食店内は 北京の大気と同じPM2.5レベル
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