工作機械の簡易熱変位補償法について

平成21∼22年度
(共同研究)
研究成果事例
工作機械の簡易熱変位補償法について
8
7
温度変化 (K)
6
5
実測
4
シミュレーション
3
2
1
0
0
500
1000
1500
2000
時間(sec)
▲図2
▲ 図1 加工装置の熱変位
温度上昇のシミュレーション
(スピンドルの下蓋)
工作機械は、高精度及び高速化がますます進み、増大する発熱と
それによる変形が原因の加工誤差が問題になっています。その対策
として、回転する工具を取り付ける工作機械の主軸スピンドルを対
象として熱変位シミュレーションに取り組み、各部の温度上昇予測
が可能となりました。
主軸スピンドルは発熱量が大きく、自
身の熱変形が加工誤差に与える影響も大
きいという特性があります。
あまりコストを掛けずに加工誤差を補
正する方法としては、装置の複数の箇所を
温度計測し、それから工具先端のずれを予
測し、そのずれ分を補償する手法があげら
れます。
その予測精度を上げるために、一般的
にはコンピュータシミュレーションを行
共同研究機関
県内企業
います。ただし、シミュレーションには、
発熱や放熱に関連する直接計測が困難な
パラメータが必要です。この研究では、
それらのパラメータを短時間で求める手
法について取り組みました。その結果、
0.5℃以内の誤差で温度の予測が可能と
なりました。
これにより、スピンドルの温度上昇が
予測可能となり、工作機械全体の熱変形
補正に応用できます。
お問い合わせ先
工業技術研究所
機械科
電話 054−278−3027