87 英語聴解問題における聴覚障害者に対する措置 その

筑波技術短期大学テクノレポート No.8
March 2001
英語聴解問題における聴覚障害者に対する措置
その2 実用英語技能検定の場合
筑波技術短期大学聴覚部一般教育等
松藤みどり
要旨:実用英語技能検定には、一次試験に「リスニング」があり、3級以上の二次試験には「面接」があ
り、いずれも聴覚障害者にとっては、不利な試験である。試験実施団体の日本英語検定協会は、平成7年
度に「内規」として「聴覚障害者特別措置要項」を定めたが、その措置では不十分であるとして関係団体
が更に改善を求めた。その結果、「リスニング」の部分は質問を字幕で表示する、「面接」の質問はカード
に文字で示し、受験者は筆記して答えるという画期的な改革が行われることになった。この改革は他の試
験にも波及効果が期待される。
キーワード:英語、英検、特別措置、聴覚障害
1.英検(文部省認定 実用英語技能検定)とは
第1回実用英語技能検定は昭和 38 年8月、文部省後援
のもとに1級・2級・3級が全国 49 の都市で実施され、
約 3,800 人が受験した。社会教育的な見地から発足した
英検であったが、中学校・高等学校からの反響が大きく、
昭和41年に基礎クラスの級として4級が導入されて以
来、学校教育の中での利用が次第に広がった。昭和 43
年には、「文部省認定の技能検定」と定められ、現在も
数ある英語検定の中で、唯一、文部省(平成 13 年から
は文部科学省)によって認定された資格試験である。
5級、準2級の新設、受験機会の増設などの変遷を経
て、平成6年に受験者数は 300 万を超えた。高等学校の
英語に「オーラル・コミュニケーション」が登場して英
語教育が「コミュニケーション重視」へ大きく方向を変
えたのを機に、英検も新しい時代にふさわしい「コミュ
ニケーション能力」を重視する方向に変化し、平成9年
には評価項目に「アティチュード」が加わった。
現在は、英検の級の取得が高等学校や大学の推薦入学
に際して有利な条件の一つになっていたり、大学によっ
ては入学後の単位取得免除などの特典を与えたりするこ
ともあり、「公的資格」として教育界に与える影響が大
きい。ここ5年間には平均して一年間に 350 万人の受験
数がある。1)
学校教育における学年と英検の級の審査基準との関係
は、次のようになっている。
5級 中学1年終了程度
4級 中学2年終了程度
3級 中学3年終了程度
準2級 高校2年終了程度
2級 高校終了程度
準1級 短期大学終了程度
1級 大学終了程度
2.聴覚障害者の受験と特別措置
2.1 聾学校の英検への取り組み
聾学校においても、昭和 51 年に茨城県立水戸聾学校
が聾学校として初めて英検を導入したのを皮切りに、多
くの聾学校で英検の級の取得が努力目標の一つとして奨
励され、生徒たちの学習意欲を引き出す有効な努力目標
となってきた。聾学校から筑波技術短期大学に入学する
学生のほぼ8割が何らかの級を取得していることから
も、聾学校における英検への熱心な取り組みが推察され
る。在校生のみならず、卒業生や近在の聴覚障害をもつ
学生や社会人に対しても聾学校は受験の門戸を開き、社
会的な貢献をしている。
筆者はある聾学校の英検3級受験者の昭和 61 年から
平成3年までの9回の試験の答案(のべ 172 人分)を資
料として、聴覚障害者の得点の傾向を調査した。発音、
アクセント、ヒアリングの項目において、彼らの正答率
は著しく低かった。合格者の正答率が語彙、文法、会話、
作文、読解などにおいて約 80 %だったのに対し、発音
とアクセントの筆記問題と、試験官が読み上げて実施し
たヒアリングテストにおいては、正答率は約 50 %にす
ぎなかった。2)
発音の問題は、単語の一部分の発音を問う形で出題さ
れ、アクセントの問題は、単語のどの部分を強く読むか
を問う形で出題された。大学入試センター試験にも毎年
同様の形式で出題されるが、聴覚障害者にとっては難し
く、「自分では聞くことも話すこともない発音やアクセ
ントの位置を、記号で機械的に暗記するしかない。むな
しい作業だし、努力しても結果は芳しくない。」として、
新聞にも報道された。3)
聾学校の生徒が英検を受験する場合、ヒアリングの部
分は英語担当者が読み上げ、受験者は補聴器からの音と、
担当者の口の動きから質問の内容を推測して答えてい
た。受験者の中には補聴器を装用しても音声をほとんど
感知することができない受験生もいる。実施する側にも
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受験する側にも徒労感の強い作業であった。
2.2 読話の限界
口の動きを読みとって話を推測することを「読話」と
いう。読話によって英語の聴解問題ができるように指導
することは、ある程度は可能であったが、同等の英語の
学力を持つとみられる健聴者と同程度の成績を挙げると
ころまでは到達できなかった。また、読話によるヒアリ
ングテストの成績は、筆記試験などによる英語の成績を
必ずしも反映していなかった。聴解問題を健聴者と同じ
条件で実施して、その結果をそのまま健聴者と同等に評
価することは合理的とはいえない。
このように不利で不合理な方法を取っていたにもかか
わらず、聾学校において英検の受験が奨励されたことの
背景には、筑波技術短期大学をはじめとする高等教育機
関への進学や就職に、級の取得が能力証明の一つとして
有効に働いたという事実がある。ヒアリングの部分は得
点が低くても、他の部分で得点すれば合格できるという
ことを念じて、教師も生徒も健気に取り組んできた。
平成5年に英検の問題形式は大きく変わった。一次試
験において従来2、
3、4級ともに出題されていた筆記に
よる発音とアクセントの問題がなくなったかわりに、ヒ
アリングテストがリスニングテストとなって、新しい形
式のものが含まれ、問題の量も増えた。3級では従来 75
点満点のうち 15 点がヒアリングテトであったが、平成
5年度からは 25 点をリスニングテストが占めるように
なり、実施時間も 15 分から 20 分にのびた。また、二次の面
接試験には絵が介在するようになり、勘に頼る読話の限
界を超えるものとなった。聴覚障害者にとっては、不利
な条件が増大したといえる。また、リスニングの問題を読
み上げる側にも負担が増え、体力的に辛い作業になった。
2.3 特別措置の要求
このころから聾学校などから検定協会に対して、リス
ニングの問題を文字化したり、手話を用いて実施するこ
とはできないかなどの問い合わせや要求が増えた。この
ことを受けて、検定協会は平成6年7月に「基礎研究セ
ンター」を発足させ、聴覚障害者のみならず、障害をも
つ受験生に対する配慮を積極的に検討し始めた。聴覚障
害者については、全国の聾学校に対するアンケート調査
や受験者の多い聾学校を訪問しての聞き取り調査、「公
聴会」として文部省の生涯教育課、特殊教育課調査官、
全国聾学校校長会会長、首都圏の聾学校英語担当教員等
を集めた意見交換会を何度も開き、平成7年に「聴覚障
害者特別措置」として、初めて聴覚障害者に配慮した基
準を「内規」として定めた。
2.4 特別措置の内容
一次試験の特別措置として、障害の特性を理解する試
験官(聾学校の先生等)の配置を行い、リスニング で『読
話による問題提示』
を行う。読み上げ回数は、
通常より1
回多くし、標準の試験時間は一般受験者の2.0倍とする。
二次試験の特別措置として、障害者の特性を理解して
いる試験官
(聾学校の先生等)
を配置して実施する。二次
試験を受験しない志願者、あるいは二次不合格になった
志願者には、希望により『一次合格証明書』を発行する。
試験官に対するマニュアルには、面接の実施時間を通
常の2倍にすること、聞き返しによる減点の基準を緩和
すること、自由会話では耳が不自由であることを意識し
て話題を選ぶこと、評価のさい、文全体の「強制・リズ
ム」「区切り」に重点をおいて評価すること、口話での
コミュニケーションへの参加努力があれば、アティチュ
ードのプラス要因として評価することなどが記載されて
いる。4)
以上のように聴覚の障害に配慮したきめ細かいマニュ
アルであるが、内容はあくまでも
「口話法」
による意思の
疎通が評価されるようになっている。これは検定協会が
特別措置の導入前に行った聾学校の英語教師に対するア
ンケート調査の結果をある程度反映させたものとも言え
る。
すなわち、聴覚障害者にとって健聴者と同様の試験に
挑戦できることが学習の大きな励みになるという考え方
である。
また、統一された読話の試験を実施するために、検定
協会では読話用のビデオを作成し、聴覚障害者の受験者
がある会場に配布するようにした。しかしながらこのビ
デオは臨場感も、立体感もなく、不評であった。
3.改善への要求運動をした二つの団体
平成 12 年7月に聾学校の教師を中心とし、英語教育
に関心をもつ聴覚障害者も会員に含む、「聴覚障害英語
教育研究会」が設立され、設立の準備段階からメーリン
グリストを活用した会員同士の情報交換が始まった。会
の趣意は、聴覚障害者のための英語教育を向上させるこ
とであるが、英検のリスニングと面接試験の改善は、そ
の会の大きな目標の一つであった。リスニングの実施方
法についてメーリングリストや研究集会で情報交換をし
ているうちに、各校で検定協会の許可を得て実施されて
いる方法が必ずしも同一でないことが次第に明らかにな
ってきた。キューサインや指文字を用いたり、固有名詞
などを部分的に板書したりして実施した学校もあった。
研究集会には基礎研究センター発足以来、特別措置に関
わってきた検定協会の担当者を招き、個人の立場で特別
措置の改善の見通しなどの情報提供を受けた。
検定協会は、リスニングの問題に字幕をつけることに
ついては具体的に検討しており、文部省からも変革の内
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諾を得ている。しかしながら、検定協会だけがこのよう
なシステムに変えることもしにくいので、近い将来ヒア
リング試験が導入される予定の大学入試センターのセン
ター試験や、都府県で実施されている公立高校入試のや
りかたの動向も見る必要があるとの判断がなされ、いつ
から実施するかだけが課題として残っていた。2002 年
からセンター試験にヒアリングが導入されるという情報
を得ていた検定協会は、センター試験の実施時期に合わ
せて改革案を提出したいと考えていた。
現行の特別措置に対する不満は、聾学校の生徒である
受験生が、試験実施者である聾学校の英語担当教官に
「リスニングは手話でやって欲しい」「字幕をつけて欲し
い」などと訴えることはあっても、生徒個人が検定協会に
直接訴える、という動きはほとんどなかった。しかしな
がら、聾学校とは縁のない、一般の中学、高校、大学で教
育を受けた受験生が、検定協会に直接改善要求を出した。
平成 12 年8月に「聴覚障害者の英検問題を考える会」
が関西で結成された。この会は、いまの英検がリスニン
グや音声語による面接を必須とする試験であるがゆえに
不利益をこうむり、その改善を望む聴覚障害者が中心と
なって作られた。活動の一つとして、英検受験の実態の
調査のため、聴覚障害者を対象としてアンケート調査を
実施し、その結果をインターネットのホームページに掲
載した。また、検定協会へ質問状を送り、その回答も併
せてホームページに掲載した。さらに、新聞にもその会
の活動内容が報道された。5)
4.改善に向けて
検定協会は新聞報道を重く見て、センター試験のヒア
リング導入時期について正確な情報を得ようと動き出し
た。筆者は入試センターに問い合わせ、検定協会が得て
いた情報の 2002 年の導入は見送られる模様であるとの
情報を得て、それを検定協会に伝えた。12 月1日に検
定協会の理事長から文部大臣に宛てた「障害者に対する
審査方法特別措置の追補申請について」という文書によ
って、視覚障害者、聴覚障害者、養護関係障害者、その
他についての特別措置(案)が提出された。この案はす
ぐに了承され、12 月末には「文部科学省認定 実用英
語技能検定 障害者に関する審査方法特別措置要綱が作
成された。(参考資料参照)
5.おわりに
今回の改善については、聴覚障害者自身が、初めて立
ち上がり、検定協会に組織として直接訴えたということ
が大きく影響している。日本人の英語能力測定と評価に
大きな力を持つ検定協会も、センター試験や公立高校の
出方を伺って慎重であった。そのような立場に対して、
マスコミの利用、インターネットによる情報の発信やメ
ーリングリストによる迅速な情報の共有は絶大な効果を
発揮した。
英検は資格試験であるが、この改革は入学試験などの
選抜試験にも影響を与え、教育の機会均等の保障につな
がると考える。
平成 10 年の調査によれば、全国の公立高等学校入学
試験の英語において、試験全体に占める聴解問題の配点
の割合は 12 %から 30 %で、平均すると 21.3 %であった。
受験生に対する措置は、補聴器の使用や座席の配慮のみ
を挙げている都府県が多く、重度の聴覚障害者に対して
充分な措置を行っている都府県は非常に少なかった 6)。
英検の改革を機に、高校入試においても聴覚に障害をも
つ受験者に対して有効な配慮がなされることを切に希望
する。
公教育における選抜試験で、障害がどのように扱われ
るかは、人権に関わる大きな問題である。これからヒア
リング導入が検討されるセンター試験においても、聴覚
障害者に対する充分な配慮が得られるよう、働きかけた
いと考える。
2000 年には聴覚障害者を特定の職業から排除する
「欠格条項」が見直され、ようやく医師、薬剤師などの
医療業務に聴覚障害者でも就けるように法律が改正され
た。そのような職に従事するためには高度な教育を受け
なければならない。聴覚障害者がより高度な教育と試験
を公平に受けることができるよう、資格試験や選抜試験
のありかたに、今後も目配りをしてゆく必要がある。
参考文献
1)日本英語検定協会: 2000 年度英検資格取得者優遇
校一覧.
2)松藤みどり:英検3級の傾向と対策−本校高等部に
おける成績上位群の英語力の分析.筑波大学附属聾
学校紀要.14:65-74,1992.
3)「たかが18点ではない」
朝日新聞社説1999年9月23日
4)日本英語検定協会:2級・準2級・3級面接試験マ
ニュアル[聴覚障害者面接委員用]
5)「英検の聞き取り、聴覚障害者にも配慮を・読話は
日本語でも困難とネットでアピール」朝日新聞
2000年11月9日
6)松藤みどり:英語聴解問題における聴覚障害者に対
する措置 その1:公立高等学校入学試験の場合.
筑波技術短期大学テクノレポート6:125-129,1999.
参考 URL
聴覚障害と英語資格ウェブセンター(旧聴覚障害者の英
検問題を考える会)
http://page.freett.com/deafstep/index.htm
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(参考資料)
文部科学省認定 実用英語技能検定
障害者に関する審査方法特別措置要綱
財団法人 日本英語検定協会
身体障害者の検定実施に関しては、健常者と同一の審査方法では受験不可能、もしくは著しくハンディキャップとな
る例があります。そこで、その障害の程度によって審査方法に特別措置を講じて実施することにします。
特別措置の適用については、身体障害者福祉法施行規則により別記の通り定めることとします。特別措置を希望する
志願者は通常の志願票のほかに、申し込みの際に希望する措置の申請書(2ページ参照)を添付して申し込むこととし
ます。
一.視覚障害者特別措置
特別措置の対象者
特別措置の内容
験者への許可事項
協会の準備物
試験室
点字による教育を受けている者
点字機器の持参使用
点字問題
別 室
付き添い者の同伴
点字解答用紙
拡大機器等の使用
拡大または
障害程度等級が
文字による解答
1.5倍
別 室
照明機器等の使用
普通墨字問題
6級より重度の弱視者
文字解答用紙
照明機器等の使用
文字による解答 通常時間 般と同室 文字解答用紙
上記以外の視覚障害がある者
①点字については、特別措置は土曜日は実施しない。また、5級は絵が多いため、点字特別措置の対象から除外する。
弱視者に対する特別措置は、土曜日・日曜日とも実施する。
②点字機器は、1級ではパーキンスの使用を許可し、準1級〜4級は卓上点字器とする。
③弱視者に準備する拡大問題は弱視普通墨字問題の1.4倍(面積2倍)の拡大率とする。
④文字解答用紙は、マークシートに解答できない受験者が選択肢の数字等を記入するものとする。
⑤拡大機器とは、オプチスコープ・弱視眼鏡・ルーペ等。
⑥いすれの場合も事前に申告すること。
二.聴覚障害者特別措置
特別措置の対象者
特別措置の内容
解答方法
験者への許可事項
協会の準備物
試験室
試験時間
口話法または
障害程度等級が
補聴器等の使用
受験者心得(紙)
別 室
下記③
代替措置
4級以上の聴覚弱視者
リスニング証明書
口 話 法
補聴器等の使用
受験者心得(紙)
別 室
下記③
障害程度等級が
強音放送
下記⑥ リスニング証明書
通常時間
5・6級の聴覚弱視者
補聴器等の使用
文字解答用紙
下記⑥
通常時間
上記以外の難聴者
一般と同一
解答方法
点字による解答
試験時間
1.5倍
①口話法とは、聞くことは読話(話しての言語は音声と口形双方で認識する方法)で行い、話すことは自らが発話する
コミュニ ケーション手法(聾学校など、口話法を理解する先生の配置を行うこととする)。
②代替措置とは、聞くこと話すことが極めて困難な受験者に適用する審査方法である。
i)一次試験リスニングはディスプレイにテロップで表示される問題を速読で読み取る。
ii)二次試験リーディングは自ら発話する。
iii)二次スピーキング(1級)・ナレーション(準1級)・応答(2〜3級)では筆談で答える。
③口話法のリスニングでは、準1級〜5級では一般受験者問題より1回多く、かつゆっくり読み上げるので、ほぼ一般
受験者問 題の約2倍の時間となる。1級はゆっくり1回読み上げとする。
④代替措置リスニングでは、ディスプレイにテロップで一般受験者と同等スピード・回数表示する。
⑤口話法・代替措置は事前に選択申告することとし、その他についても事前申告とする。
⑥その他の難聴者についてはその程度により、別室強音放送または同室での座席配置考慮とする。」
三.養護関係障害者特別措置(略)
四.その他の特別措置(略)
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Tsukuba College of Technology Techno Report, 2001 No.8
Special Accomodation for the Hearing Impaired in English Listening Comprehension Test:
Part 2. Case of the STEP Test
MATSUFUJI Midori
Department of General Education, Division for the Hearing Impaired, Tsukuba College of Technology
Abstract: The STEP Test in Practical English Proficiency (Authorized by the Ministry of Education,
Science, Sports and Culture of Japan) contains "Listening Comprehension Test" and "Interview" as its
items. Both of them cause disadvantages for hearing- impaired persons. The Society for Testing
English Proficiency, Inc., which enforces the STEP Test, made a special accomodation as a by law for
them in 1995. There were still complaints about the by law, and in 2000 the Society made an epochmaking decision regarding them. The Society has recommended the use of telops for the listening
comprehension tests; they will use cards with written letters on them for the interview; the examinees
will answer in written form. These reformations are expected to affect other tests.
Key Words: English, STEP Test, Accommodation, Hearing impairment
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