第22号 7月15日発行

加登病院ミニ新聞
平成17年7月15日 第22号
先 生 こ ん に ち は
プロフィール
神経内科
いわ
さ
名前:岩 佐
かず
お
和夫
出身:金沢大学
趣味:フルート、パン作り
こんにちは。神経内科の岩佐と申します。
神経内科ってあまり聞いたことがないし、どのような患者さんが受診するのでしょうか、とい
う質問がよくあります。医療関係者のなかでも、心療内科や神経・精神科との違いについて、十
分に理解されていないと思わせる場面に遭遇することもよくあります。
そこで「神経内科って、どんな科?」について簡単に話をしてみたいと思います。
「近所のMおじいちゃんは、最近神経内科に通院しているって聞いたけど」
「そういえば、Mおじいちゃんの息子が話をしていたけど、Mおじいちゃんに最近もの忘れがあっ
て心配になってきた。レーガン元大統領がかかったアルツ何とかやって病気もあるみたいだし、
どこの医者にかかればいいのか迷っているって」
「もの忘れか。確かに内科の先生に先日、もの忘れがあるといっ
たら、年齢によるものだから心配ないって、一笑されちゃって、
自分もどこかの科の先生に見てもらったらいいか、わからなく
て言ったのに…」
そうです。このもの忘れが気になる方は、神経内科を受診し
て下さい。もの忘れ(認知症)の専門は神経内科と神経・精神科
ですが、いわゆるもの忘れの段階では、神経内科がより詳しく診察・検査をし、病気の診断および
治療をするのに最も適しています。単にもの忘れと言っても、その原因は様々で、認知症だけで
はありません。栄養障害やホルモン異常など、治るもの忘れもあります。MRI検査や脳の血流を
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調べるSPECT検査、また脳の糖の使用量を調べるPET検査(この検査は、癌の検査も兼ねること
ができます)
、また血液検査やいわゆるもの忘れの程度を調べる心理・知能検査、さらに脳や脊髄の
周囲にある脳脊髄液を検査することもあり、これらの検査により、もの忘れの原因となっている病
気を正確に診断し、治療することができます。最近では、もの忘れの進行を遅くする薬もあります。
「去年の夏から、腰が痛くてね。それに、動作が遅くなり年寄り臭く
なってきたな」
「もう70歳になったのだから、動作が遅くなったり、ちょこちょこ歩
きになるのは年のせいや」
「いやいや、左手が勝手に震えてしまうこと
もあって、一回医者にいって来ようかと思っ
ておるのだがな」
「腰が痛いのなら、整形外科にいってみたらいいのでは」
手が震えたり、動作が遅くなる病気の一つにパーキンソン病があります。この病気の方は、腰
痛を伴うことも多く、初診で整形外科に行くことも珍しくありません。整形外科の先生が気づい
て、神経内科に紹介してくれることもしばしばです。一見年寄り臭く見えますが、手が震える、
動作が遅くなった、ちょこちょこ歩きになった、よく転ぶようになったなど、気になる症状があ
る時には、神経内科を受診ください。
神経内科は「脳、脊髄、末梢神経(顔面や手足の神経、自律神経)
、筋肉の病気を診る科」です。
次の症状でお困りの方に、受診をおすすめします。
・頭痛 ・めまい ・物が二つに見える ・もの忘れ
・手足のしびれやふるえ ・手足が動かない
・顔面神経麻痺 ・しゃべりにくさ ・神経痛
・歩きにくい ・ふらつき ・筋力の低下 ・けいれん
専門分野の疾患には、脳卒中(脳梗塞(脳血栓ほか)
・脳出血)
・脳
・脳老化・てんかん・頭痛・パーキンソン
炎・髄膜炎・認知症(痴呆)
病・運動ニューロン疾患・その他の神経変性疾患,多発性硬化症など
の免疫性神経疾患・末梢神経疾患・重症筋無力症・筋疾患・アミロイ
ドーシスなどがあります。
脳卒中、頭痛以外聞いたことがない?でもこれらの病気は、決して珍しくないのですよ。
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ルームより
ケア
香りの大脳への影響とメカニズムについて
みなさまは、香りのない生活というのは考えられませんよね!たとえば、朝、台所からのおみ
そ汁の匂いで目が覚めたり、夕方散歩をしていたらどこからかとってもいい香りがして、急にお
腹が空いてきたり……香りというものは人間の記憶に非常に関係するものです。どこかで、この
香り嗅いだことがあるな∼道ですれ違った時に、あ!この香り、昔の彼女の匂い……なんて思っ
た経験のある男性も多いのでは?
さて、哺乳類の中では人間の嗅覚はかなり劣っているといわれていますが、人間が識別できる
香りの種類は3000から10000種類とも言われております。鼻粘膜の血管収縮や分泌物によっ
て個人差はあります。
嗅覚というのは、視覚・聴覚・触覚・味覚と違って大脳辺縁系(かつては嗅脳とよばれていた)
に直接届くのが特徴です。また嗅覚は他の感覚器よりも刺激の持続が長く順応影響を受けやすい
といわれます。たとえば、お部屋にはいった瞬間は匂いをすごく感じていたのに、少し経つとあ
まり感じなくなってしまう…これは、粘膜上の芳香分子の存在に対して受容体が順応して芳香分
子に対する興奮速度が低下するからです。
香りというものは、上記でも述べたように、記憶に関係することが
かなり多いといわれます。
現在アロマテラピーの世界でも、記憶喪失やアルツハイマーの病の
方々に芳香による治療を行っております。
カウンセリングやコンサルテーションを念入りに行いながら、その患者さんの記憶を呼び起こ
すために、芳香浴や精油をつかったトリートメントなどを行います。以前大学での研究に参加さ
せて頂いた際の患者さんの治療の一例です。
子供の頃の記憶をなくしてしまった患者さんが、カウンセリングを続けていくうちに5−6歳
の頃住んでいた自宅の周りが全部りんご畑だったとうい事だけわかり、早速りんご木・実・葉・
枝・茎などの香りを芳香させながら日々カウンセリングを続行させ、最後にはすべての記憶を呼
び起こすことが出来た事がありました。
このように、人間の脳と香りというものは、切っても切れない関係にあります。
嗅覚は大脳辺縁系に直行し、この領域は食欲、性欲、睡眠、ホルモン、感情、記憶、想像力、
直感というような反応に影響を与えます。芳香分子はセロトニン(神経系を鎮静させる物質)を
蓄積させる領域の縫線核、感情と結びつきのある篇桃核、記憶に関連する海馬、ノルアドレナリ
ンを大量に蓄積している青班核へ刺激を及ぼします。次いで、自律神経系、内分泌系、免疫系を
司る視床下部に伝達されます。
みなさまの心に香りというものはすごい影響を与えています。ストレス社会の中、少しでも好
きな香りをみつけてリラックスできる、自分だけの時間・ゆとりの時間を作る事が大切ではない
でしょうか?
ケアルーム
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服部 香里
∼ドイツに学ぶアロマケア∼
ノイベルラッハ病院
ナースからの説明
今回、ドイツの病院に研修させていただき、ケアの現状をみさせていただきました。
病院内で使用頻度の高い精油
ドイツの病院内でよく使われる精油は、日本国内で使用頻度の高い精油とは少し異なり、一般
の方があまり使い慣れていない精油が多いかもしれません。
いくつか例をあげてみましょう。
*アンゲリカ……皮膚への塗布は光感作作用や刺激の面からみてあまり行われないが胃の不調、
風邪の引き始め、脂肪を沢山取り過ぎた時などに1滴を内服との事。
*カルダモン ………他の精油とブレンドして使用する時は香りが強すぎるので少量で。体が冷
えて不安からくる消化障害、胃に問題のある患者さんには薦める胃痙攣・
しゃっくりの際にも使用(塗布)
*ナルデ ……………精神を静める。不安からくる心臓のリズムの乱れる患者さんに。患者さん
ご自身が香りをいやでなければ睡眠促進にもつながるナルデ+イランイラ
ン+ラヴェンダーで取り乱すような患者さんに使用。
*カユプテ …………極東原産の治療用オイル。呼吸器・気管支疾患の患者さんに使用。また関
節炎や通風などの痛みにも効果抜群
*トンカビーンズ …不安からくる慢性の痛みに。クリスマスのシュトーレンの中に含まれてい
る香り。
その他、クミン・シナモンリーフ・ディル・ベイ・イモーテル・マートル・ヤローベチバー・
メリッサ・ニヤウリなどドイツらいしい精油を頻繁に使用されている。
院内で患者さまによく行う処方例の一部
①帯状疱疹の患者さまへの処方
処方油塗布可能な方用
オトギリ草オイル+ラヴェンサラ+カユプテ+ラヴェンダー+ペパーミント
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精油を塗布するのも痛みがあり不可能な方用
ペパーミント又は、メリッサのヒドロラーテを散布する この場合、ヒドロラーテでなければならない。なぜならメリッサの水溶性成分にウイルス
を殺す作用がある為である。精油では効果があまり期待出来ないとの事。
②吐き気と同時に寒気のある患者さまへの処方
Gフルーツ+シナモンバーク+トンカ+カルダモン+ペッパー+ジンジャー+
キャラウエイ+キャリアオイル
胸部塗布による施術
③通風の患者さまへの処方
オトギリ草+カユプテ+アンゲリカ+ラヴェンダー
④便秘の患者さまへの処方
・クミン+フェンネル+コリアンダー+ラヴェンダー+アニス+キャリアオイル
・カモミール+アンゲリカの根+カユプテ+ラヴェンダー+シストローズ+キャリアオイル
上記に記載した処方はほんの一例です。
ドイツ独特な精油及びキャリアオイル、ヒドロラーテを使用しあらゆる患者さまの訴えに対応
しているのが現状です。
特に不安を伴うペイン(痛み)や慢性疼痛に関してはすばらしい結果を出しているとの事です。
このノイペルラッハ病院でも、導入には数々の問題があり、現在の状態に至るまでは、アロマケ
アを真剣に学びそれなりの知識を習得したスタッフの努力の賜物であると思います。現在この病
院では、アロマケアの正しい知識を身に付けているスタッフが40%在職しているとの事でした。
今後もアロマケア・アロマコロジーを始めとしたドイツ自然療法に関する情報をみなさまによ
り多くご提供出来るよう努力し、日本でも補助療法として西洋医学の少しでも助けになれば…と
思っております。
有酸素運動のおすすめ
私達が住む環境はどんどん便利になり、食生活の変化からもエ
ネルギーを取りすぎているのに、身体活動量は少ない状態になっ
ていると言われています。余ったエネルギーは体脂肪として体内
に蓄えられ、運動不足により身体の機能は衰えていきます。やが
てそれは、生活習慣病など恐ろしい病気へとつながります。脂肪
を燃やす有酸素運動で、健康な身体を取り戻しましょう。
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有酸素運動とは?
しっかりと呼吸を行いながら、長い時間ゆっくりと筋肉を動かし続けることができるような
運動のことを『有酸素運動』といいます。具体的には、早歩き、ジョギング、サイクリング、
水泳などです。脂肪をエネルギーとして燃焼させるためには、酸素が必要になります。そのた
め、運動中,体内に酸素を取り込める有酸素運動は、脂肪を燃やすための運動として最適なのです。
有酸素運動の効果
・体脂肪を減少させる
・HDL(善玉)コレステロールを増やし、LDL(悪玉)コレステロールを
減らす
・肥満や動脈硬化が原因の高血圧が改善される
・心肺機能が高まり、動悸、息切れが改善される
・インシュリンの感受性が高まり(分泌がよくなる)
、血糖値が下がる
・自律神経が活発に働くようになり、生理不順、便秘、冷え、肩こりなどが解消される
有酸素運動と無酸素運動の違いとは?
有酸素運動ではグリコーゲンと脂肪を酸素を使ってエネルギーにします。一方、重いものを持
ち上げたり全速力で走ったりする『無酸素運動』では、主にグリコーゲンだけでエネルギーを作り
ます。この時、疲労物質である乳酸ができるため、無酸素運動は長時間続けることができません。
・体脂肪とは→体内に蓄積された脂肪をいい、皮膚の内側にたまる「皮下脂肪」と内臓のまわり
にたまる「内臓脂肪」に分けられます。
・グリコーゲンとは→食事で摂った糖質は分解されてブドウ糖になり、その一部は肝臓や筋肉に
送られ、グリコーゲンに形を変えて蓄えられます。それでも余ったブドウ糖は脂肪になります。
運動量は?
有酸素運動を行う時間は20∼30分以上が目安となります。運動の強さは、軽く汗ばむくらい
が最適です。息が続かないようなのは激しすぎです。できれば毎日行うのが理想ですが、週3
回からでも始めてみましょう。また、運動量によっては脱水を起こすこともあり、水分を持ち
ながらの運動をおすすめします。当院では糖尿病の患者様を中心に運動療法を行っております。
お気軽にご相談ください。
梅雨の時期から暑い季節が
やってきます。
適度な運動を心がけましょう。
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新 入 職 員 紹 介
職 種
事務
氏 名
桶谷 美佳
血液型
B型
抱 負
桶谷美佳です。加登病院に入って3ヵ月がたちました。
仕事はもちろん、皆さまのお顔とお名前を一日も早く覚えられ
るように頑張ります。
職 種
看護助手
氏 名
牧田 ゆかり
血液型
A型
抱 負
一日も早く仕事に慣れ、患者さまのためにもチームワークの
中にとけ込めるよう頑張りますので、よろしくお願いいたし
ます。
職 種
看護師
氏 名
澤村 有希
血液型
A型
抱 負
縁あって4月から外来で働かせていただいています。
スタッフの方に優しくご指導いただき楽しく働いています。
これからよろしくお願いします。
職 種
看護師
氏 名
安江 奈尾子
血液型
AB型
抱 負
加登病院で働くようになり、約1ヵ月が経とうとしています。
自分や家族がされたいと思うような暖かい看護を提供できる
よう頑張っていきたいと思っていますので、どうぞよろしく
お願いします。
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患者さまの個人情報の保護についてのお知らせ
平成17年4月から施行されました「個人情報の保護に関する法律」の規定にしたがって、当院におきま
しても患者さまの個人情報の取扱いには万全の体制で取り組んでまいります。
なお、院内での医療提供を円滑に行うために、外来患者さまのお名前での呼び出しや病室入口のお名前
の掲示は従来通りとさせていただきます。
ご都合の悪い方は、遠慮なくお申し出下さい。
また、お申し出により患者さまに不利益が生じることは一切ございませんので、ご安心ください。
ご不明な点につきましては、窓口までお気軽におたずねください。
JR小松駅から徒歩3分
お車でお越しの方は、
一方通行にご注意ください。
P
北
国
銀
行
★当院では、訪問看護、人間
ドッグ、栄養相談も行って
おります。お年寄りの方の
介護のお悩みや、健康に関
東京
ストア
加登病院
小松大和
する相談など、お気軽にお
たずねください。
JR小松駅
ホームページアドレス : http://www.katou-hosp.jp/
外 来 診 療 案 内
午 前
第一診療室
第二診療室
午 後
第三診療室
月 内科全般(院長) 循環器(丸山Dr.)
火 内科全般(院長)
水 内科全般(院長)
第一診療室
第二診療室
第三診療室
内科全般(院長)
耳鼻科(伏田Dr.) 呼吸器(藤村Dr.) 内科(砂子阪Dr.)
検査・消化器
(山下Dr.)
内科全般(院長)
検査・消化器
(加賀谷Dr.)
木 内科全般(院長) 高血圧(坂井Dr.) 循環器(高村Dr.) 内 科(岩田Dr.) 呼吸器(堀Dr.)
金 内科全般(院長)
甲状腺・糖尿病
(清水Dr.)
第1・3,神経内科(岩佐Dr.)
土 内科全般(院長) 第2・4,皮膚科(長谷川Dr.)
3週間に1回眼科(高比良Dr.)
内科全般(院長) 整形外科(吉田Dr.)
循 環 器
(居軒Dr.)
内科全般
(砂子阪Dr.)
◆内分泌(甲状腺・糖尿病)外来は、土曜日の診療となる場合もあります。また、他の診療に関しても若干変更となること
があります。詳しくは、看護師または、受付スタッフまで、お気軽にお尋ねください。
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