(人材)育成基本方針について

∼未来を見据え 自ら新しいチャンスを創造する職員を目指して∼
平 成 20年 5月
周南市総務部人事課
周南市人材育成基本方針目次
1 策定の趣旨
2
2 新時代に求められる職員像
(1) 人材育成の基本理念と市民から求められる職員像
4
(2) 職責に応じ求められる役割と能力
7
3 人材育成に向けた具体的な方策
取組1 有為な人材の確保のための職員採用システム
12
取組2 「組織ニーズ」と「個人の意欲」に応える職員研修システム
13
取組3 人材育成・活用につながる人事評価システム
14
取組4 人材の成熟度に応じた自認できる人事処遇システム
15
取組5 能力を引き出し、活かす異動システム(人材の適正配置)
16
4 人材育成推進体制の整備
(1) 職員の役割
17
(2) 管理監督者の役割
18
(3) 人材育成担当部門の役割
19
1
地方分権の一層の進展に伴う政策自治体への転換や、本市の抱えるさまざま
な行政課題に適切に対応するためには、職員一人ひとりが前例主義に囚われる
ことなく、「市役所を変える」、「意識を変える」という「強い志」を持って職
務に取り組み、市民の役に立つ人材として育っていくことが重要です。
また、市民活動に関わる個人や団体との協働によるサービスの方法など、仕
事の質的な変化も起こりつつある中、本市自らが、独自の政策形成の策定や多
様な市民活動との協働、情報化の推進など、市役所改革を進め、これまで以上
に、職員の主体的で積極的な行動と、それを支える能力が必要とされます。
こうした中、「物事の本質を追求し 発想の転換から 新しいチャンスを生み
出す人材を育てる」を人材育成のコンセプトとして「周南市職員(人材)育成基
本方針」(以下「方針」といいます。)を定めました。
この方針は、これからの人材育成の基本的な考え方や方向性、具体的方策等
を明らかにし、より計画的に、総合的に人材育成を進めるための指針、すなわ
ち「人材戦略」として策定しました。
2
総合的・戦略的人事管理システム体系図
3
本市の人材育成にあたっては、
①まちづくり総合計画「ひと・輝きプラン
周南」
②「質の高い行政サービスを実現する簡素で効率的な基礎自治体」への変革
を目標とした「周南市定員適正化計画」
を推進し、組織の活性化と市民生活の向上の実現のためには、高い能力と意
欲を持った「一騎当千」の職員の育成が急務となっています。
そのためにも、
「市民から求められる職員像」=「目指すべき職員像」=「育
成すべき職員像」を明確にし、体系的に取り組んでいくことが重要となりま
す。
周南市のまちづくりの基本理念 「まちづくり総合計画」
○市民の視点に立ったまちづくりの推進
○市民と行政の協働によるまちづくりの推進
○各地域の特性を生かしつつ新たな発展を促すまちづくりの推進
まちづくりを推進していくために今後どのような人材が必要なのか?
周南市職員の人材育成の基本理念(コンセプト)
物事の本質を追求し
発想の転換から
新しいチャンスを生み出す人材を育てる
そこで、本市で求められる職員像を
周南市職員として高い「志」と「誇り」を持ち、市民とともに、
とします。
4
求められる職員像
周南市職員として高い「志」と「誇り」を持ち、市民とともに、
『未来を見据え自ら新しいチャンスを創造する職員』
具体的な[行動の指針(目指すべき職員像)]としては、
1 志高く 失敗を恐れず 前向きに挑戦する気持ちを大切にします
「志高く挑戦する職員」
1 日々自己啓発を重ね 自らの役割・使命を自覚しプロ意識を持って仕事をします
「自己変革できる行政のプロ職員」
1 積極的に市民と交わり 市民の声を聴き 市民との協働により仕事を進めます
「協働する職員」
1 周南の歴史文化を探求し 先見の眼で まちの特性を生かした 新しい政策を
立案し実行します
「先見の眼でまちの魅力を引き出す職員」
1 明るくさわやかな笑顔で 誠実に迅速・丁寧に対応します
「行動の一つひとつが信頼される職員」
1 常に市民全体の利益を考え 公平・公正な仕事をします
「市民本位の職員」
1 仕事の内容や結果をわかりやすく説明し 説得より納得の姿勢で仕事をします
「説明責任を果たせる職員」
この「求められる職員像」は全職員を画一的な型に当てはめてしまうもので
はありません。職員の個性や意欲を尊重したうえで、職員が主体的に能力を開
発し、働きがいを追求するための指標として、職員がベクトルを一つに、共通
に持つべき取組姿勢を明らかにしたものです。
5
この職員像を具体化するためには、どのような意識と能力が必要なのか?
職員に求められる意識と能力
○「市民感覚」
○「チャレンジ精神」
○「自己成長意識」
○「倫理観と使命感」
○「広範で専門的な知識」
○「コンプライアンス」
○「柔軟で創造的な発想力」
○「経営感覚(スピードとコスト意識)」
○「高度で的確な政策形成能力」○「コミュニケーション能力」
○「コーディネイト能力」
○「説明責任能力」
市民の声より、市民が求める職員像
平成 19 年 6 月に実施した新採用職員による市民インタビューの結果からも、
次のような「市民が求める職員像」が浮かびあがってきます。
(市民が求める職員)
(必要とされる意識と能力)
・親切、丁寧、迅速な職員
接遇能力
・笑顔であいさつできる職員
コミュニケーション能力
・温かなもてなしで対応できる職員
業務遂行能力
・サービス業としての意識を持つ職員
政策形成能力
・市民本位な職員
柔軟な創造力と発想力
・市職員として誇りと自覚を持った職員
経営能力(スピードとコスト意識)
・誠実で信頼のある職員
市民感覚
・向上意欲の高い職員
チャレンジ精神
・経営感覚のある職員
自己成長意識
・前例にとらわれず、積極的に変革しようする職員
自覚と倫理観
・キビキビと行動力のある職員
説明責任能力
・基本である仕事をきちんとこなす職員
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今後、求められる職員像を実現するためには、大きく「業務遂行能力」
「コミュニケーション能力」
「政策形成能力」
「行政経営能力」の4つの
能力が必要となります。
職員一人ひとりに求められる能力は、担当業務や職責によって異なり
ますが、基本的には次のとおりです。
業務遂行能力
業務の目的や目標を把握し、必要な知識や技術を活用して、担当す
る業務を正確かつ迅速に処理する能力。
【求められる能力・意識要素】
職務遂行力、実務専門力、課題解決力、状況適応力、
コンプライアンス、改善実践力、情報活用力、市民感覚、
先見性、チャレンジ精神
コミュニケーシ 市民や職員など組織内外の関係者と良好で建設的なコミュニケー
ョン能力
ションを保つとともに、協働して市政を推進するために必要な折
衝、交渉、調整する能力
【求められる能力・意識要素】
理解力、応対・折衝力、表現・説得力、関係構築力、
ストレス耐性、コーディネイト力、市民感覚
政策形成能力
社会環境の変化や市民ニーズを的確に捉え課題を発見した上で、効
果的で特色ある政策を立案し、更なる課題や目標を発見できる能力。
【求められる能力・意識要素】
政策立案力、企画提案力、課題認識力、政策法務力、分析力、
構想力、評価力、先見性、発想力、市民感覚
行政経営能力
組織の目標を明確に示し、業務を管理・統制して成果を上げるとともに、
組織に必要な能力や意欲を引き出すなど人材を育成する能力。
【求められる能力・意識要素】
組織管理力、組織マネジメント力、目標管理力、指導育成力、
危機管理力、コンプライアンス、経営感覚、先見性
7
市民から求められ、組織が期待する職員像に基づき、職員は自分が属する
階層に応じた役割を担うとともに、求められる能力を主体的に育成する必要
があります。そこで、職員別に求められる能力や役割等を整理するため、
「能
力適応期」を下表のとおり設定します。
表:能力適応期の設定
能力適応期
級
基礎的能力
実務専門能力
政策形成能力
行政経営能力
養成期
開発期
拡充期
発展期
1
2・3
4・5・6
7・8
一般
副主任
主査
課長
主任
係長
次長
課長補佐
部長
主な職名
職員がプロ意識を持って自ら能力を高め、仕事の成果を出していくため
には、組織の中で求められる能力や役割を認識し、自ら目標を持って行動
することが大切です。
そこで、求められる職員像を念頭においた各能力適応期の基本的な役
割・行動、人材育成の方向性を次表のとおり整理しました。
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表:職員が果たすべき役割と人材育成の方向性
≪行政経営能力発展期≫(課長・次長・部長)
求 め ら れ る 役 割、行 動
人材育成の方向性
市政の経営者/所属の統括者
マネジメント能力の育成
・全市的、長期的な視点で、都市経営を行うこと。
・これまでの公務員生活で培った能力
・市の方針や計画等を踏まえて、組織の目標を設
や経験を組織の中で最大限に発揮
定し、所属職員に周知徹底させ、目標達成に向
し、自己の職責を果たすとともに、組
けて指揮監督すること。
織の統 括 者 、政 策 立 案 、執 行 の実
・分掌事務の進行状況を把握し、目標と実績を対
質的責任者として位置づけます。
比し、必要な調整を行うこと。
・組織内の力を最大限引き出せるよう、職員の能力 【重点的に育成すべき能力】
等を把握し、計画的に指導・育成を行うこと。
行政経営能力
・議会、関係団体、市民、報道機関など外部との折
(組織マネジメント力、指導育成力)
衝、調整を行うこと
≪政策形成能力拡充期≫(主査・係長・課長補佐)
求 め ら れ る 役 割、行 動
人材育成の方向性
市政の実務者/所属の監督者
政策形成能力の育成
・グループの業務を統括し、目標を提示するととも
・行政サービスの最前線の責任者であ
に、達成できるように職員を指揮監督すること。
り、自己の仕事の中で成果を出すと
・分掌事務の進行状況を把握し、目標と実績を対
ともに、組織の最小単位のリーダー
比し、必要な調整を行うこと。
としてマネジメント能力を育成しま
・知識や経験を生かし、困難な業務及び高度で専
す。
門的な業務を効率的・効果的に処理すること。
・業務試行を通じて所属職員を指導育成し、その 【重点的に育成すべき能力】
能力開発を推進すること。
・課等相互間の連絡及び協調に努め、課内の流 政策形成能力(政策立案力)
動的な事務執行体制を確立すること。
・各職階で、一つ上の職階の職務のサポートをす
ること。
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≪事務専門能力開発期≫(副主任・主任)
求 め ら れ る 役 割、行 動
人材育成の方向性
行政サービスの実務者
実務専門能力の開発
・組織目標を踏まえて、知識や経験を活用し、担当 ・実務専門能力開発期の職員につい
職務を効率的・効果的に処理すること。
ては、ジョブローテーションにより幅
・グループの方針、計画策定に参画すること。
広 い視 野 を養 うとともに、複 雑 な業
・担当業務に関して、具体的改善提案や意見具申
務を担当させ、高度な専門知識を有
を行うこと。
する実務スタッフとして、行政サービ
・グループ内の中核職員・ムードメーカーとして、職
場の活性化を図ること。
スを効率的に推進できるよう育成し
ます。また、後輩職員の指導育成能
・後輩職員に必要な助言や指導を行うこと。
力の向上にも努めます。
・各職階で、一つ上の職階の職務のサポートをす 【重点的に育成すべき能力】
ること。
業務遂行能力(実務専門力)
コミュニケーション能力
(応対・折衝力、表現・説得力)
≪基礎的能力養成期≫(一般)
求 め ら れ る 役 割、行 動
人材育成の方向性
日常業務の実務者
基礎的能力の習得
・組織目標や上司の指示を的確に把握し、業務を
・採用後、市役所職員として必要な知
正確かつ迅速に処理すること。
識や技術など基礎的能力を養成す
・業務に関する知識や技能を身に付け、責任を持
って業務に取り組むこと。
るとともに、ジョブローテーションによ
る OJT を推進し、広い視野と多様な
・現状から問題点を提案し、その課題解決に向け
て積極的に取り組むこと。
知識を習得するようバランスの取れ
た能力開発を推進します。
【重点的に育成すべき能力】
業務遂行能力(基礎的実務能力)
コミュニケーション能力
(理解力、応対・折衝力)
10
《職階に応じて求められる能力の比重イメージ》
【職階に応じて求められる能力】
必要な能力の割合
部長・部次長級
課長補佐級
コ
ミ
ニ
ケ
ー
政
策
形
成
能
力
ュ
課長級
行
政
経
営
能
力
ョ
シ
ン
能
力
係長級
一般職
11
業
務
遂
行
能
力
人材確保
取組1 有為な人材の確保のための職員採用システム
本市が求める有為な人材を確保するために採用試験制度の検討・実施に取
り組みます。また、組織における専門的な職の性質を精査、整理した上で、
職の性質に相応しい必要な人材を多様な採用方法により採用していきます。
1
人物本位の採用
採用については、これまで以上に人物判断に重点を置き、一定の知識水準
が実証された多くの受験者の中から多段階の面接を行うなど、より高い資質
と意欲を有する人材を選抜していきます。
2
多面的採用方法
様々な政策課題への即応が求められている中、即戦力となりうる社会人経
験者や専門性の高い有為な人材を多様な採用方法で確保します。
多様な採用チャンネル
3
①UJI ターン/再チャレンジ型採用
②社会人経験者採用
③身体障害者対象試験
④任期付採用
世代層の平準化
行政サービスの継続性の観点から、職員の年齢バランスをできるだけ平準
化していきます。とりわけ、現在、著しく少ない20代の人材の確保に努め、
各行政分野の将来を担う人材を長期的な視点で育成していきます。
4
攻めの採用活動
多様な人材を確保するために、あらゆる情報ツールを活用し積極的に採用
情報をPRするなど、攻めの採用活動に取り組んでいきます。
12
人材開発
取組2 「組織ニーズ」と「個人の意欲」に応える職員研修 システム
職員として求められる能力開発と個人の自学意欲に対応し、能力を最大限
に開発・伸長できる職員研修計画を策定します。
OJTや自己啓発の支援を進めると共に、実践的なマネジメント研修等を
通じて、管理職員のマネジメント能力、行政経営能力の強化を図ります。
1
OJTの充実
職場が「人を育てる場」であるという認識に立って、所属長を中心とした
OJT推進体制を強化します。
2
評価制度と連動した研修制度
OJTや評価制度などで明らかとなる職員の「強み」を伸ばし「弱み」を
補完するために、職場内外研修において、評価項目をはじめ各能力の補完や
さらに伸ばすための研修を充実します。
3
階層別、職場外研修の充実
階層別研修や職場外研修については、役割期待及びこれを果たすために必
要な能力と業務に対応できる能力の養成など、それぞれの階層や職場のニー
ズに対応した研修の実施に努めます。また、研修効果を高めるために、職員
の主体性を引き出せるよう、「与えられる研修」から「自らが選択する研修」
へとシフトしていきます。
4
公募制の運用の拡大と選択制
研修対象者に十分な動機付けを与え研修効果を高めるため、受講者公募制
の運用の拡大とカリキュラムの一部選択制の導入を図り、職員の意欲とニー
ズに応える研修制度とします。
5
交流・派遣研修
幅広い視野と新しい発想の観点に立ち、職場では身につかない専門的な知
識・技術や経営感覚を備えた人材を育成するために、国・県・民間企業等
との交流・派遣研修など、多様な研修機会の確保に努めます。
13
6
自己啓発支援の充実(自主研修の充実)
人材育成の基本である自主研修については、自主研修促進援助体制の構
築、管理監督者の理解と支援の促進、自主研修の効果の活用の3つの視点
から充実を図っていきます。
人材評価
取組3 人材育成・活用につながる人事評価システム
職場のコミュニケーションを強化し、いきいきと活躍できる職場づくりに
取り組みます。職員の能力とやる気を引き出し、動機付けとなるように、よ
り客観性・納得性の高い評価制度の充実を図ります。
1
「能力・態度」と「実績(目標による管理)」による評価
評価制度の仕組みは、職員一人ひとりの能力や勤務態度を評価する「能
力・態度評価」と目標を設定して仕事の実績を評価する「実績評価」の2つ
を大きな柱とします。
2
面接及び評価に関するフィードバックの導入
人事評価の納得性を高めるとともに、職員の業務の成果や能力発揮の度合、
今後の能力開発について話し合い、さらなる能力向上に繋げるために、評価
に関するフィードバックを含め、人材育成のそれぞれのステージで評価者と
被評価者の面談を実施することとします。
3
評価者研修の実施
客観的で納得性の高い評価が可能となるよう、評価者としての必要な能力
の向上を図るため、評価者研修を実施します。研修後、研修の成果を活かし
た面談等の実践指導・助言により、部下の育成はもちろん、上司自身の管理
者としての人材育成力をはじめとした組織マネジメント能力の強化を図り
ます。
4
苦情・相談体制の整備
評価者に対する苦情・相談に適切に対応するための体制を整備します。
14
人材成熟
取組4 人材の成熟度に応じた自認できる人事処遇システム
人材の成熟度(能力の伸長・発揮)に応じ、自認できる処遇に反映する仕
組みづくりに取り組みます。
1
昇任昇格のルール化を推進
昇任昇格管理は、職員のモチベーションを高める重要なツールであること
から、これまで以上に職員が納得でき信頼できるものとなるよう、恣意を排
し、明確なルール(基準)により、年功にとらわれない能力と実績を重視す
る昇任制度の確立を図ります。
2
女性職員の管理職への登用
男女共同参画社会の実現、人材の発掘・活用等を図る観点から女性職員の
能力開発の機会を確保し、多様な分野への積極的な登用と職域拡大を図りま
す。また、ポジティブアクションとして、
「定員適正化計画」の対象期間であ
る平成22年度において、女性管理監督者の割合15%を目標として女性職
員の登用を促進します。
3
人事評価制度を反映した勤勉手当・昇給制度の検討
① 業績を反映した勤勉手当への移行
職務に対するモチベーションの向上に資するため、業績評価の結果を勤
勉手当の支給割合(成績率)に適切に反映する制度への移行を図ります。
② 能力・業績を反映した昇給制度への移行
人材育成施策の効果的な推進を図るため、能力評価・業績評価の結果を
反映した昇給制度への移行を推進します。
4
育児、介護等の両立支援と復職後のポスト保障と活躍の機会の拡大
育児介護等で休業した職員が、休業中の職務能力を維持するなど安心して
復職できる環境づくりに努め、仕事と家庭の両立支援を推進します。また、
復職後は復職前のポストで、ワーク・ライフ・バランスの実践者、推進者と
して職場での活躍の機会を拡大していきます。
15
人材活用
取組5 能力を引き出し、活かす異動システム
(人材の適正な配置)
職員の能力の有効活用と職員のキャリア形成の観点から適正な異動配置を
検討します。
1
硬直打破
育成型ジョブローテーション(原則:現職3年)
職員の能力や適性を生かし、長期的な視点から人材育成を行うために、
職員の任用、研修、実績、評価等を有機的・計画的に結びつけるための育
成型ジョブローテーションを推進します。
2
自発尊重
①自己申告制度(異動申告)の充実
②庁内公募制度の推進
③希望降任制度の導入
職員のモチベーションを高め保つため、本人の希望や意欲を尊重した人
事配置を行う「自己申告制度」の充実に努めます。今後はさらに職員の士
気高揚が図れるよう、特定業務における「庁内公募制度」の拡大や政策提
案型の公募制度の導入を推進します。
また、健康上の理由や家族の事情により、現在の職責を果たせない、ま
たは、現在の職位に適性を欠くと自覚した職員に対し、本人の希望により
降任できる制度「希望降任制度」の導入を検討します。
3
適材適所
①庁外公募制度の検討
②複線型人事制度の導入
高度で専門性を活用すべき職やポストについては任期付採用制度の導入
とセットで有意な人材を外部から登用する「庁外公募制度」を検討します。
また、既存のゼネラリスト(総合職)の育成に加えて、特定の分野にあ
っては、高度な専門知識や経験を備えたエキスパート(専門職)を育成し
ていく必要があります。そのため、エキスパートを必要とする職務の明確
化を図り、職員の適性、能力、希望などを考慮したエキスパートとしての
人事管理を行う「複線型人事制度」の導入を検討します。
16
職員は、
[周南市職員として高い「志」と「誇り」を持ち市民とともに
未来
を見据え自ら新しいチャンスを創造する職員]として、自ら自発的に能力を高
めていく必要があります。
このため、職員の役割として、以下の5つの事項を重点目標とします。
自らの職務の遂行状況を定期的に振り返り、満足できる点や反省すべき点
を分析し認識することで、自己の能力や適性に合致した分野を発見すること
が可能となり新たな動機付けにもなります。職員は、自己の適正を踏まえて、
今後の能力開発に向けて何をすべきか、常に意識して職務に取り組む必要が
あります。
能力開発を効果的に進めるためには、職員一人ひとりが、自己の能力や適
性をどう生かしていくのか、どのようなキャリア形成が必要なのか、明確な
将来像を描き主体的に自己啓発に取り組んでいくことが重要です。
自己啓発は人材育成の基本であり、職員自らが自己啓発意欲を高める努力
が重要です。様々な行政課題に適切に対応できる能力を培い、目標を持って
職務遂行に努め、自ら振り返り評価し、次なる目標の動機付けとする自己啓
発のサイクルを構築することが必要です。
職員の能力開発にとって職場環境は最も重要な要素です。職員が活発に意
見交換や論議ができ、互いに切磋琢磨できる環境でなくては効果的なOJT
は望めません。職員自ら、人材を育成する職場環境づくりに努めることが必
要です。
求められる職員像を実現するためには、高い意欲と能力の他に、心身とも
に健康であることが必要です。本市にとって、職員は貴重な「人財」である
との自覚を持ち、常日頃から自己の健康管理に努めることが必要です。
17
部下育成は、管理監督者にとって大切な役割であり、マネジメント能力の
向上など自ら率先して自己研鑽に務めるとともに、仕事を通じて指導・育成
に努める責務を有します。また、管理監督者は、自らの意識改革とリーダー
シップにより、創造的なコミュニケーションが図れる人材育成のための職場
風土づくりに努めていく必要があります。
管理監督者は、誰もが働きやすく活力ある職場づくりを推進するため、日
頃から所属職員との意思疎通を蜜にし、職員が能力・意欲を十分発揮できる
風通しのよい職場づくりに努めることが必要です。
特に、人事評価制度の導入に際しては、職員の業務への主体的な取組みを
促進し、目標の達成過程や評価を通じて能力の向上を図るためには、上司と
部下の信頼関係の醸成が不可欠であり、このためにも双方向コミュニケーシ
ョンの充実した職場づくりが管理監督者に課せられた職務として考えられま
す。
職員の適性や能力を客観的に把握することは、職員の能力開発を進める上
で極めて重要な要素となります。管理監督者は、OJTや人事評価制度にお
ける職員との面談はもとより、日頃からあらゆる機会を通じて職員の状況を
観察・分析し、個々の適性や能力を把握した上で職員の人材育成に努めるこ
とが必要です。
業務を通して日頃から職員を指導育成することは、職員の能力開発にとっ
て大きな意味を持ちます。管理監督者は、所属職員の能力開発・活用の観点
から事務分担の決定や目標水準の提示、進行管理や評価等、個々の職員の今
後の育成方針を見極めた上で的確な指導・助言を行う必要があります。
職員の能力開発にとって職場環境は大変重要な要素です。人材を育成する
職場の環境づくりには、管理監督者の意識改革とリーダーシップの発揮が必
要です。職員が相互に啓発しあう職場風土を醸成するためには、管理監督者
の執務に対する姿勢や態度、職場運営の技能の習得、職員の能力開発に対す
る理解や配慮など、職場風土の改善への積極的な取組みの促進が必要です。
18
活力ある職場づくりを推進するためには、職員が心身両面にわたる健康を
保持していくことが不可欠な条件となります。管理監督者は、日頃から職員
の健康管理に配慮し、定期健診の受診の促進やストレスやメンタル疾患を抱
える職員の早期発見や相談体制の確立などに努める必要があります。
人材育成は、職員一人ひとりの能力開発への意識を主体として、各職場に
おける積極的な取組みとともに、その取組みに対する総合的な支援を組織的
に行う必要があります。人材育成担当部門では、職員の意識や職場の実態を
把握し、各種研修に関する様々な情報を職員間で共有することにより、人材
育成に関する施策の充実を図り、総合的な支援を行います。
バックアップ体制の中核となる人事部門は、職員の意識、職場環境がどの
ような状況にあるか常に把握する努力をし、各職場間の調整を行い、職員研
修制度や人事管理制度等の人材育成に関するシステムの検証を行う必要があ
ります。
職員個人の自己啓発や管理監督者を中心としたOJTを効果的に推進して
いくためには、職場、研修、人事が一体となった支援体制の構築が必要です。
このため、人事部門は、情報の提供や効果的な職場外研修の実施、職員から
の相談窓口の開設、長期休暇後の復職職員や人事評価の低評価者等へのフォ
ローアップ研修の実施など、総合的な支援環境の整備を推進する責務があり
ます。
人材育成を効果的に進めていくためには、
「職員採用」
「職員研修」
「人事評
価」「人材処遇」「人材活用」にわたる諸活動や各制度が、人材育成の基本理
念のもとに、相互につながり、体系的に統合された一つのシステムとして共
通の目的を持ち、機能することが重要です。
そこで、本方針においては、これらのことを念頭において、多面的な視点
から総合的・戦略的な人材育成システムとして整備、運用していきます。
19