循環型社会の構築(PDF:670KB)

日々の暮らし
循環型社会の構築
~持続可能な社会の実現~
概 要
■現代社会は、大量生産、大量消費を繰り返し、経済成長を成し遂げた見返りとして、公
害や温暖化等の環境問題を抱えることとなり、今や地球規模で解決しなければならない
喫緊の課題となっています。
■このことから、大量に生産された製品等が大量の廃棄物として蓄積されていくこれまで
のシステムを転換し、製品等が廃棄物となることを抑制し、資源利用の輪をつくり、環
境負荷をできる限り低減する「循環型社会」の構築を目指します。
関係者
市民
事業者
NPO
甲府市
(1)廃棄物の3Rの推進
○
○
○
○
(2)バイオマス資源の「わ」の構築
○
○
○
○
アクションプラン 7 の取り組み
(3)熱回収
○
○
(1)廃棄物の3R(Reduce:発生抑制、Reuse:再利用、Recycle:再資源化)の推進
■市民・行政の協働の下、いつでも資源物が搬入可能な常設の24時間ステーションを設置
するとともに、容器包装廃棄物等の分別回収を推進し、ごみの減量化及び再資源化を図
っていきます。
また、可燃ごみの大きなウェイトを占める生ごみの排出抑制に繋がる施策を推進します。
■甲府市リサイクルプラザは、現在、ごみ焼却の余熱を活用した温水プール・浴室をはじ
め、トレーニング室、環境セミナー室、図書コーナー等が設置され、環境に関する様々
な情報の発信や環境教育及び住民等の自主的な3Rの場として利用されています。
平成28年度末に隣接するごみ焼却工場が操業廃止となることから、太陽光発電システム
や木質ボイラー、及び電気自動車用急速充電器等の導入を検討するとともに、一般市民
向け環境教育講座の開催やイベントの実施等での積極的利用の促進によって、環境教育
施設としての機能強化を図っていきます。
《取り組みの内容》
①資源物排出の利便性の向上
取り組みの内容
◆24時間ステーションを年次的に設置
②ごみの分別回収による減量化、
再資源化の推進
◆プラスチック製容器包装、小型家電の分別回収によるごみ
の減量化、再資源化を推進
◆家庭から排出される生ごみ等の抑制に関する事業の展開
③リサイクルプラザの利用促進
◆リサイクルプラザの環境教育機能の強化
- 69 -
《それぞれの役割》
関係者
市
民
役割
◆ごみ減量化の実践及び資源物の分別化の徹底
◆リサイクルプラザの積極的利用
事業者
◆積極的なごみの分別化 ◆資源リサイクルへの取り組み
◆リサイクルプラザの環境教育、福利厚生としての活用
NPO
◆家庭におけるごみの減量化、分別化の促進
◆環境教育等でのリサイクルプラザの積極的活用
甲府市
◆資源物の回収 ◆24時間ステーションの増設
◆プラスチック製容器包装、小型家電の分別回収に向けた検討及び実施
◆生ごみの堆肥化や水切り排出の普及・促進
◆環境総合教育施設としてのリサイクルプラザの機能強化
(太陽光発電の設置、電気自動車用急速充電器の設置、木質ボイラーの導入、環境
教育講座の開設、イベントの実施 など)
(2)バイオマス資源の「わ」の構築
■生ゴミの堆肥化に向けて、ボカシ容器や電気式処理機への補助及びEMボカシの無料交
付を継続するとともに、可燃ごみとして処理されている落葉等を家庭で堆肥化できる取
り組みを普及します。
■菜の花やヒマワリを栽培し、収穫した菜種等から搾油した菜種油を地域で消費し、その
廃食用油を石鹸やBDFとして利用する「菜の花プロジェクト」が、本市の一部地域で
取り組まれています。今後は、地域や大学、学生ボランティア等と協働し、耕作放棄地
等や公有地の活用を図るとともに、農業振興・景観形成・地域の活性化も視野に入れた
取り組みを展開していきます。
《取り組みの内容》
取り組みの内容
①生ごみの減量化、再資源化の
推進、落ち葉の堆肥化の検討
◆生ごみの堆肥化等に関する情報発信、啓発
◆生ごみの堆肥化の推進 ◆落ち葉の堆肥化の普及
②菜の花プロジェクト等の推進
◆産・学・官及び地域が連携した取り組みの検討
◆実施団体の支援 ◆廃食用油の活用
《それぞれの役割》
関係者
市
民
役割
◆生ごみの堆肥化への取り組み(ボカシ容器の購入・電気式処理機の購入)
◆菜種油、BDFの利用 ◆廃食用油の再利用 ◆菜の花等の栽培への参画
◆落ち葉の堆肥化の取組 ◆廃食用油の分別排出
事業者
◆生ごみの堆肥化等への取り組みの検討 ◆菜種油の利用 ◆BDFの利用
◆菜の花等の栽培への参画 ◆耕作放棄地等の提供 ◆落ち葉の堆肥化の取組
NPO
◆生ごみの堆肥化の普及促進 ◆落ち葉の堆肥化の促進
◆菜種油・BDFの利用、及び菜の花栽培への参画に関する普及促進
甲府市
◆生ごみを堆肥化するための処理器機購入費用の助成 ◆菜種油、BDFの利用及び
菜の花栽培への参画に関する普及促進 ◆生ごみの堆肥化等の情報発信
◆廃食用油の回収及び回収場所の提供 ◆落ち葉の収集、堆肥化の支援
- 70 -
(3)熱回収
■現在本市では、ごみの中間処理施設において、ごみ焼却の廃熱ボイラーによる発電の他
に、余熱を利用して環境センター内の給湯や、甲府市リサイクルプラザの温水プール、
浴室の保温、トレーニングジム、休憩コーナー等の暖房などに役立てています。
■しかし、本中間処理施設は平成28年度末をもって操業廃止となるため、今後は下水汚泥
の焼却熱や下水熱といった未利用資源・エネルギーの有効利用についても、
「甲府市都市
計画マスタープラン」における市街地整備と一体的に検討することが効果的と考えられ
ます。
アクションプラン7のロードマップ
■中期目標年(H32)における目標値の達成を目指して、「廃棄物の3Rの推進」
、
「バイオ
マス資源の「わ」の構築」に取り組みます。また、長期的取り組みとして、
「熱回収」に
ついても検討してまいります。
《ロードマップ》
取り組み
廃棄物の3R
年度
2020年(H32)目標値
資源物排出の利便性の向上
24 時間ステーションを年次的に設置
ごみの分別回収による減量化、再資源化の推進
プラスチック製容器包装、小型家電の
分別回収の実施
リサイクルプラザの利用促進
利用人数 70,000 人/年
生ごみの減量化、再資源化の推進、落ち葉の堆肥化の検討
生ごみ処理器(機)の普及 200 件/年
菜の花プロジェクト等の推進
地域による実施
熱回収の検討
未利用熱エネルギーの有効利用の検討
の推進
バイオマス資源の
「わ」の構築
熱回収
目標の見直し
2012
2020
2030
- 71 -
2040
2050 年
コラム
木質バイオマスの利用:甲府市リサイクルプラザの取り組み
■甲府市リサイクルプラザは甲府市環境センタ 《余熱利用システム》
ーのごみ焼却発電の際に発生する余熱を温水 ◆リサイクルプラザでは、ごみを焼却する時に
プール・浴室の保温、トレーニングジム・休憩
発生する余熱を利用しています。
コーナー等の暖房等に利用しています。
■甲府市環境センターの移転後は熱供給源を新
たに確保する必要があるため、甲府市内で発
生する未利用木質バイオマスを活用した木質
ボイラーの導入可能性を検討しました。
■甲府市で未利用の木質バイオマスは、建築系
廃材を除くと果樹や公園の剪定枝が主となっ
ています。このことから、果樹剪定枝と公園
剪定枝(1,140t/年)の利用を考えます。
■剪定枝は、発生した状態のままではかさばり、
取り扱いが不便です。剪定枝は含水率が比較
的低く、径も細いため、市販のチッパーでチ
ップにして利用します。
製材所廃材 95t(2%) 公園剪定枝 253t(7%) 林地残材 30t(1%)
果樹剪定枝
建築解体廃材
新・増築廃材
887t(23%)
1,836t(47%)
779t(20%)
1,140t
0%
20%
40%
60%
80%
100%
出典:
「バイオマス賦存量・利用可能量調査」NEDO(H18)
未利用資源の有効活用、二酸化炭素排出量削減に貢献します!
◆これまで有効利用されてこなかったバイオマス(果樹及び公園剪定枝)を原料とし、リサイク
ルプラザの熱源の一部とすることで、約380t-CO2/年の温室効果ガス排出量が削減されます。
必要な熱量
温水プール(25m、子供用)の保温用、浴室(床面積約210m2)及びシャワー(20
台)の加温用として約1.7GJ/hの熱供給ができるボイラーを想定します。
イニシャルコスト
同規模のチップボイラーの導入事例地区を参考とし、イニシャルコストは約
9,200万円と概算されます。
ランニングコスト
イニシャルコストの2~4%のメンテナンスがかかるとし、維持管理費は185~
370万円程度と概算されます(9,200万円×0.02~0.04)。
出典:
「バイオマスエネルギー導入ガイドブック(第3版)
」NEDO
燃料節減費
燃料節減費は、チップボイラー3基を導入することで節減される重油代とチップ
の原料として購入する木材代との差で、年間約77万円の節減額と概算されます。
温室効果ガス削減量
温室効果ガス削減量は、チップボイラー3基を導入することで節減される重油使
用量(必要熱量)に温室効果ガス排出原単位を乗じて、年間372t-CO2と推計され
ます。
出典:甲府市地球温暖化対策地域重点ビジョン(H22.2)
- 72 -
コラム
企業の積極的な活動:国母工業団地のゼロエミッション推進
~環境問題にいち早く取り組み、現在も継続して活動中です~
■国母工業団地は、甲府市、昭和町、中央市にまた
がる約100haの工業団地で、電子機械金属工業や
部品製造など27の企業から構成されています。
■本工業団地では、団地内で発生する廃棄物の共同
回収及びリサイクルの実施などを目標に掲げ、平
成4年に「産業廃棄物処理研究会」を設置し、
「環
境調和型工業団地の確立」を目指しています。
出典:甲府の都市計画(H18.3)
第1ステージ:産業廃棄物リサイクル事業 ~ゼロエミッションへの取組~
第1ステップ
紙類の協同リサイク
ル事業
古紙再生業者
27 社の古紙
集団回収システム
再生トイレット
ペーパー
第2ステップ
廃プラスチック・木く
ず等の固形燃料化
(RDF)
再資源化業者
廃プラ・木屑等
の集団回収
各社がリサイクル購入
セメント
工場の燃料
第3ステップ
生ごみの堆肥化
(コンポスト)
業者 or 組合
で事業化
社員食堂の
コンポスト化
生ごみ集団回収
調理
有機農産物を
各社がグリーン購入
灰はエコセメント化
地域の
農家
第4ステップ
古紙を利用した梱
包材・緩衝材
(パルプモールド)
再資源化業者
各社のオーダー
各社の共同
によりパルプ
回収システム
モールド化
再度
回収利用
製品は、オーダー
した各社が使用
※損傷するまで数回利用
第2ステージ:環境整備事業 ~日本で一番きれいで美しい工業団地を目指して~
第1ステップ
団地内グリーンベルトの
管理
第2ステップ
第3ステップ
鎌田川桜並木造成事業の
一環として桜の木を植栽
桜並木の整備(市民の憩
いの場として遊歩道の整備
及び芝生の植生)
第3ステージ:地球温暖化防止活動の推進 ~日本で一番地球にやさしい工業団地を目指して~
第1ステップ
緑のカーテンづくり
(ゴーヤー・ブドウ)
第2ステップ
第3ステップ
甲府水源の森づくりの企業
参加
エコ通勤への取り組み(市
内工業団地の共通テーマ
として取り組む)
この他にも、各企業が自主的に地球温暖化対策に取り組んでいます!
◆食堂の「廃食用油」をBDF化し、社員の送迎用通勤バスの燃料として再利用〔横河電機〕
◆生産ラインにおけるエネルギー無駄ゼロに導くIT活用事業〔横河電機〕(グリーンITアワード2009経済産業大臣賞受賞)
◆クリーンエネルギー(太陽光発電)システム導入
・パイオニア(年間発電量:154,000kWh)
・パナソニック(年間発電量:120,000kWh)
・横河電機(年間発電量:32,800kWh)
◆コージェネレーションシステムの導入〔住友電工〕
◆電気自動車の導入〔明電舎〕
出典:協同組合国母工業団地工業会より、環境白書(H10.6)
- 73 -
- 74 -