「砂遊び」の事例

<砂遊び>
0
ねらい
健康
内
人間
関係
容
環境
歳
児
○砂の感触を楽しむ。
○身近にある遊具に触れて楽しむ。
・手や足で砂に触れる。
・砂を握ったり、摘まんだりする。
・シャベルやカップを使って遊ぶ。
・シャベルやカップを使った遊びを保育者がやって
見せることで、興味もったり模倣をしたりする。
言語
表現
・握った砂を、何度も落として楽しむ。
・砂の感触を嫌がることもある。
・砂の感触を楽しみながら、砂や小石を口に入れようとすることもある。
子どもの姿
・シャベルを使って、砂をすくったり、カップに入れたりする。
・保育者と一緒に遊具を使い、保育者の言動を真似る。
・シャベルやカップですくった砂をこぼすことを何度も繰り返す。
・低い砂山を作ると登ろうとし、崩れることを楽し
む。
おすな さらさらだね
・砂場で使う遊具を十分に用意し、破損の確認も行い、環境を整える。
・怪我や衛生面に注意し、爪を短く切ってもらえるよう家庭に協力をしてもら
う。
・柔らかい砂地や低い砂山を歩く際、バランスを崩しやすいため、周囲の環境
援助・配慮
に十分注意する。
・子どものやりたい気持ちを大切にし、
「お砂だね」
「ジャーだね」など具体的
な言葉をかけながらそばで見守り、安心して遊べるようにする。
・砂を口に入れないよう十分に気をつけながら、砂の感触を楽しめるように
する。
・砂のついた手で目をこすらないように注意する。
・子どもが嫌がる場合は、無理強いせず、保育者と1対1でかかわる中で、少
しずつ砂に触れる機会をもてるようにする。
・保育者が手で砂を摘まんだり、シャベルで砂をすくったりして遊具を用いた
遊びをやって見せて、興味がもてるようにする。
57
<砂遊び>
1
ねらい
健康
内
人間
関係
歳
児
○保育者と一緒に身近な自然環境に触れ、親しむ。
○砂の感触を味わいながら、砂遊びを楽しむ。
・砂に触って遊ぶことを楽しむ。
・道具を使って遊ぶことを楽しむ。
みててね
できたよ
・身近な自然物(石、草花、木の実)を使ってまま
ごと遊びをする。
容
環境
言語
表現
・手で砂をつかんだり、落としたりする。
・保育者と一緒にシャベルなどの道具を使って山を作ったり、穴を掘ったり
する。
・カップやバケツなどに砂を入れてかきまぜ、料理に見立てて楽しむ姿が見ら
子どもの姿
れる。
・作ったものをこわすことを繰り返し楽しんでいる。
・型ぬきに砂を入れ、保育者に手を添えられながらひっくり返して、形ができ
ることを喜ぶ。
おやまだよ
・砂を口に入れたり、投げたりすることもある。
・以上児の真似をして、大きなシャベルを使おう
とする。
・砂場の異物を取り除いたり、消毒したりして、安全面・衛生面に十分配慮
する。
・型ぬきがしやすいように、砂を湿らせる。
援助・配慮
・砂を口に入れたり、投げたりすることのないよう子どもの動きをよく見て
安全に留意する。
・シャベルなどの道具を振り回したり、投げたりする場面が見られたら「危ない
よ」「お友達にあたるよ」と危険なことを知らせる。
・遊びやすいように身支度を整える。(腕まくり、ズボンをはくなど)
・一人一人が十分楽しめるように道具の数を十分揃えたり、破損がないか確認
したりする。
・保育者も一緒に遊びながら、「大きい山ができたね」「おいしそうなごちそう
だね」などと楽しさを共感し、遊びが広がるようにする。
58
<砂遊び>
2
歳
児
容
ねらい
内
○身近な環境に親しみ、自然物を取り入れて遊ぶことを楽しむ。
健康
・シャベルや手などを使って砂を容器に詰めたり、型抜きしたりする。
人間
関係
・同じ場にいる保育者や友達と関わって遊ぶ。
環境
・見たり触れたり感じたりしたことを、自分なりの言葉で表現する。
○保育者や友達と一緒に、砂の感触を楽しみながら遊ぶ。
・砂に触れる中で、色々な感触を知り興味をもつ。
・小石や葉っぱなどの自然物を利用して、飾りつけを楽しむ。
言語
表現
子どもの姿
・砂を容器に詰めて、たくさん並べたり、うまく型抜きが出来なくても繰り返し
行ったりする。
・保育者や友達の姿を見て、同じようにやってみようと真似をする。
・「一緒だね」とそばにいる友達に声をかけたり、シャベルなどを差し出したり
する。
・友達の遊具が欲しくて、何も言わずに持っていってしまうこともある。
・積極的に触れる子もいれば、汚れるのを嫌がる子もいる。
・「さらさら」
「お砂だね」など、体験したことを思い思いに呟く。
・小石や葉っぱなどを料理などの身近なものに見立て、挿したり乗せたりする。
うまく
できるかな?
・砂遊びをする場所やその周りに石など危険なものがないか事前に確認し、あ
れば取り除いておく。
・保育者も一緒に遊びながら、実際にやって見せたり手伝ったりして、用具の
扱い方や楽しさを知らせる。
援助・配慮
・出来ない所はさりげなく手伝うことで、出来た喜びを味わいながら楽しめる
ようにする。
・一人一人の興味の度合いに応じて無理なく砂に親しめるよう、子どもの様子
に十分目を配る。
・嫌がる子に対して、保育者も一緒に行い楽しさを伝える。
・子どもの表現したい思いをくみ取り、必要に応じて適した言葉や関連した
言葉を知らせながら、十分に受け止めたり一緒に喜んだり楽しんだりする。
・「おいしそうだね」「ケーキを作ったんだね」など子どものイメージに寄り添
う言葉かけや食べる真似などの動作をしながら、それを周りの友達に知らせ
たり保育者自ら楽しんだりする。
59
<砂遊び>
3
ねらい
内
健康
人間
関係
容
環境
歳
児
○身近な環境に親しみ、自然を使って遊ぶことを楽しむ。
○保育者や友達とかかわりながら砂や泥の感触やその変化を味わう。
・砂や泥を使って見立てて遊ぶ。
保育者や友達とイメージを伝え合いながら砂や泥で食べ物や飲み物を作る。
・砂遊びをしながら保育者や友達と話したり触れ合ったりする。
・砂や水をかきまわしたり混ぜたりする中で感触を楽しむ。
・保育者や友達とことばを交わしたり感じたことを話したりする。
言語
表現
子どもの姿
・山を高くしようと自分なりのイメージをもって繰り返し砂をかけてみるが崩
れてしまうため、「先生手伝って」と保育者に声をかける。
・お皿や茶碗に砂を入れて「ごはんだよ。食べて」などと言って保育者に持っ
てくる。
・保育者に受け取ってもらうと満足して、何度も繰り返し持ってくる。
・バケツに砂を入れて触ったり、かきまぜたりしている。そこに水を入れると
「わぁコーヒー牛乳ができた」と喜んで周りの友達に見せ、それを見た友達が
まねをして遊び始める。
・友達が作っている様子を見て山作りに加わる。
・型ぬきや乗り物の遊具をたくさん集めようとして友達と取り合ったり、友達
が使っているシャベルやバケツが欲しくなって黙って持っていったりする。
・汚れを気にせず、思いきり遊びを楽しめるような服装になるように促し、タ
オルや着替え等用意する。
・思うように山が高くならないことや繰り返しやってみる経験を大切にしな
援助・配慮
がら、保育者が共に遊ぶ中で砂を固める方法などを示す。
・作ったものを認め、「おいしそう、いい匂いがするね」などとイメージがふく
らむような言葉をかけ、友だちが作ったものに興味がもてるようにする。
・友達の使っている遊具を黙って使ったり、無理に取ったりしてトラブルにな
ることもあるので「貸して」「ありがとう」などの言葉をつかうことを知らせ
る。
・周りにいる友達に砂がかかったり、泥がはねたりしていることに気付かない
幼児もいるので、知らせて、友達にかけないように遊ぶように促す。
60
容
人間
関係
容
環境
言語
表現
・自然物を利用して、飾り付けを楽しむ。
表現
・友達との会話を楽しみながら、一緒に遊びを楽しむ。
援助・配慮
子どもの姿
援助・配慮
・保育者が準備した草花や木の実を、盛り付けた皿や茶碗に入れて、ご馳走作
りを楽しむ。
・保育者と一緒に材料になる草花を探す。
・友達と「これ使える?」
「これはいいね!!」
「もっととってこようよ!」「先
<砂遊び>
生、これはとっていいの?」
などと会話をしたり、保育者に尋ねたりしながら、
自分達でも材料を探したり、集めたりする。
4 歳 児
・一人で砂を高く積み上げて楽しんだり、穴を掘ったりしていたが、同じこと
をしている友達と一緒に、力を合わせて山を作ったり、大きな穴を掘ったり
○身近な自然環境に興味をもってかかわる。
する。
○友達とイメージやめあてを共有しながら、
砂や泥の感触やその変化を味わい作
・型ぬき遊びを繰り返し楽しみながら、綺麗な形にしたがる子どもが増えた。
(できあがりの形を見せ合う姿も見られる)
って遊ぶことを楽しむ。
・友達とできあがったケーキなどを見せ合い、保育者を呼んだり友達を呼んだ
りしながら、できたものをテーブルに置き、レストラン遊びを楽しむ姿が見ら
・友達と一緒に砂遊びを楽しむ。
れる。
・砂場に興味をもって、かかわっていく。
・繰り返し型ぬき遊びや、砂の感触を味わい砂遊びが楽しめるように、シャベ
・砂、水、泥といった自然に触れて生活し、その面白さ不思議さなどに気付く。
ル、型ぬき、バケツなどの遊具を多めに用意する。
・ご馳走作りに興味を示している子どもが増えてきているので、テーブルを準
・型ぬきを利用して、ケーキやご馳走作りを工夫しながら楽しむ。
備したり、飾りになるような自然物を準備したりしておきながら、遊びのきっ
・自然物を利用して、飾り付けを楽しむ。
かけになるようにする。
・保育者と一緒に材料を集めたり、友達と一緒にとりに行ったり、
「僕が取って
・友達との会話を楽しみながら、一緒に遊びを楽しむ。
くるよ」
「お願い!!」「いってらっしゃい」「ただいま!!」などの言葉や役
・保育者が準備した草花や木の実を、盛り付けた皿や茶碗に入れて、ご馳走作
割なども聞かれたり見られたりしているので、大切な姿として、保育者自身が
りを楽しむ。
率先して言葉を発しながら、友達とのつながりを大切にする。
・保育者と一緒に材料になる草花を探す。
・自然物を利用できるように、保育者が使っていい物を伝えていきながら、遊
・友達と「これ使える?」
「これはいいね!!」
「もっととってこようよ!」「先
びが広がっていくようにする。
生、これはとっていいの?」
などと会話をしたり、保育者に尋ねたりしながら、
・遊びの広がりによって、テーブルを増やすなどしていきながら、いろいろな
自分達でも材料を探したり、集めたりする。
友達の姿が見られるようにする。
・一人で砂を高く積み上げて楽しんだり、穴を掘ったりしていたが、同じこと
・型ぬきがうまくいかない子どももいるので、一緒に作っていきながら、砂の
をしている友達と一緒に、力を合わせて山を作ったり、大きな穴を掘ったり
湿り具合や型ぬきの伏せる時のタイミングなどコツを教えたり、友達に聞い
する。
・型ぬき遊びを繰り返し楽しみながら、綺麗な形にしたがる子どもが増えた。
たりできるようにしながら、一緒に楽しんでいけるようにする。
(できあがりの形を見せ合う姿も見られる)
・友達とできあがったケーキなどを見せ合い、保育者を呼んだり友達を呼んだ
りしながら、できたものをテーブルに置き、レストラン遊びを楽しむ姿が見ら
れる。
・繰り返し型ぬき遊びや、砂の感触を味わい砂遊びが楽しめるように、シャベ
ル、型ぬき、バケツなどの遊具を多めに用意する。
ねえ、これいいんじゃ
・ご馳走作りに興味を示している子どもが増えてきているので、テーブルを準
これもかざってみようかな~!?
備したり、ない!!
飾りになるような自然物を準備したりしておきながら、
遊びのきっ
かけになるようにする。
・保育者と一緒に材料を集めたり、友達と一緒にとりに行ったり、
「僕が取って
くるよ」
「お願い!!」「いってらっしゃい」「ただいま!!」などの言葉や役
割なども聞かれたり見られたりしているので、大切な姿として、保育者自身が
率先して言葉を発しながら、友達とのつながりを大切にする。
・自然物を利用できるように、保育者が使っていい物を伝えていきながら、遊
びが広がっていくようにする。
・遊びの広がりによって、テーブルを増やすなどしていきながら、いろいろな
友達の姿が見られるようにする。
・型ぬきがうまくいかない子どももいるので、一緒に作っていきながら、砂の
湿り具合や型ぬきの伏せる時のタイミングなどコツを教えたり、友達に聞い
たりできるようにしながら、一緒に楽しんでいけるようにする。
子どもの姿
ねらい
内
健康
言語
ねえ、これいいんじゃ
ない!!
これもかざってみようかな~!?
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<砂遊び>
5
歳
児
ねらい
○身近な自然に触れて遊ぶ中で、その性質や事象に興味や関心をもつ。
○砂遊びを通して、発見したり、考えたりすることを楽しむ。
○共用の物を大切にしようとする気持ちを育む。
健康
内
人間
関係
容
環境
言語
表現
 季節により、自然や人間の生活に変化があることに気づく。
 友達と共通のイメージや目当てをもって遊ぶ中で、砂への興味や関心を深め
る。
 砂、水、泥といった自然に触れて生活し、そ
の性質や仕組みに興味や関心をもつ。
 砂遊びの中に、身近な自然物や遊具を取り入
れ、考えたり工夫したりして遊ぶ。
 遊具や用具を使って友達と一緒に遊ぶ中で、
その物への愛着を共有する。
子どもの姿
援助・配慮
・気の合う友達と5~6人で、「山から水を流してジェットコースターを作ろ
う!」などと目的をもって砂遊びに取り組んでいる。その中で、遊びをもっ
と面白くしていく方法を友達と一緒に考え、アイディアを出し合いながら、
自分たちで遊びを進める。
・砂の性質が水を含ませることにより、変化したり、形を変えたりすることに
気づき、「もっと水を入れよう!」「もう少し砂を入れて固めよう!」などと、
それらの性質を利用して、使い分けながら遊びに取り入れる。
・自然物や遊具を使って遊ぶ中で、発見したことを生かし、遊びが発展してい
く様子が見られる。
・砂が環境の中で様々な働きをしていることに気づく姿が見られる。
・友達との意見の食い違いからトラブルになることもある。
・共用の遊具や用具を進んで丁寧に片づける。
・自分や友達の作った物を大切にする。
・シャベルやバケツ、筒、とい、水を入れたタライなどは、子どもが取り出し
やすく片付けやすいように配置を工夫する。また、遊具名を文字や絵で表示す
るだけでなく、数にも関心がもてるよう、その遊具の合計数を表示する。
・子どもが自分のイメージを実現するために、どうしてよいか分からない様子
が見られた時などには、保育者もアイディアを出し援助する。
・保育者自らが感性を豊かに保ち、自然や季節の変化の素晴らしさに感動する
ことや、子どもがちょっとした折に示すささやかな自然へのかかわりに共鳴す
る。
・子どもが、遊びの中で周囲の環境とかかわり、次第に周囲の世界に好奇心を
抱き、その自分なりに考えることができるように過程を大切にする。
・友達との間でトラブルが生じた時には、子どもの気持ちやそれまでの過程を
大切に受け止め、子ども一人一人のよさを生かしながら遊べるようにする。
みんなー!みずながすよー!!
・子どもは物に愛着をもつことから、次第
にそれを大切にする気持ちが育つので、
一つ一つの物に愛着がもてるよう援助す
る。また、集団の生活を通して、公共の
物を大切にしようとする気持ちを育む。
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