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バセドウ病TRAb測定 A4チラシ表面
バセドウ病の診断の第一歩は
TRAbを測定することです
TRAb(TSH受容体抗体)
監修:上條甲状腺クリニック 院長 上條甲状腺研究所 所長 上條桂一先生
バセドウ病の診断にはTRAb検査は必須です
バセドウ病は甲状腺の TSH 受容体に対する自己抗体、TSH 受容体抗体が原因です
TSH
TSH
TSH 受容体抗体
TSH 受容体
正常
バセドウ病
甲状腺ホルモンを正常に分泌
甲状腺ホルモンを過剰に分泌
バセドウ病は自己免疫異常により、この TS H 受容体に対する自己抗体であるTRAb(抗 TS Hレセプター抗体)が出現し
発症します。この TRAb がレセプターに結合して、甲状腺ホルモンを過剰に分泌させて甲状腺機能が亢進します。
このとき体内には過剰に甲状腺ホルモンが存在していますので、TSH は抑制されて低値を示します。
バセドウ病の診断には、抗体検査(TRAb)が重要です
TRAb の測定によりバセドウ病と無痛性甲状腺炎の鑑別が可能となります
陽 性
TSH
FT3, FT4
低値
高値
甲状腺機能亢進症
甲状腺破壊性中毒症
バセドウ病
TRAb
陰 性
無痛性甲状腺炎
亜急性甲状腺炎
バセドウ病を発症すると、FT4 FT3が増え、TSHが抑制されます。
しかしここでみられるように、FT4 FT3が増え、TSHが抑制される病気には、甲状腺の痛みを伴わない無痛性甲状腺炎と発熱
や痛みを伴う亜急性甲状腺炎とがあります。
これらの疾患は、甲状腺ホルモン値の結果だけでは診断することができませんのでTRAbの測定が診断の決め手になります。
バセドウ病TRAb測定 A4チラシ裏面
Q 1 バセドウ病診断後TRAbの測定は経過観察に有効ですか?
20
握 、投 薬 中 止 時 期を検 討 する目 安
18
35
TRAb
FT3
30
FT4
14
TRAb
中止した症例です。
40
5mmg
16
に TRAb の測定はとても重要です。
定 期 的に T R A b を測 定して 投 薬を
MMI
15mmg 10mmg
TSH
12
25
10
20
8
15
6
TSH, FT3, FT4
A 1 TS H 、FT4 、FT3 に加えて病勢の把
10
4
5
2
0
7/7/2009
7/7/2010
7/7/2011
0
7/7/2013
7/7/2012
*バセドウ病が寛解しているかどうかを正確に判断する方法はまだ見つかっていません。現地点では、最少量の抗甲状腺薬で
一定期間、甲状腺機能が正常である事を確認した後に投薬中止を検討することになります
Q 2 バセドウ病の再発とTRAbの値には関係があるのですか?
TRAbを測定するべきですか?
バセドウ病の再発と思われる症例で
再発時、
ホルモンの上昇と同じくTRAbも上昇。
TRAb測定により再発と診断できた一例です。
は TRAb の測定が重要です。TRAb
を測 定し陽 性 で あ ればバセドウ病
MMI 15mmg
10mmg 5mmg
18
再発と診断します。
TRAb
16
35
14
TRAb
12
FT3
10
30
FT4
25
TSH
20
8
15
6
0
0
3
/2
01
01
3
01
/2
6/
30
30
4/
2/
28
/2
20
12
12
1/
/3
12
10
/3
1/
20
01
2
/2
01
31
8/
30
6/
4/
30
/2
/2
01
01
2
11
29
/2
20
1/
/3
12
2/
1
20
01
10
/3
1/
/2
3
5
2
2
2
10
11
4
31
8/
40
TSH, FT3, FT4
A 2
TRAbは継続的な測定が重要です。初診時(紹介前の病態把握)、
治療時、経過観察、再発時・・・バセドウ病観察の参考に!
【検査要項】
検査
コード
検査項目
材料
検体量
容器
保存
条件
所要
日数
検査方法
基準値
診療報酬
区分番号
保険点数
6800
TSHレセプター抗体
(TRAb)
血清
0.5mL
A1→A2
冷蔵
1∼2
ECLIA 法
2.0 未満
IU/L
D014-23
243*
保険収載名称
抗TSHレセプター抗体
(TRAb)
*抗 TSHレセプター抗体( TR Ab )及び甲状 腺刺激抗体( TSAb )を同時に行った場合は、いずれか一方のみ算定する。
※関東、東海、岡山、九州、沖縄 地区の所要日数は 2∼3 日です。
〒105-0014 東 京 都 港 区 芝 2- 6 -1
1053.IM.TMS.10200.COE06-102A-FLC