高レベル放射性廃棄物の地層処分 に関する諸外国の情報 原子力発電環境整備機構 諸外国の地層処分について (全体概要) 1 諸外国における地層処分事業 2 諸外国における地層処分事業の進捗 許可 申請 文献調査 準備段階 概要調査 精密調査 英国 建設/操業 フィンランド (オルキルオト) スイス ドイツ 安全審査 フランス (ビュール近傍) スウェーデン (フォルスマルク) 日本 米国 カナダ (1)最終処分地が実質的に決定している国(フィンランド、スウェーデン) フィンランド:1983年より選定開始、2000年に政府決定し、2001年の議会承認を経てオルキルオトを最終処分地に決定。 現在、安全審査中。 スウェーデン:1992年より選定開始、2009年にSKB社がエストハンマル自治体のフォルスマルクを最終処分地に選定。 現在、安全審査中。 (2)その他の国 フランス:1980年より選定開始。ビュール近傍を処分地とする方向。 ・スイス:NAGRAが提案した3地域が承認されサイト選定手続きの第2段階を実施中。 ・カナダ:オンタリオ州とサスカチュワン州の8地域において第3段階のフィージビリティ調査を実施中。 イギリス:カンブリア州および同州内の2市が関心を表明したが、2市議会は賛成するも、カンブリア州が否決したため撤退し、 選定プロセスの見直しを実施(2013年)。2014年新たなサイト選定プロセス等を示した白書を公表。 アメリカ:ユッカマウンテンを選定も、政権交代により撤回(2009年)。選定プロセスの見直し中。 ドイツ:ゴアレーベンを選定も、2000年より調査凍結。選定プロセスの見直し中。 3 フィンランド 4 フィンランドの放射性廃棄物の関連施設 地下調査施設ONLALOの地上部 (使用済燃料の処分) オルキルオト低中レベル 放射性廃棄物処分場 ロビーサ低中レベル放射性廃棄物処分場 5 フィンランドの放射性廃棄物に関する基本情報 項 目 基本情報 原子力発電の 規模 運転中の原子炉:4基、総発電電力量の33% 処分する廃棄 物 使用済燃料を直接処分 関連施設 発電所内で使用済燃料を中間貯蔵 実施体制 実施主体: ポシヴァ社 規制機関: 放射線・原子力安全センター(STUK) 放射性廃棄物処分の実施体制 政府: 地層処分事業 の特徴 雇用経済省 ポシヴァ社は使用済燃料の処分のみを実施 フィンランド固有の原則決定の手続きにより,2001 年に処分場建設予定地をオルキルオトに決定 処分場建設予定地に調査施設オンカロを建設, その成果に基づいて2012年に建設許可申請 2020年頃:処分開始予定 オンカロ(地下調査施設)の概要 6 オンカロ地下調査施設とオルキルオト原子力発電所 オルキルオト原子力発電所 オンカロ地下調査施設 アクセス坑道入口 7 オンカロ地下調査施設とオルキルオト原子力発電所 中低レベル廃棄物処 分場(VLJ) オルキルオト 原子力発電所 オンカロ地下特 性調査施設 8 フィンランドの高レベル放射性廃棄物の処分場 【オンカロに関する情報】 アクセス坑道 長さ 5 km 傾斜 1:10 断面 5.5 x 6.3 m 坑道の全長 9.5 km 立坑の径 3.5, 4.5, 3,5 m 建設開始 2004年 調査レベル到達 2010年 掘削完了 2011年 オンカロ(地下調査施設) 処分場 処分場 地下調査施設のオンカロは将来的には処分場の一部となる予定 9 スウェーデン 10 スウェーデンの放射性廃棄物の関連施設 低中レベル放射性廃棄物処分場(SFR) 建設処分場予定地(フォルスマルク) キャニスタ封入施設建設予定地(オスカーシャム) エスポ岩盤研究所 11 スウェーデンの放射性廃棄物に関する基本情報 項 目 基本情報 原子力発電の 規模 運転中の原子炉:10基 処分する廃棄 物 使用済燃料を直接処分 主要な関連施 設 使用済燃料の集中中間貯蔵施設(CLAB) 実施体制 実施主体: スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB) 総発電電力量の38% エスポ岩盤研究所 規制機関:放射線安全機関(SSM) 政府: 環境省 放射性廃棄物処分の実施体制 助言機関:原子力廃棄物評議会 地層処分事業 の特徴 SKBはスウェーデンで発生する全ての放射性廃棄物の輸 送・貯蔵・処分を担う 2009年にフォルスマルク(エストハンマル自治体)を選定 2011年にSKBが政府に建設許可申請 岩種は結晶質岩,深度:は約500m 処分概念:KBS3( 銅製キャニスタ+緩衝材) エスポ岩盤研究所での「ドレスリハーサル」 スウェーデンの処分概念(KBS3) 12 地下研究所から処分場へ エスポ岩盤研究所 処分場予想図(フォルスマルク) 処分場で必要な技術をエスポ岩盤 研究所を活用して全て開発する(ド レスリハーサルという考え方) 処分サイトでは地下環境の調査を中心に実施する 13 フランス 14 フランスの放射性廃棄物の関連施設 15 フランスの原子力に関する基本情報 項 目 基本情報 原子力発電の 規模 運転中の原子炉:58基 処分する廃棄 物 使用済燃料は再処理してガラス固化体を処分 主要な関連施 設 ラ・アーグ再処理施設 実施体制 実施主体: 放射性廃棄物管理機関(ANDRA) 総発電電力量の76% 規制機関: 原子力安全機関(ASN) 地層処分事業 の特徴 ANDRAはフランスの全ての放射性廃棄物処分を実施 サイト調査への地元の反対運動を踏まえて,1991年に放射 性廃棄物管理研究法(通称バタイユ法)を発効し,3つのオプ ション(地層処分,核種分離・変換、長期貯蔵)の研究を15年 間実施し,2006年に可逆性のある地層処分を基本方策として 採用(2016年に可逆性の条件を定める法律を制定予定) 処分場候補地の岩種は粘土質岩(1億5千万年前,厚さ130~ 160m),深度は約500m 今後の予定:2017年に建設開始,2025年に操業開始 16 フランスの高レベル放射性廃棄物処分の検討状況 ビュール地下研究所と同等の粘土層 が存在するエリア(250㎞2) ビュール地下研究所 ANDRAが提案した地層 処分候補サイト(30㎞2) 17 フランスの高レベル放射性廃棄物処分の検討状況 長寿命低中レベル放射性 廃棄物の処分エリア 長寿命低中レベル放射性 廃棄物の処分エリア フランスにおける地層処分場の概念図 18 スイス 19 スイスの放射性廃棄物の関連施設 モン・テリ岩盤研究所 中間貯蔵施設ZWILAG グリムゼル試験場 20 スイスの原子力に関する基本情報 項 目 基本情報 原子力発電の 規模 運転中の原子炉は5基、総発電電力量の42% 処分する廃棄 物 使用済済燃料を直接処分 主要な関連施 設 集中中間貯蔵施設(ZWILAGなど) 実施体制 実施主体: 放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA) ガラス固化体(海外再処理による高レベル放射性廃棄物) 規制機関: 連邦原子力安全検査局(ENSI) 政府: 連邦エネルギー庁(BFE) 環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK) 地層処分事業 の特徴 Nagraはスイスで発生する全ての放射性廃棄物処分を実施(中間 貯蔵は別会社が実施) 特別計画という手続きでサイト選定を実施中。 • 第1段階:オパリナス粘土層の3つの候補エリアを選定 • 第2段階:候補エリアから2つ以上の候補地を選定(現在実施中) • 第3段階:2つ以上のサイトで調査を実施し,1サイトを選定 「監視付き長期地層処分」概念の採用 21 「監視付き長期地層処分」を実現するためにパイロット施設を導入 パイロット施設は、少量の廃棄物を処分することにより、処分後に生 じる変化や挙動をモニタリングし、予測モデルの正しさを確認したり、 想定外の悪影響を早期に検出できるようにする目的で設置します。 22 アメリカ 23 米国の放射性廃棄物の関連施設 24 米国の原子力に関する基本情報 項 目 基本情報 原子力発電の規 模 運転中の原子炉は104基 処分する廃棄物 使用済燃料を直接処分 主要な関連施設 使用済燃料中間貯蔵施設(原子炉サイト内貯蔵、旧再処理工 総発電電力量の20% 場でのプール貯蔵ほか) 実施体制 実施主体: エネルギー省(DOE) 規制機関: 原子力規制委員会(NRC) 地層処分事業の 特徴 1982年にサイト選定手続きが決まる 2002年にユッカマウンテンを唯一のサイトとして選定 2008年にDOEが建設許可申請書をNRCに提出 2009年に民主党がユッカマウンテン計画の中止を宣言 2010年~ブルーリボン委員会がバックエンド政策の検討 2011年にブルーリボン委員会が報告書を公表 • ユッカマウンテンとは異なる処分場の開発 • 中間貯蔵施設の設置 • 超深孔処分の研究 2013年にDOEが「DOE戦略」を策定 25 より詳しい情報は、NUMOホームページをご覧ください。 【地層処分チャンネル】 高レベル放射性廃棄物の地層処分に関するさ まざまな映像や写真、資料の閲覧、ダウン ロードすることができます。 【地層処分ポータル】 高レベル放射性廃棄物の地層処分について さまざまな疑問に対する情報を見つけるこ とができます。 【バーチャル処分場】 バーチャルリアリティによる仮想の処分場 施設内を自由に見て触り移動することがで きるようつくられています。 【ジオミライ号】 地層処分模型展示車の展示物や、イベント 計画等について紹介しています。 26
© Copyright 2024 Paperzz