インドシナ 3 国における次世代航空保安システムの整備計画

インドシナ 3 国における次世代航空保安システムの整備計画
電力事業本部 プラント事業部 機械・情報通信技術部 西村浩一 他
○キーワード
次世代航空保安システム、国際民間航空機関、性能準拠型航法、広域航法、航法性能要件、全地球的衛星
航法システム、衛星補強システム、自動従属監視、VHF データリンク、管制官パイロットデータリンク通信、
国際航空固定通信網/国際航空交通情報通信システム、管制機関間データ通信、航空交通流管理、空域管理、
安全管理システム
○概要
次世代航空保安システムは、国際民間航空機関が全世界的な導入を提唱したもので、衛星等の技術を利
用することにより、通信・航法・監視および航空交通管理の能力を高め、増加する航空交通量に対応する
ものである。本稿では、国境が接するインドシナ 3 国、カンボジア、ラオスおよびベトナムにおいて、次
世代航空保安システムを導入ならびに移行していくための整備計画について紹介する。
○技術ポイント
本整備計画における技術的ポイントは次のとおりである。
① 性能準拠型航法(PBN)の導入および新航空路の整備
② 全地球的衛星航法システム(GNSS)をはじめとする次世代航空保安システムの段階的整備
③ 次世代航空保安システムに係る人材育成の強化ならびに維持管理の向上
④ 安全管理システム(SMS)の導入および安全監査機能の強化
○図・表・写真等
Core Navigation
Core Navigation
Constellations
Constellations
Augmentation
Augmentation
of Core Navigation
of Core Navigation
Constellations
Constellations
regarding regarding
GPS
GPS
RNP (Required
RNP Navigation
(Required Navigation
Performance)
Performance)
as for RNP.as for RNP.
GLONASS GLONASS
Galileo
Galileo
Augmentation
Based Augmentation
System
System
Satellite Based
Satellite
Aircraft Based
Aircraft
Augmentation
Based Augmentation
System
System
Geostationary
Geostationary
Satellite
Satellite
INMARSAT INMARSAT
MT SAT
MT SAT
RAIM: Receiver
RAIM:
Autonomous
ReceiverIntegrity
Autonomous
Monitor
Integrity Monitor
Fault Detection
Fault
& Exclusion
Detection
of &
faulty
Exclusion
satellites
of faulty satellites
WAAS
MSAAS
EGNOSS
WAAS
MSAAS
EGNOSS
Ground Based
Ground
Augmentation
Based Augmentation
System
System
VDB : VHF Data
VDB
Broadcast
: VHF Data Broadcast
Ground EarthGround Earth
St ti
St ti
Master Control
Master
Station
Control Station
Reference Station
Reference Station
GNSS SystemGNSS
Monitor
System Monitor
(Integrity Monitor)
(Integrity Monitor)
Reference Station
Reference Station
GNSSGNSS
の構成概念
の構成概念
判 例判 例
2015 年まで
2015 年まで
に整備すべき
に整備すべき
新航空路
新航空路
2025 年まで
2025 年まで
に整備すべき
に整備すべき
新航空路
新航空路
全地球的衛星航法システム(GNSS)は、核となるGPS
全地球的衛星航法システム(GNSS)は、核となるGPS
等の航法衛星とその補強システム(ABAS,SBAS,GBAS)で
等の航法衛星とその補強システム(ABAS,SBAS,GBAS)で
構成される。また、GNSSを補完するシステムとして、航
構成される。また、GNSSを補完するシステムとして、航
法衛星の即位誤差等を感知し、パイロットへ即座に警報
法衛星の即位誤差等を感知し、パイロットへ即座に警報
を伝達するためのGNSS完全性監視システムがある。これ
を伝達するためのGNSS完全性監視システムがある。これ
らのGNSSを構成する各種システムのうち、SBASおよび
らのGNSSを構成する各種システムのうち、SBASおよび
GBASの対象3ヵ国への導入は、技術開発動向を踏まえ、
GBASの対象3ヵ国への導入は、技術開発動向を踏まえ、
2015年以降に整備する計画とした。
2015年以降に整備する計画とした。
新航空路整備計画
新航空路整備計画
将来的に増大が予想される東部メコン地域の交通需要に
将来的に増大が予想される東部メコン地域の交通需要に
対応するため新航空路の整備計画を策定した。当該地域で
対応するため新航空路の整備計画を策定した。当該地域で
最も交通量の伸びが予想されるのは、東京-バンコク間の
最も交通量の伸びが予想されるのは、東京-バンコク間の
接続ルートでもあるA1およびA202の国際航空路とハノイ-
接続ルートでもあるA1およびA202の国際航空路とハノイ-
ホーチミンを接続するベトナム国内航空路のW1である。こ
ホーチミンを接続するベトナム国内航空路のW1である。こ
のた め、これ
のた め、これ
らの航空路と平行する新航空路(M13~M16
らの航空路と平行する新航空路(M13~M16
およびM24)の整備を提案した。
およびM24)の整備を提案した。
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