PDF

http://trans-aid.jp
バラク・オバマ大統領の発言 週刊演説 2009年8月29日
Remarks of President Barack Obama Weekly Address Saturday, August 29, 2009
http://www.whitehouse.gov/the_press_office/Weekly-AddressPresident-Obama-Marks-Fourth-Anniversary-of-HurricaneKatrina-Will-Visit-New-Orleans-Later-This-Year/
noppi 2009-09-16 14:27:19
バラク・オバマ大統領の発言
週刊演説
2009年8月29日
ハリケーンカトリーナによってメキシコ湾岸が壊滅的な打撃を受けてから、今週末で四年になり
ます。我々は、失われたものが全て記憶に残っている間に、修復に際してどのような取り組みが
行われたかを振り返るとともに、将来の災害に対する備えもしていかなければなりません。そこ
で、本日はその点についてお話したいと思います。
暴風が沿岸を直撃し、洪水によって水位が上昇し始め、屋根の上やスタジアムで途方に暮れてい
る人々を目にした時の気持ちを、我々は誰一人として忘れることはできないでしょう。千人以上
もの命が失われ、百万人を超える人が立ち退きを余儀なくされ、この国の偉大な都市の近隣一帯
が廃墟と化し、メキシコ湾岸沿いの地域が一変してしまったのです。危機に対応したり、四つの
州にまたがる地域の復興に貢献するといった責任を政府がきちんと遂行できるのどうか、多くの
国民が疑念を抱いていました。
当政権は、1月に就任して以来、市民がそれぞれの暮らしや地域社会を立て直す作業を支援する
ことに重点を置き、それと同時に、将来同じような災害が起こるのを防ぐための対策も講じてき
ました。当政権の取り組み方は至ってシンプルなもので、国民が自らの将来に責任を持てるよう
になるまで、政府が国民に対して責任を負い続けるというものです。
我々が今行っているのは、まさにそういうことなのです。本日までに11人の閣僚がメキシコ湾岸
を視察に訪れ、私自身は今年の末にニューオーリンズを訪問するのを楽しみにしています。社会
のほぼ全ての分野を対象とした複雑な復興を成し遂げるために、各連邦政府関係機関の協調や、
州政府と地方自治体の連携といったことを最優先しています。縄張り争いはもうたくさんです。
我々は皆、一丸となって前に進まなければならないのです。やるべきごとはまだまだたくさんあ
るのですから。
又、前進の妨げとなる複雑な官僚主義や、請求額を吊り上げる無駄な浪費は許さないということ
もはっきりと申し上げてきました。事を成し遂げるに当たり、政府は敵ではなく、仲間でなけれ
ばならないのです。だからこそ我々は、革新的な見直しを図ったり、復旧作業を促進させるため
の解決策について議論を重ねたり、これまで割り当てられることのなかった何億ドルという連邦
政府の資金援助を解禁したりしているのです。こうした取り組みによって、メキシコ湾岸各地で
行き詰まっているプロジェクトを前進させ、学校設備の建設や拡充、公衆衛生や公衆安全への投
資、壊れた道路や橋、家屋などの修復といったことが可能になるのです。さらに、こうした取り
組みによる成果は、再生法によって飛躍的に拡大され、そのおかげで何千人というメキシコ湾岸
の住民が仕事に就けるようになりました。
こうした取り組みを達成しようと、市民がそれぞれの役割を十分に果たし、頑張り続けていると
いう話を数え切れないほど耳にしています。ニューオーリンズでは、何百人という子供達がラン
グストン・ヒューズ小学校で新年度をスタートさせましたが、この学校は、カトリーナ襲来後に
一から建設された初めての学校です。市民が尊厳を持って安心して生活できるようにするために
何百軒もの壊れた家屋を再建しようと、セントバーナードプロジェクトのもとにボランティアが
集結しています。今後に期待を抱かせる兆候を一つ挙げるとすれば、ニューオーリンズはこの国
で最も急成長している都市であり、退去を余儀なくされた人と同じ数の人が、今再びこの町に戻
http://trans-aid.jp
っていきているということです。
再建や復興を進めていく上で、カトリーナの教訓を生かし、災害に直面しても、この国がより確
実に防衛され、より迅速に回復できるようにしていくことも大切です。例えば、ニューオーリン
ズの周囲に巡らされている何百マイルもの堤防や防水壁の再建を継続するとか、メキシコ湾沿岸
の防御の最前線となる湿地帯や防波島の増強に努めるといったことです。政府内では、遂行能力
と説明義務に重点を置いています。アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁の長官が、ハリケーンが
多いことで知られるフロリダ州で25年に及ぶ災害管理の経験を積んでいることを私は誇らしく
思います。国全体としては、各機関の協調強化や、非常時における通信手段の近代化、家庭にお
ける危機対策の支援といったことが求められています。
4周年に際し、我々はハリケーンの脅威にばかり気を取られています。ですが、山火事や地震と
いったものからテロリストによる襲撃や流行病に至るまで、様々な危険に対して備えをしておく
必要があります。とりわけ、当政権はH1N1ウイルスのリスクに備えるべく、州政府や地方自治体
だけでなく、世界中のパートナーとも協力して積極的な活動を行っています。こうしたあらゆる
危険から、あなたとその家族を守るための簡単な手順について、さらに詳しく知りたい方は、
www.ready.gov.にアクセスしてください。
4周年を迎えるこの日、我々はこの国の国民を襲った悲劇を追悼する式典を行います。とはいえ
我々は、どんな悲劇にも再生のチャンスが付いてくるとういうことも忘れてはいません。希望は
逆境の中から生み出されるものであり、過去の教訓がより良い未来の鍵となる、というのが典型
的なアメリカ特有のな考え方です。ニューオーリンズの中心地からミシシッピーコーストにかけ
て、人々はアメリカンストーリーの次の章に取り掛かっています。みんなで力を合わせれば、必
ずや、恐ろしい暴風雨がもたらした遺産として、この国をより安全で、来るべき試練に対する備
えを充実させた国にすることができるでしょう。
この作品は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。