ヒラリズム 1の18 高岡蒼祐は立派か 陽羅 義光 ひと頃週刊誌的

ヒラリズム
1の18
高岡蒼祐は立派か
陽羅
義光
ひと頃週刊誌的ジャーナリズムや週刊誌的インターネット
を賑わしていたのが、高岡蒼甫(後に改名して蒼祐)のツィ
ッター発言である。
その内容をあえてひとことにまとめるなら「フジテレビは
韓国ドラマばかり流してけしからん」というもので、賛否両
論の末に、高岡は所属事務所を辞め、妻の女優宮崎あおいと
の関係も不穏になり、あげく離婚(むろんこれは離婚原因の
一つに過ぎないが)にまで発展した。
わしは韓国ドラマは大好物なんだが、フジテレビがそんな
に韓国ドラマを流しているとは知らなんだ。
やるならもっといい時間帯にやってもらい、もっと宣伝も
してもらいたかったというのがわしの感想で、わしの理屈で
は「フジテレビは韓国ドラマばかり流すのはけっこうだが、
こっそり流してけしからん」というものである。
なぜなら今や(正確には『冬のソナタ』以来)日本のドラ
マ よ り も 、韓 国 の ド ラ マ の 方 が は る か に 面 白 い し 胸 踊 ら せ る 。
それはドラマばかりではない、ミュージックシーンでも韓
国 の 東 方 神 起 や 少 女 時 代 や K A R A 等 の 魅 力 と 実 力 は 、同 世 代
の日本のタレントを凌駕する。
かつて日本人が韓国人を酷く差別していた「けしからん」
時代があったなんて、ほんまかいなと思わせるくらいのもの
で、おそらく東方神起のおっかけ少女たちは、そんなことは
知らないんだろう。
結局高岡は大人しくなり舞台や映画等で頑張っていたが、
ま た 騒 ぎ 出 し た 、こ ん ど の 内 容 を ひ と こ と で ま と め る な ら「 岡
田准一は人妻の宮崎あおいに手を出した不倫男でけしからん」
というものだ。
岡田と宮崎が混浴したとか、岡田が高岡の追究に「頭を丸
め ま す 」と 謝 罪 し た と か 、そ う い う こ と の 真 偽 は 解 ら な い が 、
どちらにころんでもみっともないのは岡田である、心情的に
は独身バツイチでも実質的にはまだ人妻としての籍があった
宮崎と関係を持ったのは間違いなく、
「 不 倫 男 」と は 昔 流 に 云
う な ら「 間 男 」で 、国 が 国 な ら 宮 崎 も ろ と も 石 打 の 刑 で あ る 。
けれども「不倫」という語彙を広辞苑で調べると「人の道
に外れること」とあるから、人の道なんかあるわけもない芸
能 界 で 、「 不 倫 」 な ぞ と 叫 ん で も 意 味 が な い こ と に な る 。
わしは「不倫は文化」だと云ったらしい石田純一には賛成
しないが、
結婚と恋愛は別次元のものと考えているから、恋愛するなら
人 妻 に か ぎ る と い う 見 解 を 持 っ て い る 、♪ さ ざ ん か ~ の ~ 宿 。
むろんわしは結婚も恋愛も嫌いであるから、どうでもいい
ようなもんだが、岡田はみっともないのは承知で、人妻宮崎
の魅力にかなわなかったんだろう、女が独身になっちゃった
ら燃えないから、この関係はおしまいおしまい。
以上わしはなんだか高岡を批判してきたみたいだが、実は
腹の底はそうではない。
こういう自堕落な無節操なメディア界や芸能界で「けしか
らん、けしからん」と叫ぶ奴が何人いるか。
わしは高岡の「けしからん」を「けしからん」なぞとは決
して思わない、それどころか「よく云った」と賞賛し、その
アタマかオシリに山本太郎と共に【立派】の冠を取り付けた
い。
「 不 倫 」 は 文 化 な ん か 作 り よ う も な い が 、「 け し か ら ん 」 は
文化を守ることもあるからである。