『むらおか』No.4(PDF文書)

皆さんは藩札とは何か知っていますか。村岡でも藩札が発行されていたそうですが、それは一体何を示し
ているのでしょうか。今回の文化祭特別展は「村岡で発行された藩札」というテーマで開催されました。
藩札は江戸時代を中心に藩ごとに発行した紙幣のことで、幕府発行の法定通貨の代用紙幣として流通して
きました。そんな藩札を集め、村岡の当時の様子を今に語るのは長板区在住の古川哲男さんです。11/3
秋から冬になっていく移り変わりの中に遠い昔から受け継がれてきた村の美しさがひそんでいます。すっかり冬の
空気に変わった今日この頃、よく見てみると柿たちが民家の軒下に繋がれゆっくりと乾燥するのを待っています。干し
柿ひとつみてもそれは保存食として代々引き継がれてきた村の知恵なのです。今回は11月初旬に行われた村岡区の
文化祭について書いています。公民館から村岡の生活文化というものを一緒に考えてみたいと思います。
(日)は特別展の開催と合わせて第一回の歴史講座を開講し古川さんのお話を聞きました。
村岡で発行されていた紙幣があったという事実は、昔から村岡には商売を中心に生活をする人がたくさん
いて、地域内外の人の出入りや、多種多様な物の行き来がなされていた当時の様子を浮かび上がらせます。
とくに村岡の藩札は流通が少なく貴重なのだそうです。藩札に使用された紙は西宮から取り寄せたものを
使っていたことがわかっています。現在も有名な「名塩和紙」です。このように藩札からは今とはまた違った村
岡の町の様子を描いてくれるものでした。これからも今に残されてきた故郷の記憶を大切にしたいものです
ね。
「先人が築いた生活文化を次の世代に伝えよう」というテーマのもと、村岡体育館
および村岡区中央公民館で平成25年度の文化祭が行なわれました。
11/3(日)からは作品展がはじまりました。出品者が普段、公民館講座や高齢者大
左は来場者に説明をする古川さん。写真左から2番目が村岡藩札です。他にも出石や豊岡、糸井など但馬の藩札も。
学、地域のサークルなどで制作した作品を展示するもので絵画、書道、編み物、陶
芸、掛け軸、俳句、短歌など多数の出品をいただきました。
作品展が終わると11/9(土)には芸能祭の開催です。舞踊やコーラス、バンドやフ
旧村岡町合併三十周年記念誌
として1985年(昭和60年)に発行さ
ラダンスなど多彩なステージが観客と一体となって作られました。中でも目を惹いた
のは長板地区の伝統芸能である花嫁行列と囃子込みです。男性だけで奉納される
花嫁行列には女装した花嫁を中心に周囲から笑いと歓声が飛びかいます。会場全
体を使った迫力ある発表でした。
こうした文化祭で展示される作品や、芸能祭でのステージ発表には村岡が育んで
れた『写真でつづる 村岡のうつり
かわり』。
牛による代かき(昭和11年)
その写真をスライドショーに落とし
込み、特別放映を行いました。
11/3(日)からの文化祭期間中と
きた生活文化の豊かさが現れているように思います。村岡は但馬でも雪がたくさん
11/10(日)に行われた村岡商店街
降る地域です。人々は雪が積もると外に出る機会が極端に少なくなります。ですが、
の軽トラ市でもそのスライドショー
雪の多い地域の人は外出できない分、家の中でいかに豊かに暮らせるかという工夫
を放映し、見に来ていただいた人
や知恵を育むそうです。きっと村岡にもそうした生活文化を大切にしてきた風土があ
たちに懐かしさを届けることができ
ります。今回の文化祭ではそうした先人達が築いてきた生活文化の延長線上に私た
ました。
ちの毎日が成り立っているのだと気づかされたように思います。
大きな酒樽(大正15年)
三八豪雪(昭和38年)
東京五輪の聖火(昭和39年)
川で遊ぶこどもたち(昭和18年) 右は軽トラ市での放映の様子。
前回告知したように、10/27(日)に蘇武岳のハイキング
が行われました。今回は「紅葉」ということで赤や黄色に色
付きはじめた蘇武岳に登りました。台風の時期とあって天
候が心配されましたが、蘇武岳ファンクラブの皆さんのご
尽力によって開催することができました。当日は町外から
も多くの方にご参加いただき、改めて蘇武岳の魅力を感じ
ることができました。
来年度は新ルート整備を計画しているだけに、さらに多く
の方に楽しんで頂ける蘇武岳ハイキングに期待が集まり
ます。
春を待たずとも山が好きな人なら冬の雪山登山に挑むと
いう人も中にはいます!本当にすごいです。山が見せる
色々な表情を楽しむことが山を歩く人にとっての醍醐味な
のかもしれませんね。
「本を読みましょう」と言われると、とたんに本が遠ざかっていくような気持ちになります。なぜなら本
は読むものでなく探すものだからです。「好きな本を見つけよう」といわれると、その瞬間から自分の
好きなものを探し出すという意識がONになって、本がこちらに寄って来てくれるような感覚になりま
す。好きな本だから、それが小説であろうと、綺麗な風景の写真集でも、ある人の日記であろうと、
詩集でも、雑誌でもよいのです。つまり自分にとって好きな本をみつけることはある種の喜びになり
ます。読書が苦手な人は好きな本を楽しく探してみるとよいかもしれません。