(報道発表資料) 平成21年8月6日 社団法人 全国消費生活相談員協会 美容外科クリニックの不当条項に対し使用停止を申入れ 平成 21 年 2 月 23 日 相手側事業者 当協会から申入れ :湘南美容外科クリニック新宿院 東京都新宿区西新宿6-5-1 アイランドタワー12階 申入れまでの経緯 ・ 当協会の週末電話相談、HP「消費者被害メール便」に、湘南美容外科クリニック (新宿院)に対する消費者からの苦情相談が寄せられた。 ・ 苦情の内容は、それぞれ豊胸手術や二重まぶた手術などの予約をしたが、キャンセ ル料が高額であり支払困難というもの。たとえば手術予定日の2週間前を過ぎると、 手術代金の50%を支払うことになる。 ・ 当協会が、契約者が手術の予約の際に交付される書面について検討したところ、消 費者契約法10条または9条により無効となる不当な条項や、消費者に誤った判断 をさせるおそれがある条項等があることが判明した。書面は「担当医師制手術予約 をお申込みされる方へ」「手術予約に関する誓約書」、「お見積書」である。 ・ そのため、当協会は適格消費者団体として、当該事業者に不当条項の使用停止、お よび他の条項の改善・是正を求め、申入れ(裁判外の差止請求)を行った。 申入れの内容と、湘南美容外科クリニックからの回答(要旨) 当協会からの申入れ内容 <使用停止を求めた主な条項> ① 手術予約申込み後の「連絡なくキャンセルの場合はいかなる場合もキャンセル料 が発生する」という条項 ② 「手術申込金は手術事前準備に当てさせていただきますのでご返金はできません ので予めご了承ください」という条項 ③ 「手術予定日より 2 週間前から前々日までの手術の変更・キャンセルは、手術代 金の 50%、手術予定日前日の手術の変更・キャンセルは手術代金の 80%、手術 当日の変更・キャンセルについては手術代金全額をキャンセル料としてお支払頂 きます」という条項 <改善を求めた主な条項> 1 ① 「湘南美容外科クリニック○○院」との表示 ② 「安心無痛麻酔」の表示 ③ 「お見積書」「仮予約」 「仮申込」 「申込」「本申込」「手術日」 「手術予定日」 「手術 予約日」などの表記 湘南美容外科クリニックからの回答のまとめ <使用停止を求めた主な条項 > ・ ①、②については使用を停止する。 ・ ③については停止するが妥当な範囲で修正を行う。 具体的な修正案については 「予約金をご入金いただいた時点で手術本契約が成立します。~手術予定日のご変 更、キャンセルは2週間前までにお願いいたします。2週間前を過ぎても手術予 定日のご変更・キャンセルには応じますが、すでにかかってしまった実費相当額 についてはご負担いただくことがあります。」 ・ ただし、契約解除の場合の費用の請求は、消費者契約法の規定に従い、各手術の 種類に応じた「平均的損害」の範囲内の趣旨である。 <改善を求めた主な条項> ・ ①については改善・是正はしない。 理由としては 「経営主体と通称名が異なる場合、通称名のクリニック名を優先するのが一般的で あり、このような慣例に従っている。」とのこと。 ・ ②、③については改善・是正する。 申入れの終了と今後 平成 21 年 7 月 31 日 湘南美容外科クリニツク新宿院に対し申入れ終了通知送付 ・ 申入れ後、当該事業者との間で、数回にわたり書面での交渉を行った。その結果、 最終段階で問題となったキャンセル料についても、 「平均的損害」の範囲内の趣旨 であるとの回答があり、当初問題があった契約条項は、当協会の申し入れにより 一定の是正が図られたものと判断した。 ・ なお当協会は、今後も当該事業者の契約書面の内容や実際の運用が、法の趣旨に 沿った適正なものであるかについて、絶えず関心を持って注視する。もし違法・ 不当な運用があれば、改めて是正の申し入れ等を行うこととしている。その点に ついても、終了通知の内容として当該事業者に通知した。 以上 2
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