理化学研究所 オミックス基盤研究領域 OSC ニュースレター No.4 No.4 2008 年 8 月 2008 年 8 月 6 日 トピックス 情報ひろばでの展示風景 一般公開でのビデオ企画 文部科学省「 文部科学省「情報ひろば 情報ひろば」 ひろば」の企画展示、 企画展示、好評のうちに 好評のうちに終了 のうちに終了 レポート: レポート :額谷宙彦 文部科学省旧庁舎(虎ノ門)にオープンした「情報ひろば」の科学技術展示室において、OSC の企画によ る展示「ゲノムから情報を引き出す~RNA 新大陸からオーダーメイド医療まで~」が開催されました (3/26~6/26)。この展示は OSC の研究活動について広く知っていただこうというもので、「セントラルド グマ」CG ムービーをはじめとして、SMAP 診断キット、RISA シーケンサーのペーパークラフト、DNA ブ ックなどが展示されました。会期中、およそ 8000 人がこの展示を訪れました。ご来場いただいた皆様あ りがとうございました。 理研横浜研究所一般公開 レポート: 木嶋真美・ レポート :木嶋真美 ・金森睦 2008 年 7 月 5 日、理研横浜研究所で一般公開が開催されました。 オミックス基盤研究領域(OSC)では、パネル展示やオリジナル CG ムービーの上映、研究室見学ツアー や「RNA パズル」、DNA のペーパークラフトなども盛り込んだ内容で研究を紹介しました。とりわけ本年 度は、「RNA パズル」や「遺伝子解析施設見学」という新たな企画を盛り込み、大変好評をいただきまし た。 パネル展示 パネル展示 OSC の研究内容やその基礎を、科学的になじみがない人でも理解しやすいよう、ポップなパネルでやさ しく解説し、好評をいただきました。今回のパネルの内容は「 新大 「完全長 cDNA プロジェクト」「 プロジェクト」「RNA 」「 」「細胞 細胞のプログラム のプログラム」「 」「SMAP 法~始まった まった臨床応用 臨床応用~」 ~」でした。 陸」「 細胞 のプログラム 」「 臨床応用 ~」 RNA パズルによる翻訳過程 の学習 ビデオ上映 ビデオ上映 OSC の内部でで企画・制作した CG 映像「セントラルドグマ」と「RISA-384 シーケンサーの動作原理」を 上映しました。準備した 40 枚の DVD はあっという間になくなりました。 RNA パズル RNA パズルは、DNA から RNA への翻訳機構を楽しく理解するための教育玩具で、OSC の金森睦の 発案に基づいて、笠原敏秀がデザインとプラスチック成形をしたものです。当日は、2 歳の子供から年配 の方まで、幅広い年齢層の方々に楽しんでいただくことができました。来場者の中には、教材として、 RNA パズルを購入したいとの声もいただきました。 南研究棟見学会 研究室見学ツアー 研究室見学ツアー 今回から、次世代シーケンサーが並ぶ遺伝子解析施設(南研究棟)の見学ツアーを始めました。RISA シ ーケンサーや DNA ブックの展示もあり、普段見ることのできない研究施設を見ることができたと好評をい ただきました。また、研究者との質疑応答も楽しんでいただけたようです。 理事長・ 理事長・野依良治博士 一般公開日に、理研の理事長である野依良治博士も視察に訪れ、OSC に立ち寄った際には、SMAP 法 でお酒を分解する酵素の一つである ALDH2 のタイプを調べる体験をされました。 野依理事長の SMAP 法によ る ALDH2 検査 学会参加報告 学会参加報告 第 7 回国際バイオ 回国際バイオ EXPO 「今、超高速シーケンス 超高速シーケンス技術 シーケンス技術の 技術の応用が 応用が熱い ~飛び立つか? つか?個人ゲノム 個人ゲノム解析 ゲノム解析ビジネス 解析ビジネス~」 ビジネス~」 レポート: レポート :エリック・アーナー 7 月 3 日、第 第 7 回国際バイオ 「今、超高速シーケンス 回国際バイオ EXPO の中で、「 超高速シーケンス技術 シーケンス技術の 技術の応用が 応用が熱い ~飛び立つ か?個人ゲノム OSC の林﨑良英領域長が企画 個人ゲノム解析 ゲノム解析ビジネス 解析ビジネス~」 ビジネス~」と題して、東京大学の菅野純夫教授と ~」 したセッションが開催されました。午前中のセッションでは、動き出した個人ゲノム解読ビジネスの米国ベ ンチャー企業の演者2人が登壇しました、1 件目は、クライアントの全ゲノムのシーケンスを解読する企業 である Knome Inc.の COE である Jorge C. Conde 氏による「 「己を知る:消費者と 消費者と個人の 個人の遺伝子解 読」と題した講演で、全ゲノムのシーケンス解読の市場価値、企業としての試みに関する非常に興味深い 話題が提供されました。Conde 氏によれば、個人の全ゲノムのシーケンスの解読技術は需要が高く、こ の数年のうちに、テレビ、携帯電話、インターネットなどと同様に、産業の一つの主流となる勢いがあるよ うです。今年中に、20 人のゲノムシーケンスを行う予定があることを明らかにしました。2 件目は、 Navigenic Inc.の Eran Halverin 博士による「 「遺伝子解析速度の 遺伝子解析速度の革新が 革新が可能にしたオーダーメイド 可能にしたオーダーメイド医 にしたオーダーメイド医 療の今と将来」 将来」と題した講演でした。この Navigenic Inc.は、比較的低価格で、60 万か所の SNP 解析 (一塩基多型解析)を行い、クライアントに様々な病気のリスクなどの情報提供を行う企業です。クライア ントの SNP 解析の結果や、そこから予測されるリスク計算方法などを顧客にウェブインターフェイスを経 由して提供するサービスが紹介されました。 午後は、次世代 DNA シークエンサーを活用したサイエンスに関するセッションで、急激に発展する RNA 研究・ゲノムネットワーク研究に関するものでした。Helicos BioSciences 社の副社長兼 CSO(Chief Scientific Officer)である Patrice M. Milos 博士による「 「シングルモジュール配列 シングルモジュール配列による 配列による 深層デジタルトランスクリプトーム 深層デジタルトランスクリプトーム解析 デジタルトランスクリプトーム解析」 解析」と題して、Helicos 社の一分子の DNA を解析する技術と、その トランスクリプトーム解析への応用研究が紹介されました。また、OSC の林崎良英領域長は、「 「トランスク リプトーム解析 リプトーム解析の 解析の新展開」 新展開」と題して、次世代ショットガンシーケンサーと CAGE(Cap Analysis of Gene Expression)法の組み合わせによる転写制御ネットワーク解析の最新情報を紹介しました。 来訪者 7 月 18 日 全国知事会によるご視察がありました。私たちの研究と最新鋭の技術に感銘を受けたとのことで、とりわ け、当研究所で開発した DNA シーケンサーや RNA 新大陸の発見に大いに興味をもっていただきまし た。 7 月 22-24 日 各地の高校から、計 100 名余りの高校生が研究設備の見学に訪れました。OSC では今後もこのような 見学会を通じて、学生が科学への興味をもつ機会を提供していきたいと考えています。 国際学会発表 国際学会発表 Lezhava A., Hayashizaki Y. Ultrafast molecular diagnosis for clinical practice, 17th International Symposium on Microsomes and Drug Oxidations (MDO 2008),Saratoga, NY, USA, July 6, 2008 Chalk A., Matigian N., An J., Vitale A., Sutherland G., Sutharsan R., Cecil R., Bellette B., Cochrane J., Miotto A., Anderson M., Korn O., Silburn P., Severin J., Robinson M., Smyth G., Daub C., Carninci P., Wood S., Mellick G., Hayashizaki Y., Wells C., Mackay-Sim A. An intregrated transcriptome analysis approach to characterise adult neural stem cells and study complex disease. 16th Annual Annual International Conference "Intelligent Systems for Molecular Biology, Toronto, Canada, July 19, 2008 Carninci P. Revolutions in our understanding of the genome: a machine producing RNA, ESOF: The Euroscience Open Forum, Barcelona Conference Center - Fira de Barcelona, Spain, July 20, 2008 Hayashizaki Y. The new phase of transcriptome analysis, International BioExpo 2008, Tokyo, Japan, July 3 2008 Furuno M., Hayashizaki Y., Yabukami H., Murayama K., Yamanaka Y., Hirano H. Posttranscriptional regulation of gene expression during celldifferentiation., RNA2008, 札幌コンベンションセンター, July 23, 2008 Kawano M. Hayashizaki Y., Kawaji H., 精子中の RNA: 世代を越えて機能する RNA の同 定に向けて, 第 10 回 RNA ミーティング, 札幌コンベンションセンター, July 23, 2008 国内学会 国内学会発表 学会発表 Tomaru Y. Network analysis, Seminar in Nihon Univ, June 20, 2008 Maeno E., Daub C., Forrest A., Hashimoto T., Hayashizaki Y., Takahashi Y., Yasuda J.. ヒト肺がんにおける機能性 ncRNA の機能解析, 第 10 回日本 RNA 学会年会, Hokkaido, Japan, July 23, 2008 Maeno E., Daub C., Hashimoto T., Hayashizaki Y., Yasuda J. 悪性黒色腫における転 移に関与する miRNA のスクリーニングと機能解析, RNA 2008, Sapporo, July 23, 2008 Tochitani S., Hayashizaki Y. mRNA-like non-coding RNAs involved in cell fate specification of neuronal stem cells, 第 31 回日本神経科学大会、Neuroscience 2008, 東京, July 9, 2008 Manabe R. 汎用高速オミックス解析基盤ライフサイエンスアクセラレーター(LSA), オミックス医療 研究会, 学術総合センター(一橋記念講堂),July 4, 2008 論文 Piero Carninci. Hunting Hidden Transcripts, Nature Methods (News and Views section), 5, 587-589 (2008) Norihiro Maeda, Hiromi Nishiyori, Mari Nakamura, Tika Kawazu, Mitsuyoshi Murata, Hiromi Sano, Kengo Hayashida, Shiro Fukuda, Michihira Tagami, Akira Hasegawa, Kayoko Murakami, Kate Schroder, Katharine Irvine, David Hume, Yoshihide Hayashizaki,Piero Carninci, Harukazu Suzuki. Development of a DNA barcode tagging method for monitoring dynamic changes in gene expression by using ultra-high throughput sequencer, Biotechniques, 45, 95-97 (2008)
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