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活動報告 - JFA Community

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活動報告
Reports from
Japan National Teams
目指せ!世界のトップ10
U-16日本代表、イラン遠征より
U-19日本代表チーム
【報告者】吉田 靖(U-19日本代表監督)
インド遠征
1.概要
(1)日時
2006年5月21日∼5月30日
(2)会場
U-19日本代表 5-1(前半4-0) HAL(インド2部リーグ)
得点:[日本]5' 河原和寿(1-0)
、18' 長沢駿(2-0)
、21' 大島嵩弘
(3-0)
、35' 伊藤翔(4-0)
、55' 横谷繁(5-0)
5月28日 16:15/バンガロールフットボールスタジアム
U-19日本代表 1-0(前半0-0) U-19インド代表
得点:[日本]61' 槙野智章(1-0)
3.その他
(1)遠征先
南インド、カルナータカ州の州都バンガロールへ遠征。バンガロ
ールは標高920mの高地にあり、人口は600万人(1994年調べ)
。
バンガロールフットボールスタジアム
(2)宿舎・食事等
(3)目的
バンガロールATRIA HOTELに宿泊(2人部屋)
。個人使用の部屋と
10月末から行われるAFCユース選手権の開催都市の一つであるバ
ンガロール(もう一つはコルカタ)で、シミュレーションキャンプ
は別にメディカルルームも用意されていた。
食事は、3食ともビュッフェスタイル。朝食は一般客と同じレス
を行い、気候、グラウンド、食事など、さまざまな環境を実際に経
験することにより、本大会に向けより良い準備をすること。
トラン。昼と夜の食事は、毎回部屋の変更はあるものの日本代表専
有の部屋が確保されていた。食事内容は、キャンプ初日はインドの
また、今回はJリーグ中断期間ということもあり、これまで招集で
現地料理中心のメニュー、味付けがしてあり、日本人には食べるこ
きていなかった選手も参加する中、トレーニングを中心として、選
手個々、チーム力のレベルアップを図ることを目的とした。
とが難しいものもあったが、ホテル側から配慮していただきホテル
内に中華レストランがあることから、中華料理へと移行していき食
2.試合結果
事環境が向上し、味覚の違いにより食事に困ることはなくなってい
った。
5月25日 16:15/バンガロールフットボールスタジアム/晴れ U-19日本代表 1-0(前半0-0) U-19インド代表
得点:[日本]75' 青木孝太(1-0)
5月26日 16:15/バンガロールフットボールスタジアム/晴れ
18
(3)天候
日中の気温は30度を超え日差しもかなり強かったが、高地という
こともあり湿度は低かった。特に朝晩は涼しくなり過ごしやすかっ
Reports from Japan National Teams
た。また、夕方にはスコールのような雨が降ること
がしばしばあった。
(4)スタジアム、観客
バンガロールフットボールスタジアムで親善試合
および練習をすべて行った。ピッチ状態は所々芝が
はげ、でこぼこであった。スタンドは収容人数1万
人程度の観客席があり、試合の際にはインドのサッ
カーファン、そして、バンガロール在住の日本人が
駆けつけて声援を送ってくれた。また、このスタジ
アム内にはカルナータカ州サッカー協会の事務所が
あった。
(5)U-19インド代表
体格的にはあまり大きくはなく、全体的には身体
能力も日本の選手と比べるとあまり高いとはいえな
インドでは、サッカー教室を開催した
いが、個々のテクニックは高いものがあった。年代
の代表に選ばれている選手のほとんどはインドのエリート育成のシ
ステムで育っているとのことであった。
(6)サッカー教室
「ボーンフリーアートスクールインターナショナル」
(BASI)の
要請を受け、子どもたちを対象に菅原大介氏(ナショナルトレセン
コーチ)をリーダーとしたサッカー教室を5月27日の午前中に開催
した。
その中で選手も積極的に参加し、インドの子どもたちと笑顔で触
れ合っていた。
※「ボーンフリーアートスクールインターナショナル」とは、働く
子ども、路上で暮らす子ども(ストリートチルドレン)
、債務奴
隷として働かされている子ども、孤児など困難なバックグラウン
ドから来ている子どもたちだけの学校である。
4.成果と課題
(1)成果
①環境順化
・AFCユース選手権を戦う現地でキャンプができ、環境を実感でき
たことで、本番で万全を期した準備ができること。
②ビルドアップ
・リトリートした相手に対して素早くボールを動かし、トップを起
点とする展開から第3の動きで攻撃に絡むコンビネーションプレ
ーができていた。また、素早くボールを動かしサイドチェンジを
行い、薄いサイドで数的優位をつくり突破することも併用できて
いた。
③DFラインの安定
・試合展開でカウンター攻撃を受けることが多かったが、DFライン
が大きく崩れることはほとんどなく落ち着いて対応することがで
きていた。
(7)各種リサーチ
現地での医療環境等、AFCユース選手権の際に必要なことのリサ
ーチができた。
(2)課題
①フィニッシュの精度
アタッキングサードで相手を突破し数多くの得点チャンスをつく
ることができたが、フィニッシュの精度が低かった。特にサイ
ドを突破し良いクロスは上がってきていたが、ゴール前の入り
方があいまいであったため、得点に結びつけることができなか
った。
②激しく厳しいアプローチ
守備の際、相手に対するアプローチが甘かったため、自由に
プレーさせてしまったり、ボールを奪える局面を打開され後手
を踏んでしまっていた。
③冷静なプレー
相手の身体を投げ出し、激しいプレッシャーを掛けてくるプ
レーに対し、報復行為に出てしまったり、冷静さを欠くことに
より、適切な判断力に欠け試合の流れを悪くしてしまうシーン
が時々出てしまっていた。
5.所感
今回のインド遠征はAFCユース選手権に向け非常に意義のあ
U-19日本代表、
トレーニングの様子
るものであった。これまでわれわれはトレーニングキャンプ、
海外遠征を行い、U-19日本代表チーム強化のために活動して
19
U-16日本代表チーム
【報告者】城福 浩(U-16日本代表監督)
U-17国際親善トーナメント
(イラン)
1.遠征・大会概要
(1)参加チーム
Aグループ:U-16イラン代表、U-16サウジアラビア代表、U-16シリ
ア代表、U-16日本代表
Bグループ:イランクラブチーム、U-16イラク代表、U-16中国代表、
U-16アルメニア代表
(2)概要
・各国代表7チーム、クラブチーム1チームが2グループに分かれて
リーグ戦の後、各グループ上位2チームが準決勝以上を戦う。
・メイン会場はテヘラン市内ではなく中心街から約80km離れた町の
新しいスタジアム(一部建設中)
。グループリーグ最終戦のみ試
U-19日本代表、インド遠征より
合時間を合わせるためテヘラン市内のスタジアムで実施したが、
2会場とも芝はやや深いものの良好なピッチであった。
きた中で、常にAFCユース選手権を想定し、対戦相手、キャンプの
・試合時間は45分ハーフで、キックオフ70分前にパスポートチェッ
環境など、選手に対して働きかけをしてきたが、今回のキャンプ地
であるバンガロールはわれわれが予選グループおよび準々決勝まで
ク、アクレディテーション着用が義務付けられるなど、公式戦に
近いオーガナイズで開催された。
実際に戦う場であり、現地で食事、気候、グラウンドなど、さまざ
まな環境を選手自らが体験できたことで、本番を現実なものとして
とらえることができたのではないかと思う。そして、本番に向けよ
り良い準備をするという点では、貴重なキャンプができたことは間
違いない。
またわれわれスタッフも、AFCユース選手権大会期間中に起こり
えることを想定し、医療体制、食事環境など、さまざまなことにつ
(3)日程・結果
4月26日 関西空港発
27日 ドバイ経由、テヘラン着
28日∼5月1日 トレーニング
2日
グループリーグ第1戦
vsイラン
(3-4)
いて事前に調べることができ、またすでに現地の方とコンタクトが
3日 トレーニング
取れたことは有益なものとなった。
このキャンプでは3試合の親善試合を行ったが、チーム強化のト
4日
レーニングの一環として臨んだ。今回のトレーニングのテーマとし
ては、スペースのない中で、早い判断で素早くボールを動かしなが
ら、アタッキングサードでトップへのパスコースをつくる、ミドル
サードでボランチへのパスコースをつくる動き、すなわち「スペー
スをつくり・使う」ことから良い攻撃へとつなげられるようにする
グループリーグ第2戦
vsサウジアラビア
(1-0)
5月5日 トレーニング
6日
グループリーグ第3戦
vsシリア
(2-1)
7日、8日 観光、
トレーニング
9日 準決勝 vsイラク
(2-3)
10日
3位決定戦 vs中国(1-2)
、
テヘラン発
11日 帰国
5月2日 16:30
U-16日本代表 3-4(前半1-2) U-16イラン代表
得点:[日本]29' 水沼宏太(1-0)
、63' 端戸仁(2-2)
、79' 山浦公裕
(3-3)
5月4日 14:00
ため、ポゼッションを中心に行った。試合においては、守備の甘さ
はあったものの、トレーニングテーマとして行った攻撃に関して、
U-16日本代表 1-0(前半0-0) U-16サウジアラビア代表
得点:[日本]55' 齋藤学(1-0)
随所に出せていたことは成果として受け止めることができた。
最後に今回のシミュレーションキャンプは現地滞在約1週間であ
5月6日 16:30
U-16日本代表 2-1(前半1-0) U-16シリア代表
ったにもかかわらず、やはり体調を崩す選手、食事が十分に取れな
得点:[日本]17' 指宿洋史(1-0)
、62' 田中裕人(2-0)
い選手が若干出てきた。本番が約3週間かけて行われることを考え
ると不安は残るが、今回の経験により選手自ら次回に向け環境に対
5月9日 16:35
U-16日本代表 2-3(前半2-2) U-16イラク代表
応する力を身につけることであろう。そして、世界の舞台で戦って
いくためにはさまざまな環境も克服していかなければいけないこと
得点:[日本]29' 山浦公裕(1-2)
、43' 辻智人(2-2)
5月10日 14:00
を身をもって体験し、感じてくれれば幸いであり、必ず今後の成長
U-16日本代表 1-2(前半1-2) U-16中国代表
へとつながると思う。われわれはAFCユース選手権までの残された
準備期間の中で、技術的な個人のレベルアップ、チーム力の向上も
得点:[日本]45' 東慶悟(1-2)
さることながら、どんな環境でも闘える精神的なタフさを選手にさ
らに植えつけさせることができるように、今後も継続して働きかけ
ていきたいと思う。
20
2.試合について
(1)イラン戦(グループリーグ)
イランはどの選手もボールを止める、蹴る技術と、骨太の体格か
Reports from Japan National Teams
ら繰り出す当たりの強さ、バランスの良さを持っていた。特徴的な
のは、中盤までボールを運んだら逆サイドへのサイドチェンジの狙
年代としてはハイレベルなプレーをしていた。
③参加国のほとんどがリスタートは相手の隙を突くことを心がけて
いが明確であったこと、前線の選手の攻撃から守備の切り替えが速
いこと(これは強く要求されているらしく、イラン指導者から見た
おり速かった。また、試合中、足がつるまで走り切ったり、4、5
試合目でも運動量が極端に落ちないパフォーマンスを目の当たり
らまだ足りないと言っていた)が挙げられる。日本選手はフィード
する前に何度もスライディングで潰されていた。
(2)サウジアラビア戦(グループリーグ)
サウジアラビアは要所要所に身体能力の高い黒人選手が配置され、
個人の能力を生かした攻撃的なチームであった。特にターゲットマ
ンに当たってからの攻め上がりは迫力があり、日本選手が振り切ら
にし、あらためてアジアのレベルアップを感じた。
④GKは、上背はそれほどはないが、サッカーを知っている選手が多
かった。ゲームの流れを読みながらコーチングしたりフィードを
していた。DFの裏はスイーパーが拾う役割になっているため、状
況を観てポジション修正する意識は希薄であった。
(2)
〔日本〕∼チームコンセプトからの観点を主に∼
れることもあった。また、スイス人監督のもと、ピッチ外でもディ
①人とボールが動くプレーができたときには相手が対応できないこ
シプリンを大事にしている様子がうかがえ、ピッチ内でも中東には
珍しくコンパクトを意識しているように感じた。
とが多かった。課題としてはボールを足元に入れて考えるのでは
なく、スペースに持ち出したりパスで動かしながら局面を変えて
(3)シリア戦(グループリーグ)
日本が、前線からの厳しい守備により、相手に自由にプレーさせ
ていない時間帯はいい形でボールを奪い、間延びした中盤を使えて
試合を支配していたが、相手が前にかかってきたときに押し込まれ
た。
シリアは前の2チームと比べるとアベレージは高くないが、全員
いく意識を高めること、状況に応じてプレーを変える判断の質を
高めていくことが挙げられる。
②GKはポジショニングおよびキックに優位性が見られた。特にキッ
クは相手最終ラインの不安定さを突く武器になっていた。
4.まとめ
今回、イラン国営テレビ中継も放映されるなど本格的な大会形式
が粘り強く身体を張りNo.10の選手が機能し始めてからは攻撃も勢
をとる中、大会関係者やお世話になったイランの方々に接し、この
いが出てきた。
大会を成功させようという熱意を感じるとともに、サッカーが最も
関心の高いスポーツであることをあらためて感じた。大会としても
(4)イラク戦(準決勝)
イラクは、ボールに絡む人数が多いこと、相手を見ながらプレー
モンテギュー国際大会に勝るとも劣らない質の高さであった。ヨー
ロッパチームのようにオーガナイズはされていないが、個人技術、
をする余裕があること、FW、CBなど突出した選手の存在と、イラ
当たりの強さ、勝負への執念はハイレベルであり、アジアの底上げ
ン同様、最も手強いチームのうちの一つであった。日本は、中盤に
スペースを与えないこと、そのためにもFWのNo.7の裏への飛び出
が着実になされていることを実感した。
U-16日本代表としてはフランス遠征と違うメンバーで参加したこ
しを抑えること、また攻撃でサイドからの崩しをトライし同点に追
いついたが、終了間際に決勝点を奪われた。試合の進め方を学んだ
とにより、より幅広い選手が国際経験を積めたこと、9月のFIFA U17ワールドカップ アジア最終予選に参加する5チームと対戦できた
試合であった。
こと、中でも同最終予選で決勝トーナメントに進めた場合に1回戦
で対戦する可能性のあるイラン、イラクと対戦したことは選手にと
(5)中国戦(3位決定戦)
日本は、自らの決定的なミスで2点を奪われ、疲労感が漂う相手
を生き返らせてしまった。最後、中国は4名退場したが、日本が点
ってすばらしい経験となった。参加各国スタッフやシリアスタッフ
として参加していた曽根純也氏とコミュニケーションがとれたこと
を含めて、われわれスタッフにとっても大変意義深かった。
を取ることができなかったのは、ためをつくったり逆を取ったりす
る「相手を観てプレーする技術と余裕」が足りなかったことが最も
大きな理由として挙げられるが、ゴール前に飛び込んでいく汚れ役
をいとわないプレーの必要性も感じた試合であった。
3.他国と比較したトピック
(1)他の参加国から受けた印象
①前線の選手の連続したプレー、特に攻撃から守備の切り替えの速
さは日本選手にないものであった。足元にボールを置いてパスを
探していたら、ほとんど視野外からの強いアプローチによりボー
ルを奪われていた。コンパクトでない中でサッカーすることが多
かったが、360度の角度からボールアタックに来るため、選手は
圧力を感じていたようだ。
②どの国も何名かは技術、フィジカルの高い選手が多く、特にイラ
ン、イラクのセンターラインは16歳とは思えないくらいしっかり
していた。FWは身体を入れてボールをキープすること、相手が
取りに来た動きを利用して入れ替わる技術を持っており、かつ守
備意識も高い。DFははね返すだけでなくつなぐ意識もあり、この
U-16日本代表、U-17国際親善トーナメントより
21
なでしこジャパン活動報告
【報告者】大橋浩司(なでしこジャパン監督)
アメリカ女子代表戦 5月2日∼9日
また、守備も安定した戦いができたが、1対1の局面での強さはア
メリカが一枚上であった。しかし、サイドでの1対1の守備はある程
度できた印象である。また、ラインコントロールとGKとの連携は今
後もレベルアップが必要である。
4.アメリカ女子代表戦(第2戦)
1.はじめに
5月9日 16:00 大阪長居スタジアム
AFC女子アジアカップ(7月/オーストラリア)に向けて、アテネ
オリンピック(2004年)優勝のアメリカ女子代表を迎えてのゲーム
を行った。
アメリカ女子代表は、アテネオリンピック時より若返ったメンバ
なでしこジャパン 0-1(前半0-0)アメリカ女子代表
※スターティングメンバーは、第1戦と同じ
ー構成で、チーム力のレベルアップも感じた。
得点:
[アメリカ]66分 ナターシャ・カイ
(0-1)
交代:54分 宮間あや → 宇津木瑠美
61分 永里優季 → 荒川恵理子 80分 大谷未央 → 中岡麻衣子
世界トップレベルのチームとの対戦において、チーム力の現状把
握を行った。U-19のメンバーを加えての久しぶりのキャンプで、戦
第1戦目の課題の修正をしようとゲームに臨んだ。守備はFWから
い方の確認を重要視した。また、ケガ人を抱えてのキャンプスター
トだったので、新しいメンバーを使っての戦いとなった。
DFまでの距離をよりコンパクトに設定した。それによってリスクと
なるDF裏のスペースをGKとの連携でカバーしようとスタートした。
攻撃では、相手のスリーラインのスペースをボールを動かしながら
2.キャンプの狙い
突いていくことを狙いにした。
前半、ピンチを迎えるが0-0で終える。後半、66分、CKより失点。
①ハイプレッシャー スケジュール
PM
AM
下でのプレーのレベ
ルアップ
5月2日
3日
4日
5日
6日
7日
8日
9日
②AFC女子アジアカ
ップに向けてのチー
ムづくり
(ゲーム戦術の確認)
③コンセプトの徹底
紅白戦
パス&コントロール
攻撃
クロスの守備
守備
パス&サポート
攻守の切り替え
セットプレー
試合(vsアメリカ女子代表)
トレーニング
試合(vsアメリカ女子代表)
3.アメリカ女子代表戦(第1戦)
5月7日 13:00 熊本県民総合運動公園陸上競技場(KKWING)
なでしこジャパン 1-3(前半1-1) アメリカ女子代表
永里
大谷
大野
澤
宮間
酒井
矢野
安藤
岩清水
磯
得点:
[日本]
3分 岩清水梓
(1-0)
[アメリカ]
40分、72分、89分 アビ
ー・ワンバック
(1-1)
(1-2)
(1-3)
交代:63分 大谷未央 → 荒川恵
理子
75分 大野忍 → 宇津木瑠美
77分 永里優季 → 丸山桂里奈
福元
同点、逆転を狙ってメンバーチェンジ・システム変更を行ったが、
0-1でタイムアップ。
守備では、1戦目よりも相手の良さを消すことはできたが、セッ
トプレーから一瞬の隙を突かれて失点した。90分間ハイプレッシャ
ーの中で集中し続ける難しさをあらためて感じたゲームであった。
5.キャンプを終えて
予想以上にアメリカ女子代表チームのレベルは高かった。若手選
手に切り替えを行っている状況で、個人の能力も将来性を感じた。
特にフィジカル面での差は大きく、日本のスキル・戦術面での向上
がより必要である。
代表である以上、どんな相手にも勝利を目指して最後まで戦い抜
くチーム力を要求してきたが、選手は持っているものを2戦とも十
分発揮してくれた。しかし、多くのサポーターの方々の応援に勝利
で応えることができなかったのは残念である。
今回、世界のトップレベルと2試合行えたことで、チームのやる
べきこと・個人でレベルアップするべきことが明確になったことは
非常に有意義であった。
また、mocなでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)開催が遅
いにもかかわらず、1月からなでしこジャパンキャンプに向けて、
霧雨が降りしきる中でのキックオフ。立ち上がりは両チームとも
にスペースを取り合う大きな展開となった。
選手を強化していただいた所属スタッフの協力には感謝している。
7月のAFC女子アジアカップに向けて、mocなでしこリーグの戦い
3分、CKより岩清水のヘディングシュートで得点。その後、互い
にチャンスを迎えるが得点を奪えず。40分、GK福元がボールにチ
においてのレベルアップに期待したい。
ャレンジしたところ、ワンバックと接触し、PKを与える。相手のフ
ァウルということをアピールしたが判定は変わらず、PKを決められ
前半を1-1で終える。
後半はサイドを使ってもっとアグレッシブに攻撃しようとスター
トした。72分、カウンターから、ワンバックに2点目を決められる。
終了前の89分、クロスをワンバックにヘディングシュートを決めら
れ3-1で終了。
全体的に、前にボールを運ぶ意識の出たゲームであった。しかし、
時間帯によってはポゼッションをして相手を引かせるゲーム展開も
必要であった。その時間がもっと長くとれるようになることが攻撃
の課題である。
22
日本女子学生選抜活動報告
【報告者】田口禎則
(日本女子学生選抜監督/ナショナルトレセンコーチ)
トレーニングキャンプ
伊賀市長杯・第6回忍びの里レディーストーナメント 5月1日∼6日
1.はじめに
まず、今回のキャンプ最大のテーマとして、大学女子選手の「意
識改革」を掲げた。
Reports from Japan Women's National Teams
初日のミーティングで、冒頭「なでしこジャパンに入りたいか?」
の質問からスタートし、個々の選手が選抜チームの意義や目的を理
けるプレー、ギリギリのところでのスライディングをしてボールを
奪うことなど、集中力を切らさず戦い抜いたことは非常に評価でき
解した上で、この次のステージが『なでしこジャパン』であること
をはっきりと自覚させることに重点を置いた。またその目標に向か
ると言えるだろう。
また攻守における良い準備は、良い決断や正しい技術の発揮に大切
って、今何をしなければならないかを自問し、実行できる選手の必
な要素であり、状況を把握して良い決断をするまでには今回だけでは
要性を訴えることも行った。
また、サブテーマとして「自分の潜在能力には何があるか?」の
まだまだ至らない場面もあったが、ボールとゴールの同一視を確保し
ようとする準備においては、この合宿で改善された点と言える。
問いから、自己分析力がパフォーマンス向上に大いに役立つこと、
またその姿勢をキャンプ中持続させること、併せて今回の大会では
(2)課題
良い準備からのオフ・ザ・ボールの動きや駆け引きの場面が挙げ
常に100%の力を発揮することを選手に要求した。
2.トレーニング内容と課題
られる。ボールを引き出す前に状況を把握し、有効なスペースを見
つけられないために、動き出しが遅くなってしまったり、バリステ
ィックなアクションが起こせず、相手を背負ったままの苦しい引き
女子の各代表でとり入れているデイリートレーニングとして、ヘ
ディング・スライディング・コンタクトスキルを大学選抜でも毎回
出しが多く見られた。
前を向いたら力を発揮できる選手が多かったので、良い準備から
実施した。
また、トレーニングでは必ず紅白ゲームを行い、選手個々の特徴
の駆け引きやコンタクトスキルが身につくと、持っている力をさら
に発揮できる場面が増えるであろう。
を把握することに努めた。各トレーニングを見てみると、ヘディン
パスの質は15m程のグラウンダーのパスの質は高いものを持って
グ技術においては、特にジャンプヘディングで、落下点の入り方、
正面、半身でのボールをとらえるタイミングに指導の重点を置いた
いるので、オフ・ザ・ボールでの動きの質が上がれば、もっとパス
の成功率は高まると考えられる。
のだが、身体能力の問題もあり、空中でのフォームが悪い選手が多
く、ボールを当てられるが、ためをつくって弾くことができず、結
また、チェンジサイド、DFからのフィードであるキックの質が挙
げられ、デイリートレーニングのパス&コントロールはできるもの
局、力のないコントロールが悪い球質になるといった場面が多く見
の、試合になると状況が把握できていないためにコントロールの判
受けられた。
スライディングでは、フォームに関しては左右共にほとんどの選
断に課題が残った。ヘディングでは大きな相手にも競り合いで勝て
てはいたが、DF背後へのボールに対してのヘディングでは、事前に
手が体得していたのだが、滑るタイミングを早めていき、さらに遠
くのボールを処理できるようにすることが今後の課題である。
手を使ってのファウルが目立っていたので、ヘディングをする際の
空間認知と落下点の入り方などの準備に課題があると思われる。
コンタクトスキルではコンタクトに慣れているものの、腕を使っ
守備も良い準備として、DFライン背後のボールとマークにチャレ
てのエリアと視野の確保が課題で、アーリーヒットするタイミング
を駆け引きの中で向上させていく必要がある。
ンジするための構えをボールのない所で意識できるようになったこ
とで、GKとの連動も含め、非常に安心して見ることができた。
パス&コントロールでは、強さ、方向、タイミング、球質の中で
も特に強さを要求した。技術がしっかりしているので狙った所にコ
しかし、個人、グループレベルで、今ボールを奪いに行くのか、
それともゴールを守るためにしっかりとしたポジションから時間を
ントロールはできているものの、強いパスを出す習慣がないためか、
全体的にパススピードの弱さが目立っており、足のスイングの仕方
かけさせるのかといった判断が悪く、やみくもに足を出してかわさ
れる場面が何度か見られた。
を指導していくことで改善が見ることができた。
紅白ゲームの中では、①攻撃、守備時のボールがない状況での良
い準備、 ②意図のあるボールポゼッション、 ③同じパターンばかり
4.キャンプ全体の成果
今回6日間のキャンプを通して、フィジカルは戦う選手のベース
の攻撃をしない(相手とグループでの駆け引き)
、 ④背負ってのボ
ールの引き出し(コンタクトスキル、駆け引き)
、特にプレッシャー
ということで、毎日練習後に体幹の筋トレを行った。課せられたメ
ニューを初日は達成できない選手がほとんどだったが、最終日には
の激しいバイタルエリアでのボールの起点づくりをシンクロコーチ
すべての選手がメニューを達成できるようになっていた。
ングで強調することを心掛けた。こうした取り組みにより、プレー
の判断の速さやコーチングの重要性が求められ、選手一人ひとりの
朝の散歩、トレーニング終了時、夜のミーティングで行った1分
間スピーチでは、初日には1分も話せない選手が6割近くおり、また
意識が大きく変わるきっかけとなった。
話せてもうまく自分の考えを言葉で表現できなかったのだが、日を
増すごとに1分を超える話が全員できるようになった。
3.大会での成果と課題
論理的に話せるようになり、話す態度にポジティブなボディーラ
今回はユニバーシアード代表の第1次選考でもあり、各試合で全
選手を起用した。
ンゲージが使え、人前で話すことに慣れ、自らの考えを持ち自己主
張できる一歩として大きなきっかけになったのではないだろうか。
各試合を通してチーム間の連携などが希薄でありながらも、一人
ひとりの意識や取り組みによって各人の特徴が発揮され、非常に有
決勝前夜のミーティングでは、全選手が代表を目標にしながらキャ
ンプで学んだこと、体得したことをチームに戻り継続していきたいと
意義な大会参加となった。
1分間でスピーチをする選手も多く、このような目標を持ち、高い意
特に決勝の伊賀FCくノ一とのゲームでは、今回一番のハイプレッ
シャー下でのゲームであり、選手が個々の力をどれくらい発揮でき
識を持つことができたこの合宿は非常に有意義だったと考えられる。
最後に今回の選抜に選手派遣のご協力をいただいた大学チーム関
るかを見る上でも良い試合であった。
(1)成果
戦う姿勢が随所に見られ、タッチを割る最後までボールを追いか
係者ならびに日本女子サッカーリーグ関係者の皆さまには心から感
謝申し上げるとともに、今後も大学生年代の女子選手のこうした活
動の必要性を訴えさせていただき結びといたします。
23
活動報告
JFA GK
今号では、各年代日本代表
プロジェクト
チームが参加した大会・試
JFA Goalkeeper Project
since 1998
動などを報告します。
合、なでしこジャパンの活
U-16日本代表、U-17国際親善トーナメントより
U-19日本代表チーム
インド遠征
【報告者】加藤好男(U-19日本代表GKコーチ)
1.遠征概要
190cm/81kg)
も取り組んだ。
2試合出場(148分)
、失点0
武田洋平(清水エスパルス/1987年6月30
今回、特に重点課題としたところは、
⑦リスクマネジメント、③DFとの連携、
日生、189cm/76kg)
3試合出場(54分)
、失点0
またボールに対する目線の切り換えを含
む反応トレーニングであり、それらを中
秋元陽太(横浜F・マリノス/1987年7月
心に行った。そして「GKのメンタル」と
今年10月にインドのバンガロールでAFC
ユース選手権(2007FIFA U-20ワールドカ
11日生、180cm/74kg)
1試合出場(78分)
、失点1
いうテーマでミーティングを行い、各人
のメンタルコントロールを目標とした意
ップ アジア地区最終予選)が開催される。
これに先立ち、J1リーグオフ期間の5月21
3.試合結果
日∼30日まで現地へ行き、大会シミュレー
ションを行った。
第1試合(5月25日)
vs U-19インド代表(1-0)
現地での気候、食事、ピッチコンディシ
識調査の方法を探った。
得点者:青木
5.成果
・代表候補者28人全員参加の中で、今回の
大会シミュレーションが行えたこと。
ョンや大会期間滞在予定のホテル、試合会
場などの視察や、U-19インド代表との親善
GK:林(75分)
、武田(17分)
第2試合(5月26日)
・GK3人とも良いコンディション、高いモ
チベーションで参加できたこと。
試合2試合および地元クラブチームとの試
合を行った。試合は3勝して結果を残した
vs HAL(5-1)
得点者:河原、長澤、大島、伊藤、横谷
・U-19インド代表に2勝し、かつ失点0だ
ったことは評価できた。
が、今年になって初めてベストメンバーを
GK:秋元(78分)
、武田(17分)
・シュートストップ、クロスへの対応では
そろえた遠征であったため、コンビネーシ
ョンといった面では課題も残した。気温27
第3試合(5月28日)
vs U-19インド代表(1-0)
安定したプレーができた。
・プレスキックや手から離すキックでは良
∼33度、標高930mの現地を経験できたこ
とは、良い収穫となった。
得点者:槙野
GK:林(73分)
、武田(20分)
い攻撃への参加ができた。
・遠征を通じて体調面の管理ができ、最後
2.遠征参加GK
4.GKテーマ
林彰洋(流通経済大学/1987年5月7日生、
①積極的なゴールキーピング
まで集中して参加できたこと。
②良い準備
③DFとの連携
・ブレイクアウェイの状況下におけるDF
との連携やその判断に課題が残った。
④つかむか弾くか
・リスクマネジメントでは、いつ、誰とコ
の判断
⑤クロスへの対応
⑥リスタートの守
備
⑦リスクマネジメ
ント
⑧攻撃への参加
U-19日本代表、インド遠征より
24
6.課題
ミュニケーションをとっておくか。また、
いつ、誰がプレーするのか。こうした面
での予測が不足している場面があった。
・バックパスへの対応においては、ピッチ
状況の把握とプレーの選択が不一致で、
何度か相手にプレスを掛けられてしまう
ことがあった。
⑨リーダーシップ
※AFCユース選手
・リスタートの対応において、予測を立て
プレーすることと、直後に起こりうるこ
権1次予選から引
き続き9つのテー
とも想定して準備すること。
・フィジカル面では、体幹の強化やコーデ
マを持って今遠征
ィネーションおよび力強いプレーができ
JFA Goalkeeper Project
活動報告 JFA GKプロジェクト
U-19日本代表タイ遠征(U-19タイ代表戦)より
るべくパワーアップが今後の課題とな
る。
7.今後の展開
ている。
2.招集GK選手
た。ハイボールキャッチの際のハンドリン
グの徹底とプロテクションフォームの確
立。アタックの意識が重要。また、パンチ
林 彰洋(流通経済大学)1987年5月7日生、
190cm/81kg
ングに際して両手、片手とも行ったが、利
き腕の逆側、片手に関しては今後も継続し
のタイ、オーストラリア遠征で各国代表と
強化試合をすること。今遠征で反応トレー
2試合出場、1勝1敗、4失点
武田洋平(清水エスパルス)1987年6月30
て強化が必要。そして、相手ボディコンタ
クトに対してのプレーでは、まだまだ遠慮
ニングを行った際、目線の切り換えで著し
日生 189cm/78kg
がちで迫力がない。ロングスロー対策では、
く技術能力が低下した選手を眼科へ診察に
行かせ、近視や乱視の有無および眼科障害
2試合出場、1分け1敗、3失点
勢いとパワーが必要となる。
⑥リスクマネジメント
10月のAFCユース選手権へ向けて、6月
3.試合結果
等を検査する。また、コンタクト使用の是
非を確認してプレーパフォーマンス向上に
第1試合(6月22日)vs U-19タイ代表(3-1)
相手カウンター攻撃を受けないための、
早めのコーチングが重要。しかし、味方攻
取り組む。可能であれば、JISS(国立スポ
得点者:ハーフナー・マイク、田中亜土夢、
撃に切り替わって攻撃参加する際に、後方
ーツ科学センター)でスポーツビジョンの
テストを実施する。今後とも候補選手の所
伊藤翔
GK:林
から次の守備のためのバランスを整えなけ
ればならない。まだ攻撃に目や意識が行っ
属先における活動を視察して、各選手の状
態を把握することに努める。
第2試合(6月24日)vs U-19タイ代表(1-1)
得点者:ハーフナー・マイク
ていて、その指示が出ていない。両サイド
バック、ボランチのバランスを整える。ま
GK:武田
た、味方のリスタート時に次の相手カウン
第3試合(6月29日) vs AIS U-19(2-3)
得点者:ハーフナー・マイク、小澤竜己
ターに際して、誰を戻すのか、DFはリト
リートか、チャレンジかの指示が出ない。
GK:林
第4試合(7月1日) vs AIS U-19(1-2)
⑦リスタートの守備
FK対策で、壁を用いシュートストップ
得点者:ハーフナー・マイク
GK:武田
のトレーニングを行った。壁により、ボー
ル、シューターとも完全に視野が遮断され
U-19日本代表チーム
タイ・オーストラリア遠征
【報告者】加藤好男
(U-19日本代表GKコーチ)
1.遠征概要
今年10月にインドで開催されるAFCユー
4.GKテーマ
た状態の中で対応を行った。壁の周囲に視
ス選手権(2007年FIFA U-20ワールドカッ
プアジア地区最終予選)に向けて、6月19
①積極的なゴールキーピング
線を持っていき、ボールを探すべく一点に
視野を持っていかないことが重要。周辺視
日∼26日までタイへ、6月26日∼7月2日ま
でオーストラリアへ遠征した。
②良い準備
③DFとの連携
を使う。壁の上部と空いているサイドに視
野を持っていきボールが見えたところから
④つかむか、弾くかの判断と弾くプレー
反応する。ワンステップダイブ、ダブルス
⑤クロスへの対応
⑥リスクマネジメント
テップダイブを使い分ける。呼吸が大切。
相手の状況が見えないことで大きく呼吸を
試した。タイは、東南アジアのチームで30
度を超える高温多湿の環境下の中での試合
⑦リスタートの守備
⑧攻撃への参加(配球/バックパスの対応)
吐くと次の瞬間に動き出しが遅れる。リラ
ックスしながらも意識を集中して静呼吸
となった。結果は、1勝1分けであったが個
⑨リーダーシップ
人技術が高く、カウンター攻撃によって苦
しめられた。また、高温多湿という劣悪環
以上の中で重点課題は「GKトレーニン
グ」の通りである。
6.成果
境の中で1日おきの試合によって体力消耗
が著しく、試合運びの重要性やコンディシ
5.GKトレーニング
・良いコンディションで遠征に参加した。
遠征中も高い集中力と前向きな態度でト
それぞれの国で各2試合、同年代代表
(AFCユース選手権出場国)と対戦して、
アウェイによる試合経験およびその実力を
ョンの重要性が再確認された。
オーストラリアは、現在冬であり3∼15
度と気温が異なるため、移動、寒冷地順化
が必要となる。そして、オーストラリアの
選手は、タイとプレースタイルが異なり、
GKテーマの中からそれぞれ、以下のテ
ーマを重点強化課題として取り組んだ。
④つかむか、弾くかの判断と弾く際のプレ
(すぐ止められる)する。
レーニング、試合に取り組めた。
・長時間にわたる移動、時差、異なる気候、
食事、ホテル生活などに順応してコンデ
ー
ミドルレンジからのシュートに対して主
ィションを崩すことなく過ごせた。
・プレースタイルの異なるそれぞれの国と
体格的に大型で、かつ当たりの激しい洗練
されたサッカーをしてくる。結果は、2敗
に行った。また、至近距離からの強シュー
トに対しても行った。弾く場所のコントロ
アウェイで対戦できたこと。また中1日
という本大会同様のスケジュールで試合
だったがタイプの異なる2カ国と環境の違
ールに関しては、今後も継続して行う。
を経験した。
う中、アウェイで戦えた経験は大きい。こ
の経験を生かして本大会に備えたいと考え
⑤クロスへの対応
オーストラリア戦の前に重点的に行っ
・シュートストップの状況下で、ステップ
ワークを生かした広い守備範囲を発揮す
25
ることができた。
・クロスに際しては、課題も残ったが積極
的にチャレンジすることはできた。
・攻撃への参加に関しては、キックミスも
少なく、ここ最近の遠征の中では良かっ
た。
・ブレイクアウェイに関しては、DF背後
のスペースを狙う意識はあった。
中で、無駄なく、効率良く、効果的にプ
会に参加しなかったメンバーを選出し、同
レーすることを目指したい。
大会最終予選のシミュレーションを兼ね
・今後とも、コーディネーション、体幹筋
力の向上、下半身強化などが継続した課
題となる。
8.今後の展開
て、アジアの同年代との試合を通じて最終
予選に向けた課題の抽出をテーマに臨ん
だ。
この遠征でもGKプロジェクトが取り上
げている育成年代のGKが意識すべき3つの
今回は、FIFAワールドカップ開催中であ
り、J1選手を招集できたが、J2は開催中で
テーマ(①積極的なゴールキーピング、②
良い準備、③DFとの連携)を継続して押
・タイ戦に関しては、味方攻撃時のリスク
あり、ケガをしている選手も含めてベスト
な選手は招集できなかった。しかし逆にボ
さえつつ、アジアのトップレベルとの真剣
勝負の中で、良い準備を90分とり続けるこ
マネジメントにおいて課題が残った。攻
撃に意識がいく時間が長く、次の守備を
ーダーな選手に経験の機会を与えることが
できた。7月末から8月初旬にかけて、サウ
と、早いタイミングで判断し、「声」で味
方に伝えること。その上で安全確実な技術
7.課題
想定した言葉がけができていなかった。
ジアラビア遠征を計画、また8月中旬には
発揮を行っていくことを求めた。チームと
・ブレイクアウェイの状況下で、DF背後
を意識したポジションはとれたが、風、
SBSカップ(静岡)によって、海外の強豪
チームと試合経験を積める。こうした遠征、
しての課題でもある「DFとGKの間に出さ
れたボールの守備」
「クロスの守備」
「効果
ピッチコンディションなどを考えたプレ
ーにまでは至らなかった。
大会参加によってアジア地区最終予選に向
けた選手選考を行い、さらなる強化へと結
的な攻撃参加」にも継続して取り組み、真
剣勝負の中で積極的にチャレンジし続ける
びつけていきたい。
ことをGKの目標とした。
・オーストラリア戦では、クロスへチャレ
ンジしたまでは良かったが、空中での競
り合いに負けるシーンやパンチングをコ
ントロールできないシーンが目立った。
・ペナルティーエリアに進入されたシーン
で、DFへの声がけができず、プレッシ
U-16日本代表チーム
3.大会への準備
U-17国際親善トーナメント(イラン)
現地では、大会前に5回、試合の合間に3
回のトレーニングを行うことができた。ト
【報告者】川俣則幸(U-16日本代表GKコーチ)
レーニングでは、クロスの守備では「ゴー
ャーの掛からない状態でシュートをうた
れたシーンが目立った。また、指示・声
1.参加GK
ル前の状況把握と確実な技術発揮」を、
DFライン裏の守備では、
「適切なポジショ
といった面で「クリア!」と「OK!」
の声が聞きづらく味方が混乱するシーン
廣永遼太郎(FC東京U-18)
森廣康彦(ガンバ大阪ユース)
ニングからDFラインのコントロール」を
行い、「判断と指示の声の徹底」を確認し
がトレーニングで出た。
・トレーニングにおける、連続ダイビング
で足の使い方、手の着き方が悪く、無駄
な動きによって時間が掛かってしまう。
ゴール前のコンマ数秒、数センチを争う
2.大会でのテーマ
チ ー ム は AFC U-17サ ッ カ ー 選 手 権
(FIFA U-17ワールドカップアジア地区最終
予選)に向け、4月のモンテギュー国際大
た。また、シュートストップやクロスの守
備で「つかむか弾くか」の判断も毎回確認
した。
4.試合結果
5月2日 vs U-16イラン代表
3-4(GK:廣永)
5月4日 vs U-16サウジアラビア代表
1-0(GK:廣永)
5月6日 vs U-16シリア代表
2-1(GK:森廣)
5月9日(準決勝) vs U-16イラク代表
2-3(GK:廣永)
5月10日(3位決定戦) vs U-16中国代表
1-2(GK:森廣)
5.成果
AFC U-17サッカー選手権と同じ日程で、
なおかつ対戦相手になりうる国と真剣勝負
の試合ができたことは良い経験となった。
U-19日本代表、オーストラリア遠征(AIS U-19戦)より
26
GKは5試合を通して相手のさまざまなプレ
JFA Goalkeeper Project
活動報告 JFA GKプロジェクト
ッシャーの中で積極的にプレーできたこと
は大きな成果である。5試合で10失点した
距離からのミドルシュートがゴールイ
ンしたり、イラン以外の国のGKがクロ
が、GK個々の持ち味を発揮しつつ攻守に
スボールの落下点を誤る場面も見られ
貢献できた。特にディストリビューション
(配球)の場面では、ボールを確実に味方
た。
参加国のGKを見ると、イランのGK
につなぐだけでなく、チャンスを逃さずロ
ングキックからカウンター攻撃の起点にな
は180cm台前半のがっちりした体格で
状況判断に優れ、落ち着いたプレーが
れたことは、攻撃面でのバリエーションを
持ち味で、ディストリビューションで
増やすことにつながった。
課題としていたDF裏のボールやクロス
はロングキックとスローイングを使い
分けるバリエーションを見せた。
の守備では、4月のモンテギュー国際大会
(本誌前号31ページ)の試合に比べると、
サウジアラビアのGKは180cm前半で
身体能力はあるがGK経験の浅さがうか
広い範囲を確実に守ることができた。初戦
がえた。シリアのGKは、170cm台で高
こそ守備のコンビネーションの悪さや個人
の判断のミスから4失点し、敗戦を喫した
さはなかったが、大きな声で指示を出
しリーダーシップに優れ、現時点ではバラ
が、それ以降は組織的に守り、GKもプレ
ーすべき場面では確実にプレーができた。
ンスのとれたGKだった。また、チーム戦
術としてリベロを置きDFラインを深くと
継続的な課題であった複数の力の拮抗し
るチームでは、GKの守備範囲はさほど広
U-16日本代表、U-17国際親善トーナメントより
プレーヤーとの合同でのトレーニングで連
携を深めていった。
2.テーマ
GKテーマとしては、継続して行ってき
たGKがポジション争いをして互いに切磋
琢磨するという部分では、久しぶりの招集
くなかった。試合の中で発揮されるGKの
基礎技術のレベルはそれほど高くないが、
となった森廣が成長ぶりを試合の中で表現
できた。今後、GKのグループとしての競
試合の流れに則したプレーを選択するな
①積極的な守備
ど、サッカー選手としての基本はできてい
②良いポジショニング
争が増すことが予想され、これも成果の一
つである。
るように感じられた。
いずれのチームも試合に出ているGKは、
③DFとのコミュニケーション&コンビ
ネーション
6.課題
体格の面では劣るが安定している。一方で
今回、この年代では初めて数千人の観衆
サブのGKに180cm後半の大型選手を置き、
時間をかけて育成していこうという意図が
の中での試合を経験した。観衆に囲まれ、
声の届かない中での試合を経験し、GKは
うかがえた。また、各国のGKトレーニン
グを見ることができたが、まだまだフィジ
コミュニケーションの重要性をあらためて
カル面での負荷が高いドリル中心の練習が
実感した。声の大きさや強さ、声を出すタ
イミングなど声によるコミュニケーション
多く、判断を伴ったプレーの質を求めるト
レーニングは少なかった。試合でのチーム
の質の向上が課題である。また、試合前に
注意が必要と情報を与えられていたにもか
内での役割や日ごろのトレーニングが、モ
ンテギュー国際大会で試合に出ていたフラ
かわらず、シリア戦、イラク戦でリスター
ンス、イタリア、イングランドのGKとの
トからの失点をしたことは、今後に向けた
課題である。特に、イラクとの準決勝では、
差につながっているように見受けられた。
終了間際に不利な体勢だった相手にゴール
を押し込まれ、それが決勝点となり敗戦し
なでしこジャパン
たことは、反省すべき大きな課題となった。
これらの課題に関しては、継続して取り組
んでいきたい。
ている下記のテーマを設定した。
■GKグループで行ったトレーニング
C
トレーニングキャンプ
国際親善試合(アメリカ女子代表)
【報告者】澤村公康(なでしこジャパンGKコーチ)
7.トピックス-他国のGK
1.はじめに
大会が開催された2つのスタジアムはテ
ヘラン近郊にあり、標高が1,200mほどあ
今回のトレーニングキャンプでは、基本
技術の徹底と反復トレーニングを行った。
るため、キックされたボールはスピード、
さらにGKグループ5名(参加GK3名+大津
飛距離ともかなり増し、GKにとって難し
いコンディションだった。実際にかなりの
高校GK2名)でのゲームの状況を設定した
トレーニング、そしてチームのフィールド
C
27
て、7月のトレーニングキャンプ、そして
示を出して、判断なく簡単にコーナーキッ
大会へと良い準備をして挑みたいと思う。
クにしてしまったり、味方DFの対応が悪
日本女子学生選抜
くなり、クリアが小さくなってピンチを迎
えてしまう場面も見受けられた。
トレーニングキャンプ
伊賀市長杯・第6回忍びの里
レディーストーナメント
【報告者】川島透(U-19日本女子代表GKコーチ)
なでしこジャパンVSアメリカ女子代表© Jリーグフォト
(株)
☆観る → 予測 → 判断 → プレーの実行
1.はじめに
今回のキャンプは、2007年度ユニバー
以上のテーマを挙げて大会に入った。4
試合を行ったが、今回のキャンプは選考、
強化を兼ねているので2人のGKを交互に起
用した。私は2試合しか見れず、攻め込ま
れる場面もなかったが、大会を通してテー
マを意識して良いプレーができたと思う。
コンパクトにDFラインを保つチームに
対し、GKは幅広いエリアをプレー、カバ
シアードの選考、強化で、2人のGK(岸里
美/早稲田大学・大友麻衣子/日本体育大
ーできなくてはいけないので、オン・ザ・
ボールのプレーはもちろん、オフ・ザ・ボ
学)に参加してもらった。今回のキャンプ
今大会では、コミュニケーション、DF
では6日間のうち3日間しか参加できず、不
在時には監督、コーチにトレーニングして
の背後の対応でGKがプレーするのか、味
方がプレーするのか、どのように対応し対
もらうことになった。
処させるのか、いかに的確に早い判断で良
いコーチングで落ち着いてプレーし、味方
ールの局面、そして次にボールが入ってき
そうなところをいかに観ることができ、そ
こに対しての予測(GK自身の準備、DFへ
の指示)、そしてプレーの実行へとつなげ
ていくことができなくてはならない。先手
をとることによって、メンタル的にも良い
準備ができ、さらにゲーム中のスターティ
2.テーマ
トレーニングキャンプでのテーマとして
は、①基本技術の向上 ②良い準備 ③良い
ングポジションも良くなり、GK自身のス
ポジショニング ④コミュニケーションを
挙げた。
キルの良いパフォーマンスが発揮される。
①基本技術の向上では、所属チームに戻
3.成果
・ゲーム中のスターティングポジションが
常に良くとり続けられていた。
・シュートストップ、ブレイクアウェイ、
クロス、それぞれの状況下で、安定した
プレーが発揮されていた。
・エリアを飛び出してプレーする判断が良
かった。
(DFラインの背後カバー)
・キャッチorディフレクトの判断
4.課題
ったときにGKコーチがいない環境でトレ
ーニングをしているので、アドバイス、技
術の再確認をした。
②良い準備という点では、シュートスト
ップに対して(自陣ゴール前)の準備は良
いが、敵陣にボールがあるときのDFの背
後での対応で準備不足、危機管理が少ない
ため、味方DFと見合ってしまう場面が見
られた。
③良いポジショニングでは、味方が敵陣
でプレー(攻撃)しているときのポジショ
ンが深くなり、GKがプレーするのか、味
3.課題
にプレーさせるのかが今後の課題だと思
う。
4.大会結果
〔予選リーグ〕
vs三重選抜9-0(前半4-0)
GK:大友
vs福岡女学院アンクラス5-0(前半3-0)
GK:岸
〔準決勝〕
vs名古屋レディース4-0(前半3-0)
GK:大友
〔決勝〕
vs伊賀FCくノ一0-0、PK4-5 GK:大友
ナイキプレミアカップ
ジャパン2006視察報告
【報告者】須永純(ナショナルトレセンコーチ)
・ペナルティーエリアを出てのフィールド
方がプレーするのかが不明確になる部分が
トレーニング中に見られた。クロスの対応
1.概要
プレーのスキルアップ
(特にランニングをしながら)
で深くなりがちで、またボールサイドに寄
りすぎることでボールウォッチャーになり
「ナイキプレミアカップ ジャパン2006」
は、2006年5月3日∼5日にかけてJヴィレ
・ディストリビューション(配球)のクオ
リティー
がちだったので、状況を観てアグレッシブ
ッジで行われた。5日の決勝戦以外は、1日
・リスクマネジメントの徹底
にポジションをとることを意識しようと伝
えた。
2試合(25分ハーフ)というハードスケジ
ュールの中、選手個々のレベルと層の厚さ
5.最後に
④コミュニケーションでもDFの背後の
対応で声の判断が遅いため、味方と見合っ
でヴェルディジュニアユースが優勝した。
準優勝の京都パープルサンガジュニアユ
たり、今回は起こらなかったが味方と交差
ースは、グループリーグ3戦目と準決勝と
したりといったことが起こってしまう。
声の質では、GKが出られなかったとき
もに清水エスパルスジュニアユースと消耗
戦を行い、決勝戦での延長戦に影響(イエ
に、味方がフリーな状況で「クリア」と指
ローカードの累積や体力的なもの)があっ
7月のAFC女子アジアカップに向けて、
各GKが今回トライしてできたプレーを今
後も継続すること。そして課題として挙が
ったプレーに対してさらに取り組みを持っ
28
JFA Goalkeeper Project
活動報告 JFA GKプロジェクト
た。
ショニング・声によるリスクマネジメ
準決勝からのトーナメントはオープン抽
選であるが、個人的な意見ではあるが、前
の試合と同カードになるのは避けた方が良
いと思った。
ントなど)
常にボールにかかわり続けることを意識
する。
(2)クロスボールへの対応(混戦の中での
落下点の把握、守備範囲拡大、パンチ
2.課題
強く感じた。
(3)フィード(組み立ての意識)
ングの方向・大きさなど)
ボールを受ける前の準備(周囲を観る・
味方とのコミュニケーションなど)判
断の改善
・キックかスローイングかの判断
・ショートパスかロングパスかの判断
今回9人のGKを観ることができた。この
中で、ほとんどの選手に共通する課題が3
キッカーの質の向上が見られたが、GK
のハイボールに対する軌道・回転に対応す
チームとして、GKを含めてボールを失
わないでゴールを目指すという考え方が必
つあった。
(1)ボールが遠くにあるときの準備(ポジ
る能力がついていない。この年代がこの部
分の競技力を向上するタイミングであると
要である。
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ごろに応募者全員に連絡します。また、セ
jfa.or.jp/domestic/trainings/s_girls/]からダウ
レクション・トレーニングキャンプに要す
ンロード、または下記「お問い合わせ先」
る費用は本協会が負担します。
に送付先の郵便番号・住所・氏名を連絡し、
入手してください。
[お問合せ先]
(財)日本サッカー協会 技術部
[募集締切]9月29日(金)
〒113-8311
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東京都文京区サッカー通り JFAハウス
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応募者から書類審査にて約20名を選出し、1
FAX 03-3830-1814
"スーパー少女プロジェクト"とは・・・
将来のなでしこジャパンのゴールキーパー
(GK)を発掘・育成するプロジェクト。
る。
【指導者養成】
【普及】=「発掘」
選手指導には、JFAナショナルコーチングス
日本女子サッカーの強化・育成の鍵であるU-
サッカー経験の有無を問わず、将来日本の女
タッフ(男女各年代日本代表チームGKコー
15(中学生)年代前後の選手を「強化」
「育
子サッカーを支えうる才能ある人材として、
チ)、JFAナショナルトレセンコーチだけで
成」「普及」の観点から選出し、継続したト
長身の選手、身体能力の高い選手を一般公募
なく、女性のGKコーチや女子チームで指導
レーニングを行う。さらにトレーニングキャ
により選出する。初心者であっても、これか
しているGKコーチにも指導に携わっていた
ンプの機会を活用し、トレセン同様、「指導
らGK選手として活動していくことができる
だき、指導者のレベルアップ、GKトレーニ
者養成」にも取り組む。
よう、基礎から集中的にトレーニングを行う。
ングのコンセプトの共有を図る。
【強化】ユース年代のトップレベルのGK選手
に継続的かつレベルに応じた適切なトレーニ
ングを行い、U-20・U-17日本女子代表チー
ムへ選手輩出や活動のサポートをする。
【育成】トレセンや各種大会などから、技
術・身体能力(潜在的な力、将来性、個性を
含む)の高い選手を見出し、継続的かつレベ
ルに応じた適切なトレーニングを行う。同じ
目標を持つ仲間、ライバルの中で、個々の長
所短所を自覚し、さらなるレベルアップを図
■2006年度トレーニングキャンプ開催期間(予定)
開催期間(予定)
7月20日(木)
∼22日(土)
8月28日(月)
∼30日(水)
11月17日(金)
∼19日(日)
1月20日(土)
∼22日(月)
2月10日(土)
∼12日(月・祝)
3月23日(金)
∼25日(日)
場 所
御殿場・時の栖(2005年度からの継続 12人)
Jヴィレッジ
(2005年度からの継続 12人)
Jヴィレッジ
(予定)
(セレクション 20人)
未定(継続、大会・トレセン、セレクションから選出した 15人)
未定(継続、大会・トレセン、セレクションから選出した 15人)
未定(継続、大会・トレセン、セレクションから選出した 15人)
※一度参加した選手が継続して選出されるとは限りません。
29
JFAアカデミー福島
∼活動をスタートして
男子 〔報告者〕島田信幸(JFAアカデミー福島・男子ヘッドコーチ)
長していってくれるものと信じています。
2.サッカーに関して
今年は、基本テクニックの徹底と持久力の向上をメインテーマに
し、トレーニングに取り組んでいます。ウォーミングアップからで
きるだけボールを使い、ドリル形式のトレーニングとスモールサイ
ドゲームを中心に行っています。
例えば、ドリルトレーニングでは、壁打ち(1人ボール1球でキッ
クの反復)や、数名のグループでのドリルトレーニングになっても、
1選手が7秒に1回の割合でボールに触る工夫をしています。ある日
のトレーニングで1選手のボールタッチ数を計測したところ、1,300
回を超えていました。また、ゲームでは、ボールを簡単に失わない
開校式で、すばらしい決意表明をしてから、早いもので3カ月が
こと、アグレッシブにボールを奪いにいくことを要求しています。
過ぎました。晴れの舞台で堂々と振る舞った選手たちではあります
が、親元を離れての生活、中学校の生活、寮での共同生活など初め
トレーニング成果の確認のために行ったゲームでは、課題もたくさ
んありますが、幅と深さを使いボールを大切にしながらゴールを目
てのことばかりで、大きな不安を抱えながらアカデミーの生活が始
指し、ボールを失ったら、すぐアグレッシブにボールを奪いに行こ
うとしています。常に、ゲームにおいても失敗を恐れず積極的に取
まりました。そんな中、さまざまな問題や事故は起こっていますが、
全体としてはすばらしいスタートが切れたと思います。
1.生活全般
り組んでいます。
アカデミーの選手たちは、山あり谷ありの日々を送りながらも、
スタートしてからは、日替わりで誰かが発熱したり、自転車事故
でケガをしたりとさまざまな問題が起こっていました。これらは当
遠く離れた家族や地域(広野町)の皆さんに見守られながら、
『夢』
に向かって着実に歩を進めています。
然予想していたことで、17人が毎日17通りの失敗や問題を起こすで
あろうと思っていました。しかし、アカデミーではあえて選手たち
に、失敗や問題の解決方法を与えず、選手自らの力で解決法を考え
させました。時間はかかりますが、いつも選手の近くから、危険な
ものをあらかじめ取り除いたり、解決法を与えていては、いつまで
たっても「判断力」は身につかないと考えるからです。
ただし、命にかかわる問題、マナーやしつけに関することなどは
スタッフから厳しく注意をするようにしています。
13歳の選手たちが、問題を起こすのは当たり前です。しかし、い
くつもの失敗を繰り返しながら、正しい判断力を身につけ、必ず成
■JFAアカデミー福島【男子】 基本スケジュール
起床 & 掃除
朝食
学校
帰寮
午後トレーニング
入浴
夕食
自習
消灯
月曜日
6:15
6:45
7:30∼16:00
16:30
17:30∼19:30
19:45
20:00
21:00∼22:00
22:30
火曜日
6:15
6:45
7:30∼16:00
16:30
17:30∼19:30
19:45
20:00
21:00∼22:00
22:30
水曜日
6:15
6:45
7:30∼16:00
16:30
17:30∼19:30
19:45
20:00
21:00∼22:00
22:30
木曜日
6:15
6:45
7:30∼13:00
13:30
15:00∼17:00
18:00
19:00
20:00∼21:00
22:30
金曜日
6:15
6:45
7:30∼16:00
16:30
17:30∼19:30
19:45
20:00
21:00∼22:00
22:30
土曜日
7:00
7:30
休み
9:30∼11:30
12:00
フリー OFF
18:00
19:00
20:00∼21:00
22:30
日曜日
7:00
7:30
休み
9:30∼11:30
12:00
フリー OFF
18:00
19:00
20:00∼21:00
22:00
午前トレーニング
※土・日はJFAプログラム実施や、
TRゲームによりスケジュールは変更になります。
30
昼食
女子 〔報告者〕今泉守正(JFAアカデミー福島・女子ヘッドコーチ)
1.JFAアカデミーがスタートして
4月8日の開校式以降、早くも3カ月を過ぎようとしています。ア
カデミー生は、毎日生き生きとここ楢葉町での生活を過ごしていま
す。中学生18名は、ヘルメットをかぶり自転車で往復9kmを通学し
ています。高校生は、富岡高校へバス通学です。下校後は、それぞ
れトレーニングウェアに着替えて、今日はJヴィレッジ、明日は男子
ピッチと自転車で移動します。女子のピッチはまだできあがってい
ないため、日ごとにピッチが変わります。それでも、アカデミー生
は、たくましく移動して、トレーニングを積み重ねています。
地元、楢葉町の方々には、
「みんな元気よく、あいさつしていくよ」
と微笑みながら勇気づけていただいています。アカデミー生は、自
くことを2週間に一度実施しています。eメール世代のアカデミー生
分のことは自分でする。このことからスタートし、家から寮生活の
に文章を自分の手で書こうというプログラムを実施しています。返
変化に、どのアカデミー生も「親のありがたさがよく分かりました」
と感謝しています。少しずつではありますが、たくましい個が育ち
信のはがきが届いたときの満面の笑みは、eメールでは味わえない
喜びのようです。また、先日、救急救命講習を楢葉消防署に行き受
つつあります。
アカデミー生の基本スケジュールは、下表のとおりです。基本的
講しました。
プロの監督や選手の激励やレクチャーもこの期間に受けることが
な時間が決められているところもありますが、それ以外は自分で時
間をマネジメントし、時間の使い方が大変です。月を経るごとに、
できました。東京ヴェルディ1969のラモス瑠偉監督が走ってトレー
ニングピッチに訪れ、アカデミー生にレクチャーしてくださいまし
時間の使い方がうまくなってきたようです。なぜならば、前述した
た。ラモス監督の話にアカデミー生のまなざしは、一点を見つめた
ように、自分のことは自分でしなければならないからです。洗濯、
掃除、身支度、学習時間の確保、身体のケア、そしてリフレッシュ。
ままピクリとも動きませんでした。また、FC東京のガーロ監督や石
川直宏選手、小澤竜己選手の激励には感激していました。また、鈴
ぼーっとしていると、途端に消灯時間がきてしまう。逆算して行動
する習慣をここでも身につけることができます。
木規朗選手は、寮を訪問していただき、JFAプログラムの時間に約1
時間の対話方式のレクチャーを受けました。貴重な経験の連続でし
た。
2.JFAプログラム
JFAプログラムは、
「コミュニケーションスキル」
、
「マナーセミナ
ー」を定期的に実施しています。また、女子独自では、はがきを書
3.トレーニング
4月からトレーニングがスタートして、中学1年生から高校1年生
■JFAアカデミー福島【女子】 基本スケジュール
清掃
朝食
中1・2
月曜日
:
30−07
:
00
:
15−06
:
30 06
中3 06
高1
登校
午前トレーニング
07
:
15
15
:
30
07
:
45
午後トレーニング
下校
15
:
10
入浴
OFF
帰寮後−18
:
00
(トレーニングの場合もあり)
夕食
学習
中1・2
07
:
15
:
30−07
:
00
:
15−06
:
30 06
中3 06
高1
中1・2
水曜日
:
30−07
:
00
:
15−06
:
30 06
中3 06
高1
中1・2
木曜日
:
30−07
:
00
:
15−06
:
30 06
中3 06
高1
中1・2
金曜日
:
30−07
:
00
:
15−06
:
30 06
中3 06
高1
16
:
10
08
:
00−09
:
30
18
:
00−19
:
00
19
:
30−20
:
15
16
:
10
07
:
45
15
:
30
07
:
15
13
:
20
:
00−08
:
30
:
45−08
:
00 08
中3 07
中1・2
:
00−08
:
30
:
45−08
:
00 08
中3 07
高1
19
:
30−20
:
30
21
:
15−22
:
00
帰寮後−20
:
30
19
:
30−20
:
30
21
:
15−22
:
00
17
:
00−19
:
00
14
:
00−16
:
00
帰寮後−18
:
00
16
:
30−18
:
30
帰寮後−20
:
00
07
:
45
13
:
15
1
4
:
0
0−1
6
:
0
0
(マリーゼTr.参加)
帰寮後−18
:
00
09
:
30−11
:
30
09
:
30−11
:
30
23
:
00
22
:
30
15
:
10
高1
日曜日
帰寮後−20
:
30
07
:
15
中1・2
土曜日
22
:
30
17
:
00−19
:
00
13
:
10
07
:
45
23
:
00
英会話
15
:
55
07
:
15
昼食
12
:
30−13
:
30
昼食
:
30−13
:
30
(OFFの場合もあり)12
消灯
22
:
30
英会話
火曜日
JFAプログラム等
帰寮後
18
:
00−19
:
00
(全員揃っての夕食)
23
:
00
22
:
30
21
:
15−22
:
00
随時
エリート・サッカー
エリート・サッカー
23
:
00
22
:
30
18
:
00−20
:
00
18
:
00−19
:
00
(全員揃っての夕食)
20
:
45−21
:
30
23
:
00
読書・読み書き
読書・読み書き
19
:
30−20
:
15
随時
各自
随時
22
:
30
23
:
00
22
:
30
帰寮後
18
:
00−19
:
30
23
:
00
※土・日はTRゲームが入ることもある。JFAプログラムは随時行われる。
31
ために、MOCなでしこリーグ1部のTEPCOマリーゼの練習に参加さ
せていただきました。あらゆるスピードの違いを実感し、日々のト
レーニングに生かそうとアカデミー生は考えています。
4.今後
JFAアカデミーがスタートしてまだ3カ月です。日々、試行錯誤の
連続です。多くの方々に支えられて、毎日を送ることができている
と常に感謝しています。これからもよりよくアカデミー生が伸びて
いくように、スタッフ一同努力していきます。
まで一緒にトレーニングを実施しています。現在のトレーニング目
標は、以下の2点を重点ポイントとして取り組んでいます。
①キックの質
②情報分析力
①キックの質に関しては、先のAFC U-20女子選手権(FIFA U-20
女子世界選手権予選)から得た課題として挙げたものです。そこで、
アカデミー生にはデイリーのトレーニングとしてキックの質向上を
目指して、さまざまなトレーニングを実施しています。
②情報分析力とは、良い判断をするためには、さまざまな情報を
収集し、それを分析して実践していかなければなりません。そのベ
ースとして2対1の数的有利な状況からいかに攻撃して得点するの
か。マトリクスを用いて、情報分析できるようにトレーニングして
います。
M-T-Mメソッドを用いることがトレーニング効果を上げるために
は重要です。練習試合の相手には、現在のところ中体連のサッカー
部にお願いしています。アプローチが速いので、必然的にパススピ
ードが要求され、ファーストタッチが要求され、ボールをもらう前
の良い準備が必要となり、判断がより求められてきます。トレーニ
ング成果の判断基準には非常に良いものとなっています。
高校生には、より高いレベルでトレーニングする環境を整備する
ゴールキーパー育成計画
4月
U−13
5月
6月
9月
個人技術(動作習得)
【技術】
【戦術】
【フィジカル】
【メンタル】
ボールフィーリング、
キャッチング、
スローイング、
キック、
ローリングダウン、
ダイビング
(ワンステップ、
クロスステップ)、
フィールドプレー
基本姿勢(構え)
とタイミング、ポジショニング、攻撃のプライオリティー、
コーチング
(指示、声)
コーディネーション、
ステッピング、
ジャンピング、前転、後転、側転、
スピード、反射、反応、FP同様
積極性、協調性、勇気、集中力、忍耐力
【技術】
【戦術】
【フィジカル】
【メンタル】
【技術】
【戦術】
【フィジカル】
【メンタル】
(6)
ローリングダウン
シュートストップ/フィードプレー
ブレイクアウェイ/フィードプレー
{ }
グループ/チーム戦術
(3)
クロス
(4)
フィードプレー
個人 グループ
U−17
スピード系⇒パワー系
パワー系⇒スピード系(反応/反射)
U−18
筋力アップ⇒
筋力アップ⇒
戦術向上
グループ
チーム
}
戦術向上
ボールフィーリング:さまざまな動作を入れた中で行う。
(バスケット、バレーボール、
ボールの回転、バウンドなど)+コーディネーションを入れながら
ステッピング:ボールに向かう移動を行う。ポジションを取るための移動ではない。
ポジショニング:6月は大まかに行う。9月の個人戦術(動作習得)
で細かく行う。 なぜなら、基本技術を習得してからではないとポジションに気を取られてしまうから。
コーディネーション:ボールでは、
ボールフィーリングの中にさまざまな動き
(ランニング・ステップ・スキップなど)
を組み合わせる。
ボールなしでは、
コーンやマーカーなどの用具を用いてさまざまな動き
(ステップ、
スキップ、腿上げ、前転、後転、
ジャンプなど)
を行って、神経系に刺激を与える。
32
《DFとの連携強化》
キャッチング、
ダイビング
(ワンステップ、
クロスステップ、
フロント、
ノーステップ)、パンチング、
ディフレクティング、
フォーリング、
スローイング、
キック、 基本姿勢(構え)
とタイミング、ポジショニング、守備のプライオリティー、1対1(GK)、2対1(GK)、1対1+GK、2対1+GK、
グループ戦術、 コーディネーション、
ステッピング、
ジャンピング、前転、後転、側転、
スピード、反射、反応、
コンタクトプレー、体幹の強化、FP同様
積極性、協調性、勇気、集中力、忍耐力、責任感、
リバウンドメンタリティー、失敗から学ぶ、
メンタルタフネス、冷静さ
(コントロール)
U−16
}
個人スキル向上/グループ戦術
体力向上(スピード、持久性)
キャッチング、
ダイビング
(ワンステップ、
クロスステップ、
フロント)、
スローイング、
キック、パンチング、
ディフレクティング、
フォーリング、
フィールドプレー
基本姿勢(構え)
とタイミング、
ポジショニング、守備のプライオリティー、1対1(GK)、2対1(GK)、1対1+GK、2対1+GK、DFとの連携(自分がプレー、 コーディネーション、
ステッピング、
ジャンピング、前転、後転、側転、
スピード、反射、反応、
コンタクトプレー、FP同様
積極性、協調性、勇気、集中力、忍耐力、責任感、
リバウンドメンタリティー、失敗から学ぶ、GKの役割の理解
個人スキル向上
グループ戦術
体力アップ
(1)
ブレイクアウェイ
(体幹部筋力トレ導入)
U−15
8月
(3)
キャッチング
(4)
ステッピング
個人スキル向上(応用技術)
(1)ディフレクティング
(2)パンチング
連続動作(ダイビング)
U−14
7月
個人戦術
(5)ポジショニング
基本技術(動作習得)
(1)ボールフィーリング
(2)
GKの姿勢・構え
スローイング/キック
ゴールキーパー 〔報告者〕須永 純(JFAアカデミー福島・男子GKコーチ)
1.はじめに
の大きさなどが変化していることからなるべくゴール前で行って
います。精神面・身体面の個人差に配慮しながら、シンプルに反
JFAアカデミーでの共同生活が始まり3カ月が経ちました。弱冠
12歳の子どもたちが親元を離れて生活をします。セレクションを
復して行っています。
受けアカデミーで一緒になった選手同士の顔と名前が分かってい
(2)中学2、3年生
るといっても、まだお互いのことは十分に理解し合っていません
し、周囲からの期待という、目に見えないプレッシャーもあるの
GKとしての「良い習慣の追求」をします。基本技術を安定して
発揮できるように徹底してトレーニングし、基本技術を習得しま
で皆不安は多少なりともあります。すぐに順応できる者もいれば
ホームシックになる者もいます。大人であるスタッフが慣れるの
す。トレーニングはシンプルに反復して行います。そして、試合
中における自分の役割も理解させます。女子の選手は既にU-14と
に1∼2カ月の期間がいるのだから、ただでさえ不安定になる思春
U-16なので、現段階では基礎徹底をされていませんが、ある程度
期の子どもたちが精神的に安定するのに時間がかかるのは当然の
ことです。
の負荷をかけながら基本技術を徹底していきます。4∼7月はフィ
ールドプレーヤー同様のトレーニングを多めに行い、徐々にGKの
アカデミーでの選手育成の考え方の基本ベースにあるものとし
て、6年間の一貫指導の中で焦らずにじっくり計画的に育成してい
要素を増やしていきます。トレーニングの頻度は週に3∼4回行い、
1回のトレーニングにかける時間は40∼60分です。なお、U-16の
くことがあります。大まかには、中学生年代の3年間で基本技術を
選手に関しては毎週火曜日が2部練習なので、午前中のトレーニン
徹底してパーフェクトスキルを獲得します。そして、高校生年代
の3年間で応用技術を行い、よりプレッシャーのかかった状況下で
グでは日本の女子サッカーの課題でもあるキックの反復を行って
います。
パフォーマンスを発揮できるようにします。
(3)高校1・2年生
2.トレーニングについて
技術を完成させ、ハイスピードかつプレッシャーがかかった状
況下でも発揮できるようにします。トレーニングは複合的なもの
(1)中学1年生
最初の3カ月はできるだけチームにいる時間を増やします。前述
をとり入れ、コンディションをベースとした中に技術を強化させ
したとおり、まず生活・環境に慣れるため、チームメートと一緒
にいる時間を増やし「サッカー」をやらせます。そこがクリアで
ます。あとは、個人差を考慮してトレーニングの負荷を高めてい
きます。例えば形態測定のデータを利用し、成長が止まってきた
きたらGKの専門性を高めていくことと並行してゴールキーパー
(GK)もフィールドプレーヤーと同じ11人のうちの1人であること
ことが確認できるのであれば、体幹的要素も入れていきます。ま
た、腰痛がある選手に対して背筋のトレーニングをする際にはア
を認識させます。また、基本要素徹底期であるので、GKとしての
イソメトリックで行い、並行して腰痛体操や柔軟性を高めていく
「良い習慣へ意識付け」を行います。GKトレーニングの頻度は週
に2∼3回行い、1回にかける時間は30∼40分。状況設定として、
ことも入れていきます。
月ごとに出てきた課題と成果を整理して、次月へ生かします。
小学生から中学生になりピッチの広さやボールの大きさ、ゴール
また、1週間の中でも計画を立て、1回目のトレーニングは動きを
10月
(7)
ダイビング
11月
12月
個人/グループ戦術
(8)
DFとのコンビネーション/コミュニケーション
(1対1+GK)
1月
2月
3月
個人スキル向上(応用技術)
(9)
フロントダイビング
(10)1対1 ブレイクアウェイ
(3)
セットプレーの守備
個人スキル向上
体力アップ(体幹部筋力トレ導入)
味方がプレー)、
コーチング
(指示、声)、攻撃のプライオリティー
《DFとの連携強化》
《トータルスキル発揮》
体力強化
個人スキル向上(技術/戦術)
筋力アップ
ブロッキング、
フィールドプレー
チーム戦術、
リスタート
(FK・CK・PK)、
コーチング
(組織化)
グループ
チーム
}
戦術向上
スピード系⇒パワー系(反応/反射)
筋力アップ
●1週間のトレーニング構成
3回目のトレーニング
2回目のトレーニング
1回目のトレーニング
W-up
W-up
W-up
10∼15分
20∼25分
10∼15分
Ball-feeling
Ball-feeling
Ball-feeling
20∼25分
10∼15分
20∼25分
基本技術
基本技術
基本技術
例 1回目のトレーニングは投げたボールをキャッチング ⇒ 3回目のトレーニングはキックされたボールをキャッチング
また、
オンバランス
(静的な状態)
でのプレーからオフバランス
(動的:左右・前後・斜め「前後」→スピード)
でのプレーへと難易度を上げていく。
}
}
}
33
をトレーニングの中に生かしていきたいと考
えています。そのためには、生活でもピッチ
でも一緒だと思いますが、変化していく状況
に順応していく能力が必要です。ですから、
トレーニングを固定したものばかりではなく、
選手たちが慣れてきたところに不測のことを
要求するようにしていき、それを選手自身が
考え解決していくようにします。
今後、アカデミーの活動を進めていくにつ
れて、選手の状態やチームの状況により、必
ずしも計画通りには進まないことがあると思
います。しかし、どんなに苦しい状況であっ
ても選手と共に考えて、時には遠回りもする
かもしれませんが、選手たちが誇りを持ち、
積極的に挑戦し続ける姿勢を忘れないように
促していきたい。ただ、そうは言っても選手
個人の向上へのベースとなる部分はそんなに
変わるものではないので粘り強く地道にやる
べきことを持続していきます。2014年、2018
年のFIFAワールドカップへ向けて、夢と希望
獲得するために単純な動きで行い、2回目のトレーニングはボール
なしのコーディネーションを増やし、3回目のトレーニングは基本
技術をより実践的に行うといったトレーニングを構成します。ま
を持ち続けた選手を育成できるように日々努
めていきたいと思います。
た、選手がサッカーノートを記帳しているので、選手の心理状況
の変化を確認することを含め「今月もしくは今週の目標」をチェ
ックし、コーチからの一言を添えます。
(※年間と月間のトレーニングプラン、週のトレーニング構成は前
ページ上表参照)
アカデミーの選手たちは、常に自分の意見や考えに責任を持っ
て相手に的確に伝えることができるよう、月に1回コミュニケーシ
ョンスキルを学んでいます。私は選手たちが生活でもトレーニン
グの中でも自ら論理的に考え、行動する習慣を身に付けるため、
コーチからの要求に応えるだけといった受身にならないように働
きかけることを心掛けています。それから、私が気を付けること
として、選手たちの創造性を消さないように、彼らの自由な発想
JFAアカデミー福島2007年度
出願締め切り迫る!
!男子8月 4日(金)
入学生選考試験を下記の通り実施します。
女子8月25日(金)
[当時消印有効]
募集対象
〔2次選考試験〕
●2007年4月に中学1年生となる男子
9月16日(土) 東京ヴェルディ1969[東京都稲
(現在小学6年生)
・・・10名程度
城市]
●2007年4月に中学1年生となる女子
9月18日(月・祝)Jヴィレッジ[福島県双葉郡]
〔最終選考試験〕
〔3次選考試験〕
〔1次選考試験〕
8月20日(日) ビックレイク 野洲川歴史公園
サッカー場[滋賀県守山市]
11月 9日(木)
∼12日(日)
10月13日(金)
∼15日(日)
時の栖[静岡県御殿場市]
Jヴィレッジ[福島県双葉郡]
8月18日(金) 三菱養和会巣鴨スポーツセン
ター
[東京都豊島区]
10月 7日(土)
∼9日(月・祝)
Jヴィレッジ
[福島県双葉郡]
(現在小学6年生)
・・・6名程度
男子選考試験日程
〔2次選考試験〕
保護者説明会
〔最終選考試験〕
11月2日(木)
∼5日(日)
Jヴィレッジ[福島県双葉郡]
保護者説明会の日程は、
JFAアカデミー福島
ホームページhttp://www.jfa-academy.jp/に
て告知しますので、ご確認ください。
8月22日(火) Jヴィレッジ
[福島県双葉郡]
8月25日(金) 大津町運動公園[熊本県菊池
郡]
8月27日(日) トヨタスポーツセンター
[愛知
県豊田市]
9月 2日(土) 東京ヴェルディ1969[東京都稲
城市]
34
女子選考試験日程
〔1次選考試験〕
9月 9日(土) Jヴィレッジ[福島県双葉郡]
9月10日(日) Jヴィレッジ[福島県双葉郡]
9月23日(土) ビックレイク 野洲川歴史公園
サッカー場[滋賀県守山市]
お問い合わせ先
財団法人 日本サッカー協会 技術部
TEL 03-3830-1890
(祝祭日を除く月曜∼金曜 10:00∼17:00)
FAX 03-3830-1814
JFAエリートプログラム
2006年度第1回
トレーニングキャンプ
【報告者】須藤茂光(ナショナルトレセンコーチ)/池内 豊(ナショナルトレセンコーチ)
の選手たちに、エリート活動の目標(下記5つ)を、ことあるごと
1. 概要
に強く意識させながら活動を展開しました。
(1)日時:2006年5月31日(水)∼6月4日
(日)
(1)Relationship(かかわる)
(2)場所:Jヴィレッジ
小学生年代の感覚的に仲間とかかわっていたものから、考えな
がら行動する習慣を身に付けさせることを目的とします。そして、
(3)スケジュール
考えずに無意識のうちにかかわれることを目指しました。
サッカーだけでは、自分のサッカーの器は大きくなりません。
5月31日
6月1日
6月2日
6月3日
6月4日
午後
午前
午後
午前
午後
午前
午後
午前
13:00
U-14
U-13
U-14
U-13
トレーニング
フィジカル測定
フィジカル測定
トレーニング
トレーニング
コミュニケーションスキル
トレーニング
トレーニング
コミュニケーションスキル
トレーニング
解散
2. エリートキャンプ活動目標
2002年、日本でFIFAワールドカップが開催され、世界を目の当
いろいろなことにかかわりを持ち、サッカーの器を大きくするこ
とを促しました。
(2)Positive Thinking(プラス思考)
失敗を恐れず、リスクにチャレンジすることから「失敗からも
学ぶ挑戦心」を常に意識させました。できる・できないではなく
「やろうとするか・しないか」を合言葉としました。
ボールを取られたら取り返す、失敗したらすぐ動く。
(3)Fair Play(フェアプレー)
相手や仲間に対して勝利に対する飽くなき追求をすることが、
フェアプレーの精神であることを理解させ、常にベストを尽くす
たりにしました。その翌年から「世界基準」を基本に、このエリ
ことを要求しました。
ートプログラムが始まりました。ナショナルトレセンU-12がJヴィ
レッジでの集中開催から9地域に移されて2年目(U-14)と3年目
自分の力を過大・過小評価せずにしっかり自己分析し、自分の
できることにベストを尽くす。
(U-13)の選手たちが中心となり、本年度は4年目の活動を展開す
ることとなりました。
(4)感謝の気持ち
U-13は昨年行われたナショナルトレセンU-12において、各地域
この場にいること、サッカーができることへの感謝を忘れない
で発掘された数多くの選手の中から選考し、U-14は昨年の活動を
ベースに、新たな選手を加え、各年代20人前後により活動を行い
ように。そして人の意見に耳を傾けるオープンマインドな態度を
強調しました。
ました。そして『基本の徹底』を念頭に置き、充実したキャンプ
を目指しました。
「あきらめずに」自分の目標に向かって努力する。
『努力の原点
は感謝の心』
。
思春期前期にあたる13∼14歳という心身共に大変不安定な時期
35
ーがいない状況を意図的につくりました。最初は戸惑い、どうし
たらいいのかフリーズしてしまう選手がほとんどでしたが、理解
し始めるとその状況にあった選択を的確に行うことができました。
U-13はJFAアカデミー福島との合同トレーニングも行った
(5)Enjoy Football
スポーツの本質である「楽しむこと・好きであること」を感じ
てほしくアプローチしました。
好きだから楽しめる、好きだから頑張れる、好きだからうまく
なる。
3. 各活動内容
【U-14】
(1)活動テーマ
①技術の追求
(4)まとめ
2006年U-14最初のキャンプとして、今年度1年間の方向性を示
すことも目的の一つとしました。オフ・ザ・ピッチ、オン・ザ・
ピッチにおいて「できる・できないではなく、やろうとするかし
ないか」
「技術的なミスは今後の課題、イージーな判断ミスはなく
す」という、常に状況を把握しながらプレーすることの重要性と
その意識改革を求めました。そして『世界基準』の前提の下にキ
ャンプを実施しました。それぞれの選手には、
「可能性」と「達成
したい夢」があり、特徴・課題をあらためて感じました。
今回のキャンプでは、個性をさらに伸ばし、それぞれの課題を
克服する必要性を感じ、個別ミーティングを行い、自己分析させ
動きながらの技術の発揮をキーワードとしました。動きながら
た上でアドバイスをしました。その中で、夢をかなえるために一
コントロールし、動きながらパスを行い、動きながら状況を観る
つ一つクリアしなければならないスモールステップがあることを
伝えました。今後のヒントになればと思います。
ことを徹底しました。
②判断を磨く
昨年U-13の活動をベースにオン・ザ・ピッチ、オフ・ザ・ピッ
チともに自らの判断で行動することを強調しました。
③勝負へのこだわり
ゲームのみならずトレーニングにおいても、シュートを決めら
れずに笑うのではく、またチームメートの失敗をもカバーするな
ど、勝負に対するこだわりを持つことを求めました。
キャンプ全体を通じ、強く感じたことは成果と課題でも述べま
したが、フィジカル的・メンタル的な持久力がないために、時間
の経過とともに技術的なミスが多くなる傾向が見受けられました。
そして、ミスの認識が甘くなってしまうことに気付きました。正
確にプレーすることの意識、技術の重要性に対する意識をもっと
上げていくことを継続していく必要があることをあらためて確認
しました。
また、昨年より食が太くなった選手がいました。要求されたこ
(2)活動内容
①オン・ザ・ピッチ
常に動きながら、そして幅と厚みを持つ中で正確な技術発揮を
求めるトレーニングをオーガナイズしました。慣れるまではミス
も多く見られたが、徐々に改善されました。また、トレーニング
とに耳を傾け、オープンマインドで何事にも取り組めた選手もい
ました。的確な自己分析ができた選手もいました。4泊5日、
「どん
欲に吸収したい」という向上心を持った選手がいました。また今
一つ要求に前向きに取り組めない選手もいました。大人への入り
口にいる選手ですが、さらなる成長を期待したいと思います。
のルールやオーガナイズにとらわれずにパートーナーがいなかっ
たら最適のプレー選択をするなど、ピッチ上にサッカーを表現す
ることを要求しました。
②オフ・ザ・ピッチ
U-13時の大人の関与量を極力減らしました。自らの判断や初参
【U-13】
(1)JFAアカデミー福島との合同トレーニング
加の選手への配慮などを強調した結果、日程変更を全体に伝えな
キャンプの期間に2回の合同トレーニングを行いました。1回は
選手をミックスしてのミニゲームを中心に行い、2回目は、エリー
くても情報の共有ができました。
トプログラムの選手とJFAアカデミー福島の選手の対抗戦を行い
(3)成果と課題
昨年同様にいくつかのセッションをクロード・デュソー氏にコ
ーチしていただきました。トレーニングは、①身体を動かすウォ
ーミングアップ → ②ゲーム場面に即したボールワーク(ドリル)
→ ③いろいろな条件のあるポゼッション → ④ゲーム(4対4∼6対
6+GK)という流れで行われましたが、どのトレーニングも7∼8
分進むにつれ、フィジカル的・メンタル的な持久力がないために、
技術的なミスが多くなる傾向が見られました。
この年代での習得が不可欠な「動きながらの技術」
、
「フィジカ
ル・メンタル的な持久力」のさらなる向上の必要性を感じました。
さらに、タイミングを合わせる習慣、簡単にボールを失わない意
識の向上も必要であるように感じられました。
「オーガナイズにとらわれるな」というコーチングがしばしば
ありました。トレーニングにおいて、いるべきところにプレーヤ
36
ました。JFAアカデミー福島の選手は、活動が始まってから2カ月
程度ですが、エリートプログラムの選手と比べても明らかにプレ
ーの質に差が現れていました。顕著に現れていたプレーは、自分
のプレーのスピードを上げすぎて、ボールを簡単に失ってしまう
ことです。また、動きながらのコントロール、パスにも課題が多
くありました。この年代で良い習慣を身につける重要性をあらた
めて感じることができた取り組みでした。
(2)デュソー氏のトレーニング
昨年度も数回、エリートプログラムのトレーニングを見てもら
いましたが、今回も2回のトレーニングをお願いしました。トレー
ニングでは、パスとコントロール、ボールポゼッション、シュー
ト、ゲームがトレーニングの中心でした。
トレーニングでは、常に動きながらの技術の要求に、パススピ
ード、パスしたら効果的に動く、ボールに寄る、広がりを持つ、
ボールが来る前に周りを観るなど、ベーシックな要求のもと多く
その他、フィジカル測定とU-14とのゲームも行い、短期間に盛
の反復をしていきました。選手の中には動きの量にプレーの質が
急に落ちてしまったり、周りを観る習慣がなく、すぐにボールを
りだくさんのメニューをこなしました。キャンプ中は天候にも恵
まれ、また、グラウンド状態も良く、充実したキャンプを行うこ
失ってしまったりとそれぞれの課題が明確に現れたトレーニング
とができました。
でした。
(6)まとめ
(3)U-14とのゲーム
前記に挙げられた課題がゲームに現れたのはもちろんですが、
4泊5日のキャンプでしたが、思ったより時間的に余裕があり、
盛りだくさんのメニューを行うことができました。その原因の一
この年代でいろいろなポジションを経験していない選手が多いこ
つには、選手たちが積極的にチームの仕事を手伝うことができた
とも気になりました。さまざまなポジションをこなせること、そ
のために個人の良い習慣を身につけることに今以上の取り組みが
ことや、自分たちの用具の管理、部屋の管理をしっかりとできた
ことにあると思います。また、選手同士で積極的にコミュニケー
必要と感じたゲームでした。
ションがとれてスムーズに良いグループができあがったことにも
驚きました。彼らを取り巻く大人のかかわり方により、生活面の
(4)ピッチ外カリキュラム
ロジカルコミュニケーションスキルでは、三森氏に3時間の授業
良い習慣が身についてきていると強く感じました。
その反面ピッチの中の良い習慣には、それぞれに課題が多くあ
をしてもらいました。授業では積極的に自分の意見をはっきりと
りました。今回のキャンプで経験したことを、ぜひ今後に生かし
伝えることができている選手も何人かいましたが、途中で集中が
切れてしまった選手も何人かいました。
てほしいと思います。
その他にも栄養についてのレクチャーで食事の重要性を確認し
ていきましたが、知識を身につけた選手が多いことには驚かされ
ました。
デュソー氏にもレクチャーをお願いし、世界基準につながる話
をうかがいました。
(5)その他
2006年度の最初のエリートキャンプで各地域から推薦のあった
選手23名(GK3名)で行いました。地域での推薦選手の多くは、
前年度のナショナルトレセンU-12の活動から選考していることが
多く、この年代の選手情報が少ないことが問題として挙がりまし
た。
GKトレーニングの様子
ゴールキーパートレーニング報告
【報告者】岡中勇人(ナショナルトレセンコーチ/GKプロジェクト)
1. 概要など
(1)期間・場所
5月31日∼6月4日/Jヴィレッジ
(2)概要
U-13(GK3人を含む23名)
、U-14(GK3人を含む22名)がそれぞ
れの監督、コーチ、GKコーチの下、別々にチーム活動を行いました。
U-13GK担当は加藤・須永、U-14GK担当は岡中。
「世界基準」をテ
ーマにピッチ内外で自分を向上させるために、選手それぞれが取り
組んでいくトレーニングキャンプを行いました。U-13は、初めての
活動でした。
2. U-14GKトレーニングテーマ
①積極的なゴールキーピング
②グッドポジション(良い準備)
③DFとの連携(コミュニケーション&コンビネーション)
3. トレーニング内容
①基本要素の徹底(GKの姿勢・キャッチングなどの基本技術・ポ
ジショニング)
②シュートストップ
③ブレイクアウェイ
④クロス
⑤攻撃参加
4. 参加選手
藤島栄介(1992年1月31日生/184cm・70kg/フォルテFC熊本)
赤堀洸太(1992年6月8日生/178cm・65kg/ヤマハジュビロ掛川)
渡辺康広(1992年10月4日生/174cm・59kg/アルビレックス新
潟ジュニアユース)
5. まとめ
今回のキャンプは、トレーニング中心となりましたが、シュート
ストップ、ブレイクアウェイ、クロスの基本の落とし込みと確認は
できたと思います。攻撃参加については、ビルドアップのところで
パスがうまくつながらなかったので、もう少し時間をかけたかった
と思いました。GK個別ミーティングでは、自分たちのプレーを分析
させて、コーチのアドバイスを書き込んだプリントを持って帰らせ
たので、どう成長していくのか、「世界基準」に近付いていけるの
か楽しみにしています。
37
年代別指導指針⑭ JFA技術委員会
フィニッシュ∼U-12
2005ナションルトレセンU-14西日本より © AGC/JFAnews
年代別指導指針は、今回からフィニッシ
ュがテーマになります。フィニッシュは日
それによってワンタッチでシュートか、コ
ントロールを入れるのか、またどこにファ
グを見直してみるべきではないかと思いま
す。また、それは動きの中で正確に行うこ
本の大きな課題として多くの指導者の方が
認識し、日々、改善に多くの時間を費やし
ーストタッチを置くのか、味方にパスをす
るのか、などの正確な判断が重要であり、
とが必要になります。技術が未熟な選手は、
まず、ゆっくりした中で正確さを身につけ
ているのではないでしょうか。しかし、フ
なおかつ正確な技術でパス&コントロール
ることも必要ですが、サッカーは常に動き
ィニッシュの改善は短い期間で行えること
ではなく、長い年月の一貫指導によって行
する、またゴールに運ぶことができてフィ
ニッシュは成り立つものだと考えられま
の中でプレーする競技なので、動きの中で
の正確な判断と正確な技術を習得すること
えるものだと思います。その年代に応じて
獲得するべきことを積み重ねていくことが
す。
もう一つはボールをしっかりとらえて正
が必要になります。
重要になります。また、年代が上がっても
前の年代で獲得する技術が獲得されていな
確な強いボールを蹴れるようになることで
す。特にU-12などの低い年代ではボール
かったら、たとえU-16のカテゴリーでも
をしっかりとらえること、強いボールを蹴
先へ進まずU-12での内容を行うことが必
要です。
るためには正確なフォームを身につけるこ
とを行いたいと思います。そして技術の正
一言にフィニッシュと言っても、大変多
くの要素が含まれていますが、ここでは大
確さを身につけるためには回数多く反復す
ることが重要になります。特にU-12年代
きく2つに分けて考えてみたいと思います。
は反復して身体で覚えていくことが必要な
1つは周りの状況を観て的確な判断をす
ることです。「状況を観る」と一言で言っ
年代でもあります。
最近、われわれコーチはトレーニングの
ていますが、その状況もゴールの位置、
GKや相手守備者の状況、味方の状況、と
オーガナイズにとらわれるあまり、数多く
蹴らせることを忘れてはいないでしょう
多くの情報を得ることが必要になります。
か。われわれはもう一度自分のトレーニン
38
第29回全日本少年サッカー大会より © Jリーグフォト㈱
ウォーミングアップ ボールリフティング
①
②
③
ルール
キーファクター
・1グループ 5∼6人
(1)①ワンバウンドリフティング
②リフティング
(2)5∼6人でボール2個。手で持って動きながらコミュニケーションがと
れたときに、ボールを投げてパス交換を行う
(レベルによってはワン
バウンドでもよい)。
③2人でインステップのパス交換(2回交換)
①②足首を動かしての細かいリフティングや、ボールが手前に回転
するリフティングではなく、ボールの中心を足の甲でしっかりとら
えて、ボールが回転しないリフティングを行う。
③ボールを観て、ボールの中心をとらえる。
キックの当たる部位をしっかり固定する。
トレーニング1:ボールをとらえる
ルール
・長いパスを受けた選手は、近くにいる選手にショートパスをする。ショートパスを受ける選手は、逆サ
イドにグラウンダーでシュートをする。
・長短どちらもパスをした後は、コーンのラインまで下がってから次のプレーを行う。
キーファクター
●ボールをしっかりとらえる ●足首の固定
●軸足の位置と柔軟性 ●プレーの連続性
トレーニング2:シューティング
トレーニング3:2対1
GK
GK
ルール
・ボールを持ち出して正面にいるプレーヤーと壁パスを行いシュートを
狙う。
(お互いに動きの中でパス交換をする)
キーファクター
●動きのある中での正確で強いシュート
●リバウンドの意識
●ファーストタッチ(1タッチでシュートでもよい)
ルール
・攻撃者は1回リターンパスを行い、攻撃をスタート
・オフサイドあり
キーファクター
●数的優位の中で確実なシュートチャンスをつくる
(判断・コミュニケーション・正確な技術の発揮)
●プレッシャーのある中での正確なシュート ●リバウンドの意識
トレーニング4:ゲーム(4対4+GK)
オーガナイズ
広さ:ダブルボックス
39
J F A
P H Y S I C A L
F I T N E S S
P R O J E C T
JFAフィジカルフィットネスプロジェクト
期分け(ピリオダイゼーション)
の考え方①
菅野淳(JFAフィジカルフィットネスプロジェクト)
© Jリーグフォト㈱
ョンで試合に臨むために、トレーニングの量や強度、頻度などを段
期分け(ピリオダイゼーション)の考え方
階的に進めるように周期(サイクル)をつくり、トレーニングする
トレーニングを計画的に進める上で重要になるのは期分け(ピリ
ことです。表1に示す通り、トレーニング計画を行う上で、マクロ
サイクル、メゾサイクル、ミクロサイクル、ミオサイクルという大
オダイゼーション)の考え方です。期分けは、目的を明確にしてト
レーニングを進めるためにはとても大切です。毎日のトレーニング
きく4つのサイクルが考えられます。期分けはトレーニングの負荷
を調節することによって、ストレスに適応し、パフォーマンスの向
を行き当たりばったりにしないためにも、目的を明確にしながらト
上が期待できるシステムです。また、選手個人およびチームにおい
レーニングを進めましょう(図1)
。
期分けとは、別名「周期化トレーニング」または「サイクルトレ
ても、そのピークに向けてパフォーマンスの低下、オーバートレー
ニング、極度の疲労などが起こるのを避けながらコンディションを
ーニング」とも呼ばれ、来るインシーズンに向けて良いコンディシ
最高レベルにまで高めることが可能です(表1)
。
40
J F A
P H Y S I C A L
F I T N E S S
P R O J E C T
マクロサイクル
ミクロサイクル
マクロサイクルとは、年間または全体的なトレーニング期間のこ
ミクロサイクルは、1週間単位でトレーニングを組み立てること
とです。Jリーグのように年間通じた長丁場の場合は1年をマクロサ
です。リーグ戦は1週間に1試合の割合が多いので、インシーズンな
イクルとして考えられます。また、高校サッカーのようにインター
ハイ(全国高校総体)と高校選手権という大きな大会が年間2つあ
らば週末に向けてどのようにコンディションをつくっていくかを逆
算しながら、トレーニング負荷を調節していきます。インシーズン
る場合は、1年間に2つのマクロサイクルがあると考えられます。1
シーズンをどのように期分けするかはそれぞれの指導者の考え方に
でなくとも、オーバートレーニングにならないように、疲労を蓄積
させずに、常に回復させながらトレーニングするという点において
よりますが、サッカーでは一般的に3つのシーズン、すなわちオフ
シーズン(一般的準備期)
、プレシーズン(専門的準備期)
、そして
は、週に1日は必ず休養日を設けながら、1週間単位でトレーニング
を組み立てるのが望ましいといえます(表4)
。
インシーズン(試合期)に分けて考えられます(表2)
。
表4 ミクロサイクル
ミクロサイクルの考え方は、
1週間単位でトレーニングを組み立てること
メゾサイクル
ミオサイクル
メゾサイクルとは、マクロサイクルによって分けられたそれぞれ
のシーズンのトレーニング期間と考えてよいでしょう。トレーニン
ミオサイクルは、1日のトレーニングの流れをつくることです。1
日に1回のトレーニングならば、ウォームアップからクールダウン
グの原則に過負荷の原則があります。人間はある一定の負荷を与え
ると、初めはちょうどよい負荷ですが、次第にその負荷に慣れてし
までトレーニング負荷を考えながら進めていくことが大切です。ま
た、1日に午前と午後に2回トレーニングを行う場合などは、それぞ
まい、そのままの負荷でトレーニングを続けても、トレーニング効
れのトレーニングの量と強度を調節しながら行い、特に午前と午後
果が期待できなくなってきます。このように、トレーニング負荷の
変動に対して表れる生体レベルでの順応変化に応じて負荷(量と強
の間の食事と休養をしっかりとり入れながら、効率良く進めなけれ
ばいけません(図2)
。
度)を変えていくことが大切で、その期間は与える負荷などによっ
て個人差がありますが、3∼10週間単位で考えられます(表3)
。
図2 ミオサイクル
心
拍
数
︵
拍
/
分
︶
ミオサイクルの考え方は、
1日のトレーニングの流れをつくること。
41
スポーツの社会科学
サッカー文化論
スポーツと
政治を
めぐって
−日本と朝鮮半島の
サッカー交流史から考える−②
中塚義実(筑波大学附属高校教諭)
本に定住していた在日朝鮮人の方々です。
東アジアサッカー選手権大会2005
(日本代表vsDPR KOREA代表)より© Jリーグフォト㈱
当時の韓国スポーツ界にとって、在日朝鮮
則によって、両チームがお互いに行き来す
る、ホーム・アンド・アウェイで試合をす
1945(昭和20)年、長く続いた大戦が終
人の援助は不可欠でした。1954年の日韓戦
実現にも、彼らが大きな役割を果たすこと
ることになっているのですが。
李承晩 それは、だめだ。日本人たちをわ
わりました。敗戦国日本はアメリカの占領
下に置かれ(※)
、その影響を強く受けなが
になります。
最大の関門は、当時の李承晩大統領の反
が領土に入れることはできないから、2試合
ら、戦後の新しい社会を築き上げていくこ
とになりました。
日感情でした。大統領は、日本選手団が韓
国に来ることはもちろん、韓国選手団が日
日韓初の対戦−
1954年の日韓戦をめぐって
一方、朝鮮半島は、36年間にわたる日本
本に行くことも強硬に反対していました。
の支配から解放されました。しかしそこに
は、日本の代わりに、北緯38度線を挟んで
日韓戦の実現のために動いた在日朝鮮人た
ちは、李承晩大統領が最も信頼する、大韓
北側にソ連軍(当時)
、南側にアメリカ軍が
進駐し、全土に軍政が敷かれました。1948
体育会の李起鵬会長を説得します。「ワール
ドカップの予選に参加することによって、
(昭和23)年の韓国政府樹立によって分断国
韓国が日本社会に与えるイメージはお金で
家への道を歩み始めた朝鮮半島は、1950
(昭和25)年6月25日、北朝鮮の部隊が38度
は代えられませんよ」。この言葉が決め手と
なり、李起鵬会長は日韓戦実現へ向けて同
ともすべて、日本でするようにしろ。
李起鵬 はい、わかりました。
こうして、韓国が日本へ来て2試合行うこ
とで、日韓初の対戦が実現したのです。
出国にあたって、李裕 監督は、大統領
から「行ってもいいが、責任は取れ。もし
負けたら、玄界灘にそのまま身を投げろ」
とまで言われたといいます。それだけ大き
なプレッシャーのかかる中で行われた試合
線を越えて南側へ侵入したことにより戦争
状態に突入します。同じ民族が、イデオロ
意し、大統領を説得します。
は、競技というよりも“戦争”と言えるも
のだったかもしれません。
ギーの違いがもとで憎しみ合い、殺りくし
李起鵬 われわれが日本に勝てる確実な分
試合は、第1戦が5-1、第2戦が2-2の引き分
けで、韓国の本大会初出場が決まりました。
合う恐ろしい戦争が始まりました。丸3年続
いたこの戦争で、多くの人命が奪われ、家
野があります。
李承晩 それは何だ。
試合の模様はラジオを通して韓国にも中継さ
れました。
「あのときは、ラジオの中継を聞
族が離散し、朝鮮半島は南北に分断しまし
た。1953(昭和28)年に休戦調停がなされ、
李起鵬 サッカーです。ほかのことはとも
かく、サッカーだけは確実に日本に勝つこ
かない人はいなかったでしょう。ラジオのな
現在に至ります。
とができます。
い人は、ある人の家に集まったりしていまし
たから。日本に勝ったときは非常に盛り上が
1954(昭和29)年FIFAワールドカップ・
スイス大会のアジア地区予選は、このよう
李承晩 間違いないか。
李起鵬 間違いありません。解放以前から
りました。中心街では夜通し酒を飲んだりし
てね。大変だったですよ」と、当時の韓国国
な時期に行われました。アジアからの唯一
の出場枠をめぐって対戦したのが日本と韓
われわれのサッカーは、いつも日本より優
れていました。在日本大韓体育会の面々も、
内の様子が紹介されています。
国で、これが代表チームとしての初の対戦
となりました。
わがチームの出場を強く望んでおります。
わが選手たちが日本の地で、日本人に勝て
1948年(ロンドン)と1952(昭和27)年
ば、わが在日同胞の士気はどれだけ上がる
(ヘルシンキ)のオリンピックに、韓国は選
手団を派遣します。いずれも日本に立ち寄
ことでしょうか。
李承晩 う∼ん、わかった。じゃあ出場し
ってから欧州へ向かいましたが、このとき
選手団をさまざまな形で支援したのが、日
よう。
李起鵬 それで…。国際サッカー連盟の規
42
2試合にわたる熱戦が終わった後、日韓両
国選手の懇親会が催されました。そのとき、
あいさつに立った韓国チームのコーチは、ス
ピーチの中でこう語りました。
「私が何より
うれしかったのは、後輩の加納君が見事に上
達したことです」
。このときのコーチは早稲
田大学の元主将であり、加納孝氏はかつて同
じ釜の飯を食べた仲間だったのです。また、
第13回
クラブづくりを考えよう!
∼クラブとはレベルに応じた
「競い合い」環境を提供できる
組織づくり∼
第29回全日本少年サッカー大会より© Jリーグフォト㈱
水上博司(日本大学助教授)
合わせた競い合いの環境(活動)をそれぞ
クラブづくりとは、同じ年代のプレーヤ
チームとクラブ。これからはこの2つの
れのレベルに応じて提供できることです。
サッカーには勝敗があります。11人で
ーを年齢や技術レベルだけでチーム分けす
るのではないということです。たとえば、
言葉をはっきり分けてスポーツ指導を考え
ることが大切です。クラブは複数のチーム
構成されるチームは同じ11人で構成され
るチームと競い合うことで勝敗を決めま
練習に参加できる日が週に1回しかないプ
レーヤーでも、5回のプレーヤーでも、ま
から構成される組織です。1軍、2軍のチ
す。この勝敗があらかじめ判かっているよ
た、秋から冬にはサッカー、春から夏には
ームの集まりや中学生チーム、高校生チー
ムの集まりで考えればよろしいのですが、
うな不平等は受け入れられないことです。
誰もが「ゲームをやってみなければわから
水泳にチャレンジしているプレーヤーで
も、テニスをやってきていて、サッカーに
なかなかチームの集まりが「クラブ」と言
うことには、私たちは慣れていませんし、
ない」「チャレンジする価値ある相手」と
競い合うようなハラハラする環境をつくる
初めてトライしようとするプレーヤーで
も、チーム分けができるような競い合い環
そういう組織の中で過ごしてきた人はごく
ことがコーチの役割です。
境を準備できることでもあるのです。
少数です。今回はこれからのクラブづくり
では、具体的にいったいどんなチームの集
クラブづくりとは、クラブに所属するプ
レーヤーが集団(チーム)としても、個人
こうなるとさまざまな活動ニーズに合わ
せた場所とコーチを確保しなければならな
まりを構想すればよいのかを理解したいと
思います。
としても、競い合いの環境が質の上でも量
の上でも整えられて、それらをプレーヤー
いことは言うまでもありません。サッカー
だけではなく、陸上競技や水泳、バレーボ
チームは対戦する相手チームに勝つため
のレベルに応じて選択できる組織づくりを
ールやバスケットボール、テニスやバドミ
意味します。
ントン、登山やキャンプなどの活動でもプ
レーヤー(クラブ会員)たちにニーズがあ
1. チームの集まりが「クラブ」
のプレイヤーとコーチが集められて集団の
結束力を高めていくことができる利点があ
ります。一方、クラブは一つのチームの勝
利を目標にするだけではなく、複数のチー
2.複数種目の
「競い合い」環境
れば、それらの活動種目の「競い合い」
「チャレンジ」環境を準備できること、こ
ムやそのチームに所属する個人の目標の達
このためにコーチたちは、複数のチーム
成を目指そうという運営に利点がありま
す。つまり、クラブが各々のチームと個々
を組織して、プレーヤーの発育発達や技術
レベルに合わせて指導をする必要がありま
わが国のスポーツ指導は、発育発達や技
術レベルに合わせて複数のコーチでチーム
人のプレーヤーの競い合いの多様な質と競
い合う機会の量(数)を提供できる運営を
す。その多くは小学生から高校生までの同
じ年代の区分でチームを組織することはで
ティーチングができる能力を高めてきまし
た。とくに日本サッカーの普及は、小学生
目指すことです。ここでの競い合いの質と
量は、技能・技術と運動能力・体力の差に
きますが、クラブづくりにおいて配慮すべ
きことはそれだけではありません。
から高校生の発育急進期において、備える
べき基礎スキル獲得のための指導方針がコ
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れがクラブづくりでもあります。
∼サッカーをもっと楽しむために∼
ーチに十分に認知されてきたからでもあり
ます。しかも、それらを小学生から高校生
の施設やコーチ、クラブの全体を統括する
マネージャーや運営経費、多くの支援者
他の競技種目で競い合う仲間がいるからで
はないでしょうか。つまり、「一つのクラ
までの学校期で分断させることなく、一貫
(ボランティア)や支援団体・組織が必要
ブ」内にいろいろな種目や技術水準で競い
指導できるような理念を持つことを受け入
てきました。クラブづくりはこの指導方針
になることは言うまでもありません。クラ
ブづくりでは、クラブマネージャーの雇用
合っている仲間がいるからではないでしょ
うか。スポーツマンシップという道徳的態
と理念をサッカーという種目を超えて複数
種目のさまざまな競い合い環境へ応用して
やグラウンドの確保、独自のリーグ戦運営、
事業助成金の申請、地域社会貢献活動など
度や精神は、運動の得意不得意ではなくて
も、スポーツの好き嫌いではなくても、互
いくことでもあります。
が具体的な運営内容になってくるのです。
いに仲間たち(クラブメンバー)に対して
そういうことをしながら、コーチたちは
「一つのクラブ」内で量的にも、質的にも
敬意を持つことです。日本のスポーツ集団、
たとえば、代表的スポーツ集団の学校運動
競い合いはともすれば、スポーツの楽し
「競い合い」の環境を準備して優秀なプレ
ーヤーを育てることと、自分たちがより指
部のような組織は、「一つの運動部」内で
はさまざまな競い合いの機会をそぎ落とし
みや爽快感を排除してしまうのではないか
導しやすい、練習しやすい環境づくりへつ
て、運動部員をできるだけ単純明快な競い
と思われます。競い合うことで仲間を差別
したり、下手なプレーヤーをののしったり、
ながっていくことを考え、現実的な課題の
解決に取り組みます。この取り組みが草の
合いの質に統一することをしてきました。
つまり、クラブではなくチームづくりです。
コーチを批判したり、仲間同士が反目し合
ったりすることへの警戒は根強くありま
根のスポーツ愛好者の拡大や活動を支えて
くれる多くの支援者の拡大にもつながって
このことが逆にプレーヤーの他者性(他者
に対する思いやり)を未熟なものにして、
す。こういう事態に遭遇するのは、多くは
いくのです。
自己中心的で人間的な幅の狭いスポーツマ
3. 楽しさが「競い合い」の
中にある
「1クラブ1チーム」のような競い合いの質
と量が極端に限定された集団に見られるの
ではないでしょうか。この集団では競い合
いの質がある特定の目標や方針に限られて
5. スポーツマンシップを
育てる
「競い合い」では勝つためならアンフェ
ンシップを育ててきたと思ってもおかしく
ないと考えます。
6. 終わりに
いるため、はじめからその競い合いの質
(チームの目標)やコーチの求める方針に
アなプレイやシミュレーションを許すもの
では決してありません。スポーツにおける
今、全国の市区町村で推進されている総
合型地域スポーツクラブは、筆者が上述し
プレーヤーが合わせなければならないから
競い合いには、勝敗を決するためのチーム
た「競い合い」という視点は、あまり歓迎
です。クラブづくりは、さまざまな質の競
い合いを量的にできるだけ多く準備してお
や相手が存在します。もちろん自分自身と
の競い合いというケースもあります。そう
されるものではなかったように思います。
どちらかといえば競争的環境は、クラブや
いて、プレーヤーが自分のレベルに応じた
環境でプレーし、競い合いの中にあるスポ
した競い合いは相手チームや他者に対する
敬意の感情を持つことを前提としていま
地域への帰属意識を希薄なものにしてしま
うという警戒があります。
ーツの楽しさや達成感を体感することがで
す。また、そのこと以上に自分自身が成長
きる可能性を追求します。ここで言う競い
合いは、スポーツの楽しみや爽快感、有能
できるのは、競い合う仲間のおかげなのだ、
という道徳的態度を育てることでもありま
機能は、仲間や地域を分断するようなもの
ではなく、クラブや地域への帰属意識の重
感や達成感の質を高めて、その上で生涯を
通じてクラブへの帰属意識を持てることに
す。クラブはこの意味の人間的成長ができ
ること、言い換えればスポーツマンシップ
要な機能を併せ持っているはずです。言い
換えれば、スポーツの本質的な機能が十分
つながります。
を育てることです。スポーツマンシップは
に発揮できない環境のクラブづくりは、ク
競い合いのニーズが異なるさまざまなプレ
ーヤーが集まるからこそ育つのではないで
ラブや地域への帰属意識も十分に形成され
ないということです。
4.「競い合い」環境の
選択肢の拡大へ
スポーツが本質的に持つ「競争」という
しょうか。そこにはサッカーだけではなく、
スポーツのクラブづくりとは、スポーツ
の本質である競い合い(競争)の環境が
「一つのクラブ」内で、量的にも質的にも
準備されてプレーヤーたちがその環境の中
でプレーできる組織づくりのことです。な
ので、準備されている環境の選択肢が複数
あること、できればプレーヤーたちの希望
をかなえられるような選択肢が複数あるこ
と、このことがクラブ運営に求められます。
たとえば、クラブにすでに入会している小
学生の親でもクラブに入会して希望する環
境を選択肢の中から選べることができま
す。
こういう環境を準備するためには、自前
第5回全国シニア
(60歳以上)
サッカー大会より © AGC/JFAnews
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