鳥の歌

鳥の歌 カタロニア民謡 夜明けと輝くものを見ながら
鳥たちは空に羽ばたく。
夜の甘美に
歌い、
繊細な声で寿ぐ。
帝王の鷲はこう語った
「イエスさまは、ぼくたちを狩人から自由にし
よろこびをあたえてくださるために生まれられた。」
スズメはこう返事した。
「今日、クリスマスイブは
いちばん幸せな夜だよ。」
カワラヒワとマヒワもこうさえずります。
「なんてうれしいことでしょう!!」
リネットは歌います。
「おさなごはなんてかわいいんだろう!」
そしたら、ツグミがこう返します。
「死は覆いかくされ、今、わたしの命が始まるのよ!!」
ナイチンゲールがつづけた・・
「彼はおひさまよりかわいいし、
星よりかがやいているよ。」
赤い尾っぽのジョウビタキとジロノビタキは
おさなごと聖母をお祝いします。
ミソサザイは夢見ごこちに歌った
「主の栄光のために!!」
カナリアがつづきます。
「皆の音楽は偉大な宇宙の歌みたいだね。」
いま、ヒバリが口をはさみます。
「鳥たちよ! 夜明けを祝おうよ!」
クロ(黒)ウタ(歌)ドリがとくいの笛を吹きながら
聖母をおいわいするでしょう。
四十雀(しじゅうがら)は言ったよ。
「冬じゃない! でも夏でもない。
春だよ!!
一輪の花が生まれ、まわりいっぱいにただよって
大地ぜんぶを満たすのだよ。」
黒いシャコも歌います。
「仲間の鳥たちよ! 夜明けにいっしょに来るかい?
やすらぎの中に主と栄光に会うために・・」
(死の鳥)ウプパが歌いながらやってきて。
「夜は来たりぬ。もっとも偉大な王がやってきた。
小鳩と鳩が悲しくならない歌を歌って皆を幻惑する。」
キツツキとヒワ(鶸)bullfinches
よろこびを歌いながら果樹園を舞う
ウズラとカッコウはミサにくわわるために
遠く遠くから飛んできた。
ヤマウズラは歌いました。
「ぼくはかごをつくりにいくよ、
マリアの腕にゆられるおさなごに会うために。」
カササギとツグミとカケスは声をそろえて
「うるわしい五月だよ。」
五色ヒワがそれに応えます。
「木々が緑に、枝という枝には花がさきほこり、
まるで春のようだよ。」
ヒワは笛を吹きます。
「幸あれ! 今日と明日に!
マリアの腕のなかでうつくしく輝く
ダイヤモンドにあえるのは
なんて幸せなんだろう。」
しかし、フクロウと小フクロウは日の出にであってしまって
さあ、森の巣にどう戻ったことか・・・
ミミズクと大ミミズクは嘆きます。
「わしたちにはまぶし過ぎて見ることができないのだ。」
西垣正信 訳